3Dプリンター奮闘記[44]日本純正3Dプリンターの動向/織田隆治

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僕は独立して12年になりますが、独立した頃は3DCGとCGアニメーション、映像制作が主だった訳です。

後は店舗内装や什器デザイン、ファサードのデザインを実制作に結びつけるような設計。そこで使用される映像の制作なんかを行ってきました。

が、ここ3年程の間で、かなり内容が変わってきました。どう変わったかと言うと、模型やフィギュアの制作が増えて来たんですね。


ちょうどその頃、コンシューマー向けの3Dプリンターが出始めたタイミングで、新しい物好きの僕は、資金を集めて導入したんです。

3Dプリンターを導入して半年くらいした時に、テレビのニュースやマスコミで3Dプリンターが取り上げられることが多くなり、そうこうしている間に、立体模型や造形の仕事がどんどんと増えて来ました。

それまで、模型の制作もあったんですが、3Dプリンターのおかげで、僕の制作出来る範囲やスピード、精度も上がり、これまでの手作業での制作から考えると、かなり良いスピードで造形作業をこなせるようになってきています。

まあ、今現在、コンシューマー向けの3Dプリンターは、そのままではプロトタイピングにしか使えないような精度と表面ではあるんですが、この1〜2年の間の熱溶解型の3Dプリンターの進化はとても早く、僕が今使っている3年前の機種からすると、かなり世代違いは否めません。

これは、その頃に熱溶解型の3Dプリンターの特許切れが起こったことで、これまで開発が出来なかった色々なメーカーの熱溶解型のプリンターの開発、製造、販売ラッシュとなったわけです。

また、他の造形方法のプリンターもそんな状態になってきています。例えば、UV(紫外線)で硬化する液体樹脂を使ったプリンターや、その液体樹脂をレーザーによって硬化させる3Dの特許なども切れて来ています。

そこで、今年から来年にかけては、それらのタイプのプリンターの開発、製造ラッシュが始まることが、安易に想像できるんですね。

当然、重い腰を上げた日本のメーカーも、このタイプの3Dプリンターの開発に着手し、2〜3年後には日本製のUV硬化型のプリンターが出て来ます。

Stratasysや、3D Systemsの3Dプリンターには、日本のメーカーの部品等が数多く使われています。それらの部品を提供しているメーカーが、ここぞとばかりに開発を開始したわけで、ネットのニュースやプレリリース等で数多く発表されています。

日本純正の3Dプリンターの動向については、これから目が離せない状況になりそうです。

しかしながら、色々な発表を見た感想としては、どうやらコンシューマー向けのプリンターは二の次になっているようです。これは、やはり「工場での製造」「企業向け」に力を置いている、ということでしょうか。

残念ながら、その技術を応用した日本純正コンシューマー向けのプリンターは、もうちょっと遅れて出て来るんでしょうね。

僕みたいな超零細個人事業では、数百万、数千万もする3Dプリンターの導入はかなり難しいわけで、当面は色々な工夫をしながら、これまでの3Dプリンターを使って製造クオリティを上げて行くことになりそうです。

まあ、そういった工夫や知識の蓄積ってのが楽しかったりするんですけどね。

実際、僕がメインでバリバリ使っているのは、3年前に購入した3D SystemsのBFB 3D TOUCHなんですけど、まだまだ現役です。使い方の工夫で、古い機械でも良いものが作れるような気がします。

しかしながら、やっぱり新しい3Dプリンターも試してみたいのが人情ってことで、近々新しい3Dプリンターを導入するつもりで情報を収集しています。

そこで、最近面白い3Dプリンターも見つけちゃいました。まだ詳細は明かせないんですが、このプリンターは良さそうです。

僕が発起人の一人でもある、大阪3Dプリンタービジネス研究会
< http://o3dprinter.com/ >

でも、繊維メーカーの方が来られており、新しい3Dプリンターの素材の開発がかなり早いピッチで行われているように聞いています。こういった素材の開発も、3Dプリンターの進化には、かなりのアドバンテージを持っているわけです。

熱溶解型の3Dプリンターは、これまで素材はPLAやABSがメインだったんですが、これからはPVA(ポリビニルアルコール)などの、水や温水で溶解するサポート材の重要度が上がってくるように思っています。

これまでは、ほとんどの熱溶解型の3Dプリンターは、強アルカリの水溶液等に浸してサポートを除去したり、無理矢理気味に剥がして、表面を磨く、といった作業が必要でした。

そのことが、3Dプリンターを使用して造形するハードルを上げているように思います。強アルカリなんかは、目に入ると失明なんかの可能性もありますし、PLAの研磨もかなり辛い作業です。

後は、このPVAのような素材が、どれだけ安定して供給されるのか、価格はどれくらい下がってくるのか、ということがポイントになってくると思われます。実際、3Dプリンターに使われる素材のABSやPLA等のフィラメント素材は、かなり安く提供されるようになりました。

同じように、UV硬化型のプリンターも、まだまだ素材自体が高価ではあるんですが、これから数年の進化で、一般的な価格になってくるかと思います。

というか、そうなってもらわないと、普及は難しいですね。今後の展開に期待したいところです。

さて、久しぶりに真面目に3Dプリンターについて書いてみましたが、ここでちょっと宣伝です。

来る10月11日(土)と12日(日)の2日間。大阪南港ATC ITM棟10階にて、関西発のメイカーズの祭典が開催されます。

「メイカーズバザール大阪」
会期:10月11日(土)〜12日(日)10:00〜17:00
会場:大阪南港ATC ITM棟10階 
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共催:大阪市 大阪デザイン振興プラザ ソフト産業プラザ
< http://makersbazaar.jp/ >

詳細は上記のリンク先を参照してください。
大阪3Dプリンタービジネス研究会も、協力しております。

色々なイベントや販売、セミナーもありますので、お近くの方や、ご興味のある方は是非! 入場無料です。

【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
oda@f-d-studio.jp
< http://www.f-d-studio.jp >