Otakuワールドへようこそ![197]8,500人の観客を一瞬だけ横取り
── GrowHair ──

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お集まりの皆さま、私を見に来てくださいましてありがとうございます!
イェーイ!
< http://www.geocities.jp/layerphotos/FigDGCR140919/GrowHair140913_0301 >

9月13日(日)、8,500人が集結する幕張メッセ・イベントホールにて、主役の座を横取り。BABYMETALのライブ開演前の一瞬。

狙ってたってわけではないのだけれども。会場に入れたのが、開演直前になってしまい、その時点で、イベントホールはほぼ満杯。我々の席だけが空席になっていた。


BGMにMetallicaの「Master of puppets」がかかっており、ちょうど流れ終わったタイミングで、何か不吉なもんが登場しそうなムードの中、Ladybeard氏と私が二階席に登場したもんだから、会場にどよめきが起きた。

その流れで、立ち上がってごあいさつを送ったら、拍手と歓声に迎えられたというわけである。これだけの人数がいると、ツイートの数もすごい。登場場面だけでもざっと40件。

・レディビアちゃんとセーラー服おじさん、客席にいる時も歓声湧いたもんね〜w 最初何事かと思ったわ。

・スタンドにセーラー服おじさんとレディビアードさんがいて、開演前に大歓声(笑) さすがアイドルだ!(笑)

・横上の指定席にセーラー服おじさんとツインテールでお馴染みの Ladybeardさんがいらっしゃった。席に着いた時にすごい盛り上がりで歓声上がるほど。

・セーラー服おじさんと上半身ビキニのチアおじさんが二人で開演前の会場を盛り上げてはった☆

・開演前、スタンドに2人の姿が見えたらそれで盛り上がったもんなーw

・BABYMETALを観に行ったはずが、Ladybeardとセーラー服おじさんという謎の最強タッグを見てしまった。

・セーラー服おじさんが… 金髪ロリ女装プロレスラーのレディービアード氏が自分の反対側のスタンド席にいて、なんか、ポーズして開演前に観客沸かしてた。

・今日のベビメタ開演前、いきなり拍手がおき、周りの視線の方向を辿ると、あのセーラー服おじさんとレディビアちゃんがいた。

・とりあえず開演前にテンションちょい上がった

・2人がスタンド席で立ち上がってポーズ取ったら会場全体が盛り上がってた

・ライブ会場にセーラー服おじさんがいてめちゃくちゃテンションあがった

・その一味らが、開演前にスタンドで立ち上がって会場全体から拍手されていたよww。スターのようだった。

・なんかみんなから拍手と歓声を受けてた。何でもありがあの会場。

・アリーナからでもすぐわかる! 会場の声援を受け、ビアちゃんが会場を更に煽ったので、会場内が温まりました。今日のライブの隠れた功労者です(笑)

・開演前に彼等のパフォーマンスで会場が沸きに沸いたww

・スタンドにいたセーラー服おじさんとレディビアードが立ち上がって会場全体から拍手喝采

・あの開演前の歓声はセーラー服おじさんとレディビアードか(笑)

・開演前にセーラー服おじさんとレディビアードがスタンドでアピールしてんのウケたw

・スタンドにレディビアちゃんとセーラー服おじさんいて、めっちゃ盛り上がってた

・まさかのレディビアードちゃんが来てて、開演前の会場大盛り上がりだったw セーラー服おじさんとお友達だったのw

・スタンド席でセーラー服おじさんと女装ヒゲ外人ことレディビアードさんが連番しててメッチャ湧き上がった

・開演前、女装外人とセーラー服おじさんがいてみんなから声援受けてた

・客席にセーラー服おじさんとレディベアード来てすでに大盛況なベビメタ開場前

・セーラー服おじさんもBABYMETALに来てたヽ(´ー`)ノ盛り上がる客席

・とりあえず、レディビアードとセーラー服おじさんがスタンドで盛り上がるという謎の現象\(^o^)/

・スタンド席の Leadybeard とセーラー服おじさんに会場中から歓声が上がってるw

・レディビアードとセーラー服おじさんがスタンドから手を振って沸く幕張

・レディービアードパイセンとセーラー服おじさんパイセンがスタンド席から煽って、観客大盛り上がり

・幕張、セーラー服おじさんがいて超盛り上がり( д )   ゚ ゚ !!!!!

・セーラー服おじさん降臨で沸く幕張メッセ #babymetal

・セーラー服おじさんの煽り。会場一気に盛り上がってきた。

・babymetal セーラー服おじさんとビキニお兄さんで盛り上がり

・開演前の突然の大盛り上がり、何かと思ったらセーラー服おじさん

・ベビメタの会場内、セーラー服おじさんに盛り上がるw

・セーラー服おじさんに大声援!

・スタンド席のセーラー服おじさんが観客を煽った!

・ベビメタのライブに、レディビアードとセーラー服おじさんきてる!!!大歓声!!

・このセーラー服のじいさんと水着の外人、かなり近い席に居た。開演前、この2人が席まで来た時に、会場が謎に盛り上がって、2人も立ち上がって声援に応えてたんだけど有名な人なのかな。

・おれはBABYMETALを観に行ったと思ったら、いつのまにかLadybeardとセーラー服おじさんを観ていた。頭がどうにかなりそうだった…

・今回のライブ振り返ると、開始前のセーラー服おじさんとレディビアードさんがインパクト強すぎてな・・・・・・

ライブの前後に会場の近辺で撮られた写真の数もすごくて、ツイッターにかなりの数が上がっているのをエゴサして拾い集めた。
< https://picasaweb.google.com/107971446412217280378/Live140913
>

●メタルなアイドル

BABYMETALは、2010年11月に結成した女性3人からなるアイドルグループで、「アイドルとメタルの融合」をテーマにしている。女子中学生限定のアイドルグループ「さくら学院」のクラブ活動ユニットとして派生した。

メンバー3人のうち2人は今も中学生で、「さくら学院」も掛け持ちしている。夏にはBABYMETALがレディー・ガガのアメリカ公演の前座を務めていたため、8月2日(土)、3日(日)のTokyo Idol Festivalでは、「さくら学院」としてのステージに2人は欠席している。

今回、私が行ったBABYMETALの公演は、もともと予定されていた日の前日にも開催されることになった追加公演である。

ファンクラブ(FC)に入っている友人であるO友氏が誘ってくれて、FC枠でチケットを入手してくれた。英会話Novaで知り合ったI黒さんの旦那さんである。

2013年1月26日(土)に、赤坂のホテルニューオータニで開かれた結婚披露宴の二次会に呼んでくれたので、私はセーラー服着て行って、にぎやかしてきている。以来、私の出演するトークライブなどにご夫婦でよく来てくれている。

Tokyo Idol Festivalには、去年、今年とO友氏に案内してもらっている。1970年代にはアイドル大好きだった私も、最近のアイドル事情にはちっともついていけていないので、いろいろと教えてもらっている。

女装界の黒船と言われているヒゲ女装オーストラリア人アイドル Ladybeard氏は、プロレスラーでもあり、ヘヴィメタシンガーでもある。メタラーどうしということで、BABYMETALを絶賛していたので、彼にも声をかけてみたところ、ぜひ行きたいという。

女装男性を専門に撮っている写真家の立花奈央子氏は、Ladybeard氏のマネージャ役を買って出ている。今回、この4人でライブに行った。

BABYMETALはこの若さでライブに8,500人集めちゃうというのがすごい。若いけど、歌唱力抜群で、しかも大熱唱してくれる。全力でがんばってる健気さがたいへん好ましい。動きも大きな振りで元気あふれる感じが伝わってくる。興行として、レベルが高い。

日本人には、小林一茶の「やせ蛙 負けるな一茶 ここにあり」の心が今も生きているとみえて、アイドルのファンたちは、みんなアイドルに優しい。今はまだ未完成であっても、暖かく見守って、みんなで育てていこう、の精神がある。

しかし、欧米で興行するとなると、この甘さが通用しない。芸が未熟なのに、大きなステージを踏むのは許してくれない厳しい目がある。1970年代、音楽でもスポーツでも学術でも文学でも、日本でトップのものならひょとしたら海外でもウケないだろうかとおずおずと出してみれば、箸にも棒にもかからなくて、大いなる挫折感を味わった。

それで「東洋一」なんて形容がよく使われた。欧米相手ではまるで勝負にならないから、土俵をひと回り小さくして相撲をとろう、と。みずから卑屈な姿勢をとることにより、かえって西洋コンプレックスがしっかりと植えつけられていた。

今は時代がすっかり変わった。音楽でもスポーツでも学術でも漫画・アニメでも、日本は世界を相手に堂々と渡り合っている。音楽においては、ヴィジュアル系がもう何年も前から海外ツアーを成功させているし、ここ2〜3年、アイドルも出て行けるようになってきた。

日本のマスコミは、海外で活躍する日本人への取材が手薄すぎて、活躍ぶりが国内に広く伝わっていないところが、実にじれったく、不満である。

BABYMETALは、歌もダンスもある程度の完成度を備えており、海外に出せるアイドルである。

幕張の公演の客層は、ぱっと見た感じ、ドルヲタ半分、メタラー半分といった感じであった。メタラーには、外国人もけっこういた。まあ、見かけの雰囲気からそう感じ取ったということであって、ちゃんと見分けられてるわけではないのだけれど。

「さくら学院」のライブは授業参観という設定なので、ファンを「父兄」と呼ぶ。「さくら学院」の父兄がBABYMETALにも流れてくるものと思っていたら、案外その割合は少ないようである。

BABYMETALの公演においては、バンドが生演奏し、それがもう神レベルなもんで、バンドとしてすごく聴きごたえがある。

アイドルのライブというと、定番の掛け声としてMIXというのがある。「タイガー、ファイヤー、サイバー、ファイバー、ダイバー、バイバー、ジャージャー!」ってやつ。ヲタ芸を打つ姿も、これまた定番である。

しかし、BABYMETAL の楽曲は、それ向きの作りにはなっていない。MIXやヲタ芸が出ないことをもって、ああやはりアイドルではなくて、メタルなんだなぁ、と思えた。

しかし、私を除くほとんど全員が曲をちゃんと知っていて、揃ったタイミングで掛け声が飛び、アクションが起きる。一階のアリーナ席は、人が水族館のマグロの群れのようにぐるぐる回ったり、モーゼの十戒のように二つに割れたり。

そういうところは、まあアイドルだ。観客は祭りとして盛り上がりたがっている。実力とノリを両方備えたステージで、いいものを見たというさわやかな後味が残った。今後も、特に海外方面で、ますます活躍してくれるといいなぁ。

●自己実現の委託代行業

しばらく前になるが、6月7日(土)、カラオケボックスに入ったら、AKB48の総選挙の結果発表を生中継していて、自分が歌うのも忘れてついつい見入っちゃった。

一位になった渡辺麻友は、159,854票獲得している。投票券の金額に換算して、ざっと2億円以上。たった一回のイベントで、たった一人がこれだけの売り上げをたたき出すのは、すごいことだと思う。

いちおう誤解のないように断っておくが、私は一般論として、アーティストのすごさを、その売り上げの多寡をもって測ろうという話をしているのではない。

そうではなくて、世の中全体として景気がかんばしくないと言われている中で、ここだけスポットライトが当たったみたいにジャックポット状態なのが、社会現象として、すごいんじゃないかってことである。

デフレ傾向にあって、多くの人はぜいたくを避け、安物に寄り集まる。音楽CDは売れ行きの低迷にそうとう苦しんでるみたいだし。居酒屋だって、美味くて高い高級志向の店はあんまりにぎわってなくて、コスト削減を究極まで追い求めたような、つまみが一皿270円均一のチェーン店などが繁盛している。

なぜAKBに対してだけは、アラブの石油成金みたいにほいほいお金をつぎ込んじゃうのだろうか。まあ、もともと、オタクを言われる人たちは、お金の使い方が変だという傾向はあった。惚れた弱みで、とことん貢いじゃう、みたいな。

アゲアゲのキャバクラ嬢にうっかり変な期待をもってしまったばっかりに、百戦錬磨の手練手管にひっかかり、たんまり巻き上げられたというのとはわけが違う。渡辺まゆゆに一番多く票を入れた者が、デート権を獲得して、個人的におつきあいしてもらえるってもんではないのである。そのストイックさは、高徳の僧侶にも勝るんじゃないかとさえ思える。

では、何なのか? 仮説だけど、AKBって、自己実現の委託代行業なのではなかろうか。

システム社会においては、ルーチンワークの業務はマニュアル化され、仕事を通じてはなかなか個性が発揮しづらいものである。多くの人は、システムに隷属する、代替可能な部品と化している。会社組織において、ある役割を負った者が、異動や退職で部署を離れれば、別の人に引き継がれるだけである。

余人をもってなすことのできない固有の仕事をして、それを通じて自己実現が達成できる人というのは、そうそう多くはない。

仕事で自己実現できないとなると、趣味の方面で何とかしようってことになる。

ところが、娯楽 産業もまたシステム化が行き届いている。私がこの前ディズニーランドに行ったのは、まだ京葉線ができる前のことで、地下鉄東西線の駅からだいぶん歩いたところからバスに乗って行った。シンデレラ城とスペースマウンテンが目玉だった。

ディズニーランドが楽しくないと言っているわけでは決してなく、存在意義を否定するものでもない。だいたい、よく知らないし。けど、そのサービス形態によって入場者が享受できるのは、払った金額に応じて、誰にも分け隔てなく均一なサービスが供されるという、受け身の娯楽なのではなかろうか。

ディズニーランドに行くこともまたシステムの部品化することに他ならず、それによって自己実現を図るというのは、なかなか難しいような気がする。

世の中には、システム化社会に過適応している人も多くいて、そういう人は、娯楽システムから均一なサービスを享受することによって、ちゃんと憂さ晴らしが成り立っている。

システムの部品になりきって働くことで給料をもらい、その一部を放出してシステムの部品として均一な娯楽を享受し、それで生活すべてが完結して、何の疑問も持たずに一生過ごすことが可能である。

およそ創造的な指向を持ち合わせず、それで満足できてしまう人が一定数いて、それはそれで健全なことであって、まあいいかと思う。

それでは飽き足らず、どこかで自己の固有性を主張したく、創造的な活動に駆り立てられた者は、絵を描く、小説を書く、楽曲を作る、などすればよいわけだが。

往々にしてそれはしんどい。ある程度は練習して、人様に見せられるくらいのレベルにならなければ、ただの自己満足で終わってしまうが、かといって、人を集めて発表できるようなレベルまでスキルを磨くのは、仕事の傍らではなかなか大変である。しかも、人からはなかなか評価されづらいし。

志はあっても、実際には挫折しやすい。もういいや。俺はあきらめた。けど、自己実現欲求のはけ口がどこにもないのでは、鬱憤がたまる。そうだ、託してしまおう。

この人に、と思う人に、ありったけのリソースをつぎ込んでしまおう。後は、君が僕の代わりに自己実現を達成するのを楽しみに見てるからね。と、それがAKBなんじゃないかと。どうでしょうか。

【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。
< http://www.growhair-jk.com/
>

「過去を引きずるくらいなら野菜でも引きずっておけ」の精神の下でトウモロコシやタワシを散歩させている紳士、長沼真彦氏と知り合って一年になる。

去年、池袋を散歩したけど私に会えなかったという長沼氏のツイートを見つけて、ならばこちらから会いに行きます、と、彼の出身校である埼玉県立所沢高校の学園祭「所高祭(とここうさい)」におじゃましてきたのであった。
< https://picasaweb.google.com/107971446412217280378/School130907
>

今年も行ってきた。9月6日(土)。西武池袋線西所沢駅から所沢高校に行く道は二つある。通常の通学路から線路を隔てた反対側の道は、少しだけ遠回り。少しでも長く一緒にいたいカップルのための道ってことで「恋人ロード」と呼ばれている。ロマンチックなこの道を一転、「変人ロード」に塗り替えたのはこの人たち。
< https://picasaweb.google.com/107971446412217280378/School140906
>

このコラムが配信される日、私はスペインに行っているはず。
「Japan Weekend Madrid」というイベント。
告知ページには、いきなりどーんと。私、イベントの目玉ですか?
< http://www.japanweekend.net/madrid/
>

スペインと言えば、フラメンコと闘牛。それ以外に知識ほぼゼロ。バルセロナとマドリッドの位置関係どころか、スペインとポルトガルの位置関係すら知らない。スペイン自体が地図上で指せないかも。左の先っちょのほうだよね?

フライトはイベント主催者が選んでくれた。こっちからは、ウクライナの上空を飛ぶやつは勘弁してください、とだけ希望を言っておいた。そしたら、アエロフロートロシア航空になった。「ウクライナの上は飛ばないのでどうぞご安心ください」と。

ところで、行って私は何するんでしょ? 聞いてたっけ? いろいろ心配だ。