[3788] 美術らしさとは──

投稿:  著者:


《現代美術界の敗北。なのかな。。》

■武&山根の展覧会レビュー
 美術らしさとは──
 【ミシェル・ゴンドリーの世界一周/東京都現代美術館】展を観て
 武 盾一郎&山根康弘

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■武&山根の展覧会レビュー
美術らしさとは──
【ミシェル・ゴンドリーの世界一周/東京都現代美術館】展を観て

武 盾一郎&山根康弘
< https://bn.dgcr.com/archives/20141024140100.html
>
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武:こんばんは〜。

山:こんばんは。あー、Googleドキュメントやっとまともに動いた。。

武:大丈夫か? Mac OS 10.4だもんな。まあ俺のマックも10.4だけどw このGoogleドキュメント・チャットはWindows7のノートでやってるから。

山:古すぎていろいろ対応できない!

武:それは困った。

山:一応はできるけど。なんかグーグル変わった?

武:変わったかもね。じゃあスカイプにするか? スカイプからもチャット送
った。

山:お、スマホの方にきてるわ。ってか、スカイプもうちのPCではもう無理なんよね。サポート終了メールがきたぞ。

武:PCでスカイプできないのか。アイチャットはすでにできなくなっている。てことは、このGoogleドキュメント共有が山根のPCで動かなくなったら、自動的に武と山根のデジクリチャットが終了するってことじゃないかw

山:さすがに買いますけどね。そうなったら。

武:MacダメならiPhoneでできないのかな? あ、iPhoneじゃないのか、、、

山:アンドロイドですわ。

武:アンドロイドでキーボードをマックで使ってるのにできないの?

山:は? どういう意味?

武:アンドロイドでGoogleドキュメント開いてチャットするの。そっちの方がサクサク動かない?

山:打ちにくい。

武:PCで使ってるキーボード繋げられないのか? アンドロイドをモニターとして使うっていう。

山:繋げられんやろ。

武:できそうだけどなー。これか?

< http://usupro.blog41.fc2.com/blog-entry-419.html
>

“「1Keyboard」を使えば、Macに接続されているキーボードとマウスをiOSやAndroidに共有できます。”とな。

山:へー。まあええよ、そのうちマックブックか何か買うから。こないだも買おっかなと思って池袋のビックカメラ行ってんけど、気づいたらB1Fにいて、ワイン、ウイスキー、焼酎と、、何故か酒を大量購入していた。

武:そこまで行って酒かよ!

山:「ビックカメラは酒屋」という認識らしい。ってかね、今までPCって譲り受け続けてきたので、まともに新しいの買ったことないんですよ。

武:だけど新しくするとアプリケーションなくなっちゃうからな。

山:それは困る。最低でもエクセルは必要なんよなー、僕は。

武:要らねえだろ、エクセル。

山:いるんですよ。書類出すから。

武:ああそうか、俺も使うわw けどGoogleにエクセルあるじゃん。

山:そうねえ。ま、なんとかなるやろ。

武:買う気ないだろw

山:話が前に進まないので進めますけどね、今回は以前から気になっていた展示に行こうと決めていたので、はりきって行ってきたんですよ。武さんが忙しくて観に行けないってことやったんで、ちゃんと観てこようと。

武:はい。展示があってね、準備がまだ終わってなくて。3つあるんですよ。

山:そしたらやね、、、ぜんぜん期待外れやったんですよ!!!

武:まあ、それは残念。

山:それで、これではしょうがない、チャットにならなさそうやなと思ったんで、そのあと上野の北斎展に行ってみたんです。

武:おお。でも山根、北斎展行くのすんごい渋ってたじゃないですか。

山:渋ってへんよ。ただ、いまめっちゃ観たい! って感じやなかっただけで。で、上野の森美術館に向かったらですね、もう、長蛇の列。ハンパやない。

武:北斎が?

山:そう。そういえばちょっと前に10万人突破、とかニュースあったな。

武:そんなに人気だったのか! まあ、そりゃそうか。

山:なので、北斎は諦めました。

武:なんだよw で、どうしたの?

山:有楽町に移動して呑んで帰った。

武:わはは。そんだけかい。

山:なので、チャットするネタがない。

武:展示に言及できることはなかったんかい。

山:膨らませられる自信がない。だからチャットのネタがない。

武:そうか、チャットのネタがないのか!

山:どうしましょうか。

武:ごめん、トイレ。

山:なんでやねん!

武:戻りました。お腹こわしたのかな。急に寒くなったからか。

山:しらんがな。でもこのままではしょうがないので、とりあえず展覧会の報告はして、そっからなんか話そう。なんか出てくるかも知らん。そんな気がしてきた。

武:そうですね。

山:東京都現代美術館、「ミシェル・ゴンドリーの世界一周」展です!

< http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/michelgondry.html
>

●【ミシェル・ゴンドリーの世界一周/東京都現代美術館】を観て

武:期待はずれといえば、昔も都現代美術館で期待はずれだった展示レビューしてたね。マルレーネ・デュマスだっけか。

< https://bn.dgcr.com/archives/20070516140200.html
>

山:おお、デュマス懐かしい。

武:デュマス知らなかったけど、今回のミシェル・ゴンドリーも知らないなあ。作品は観たことあるのかもしれないけど。

山:映画監督、MV制作、映像作家ですね。ある時知り合いに教えてもらって、すごい! と思て、そっからちょくちょく観てますね。

武:これか! ケミカルブラザーズ。曲はよく聴くし好きだけど、PV観た事なかったわ。

<
>

山:これもおもろいよな。エフェクトを実写にしてまう、という。

武:まとめがある。

< http://matome.naver.jp/odai/2133714085583442001
>

山:DVD持ってたなー。いまないけど。

武:面白いなあ! ちょっとナンセンスなんだね。

山:そうやね、すごいくだらないっちゃくだらないことを、おもいっきりやり
きる。

武:ビョークのもそうなのかな。

<
>

山:そうやね。フランス人なんやな。

< http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC
>

武:曲は知ってるけど映像知らないってことが多いな。。あ、これなら観た事ある! カイリー・ミノーグ。面白いね!

<
>

●隣の祭りは大盛況

山:映画も観てたし興味あったんで、いったいどんな展示になってるんやろと思って観に行ったんやけどね。ちょうどその日は隣の木場公園で江東区のお祭りやってて。

武:「地元のお祭り」ってやつかいな。

山:それがまた、すごい人やったんですよ。こんなに集まるもんかい、っちゅうくらい。で、美術館入るとめっちゃ空いてる。まずこのギャップになんとも言えない感じがした。お祭りに来た人がトイレにくるんですね。公園のトイレより全然きれいやからな。

武:美術館は美術館としてよりも、地元の祭りのトイレとして機能してたんかw

山:そうなんですよ。まあ、都の施設なのでそれはいいんですが。で、展示なんやけど。

武:ほい。

山:今回の展示には映画作りのワークショップがあったんですが、半日かけてやらなくてはならないものやったので、それはやめた。僕はもうちょっと、サクッと参加できるものやと思ってたんやけど、けっこうがっつりやらなあかんかったみたいで。「ホームムービー・ファクトリー」か。

武:要するに「普通にちゃんとしたワークショップ」ってことだったわけかw

山:僕としてはちょっと触りたい、ぐらいで良かったんですが。隣のお祭りでは、ラケットにボールのせて走ってる子どもやおっちゃんが、サクッと参加してるのに!

武:なんだろな、サクッとできるようなものじゃあないんだろうな、映像を作るってのは。ひとつのギミックをピックアップして、その効果だけを楽しむって感じのがあれば良かったのかね。

山:そんなほうが参加はしやすいやろな。

武:けど、映像って流れだからなあ。例えば、カイリー・ミノーグの映像って最初の方だけじゃ面白くなくて徐々にカオスになっていく。ひとつのテクニック紹介しただけじゃゴンドリーの世界にならないもんな。
山:実際、参加してる人たちの打ち合わせみたいなところに遭遇したけど、きっちりとやってる感じでした。

武:偶然こうなりましたって作り方じゃないからね。がっつりワークショップに参加しないと面白くない展示なんだろうなあ。

山:ゴンドリー自身が考案した映画制作メソッドらしい。

武:なるほど。それはちょっと興味そそるね。

山:半日は考えてなかったから無理。

武:ワークショップに参加しなくても展示物はあったわけでしょ?

山:その映画制作のためのセットがあるんですよ。それは見れるから、そこで勝手にワークショップと関係なく遊ぶ。

武:まあそれだけだったらどこかの公園で写真撮ってもいいわなw

山:でもちゃんとしたセットやから、それはそれで面白いよ。友達の子どもと行ったので、一緒に写真撮ったりして。

武:ふむ。あとはどんな感じの展示なんすか。

●インスタレーション「Around the World in 19 Videos」が微妙

山:迷路みたいになってる壁にモニターが並んでて、ヘッドホン借りて観ていくんやけど、これがまたわかりにくい。「Around the Worldin 19 Videos」。

武:アーカイブはどうせYouTubeで観れちゃうから、見せ方に変化をつけたかったんだろうかね。

山:10秒ぐらいで映像が切り替わるんですよ。続きを観るなら隣のモニターに動かなきゃならない。つまり19作品ちゃんと観ようとしたら、19周することになる。

武:それで「世界一周」なのか。

山:あ、そういうことか。19周しませんでしたけど。観てられん。

武:ふむ。再構築が面白くなかった、と。

山:いやー、あれどういうことなんかよくわからない。導線確保のために、ってことなのか?? ガラガラやったんで、そんな意味もないけど。

武:多分、作品をそのまま並べてもつまらないからねえw

山:そうかな。作品ちゃんと観れたほうがいい気がするぞ。そもそもカオスな作品ならそれもありかもやけど、ちゃんとストーリーある映像やからねえ。再構成、って感じでもない。

武:映像作品って「展示どうするか問題」ってあるよなあ。

山:でも基本は「映像を見せる」ってことやろうし。見にくかったらわからんやんか。

武:そうだね。たぶん「作品は一通りみんな知っている」っていう前提での展示なんじゃないのかな? 俺知らなかったけど。

山:でも有名な作家の展示で、みんな知ってるからって、絵を逆さまに見せたりはしない。

武:けど、そういうコンセプトはありだとは思う。世界的名画の「天地逆転展」とか。お、なんか観てみたいぞwww

山:それはそれで確かにおもろい。でもそれはそういうコンセプトやろうに。

武:つまり、ゴンドリーの展示ではなくって、「ゴンドリーの映像を素材としたインスタレーション」であった、と。そしてそのインスタレーションが面白くなかった、と。そういうことになるんかな。

山:コンセプトがあるインスタレーション作品、って印象ではなかったな。あ、どうやらこれもゴンドリー考案のインスタレーションらしい。

武:そうなんか。だけど、そうするとだよ、セットは面白かったわけだし、ワークショップは半日もあるんだから、参加したら何か充実感はあるだろう。てことは、「Around the World in 19 Videos」だけが面白くなかったってことになるんじゃないのかな?

山:確かにセットそのものは面白かったよ。でもあくまでも「セット」やし。ワークショップも参加ありきやから、参加してないとしょうがない。

あと、他にももう1セクションあったけど、それも正直ピンとこなかった。ほんとにファンの人なら良かったかもしらんが。なんか、美術の展示を観たって感じがなかったんよね。美術館に来たのに。

●美術らしさとは?

武:あー、なるほど。そうすると、「美術の展示」って何か? ってことになるわなあ。

山:そうやな。

武:おっ、なんかデジクリチャットらしくなってきた。それって「美術らしさ」なのかも知れないなあって思うんですよ。

山:ああ、そうか。結局、僕も10代のころからずっといろんな展示を観てきて、その「美術らしさ」というものが植え付けられてるとは思う。だから、どうしてもそこに慣れ親しみを感じてしまうっていうのはあるよな。

武:でさ、アーティスト活動としては、その「美術らしさ」ってのが古臭く感じてさ、なんつか、どうにかして壊したい、みたいな時期があって頑張ってみたりするんさよね。

で、また時が経って、ふと周りを見てみると、今のアートってほとんど「美術らしさ」なんて駆逐されてるんですよ。そんなんだから、今度はどこかに「美術らしさ」を探してしまう、ってのはあるんかもなあ。

山:僕はもう今はアーティスト活動はしてないので、フラットに観れるようにはなったように思ってはいるんやけど、実際には全然フラットではないのかもしらん。

武:「美術らしさ」って結局、「男らしさ」みたいなもので、一旦は否定したりするんだけど、最終的に原風景に帰っていくってところあるんじゃないのかな。

山:自分が美術から離れ、いや、美術の業界から離れて、そうすると現金なもんで、美術の必要性ってあまり感じなくなったりする。だけど、やっぱり美術は存在していてほしい、僕は知らないけど、みたいな妙な感情になったりもする。

武:美術つっても「現代美術」の場所に居たからね。世に言う「アート」って99%が「現代美術」ではないんですよw

山:ああ。そういうのもあるか。

武:現代アート業界でまとまってるところもあるからね。ってどこも同じかwある種の業界閉鎖性があって、その業界の中の人たちだけで回ってるから、外に出ちゃうと全く関係なくなるんだろうね。

山:嫌いになったわけではないんやけどな。

武:人が全然いなかったって言ってたじゃないですか。

山:はい。日曜日やったけど、ガラガラ。

武:でさ、アニメからめた展示やれば満員になるじゃんw

山:都現美はジブリとかやるよね。

武:そうそう。でね、北斎って「美術らしい」よね。てことは「美術らしいアート」はお客を呼ぶんだよ。

山:実際にはガラガラのほうが観やすいねんけどな。

武:「美術らしくない現代アート」ってキツいんだろうね。けど、「美術らしく」なくてもアニメは大丈夫なんだよ。現代美術の敗北。というか、現代美術界の敗北。なのかな。。

山:でも国立近美は面白い展示多い気がするが。美術を考えてるって感じする
もん。

武:現代じゃなくて近代は「美術らしい」んですよ。

山:近美は近代の展示ばっかりしてるわけではないやん。

●映像とインスタレーション

武:映像ってさ、横トリも映像多かったんだけど、なんつかな、苦手なんすよ、
俺は。

山:ビルビオラ面白かったやん。森美術館。

< https://bn.dgcr.com/archives/20061108140200.html
>

武:そうなんだけど、動画ってさ、パソコンかスマホで観れば充分ですよ。基本的に。ごくごく希にインスタレーションとして成立する作品もあるだろうけど、それはごくわずかだよ。

例えば、ミュージックビデオ、PVはそもそもTVで観るために作られてたわけでしょ。今はPCかスマホで観るために作られていて、インスタレーションにする場合はどうしても取ってつけたようになりそうじゃないですか。よっぽど上手く料理すれば別だけど。

山:ああ、ビルビオラ、スマホで観たいとは思わんな。なんでやろ。

武:そもそもインスタレーションとして作ってるからでしょう。他に例えば、マイケルジャクソンの「This is it」は劇場で観るために作られてると思うな。スマホ向けじゃなく。けどまあひょっとしたらブルーレイを売るためかも知らんがw

山:ふむ。

武:パソコンかスマホでしか見る必要のない映像を、どう美術館で展示するかってのは難しい。けど、それ考えるのは面白そうだな。

山:インスタレーションとして展示やらないと映像はキツい、ってのはあるか。そりゃそうか。動画みるだけやったらどこでもいいか。

武:その点、絵と彫刻はもうちょっと自立してる感じはするな。物質だからか。

山:そうやな。物やな。

武:てことは「美術らしさ」って「物質」を観たいってことじゃないのかな?

山:あ、、そうなんか。

武:物質、フェティッシュ。それが「美術らしさ」の元なんかもね。

山:そこなんかな。

武:それは「保守的」かもしれないけどね。

山:保守的なのかどうなのかはよくわかんないけど、物質のある「美術」がほっと出来る場所だったりすることはあるかも。あと結局、物質を扱う時って、周りの空間を大事にする感覚ってあるじゃないですか。

武:あるある。

山:だから空間感もあるんだよね。映像そのものは物質じゃないけど、空間的なことは感じたい。それも自分が馴れ親しんでる「美術らしさ」でしかないんやろうけど。

武:なるほど、言いたいことはすっごく分かるよ。


【ミシェル・ゴンドリーの世界一周/東京都現代美術館】
< http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/michelgondry.html
>

会期:9月27日(土)〜2015年1月4日(日)
休館日:月曜日(11月3日、11月24日は開館)、10月14日、11月4日、11月25日
年始年末休館:12月28日〜2015年1月1日
開館時間:10:00〜18:00 ※入場は閉館の30分前まで
観覧料:一般1,000円、大学生・専門学校生/65歳以上800円、中高生600円、
小学生以下無料

【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/牛乳配達しながら制作してます】
facebookページ < http://www.facebook.com/junichiro.take
>
Twitter < http://twitter.com/Take_J
>
take.junichiro@gmail.com

新たに発足したコラボレーションユニット『ガブリエルガブリエラ』の展示です
【ガブリエルガブリエラ第1話コレクション】
『塔の上のヴァイオリン弾き ─ ダニエルの物語 ─』

会場:代官山・アートラッシュ『箱庭』展
会期:2014年10月29日(水)〜11月10日(月)
時間:11:30〜20:00(最終月曜日17:00まで)火曜定休
< http://d.hatena.ne.jp/Take_J/20141017/1413503603
>

去年に引き続き今年も参加させて頂くトンド展
【2014年「トンドの夢想家達」展 vol.2】
会場:ギャラリー オル・テール

会期:2014年11月1日(土)、7日(金)、8日(土)、14日(金)、15日(土)、21日(金)、22日(土)、28日(金)、全8日間
*金曜・土曜のみの開場
時間:13:00〜19:30
< http://d.hatena.ne.jp/Take_J/20141010/1413503603
>

地元のカフェでのマルシェ
【第三回・山小屋水曜マルシェ】

会場:アウトドアカフェ山小屋
会期:2014年10月29日(水)11:00〜15:00
< http://d.hatena.ne.jp/Take_J/20141001/1413503603
>

【山根康弘(やまね やすひろ)/出張ばかり】
yamane.yasuhiro@gmail.com


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編集後記(10/24)

●文藝春秋11月号の、近藤誠「健康診断が私たちを不幸にする 「健康長寿」医者も薬も信じるな」を読んだ。わたしは“近藤教”の信者ではないが、この人がズケズケ言うことの内容は面白いのでかなり好きだ。今回の記事は「要するに、健診とその後の医療介入には、人の健康を損ない、寿命を短くする影響が確実にあり、プラス面はなにひとつ見いだせない」という、以前から唱えている説でとくに新味はない。欧米では、とか、データによれば、とかいくつか出てくるが、自身の持論に合致するデータだけ引っ張ってきて例示しているような気がする。学術論文ではないから、詳しい出典を明示せよとまでは言わないが、なんとなく信用できない。

近藤医師は、医療界の問題として以下を挙げる。(1)テンプラ医者(白衣を着て立派に見えるが、知識や能力が足りず、安価な天丼のエビのように中味が貧弱)(2)製薬会社の介入(3)厚労省の思惑(4)日本の人口構造。この指摘は興味深い。テンプラ医者の典型的な診療方法は検査好きとクスリ漬け。問診や視触診で病気を診断する自信がないため画像に頼ろうとする。そして処方されるクスリの数が多い。厚労省の思惑とはこうだ。医療に関して現状維持をはかり、あわよくば勢力を拡大したい。健診受診者が増えれば自然と病人が増え、医療費の増大と業界の繁栄につながる。天下り先の確保にもなる。

日本の人口は減少に転じた。このままにしておいては病人が減る。そこで厚労省や医療業界は健診を奨励して、病人を生み出し、医療費のパイを維持・増大させようと企んでいる。一方で、医者の数は今後も増大するので、このままではパイの分け前は減るばかりだ。医者にとっては、健診で病人をふやせるかどうかが死活問題になっているという。わたしは無料のメタボ健診しか受けない。オプションはつけない。結果を見た医師は、悪玉コレステロールの数値が高いから薬を飲んだ方がいいとアドバイスしてくれたが放置している。ほかには特に問題はないというから、同年齢の仲間内で「病気自慢」ができない。

近藤医師は、一にも二にも、自分の体を信頼することだ力説する。自身の検査値は、そのときの年齢や環境などの状況に応じて、なんらかの必要があって体が調節した結果である。たとえばクスリ(「薬」ではなく「クスリ」と表記するのはなぜ?)で血圧を下げるのは、精妙な調節機構に無謀にも挑戦する仕業なので、体調が悪くなったりボケたりするのだという。受け入れたい説である。検査やクスリから離れて健康長寿を達成するには、食を見直しイキイキとした生活を送ることだと、意外に平凡すぎることを言う。よく頭をつかい、体を動かす生活がよろしい、と。やってますがな。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000640QLI/dgcrcom-22/
>
文藝春秋11月号


●『ミシェル・ゴンドリーの世界一周』。あれもこれもミシェル・ゴンドリーだったのね。/『ガブリエルガブリエラ』めっちゃいい〜! トンド展も〜!

小柳奈穂子さんのインタビュー第三回目続き。

「現場には、『そこは、なあなあで、込み込みで、ね』といった、日本的なチームワークが、今も息づいて」いて「維持のためにすごく構造改革をしているかと言うと、そんな気配も別に濃くない」。「なくさないために効率を追求するというより、その時々で、ゆらゆらとやっていきましょう、という感じ」。「『日本人の感覚』で成り立っているところが、タカラヅカ100年の計」。

「スターシステムが、システマチックに稼働しているかのようで、年功序列なんだか、現場主義のようなんだか、全体が何か明文化されてないシステムで回っている」し「歌や踊りといった技術をすごく尊びながら、実はそれらの成績が上位でなかったりする生徒が、大きな人気を得て、輝いたりする世界」

「お客様も『今回の公演は、あそこがイヤ』とか、文句を言いながら足を運んでくださる」。「下手なはずのものがうまく見えたり、すばらしいはずのものがつまらなく見えたり、絶対にだめであろうものが、それなりにうまくいったりと、何だかよく分からない」

「一年間に20本を軽く超える新作を上演」「どんなにヒットした作品でも、ロングランはナシ」「作品論だの何だの言っていても、回していくことができなければ何の意味もない」

「どうしても原理主義、作品主義になりがちで、初日に作品が完成してないと絶対にだめだ、みたいに自分を追い込んでしまう」けれど、「初日を開けられたらよし、それでうまく回ればなおよし、評判がよければさらによし」と考えられるようになった。

「阪神・淡路大震災の時に自宅が倒壊しても、『公演があるから行かなくちゃ』と、ガレキの中から劇場に駆けつけた生徒がいました。宝塚大劇場もダメージを受けて、公演どころではなかったのですが、関係者には『舞台は回してナンボ』という意識が普通に染みついています。」(hammer.mule)