[3771] 書き手の心、読み手の心

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《言葉を失うってこのことだわ》

■アナログステージ[121]
 書き手の心、読み手の心
 べちおサマンサ

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 若林健一 / kwaka1208


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■アナログステージ[121]
書き手の心、読み手の心

べちおサマンサ
< https://bn.dgcr.com/archives/20140930140200.html
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コンニチハ、デジクリきっての和の心担当(自己申告)のべちおです。今回、困ったことに、これといってネタがないんです。なので、オイラが毎月楽しみにしている『和樂(わらく)』をサラっとご紹介して終わりです。

かなり以前から存在していた雑誌のようですが、オイラが定期購読をするきっかけとなったのが、2014年の3月号で特集されていた、『千利休、何者ぞ?!』という見出しに釣られてからなので、まだ日は浅い。

いや、千利休に釣られたのではなく、書店でパラ読み(立ち読みの簡易行動)をしたときに、ちょうどハマっていた『横山大観』の特集も掲載されていたので、衝動買いしたのが始まり。

しっかりとした装丁に、「これでもか!」というくらいの素敵な写真とともに綴られる文章。大げさだけど、家に居ながら、美術館を愉しんでいるかのような時間を作ってくれる。写真がとにかく綺麗なので、読書をしているというより、その場に一緒に居て、お話を伺っているかのような錯覚も受ける。

大人の女性向けアイテムの広告が多いので、ジャンルとしては、婦人向けの雑誌なのかもしれない。普段は目障りになることが多い広告も、和樂(雑誌)の一部として、溶け込んでいるようなレイアウトになっているのもが多いので、男性には用がない化粧品の広告も、サラっと目を通してしまう。

しかし、特集の内容は常に濃く、毎号についてくるオマケ(別冊)が、オマケのレベルを脱していて、書店で普通に700円くらいで並んでいそうなオマケの仕上がりになっている。

とくに今月号(10月号)のオマケでついてくる『国宝仏像』の別冊は、仏像マニアさんは飛び跳ねて喜ぶほどの充実っぷり。そうだ、子どものころ、親に買ってもらっていた雑誌も、いろいろな付録がついてきて、喜んで工作したりしていたっけ。作ったのを学校に持っていって、先生に怒られたり。

話を少し戻して、オマケもそうだが、やはり和樂のいちばんの読みどころは、その大特集にある。読み進めていくうちに知りたくなることが、きちんと補足として記載されていたり、文中に書かれていなければ、絶対に知らなかったような細かいところまで、丁寧に綴られている。

世の雑誌で扱われている「特集」は、本質的な内容もなく、上辺だけさらった薄っぺらい、宣伝特集なものが殆どだけど、和樂で扱っている特集は、本当に「特集」だ。思うに、もっと細部まで拘って伝えたいが、紙面の都合で省略しているところもあるのでは? と、ついつい書き手の心を深読みしてしまう。

相手(読み手)から要求されるまえに、読む人の心(心境)を掴んでいるかのような心遣いも、『和』ならではの心配りと、好意的に解釈してしまう。

・和樂 小学館 | 美と知と心のハイライフマガジン:
< http://www.waraku-an.com/
>

小学館の宣伝をするつもりはありませんが、AppStoreやGoogle Playからでも購読ができるようになっているみたいです。でも、和樂は紙で読むのがイチバン! 傍に、抹茶ときんつば(阿闍梨餅でも可)を用意して、ゆっくりと『和』の世界を愉しんでみるもの、いかがでしょうか。あ。オイラは抹茶が苦手なので、ビールとおでん(焼き鳥でも可)にします。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp

NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。全国寺社巡りで、過去の懺悔道中をしております。
・Twitterはコチラ→< http://twitter.com/bachiosamansa
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・まとめはコチラ→< http://start.io/bachio
>

■□ 懺悔道中膝栗毛 ─ 二編 □■

連休に、福島県の会津方面へフラフラしてきました。7月にも、コッソリと隠密で遊びに行ってきたのですが、寺社巡りだけの目的で会津へ行くのは初。

母方の親戚が営んでいる、リゾートハウスが裏磐梯にあり、いつも拠点はここにしている。ビールでも食べ物でも、勝手に冷蔵庫を開けて我が家のよう飲み食いできるし、気疲れもしないし、広い部屋を気ままに使えるのはとにかく楽。

ということで、到着の2日目からスタートした寺社巡り、無計画の行き当たりばったりでしたが、かなり幸運に恵まれた寺社巡りで、会津をどっぷりと満喫。我が強運、ここにあれ(笑) 今回は福島県の会津からです。

・瑠璃光山 勝常寺(福島 河沼郡湯川村) ご本尊:薬師如来

国宝の薬師如来さまを拝観するには、事前予約が必要とのことで、予約もなにも、どこのお寺を廻るかすら決めておりませんでした。が! 勝常寺に到着したとき、二組のご夫婦(?)が参拝されていたのだが、どちらかのご夫婦が事前予約されていたようで、住職さまに「ご一緒にいかがですか?」と声を掛けられ、まさかの棚から牡丹餅。

恐ろしいほどのタイミングの良さに、「病気を患っているオイラに、薬師如来さまが声をかけてくれたんだ!」と、めちゃくちゃポジティブ。真っ暗な薬師堂の中に案内していただき、隙間から差し込む太陽の光で、辛うじて堂内を見渡せる明るさだ。なんでも、安全のため、薬師堂には電気を引いていないのだとか。

暗いお堂の中、住職さまが懐中電灯の灯りで、薬師如来さまの細部を説明してくださり、いままでの薬師如来さまとは違った面相でした。元々は、薬師如来さまの両脇侍として、日光菩薩さまと月光菩薩さま(いずれも国宝)の三体で安置されていたそうですが、日光菩薩さまと月光菩薩さまは、収蔵庫のほうへ安置されており、明るい室内にて、お顔を拝むことができます。

・金塔山 恵隆寺(福島 河沼郡会津坂下町) ご本尊:十一面千手観音菩薩

日本最大の千手観音さまで有名な立木観音。その名の通り、一本の木から彫った観音像の下は、まだ地の中に根を這っているそうです。さっそく観音堂の中へ入ってみると…… 二十八部衆の木像がずらりと並ぶのが目に入り、その横で、なにやら大きな足がチラりと見える。

そこで初めて顔を上へあげてみると、「ぐぇぇぇ! すげー! でけー! なにこれ?! うわ、これは立派とか、そんな次元の観音さまじゃないわ!」と心の中で大叫び。その圧倒的な存在感に、「言葉を失うって、このことだわ」と本当に涙目に。感動した。文章にできないので、機会があれば、ぜひとも実際に拝観してみてください。
つづく


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■Take IT Easy![30]
ひとにやさしいIT教室始めます

若林健一 / kwaka1208
< https://bn.dgcr.com/archives/20140930140100.html
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ひとにやさしいIT教室始めます。

いきなり告知になりますが、10月9日の夜、JR奈良駅近くのWomen’s Future Centerにて、スモールビジネス向けのWebとSNSの活用に関するセミナーを開催することになりました。

これまでも、ネットやITを限られた人だけでなく、より多くの方が「便利な道具」として使えるようにしたいと考え、「ひとにやさしいIT」をモットーに個人的ボランティアベースで相談に乗ったり、指導することはありましたが、今回は一般向けの有料セミナーとしての開催です。

ただひとつ葛藤があったのは、「有料のセミナーだと敷居が高くなってしまい、より多くの方が使えるようにするため、という目標と矛盾してしまうのでは?」ということ。

しかし、その一方で完全に無料ベースでやるのも限界がある。有料だからこそ教える側に責任が発生するし、教わる側も遠慮なく質問することができ、双方が本気になれることが良いのでは? と考えて、有料セミナーとしました。

第一回目は、スモールビジネス向けのWebとSNS活用をテーマに、ホームページとblogとSNSの役割分担をどのように考えるべきか? その役割分担をふまえて、どういった情報を掲載していけばいいのか?

ホームページやblogを開設するにあたっての選択肢(有料、無料など)とそれぞれのメリットデメリット、有料で開設する場合にどれぐらいの初期投資と維持費用が必要か? といった、多くの方が知りたいと思っていることに焦点を当てていきます。

例えば、車の運転ができるようになりたい方は、車で遠くへでかけることが目的であって、車を運転することが目的ではありません。ITの分野も同じで、ITを使うことが目的ではなく、「便利な道具」として使ってビジネスに役立てることが目標となるべき。

この視点で、個々のツールの操作方法ではなく、大きな視点で応用の効く内容でお話したいと思っています。

今回参加できない方向けに同じ内容で別日程を設けたり、Web/SNSだけでなく個人業務での活用方法、チームでの活用方法などを、専門用語を排してわかりやすく、より実践的な内容でお伝えさせていただくつもりですので、今後の活動にご期待ください!

ひとにやさしいIT教室 #1 ビジネスのためのWebとSNS活用(基礎編)
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【若林健一 / kwaka1208】 kwaka1208@pote2.net
Take IT Easy! - ひとにやさしいIT
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編集後記(09/30)

●「マーフィーの法則通りだ」と思ったことは、わが人生で数え切れないほどある。「失敗しそうだと思っていたら本当に失敗した」というのが、わたしの理解する「マーフィーの法則」である。レジの列に並ぶとき、ほぼ間違いなく法則通りになる。隣の列に並べばよかったと後悔する。だが、これはたんに観察力がないからだ。買い物プロの妻は絶対にはずさない。Wikipediaを見たら「失敗する余地があるなら、失敗する」がまず出てきたから、わたしの理解はほぼあっていた。わたしが会社をやめる頃に日本で流行している。フリーになることについて「失敗する余地があるなら」なんて、全然考えもしなかった。結果はビミョーなところだが。

Kindle版「マーフィー 成功者の50のルール」を、7月2日の99円セールで購入した(いまも83%OFFの200円だ)。「この『口ぐせ・思いぐせ』であなたの人生はうまくいく」がタイトルと並ぶ。仕事で成功したい、金持ちになりたい、いつまでも健康でありたい、なんてまったく考えていないのに、なぜ読もうかと思ったのか。AmazonからのDMに反応しただけだ。え? マーフィ博士って実在したんだ。世界を代表する成功哲学の大御所だって。この本は、脳科学や人間の行動学を専門とする科学者・佐藤富雄が、マーフィ理論はサイエンスですべて説明可能であるという結論のもと、翻訳そのままではなく、彼の解釈で再構成してわかりやすく解説している。

もちろん、最初はばかにしていたというか、よくある成功本、自己啓発本だろうと思っていた。大事なところは見出しをはじめ大きな文字になっているから、バーッと流して拾い読みして、それをつなげていくと、あら不思議、すっきりと理解できるではないか。全体は5章、50のルールで構成されている。それぞれのルールの内容はコンパクトで読みやすい。おお、12番目のルールは[「思い通りにならない」と思うから現実になる]だ。これは、「思い通りにならない」と思うから、そのとおりの現実が現れているだけ、なのだという。「私たちが意識に強く刻み込んだイメージは、自律神経を経由して体内に化学反応を起こし、それが実現する方向へと私たちを動かします」

「インプットされた情報が、その人にとってプラスなものであろうと、マイナスなものであろうと、自律神経系はすべてのあなたの『願望』と受け取り、忠実に現実化してしまいます」「不本意な現実を変えていく方法は一つ。それは、自分の意識内容を変える、すなわち自己像を変えることです」。今の状態がどうであれ、自分に対するイメージを前向きで心地よいもの(「でも絶対にうまくいく」「これから必ずよくなる」など)に変換できれば、現実はあとからついてくるという。にわかに信じがたいが、これが「意識が現実化する」法則、サイエンスなのだ。これ、おもしろい。読んで納得。信じる者は救われる。若い頃に出会いたい本だった。今からでも遅くない?(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B007SRJDBA/dgcrcom-22/
>
Kindle版「マーフィー 成功者の50のルール」
50のルールがここに掲載されている。気になったら200円で。


●薬師如来の実物……運命だと思います! 和樂の表紙といえば鈴木京香に檀れいというイメージだったわ。/若林さんのセミナーを大阪でもやって欲しい〜。

健康診断の結果をここに書いたら、べちおさんに寺社巡りをすすめられた。すすめられたのが嬉しかった。遠出はなかなかできそうにないので、近所をまわるというのはどうだろうと考えた。お寺や神社多いの。

「天王寺七坂」もあって、普通に通っていたが、制覇はしていないので他の坂も使ってみようと思う。でもほんと普通の坂なのよ……。

・真言坂
かつて坂付近のお寺がすべて真言宗だったから。

・源聖寺坂
日本橋方面に行く時に使う。坂の上は「夫婦善哉」の舞台らしいが、物語そのものは読んだことはない。

・口縄坂
織田作之助の石碑あり。くちなわ(蛇)に似ているところからついたのだそう。

・愛染坂
「愛染かつら」の愛染堂勝鬘院から。しかしこれまた読んでいない。

・清水坂
緩やからしい。新清水寺境内からの景色が良く、がけから流れ出る玉出の滝は、大阪唯一の滝とか。

・天神坂
安居神社には真田幸村戦死の碑がある。流水路もあるそうな。

・逢坂
逢坂の関という説と、聖徳太子と物部守屋の二人が信じる方法を比べ合わせた「合法四会」に近いとかの説があるらしい。舗装されてて由緒ある坂とは知らなかったわ。(hammer.mule)

< https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1457582737811035&id=1410091919226784
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和樂の表紙にドラえもん。でもどこがドラえもんなのか教えてドラえもん!

< http://www.city.osaka.lg.jp/tennoji/page/0000000496.html
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天王寺七坂。区役所のサイトで写真が大きい。

< http://www.ueroku-wake.net/special/nanasaka/
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天王寺七坂。スタンプラリーの案内

< http://ja.wikipedia.org/wiki/天王寺七坂
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学園坂を加えて天王寺八坂とも呼ばれる。そうそう学園坂の方が坂らしい

< http://www.osakacommunity.jp/tennoji/kanbora/guide-course.html
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ボランティアガイドのコース。このあたりが近辺の観光地なのね

< http://www.osakacommunity.jp/tennoji/index.html
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てんのうじ観光ボランティアガイド協議会

< http://m2college.net/fes3/
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まにフェス。3Fは無料。4Fは有料・予約制。
「iPhoneアプリ開発の新言語『Swift』ってこんなの(仮)」
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