クリエイター手抜きプロジェクト[405]書籍編  長期にわたってWeb関係の本を書いているとどうなるか/古籏一浩

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先週の土曜日(10/25)に「jQuery+jQuery UI+jQuery Mobile逆引きハンドブック」本が発売されました。

・jQuery+jQuery UI+jQuery Mobile逆引きハンドブック
< http://www.amazon.co.jp/dp/486354149X >

これで56冊目くらいになります。56冊目くらいと書いたのは、出版された順番になっているわけでなく、原稿を書き上げた時点での冊数になっているためです。ちなみに何冊目なのかはプロフィールの所に記載してあります。もしかしたら、奇特なコレクターがいて全部揃えるかもしれないので(と勝手に思っているだけですが)。


ちなみに、この本はもともと一冊の本として出版される予定でしたが、出版社の都合と私の都合とページ数の都合で、三冊に分けて出版されることになりました。最初の一冊はすでに2012年9月に発売されています。

< ・JavaScript逆引きハンドブック
http://www.amazon.co.jp/dp/4863541082 >

残りの一冊は来年出版される予定です。三冊そろって相互に逆引きができるのが理想でしたが、現状ではそれはできていません。まあ、最後の一冊が出ていないからですが。

「jQuery+jQuery UI+jQuery Mobile逆引きハンドブック」は残りの一冊の本と相互に逆引きできないと、いまいち使い勝手が悪くなります。最後の一冊が出て増刷がかかるようなら、相互に逆引きできるようになるかもしれません。

ちなみに、この本の企画は2011年のものですので、最後の一冊が出るまでに三年以上かかることになります。Web業界において三年という期間はあまりに長く、三年であれよあれよという間に使われる技術やトレンドが変わってしまいました。

Web業界はドッグイヤーというほど流れが早く、一年前の技術でも陳腐化していることも珍しくはありません。それでも長期間にわたって使われる技術もあります。JavaScriptやjQueryも該当します。これらは、簡単には古びないので、多少時間かけて書いても大丈夫という安心感はあります。

しかし、実際に書いてみたら、そんなにあまくありませんでした。最初の「JavaScript逆引きハンドブック」は企画から一年程度で出版できたので、トレンドや最新技術からひどくずれてしまうことはありませんでした。(書名は「JavaScript逆引きハンドブック」ですが実際には「JavaScript+HTML5逆引きハンドブック」といったところ)

「jQuery+jQuery UI+jQuery Mobile逆引きハンドブック」は大変でした。通常はjQueryで一冊、jQuery UIで一冊、jQuery Mobileで一冊という感じで出版されるのですが、この本はお得感を出すために全部まとめて一冊。つまり三倍の手間がかかるということになります。

まず、jQuery自体がどんどんバージョンアップされてしまうため、それに対応するだけで時間がかかりました。当初はjQueryバージョン1.6.4で、これに対応したバージョンの原稿を書いていました(最終的には2.1.1)。

しかし、今回のjQuery本では他にもjQuery UIとjQuery Mobileにも対応しなければいけません。これらも別々にバージョンアップされていくため、三つのライブラリに逐次対応していく必要があります。

例えば、jQuery 1.6.4では正式な命令だったのが、次のバージョンでは廃止されたことです。執筆中には、このようなことが頻繁にありました。

特にjQuery Mobileは大変でした。jQuery Mobileのバージョンアップのたびに仕様が変更されるため、サンプルプログラムもバージョンごとに書き換えないといけませんでした。また、jQueryを土台にしているため、jQueryで変更があるとjQuery Mobileにも影響が及びます。

頑張って対応させたにもかかわらず、業界のトレンドはあれよあれよと変わっていきました。一年ほど前から作成されるWebアプリケーションではBackbone.jsやAngularJSが使われるようになり、jQueryはトレンドからは少しずつ外れていきました。

企画をたてた三年前はjQuery必須だったのが、中規模〜大規模開発ではjQueryを使うと問題があるので、使用しない方向に変わっていきました。これはjQueryに依存するとセキュリティの問題や不具合が発生した場合、jQueryのバージョンアップを待たなければならず、すぐに対応できないからです。jQueryに依存しないフレームワークなら、すぐに対応させられます。

あまりjQueryに依存しなくてもよくなった理由としては、Webブラウザの標準化が進んだことがあげられます。特にIEは他のブラウザとは異なる命令を使用していたり、動作が異なっていたりと、問題多発で開発のネックとなっていました。

jQueryはIEに対応するために便利だったのが、標準化されてしまえばあまり必要ではないということです(これは本の最初にも、さっくりと書いてあります)。

また、三年前と比べて格段にスマートフォンが使われる割合が高くなったということもあります。パソコンと比べてスマートフォンでは、より新しい技術を使用できる(HTML5+CSS3+JavaScriptに対応)状態になっています。

パソコンなら古いIEが消えるまで三〜五年待たなければいけないのが、スマートフォンなら今すぐに最新技術を使うことができます。また、データ通信量の節約という面からしても、jQuery+jQuery Mobileを使わない方がよいというのもあります(CDNでキャッシュが有効に機能するなら、また違いますが)。

Web関連の書籍は時間勝負なので、少なくとも企画から一年以内に出版しないと大変だというのが実感です。紙ではなく電子書籍なら素早く出版できるのでは? という人もいるかもしれませんが、書く側で時間かかるので、思ったほど早くは出版できないものです。

一番いいのは企画を考えて一か月以内に全部原稿を書いてしまうことです。が、これはよほど勉強して技術をあげておかないと難しいでしょう。結局のところ、ひたすら勉強あるのみ、ということです(本当は勉強したくないけど...)。


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
< http://www.openspc2.org/ >

と書いてみたものの、年齢を重ねると地域関係の役とかいろいろで時間がとれなくなってくるというオチが待ってました。特に地元の田舎だと20〜40代の人口が少ないので60代(団塊の世代)なら一生に一度しか回ってこない(もしくは永久に回ってこない)役が、40代になると3回くらい回ってきたりします。

20代だとさらに回数が多くなり、役も多くなります。20代だと60代の10倍以上の役などの負担が大きくなる感じです(地元の人口比の場合。20代より80代以上が4倍以上いる^_^;)。

・jQuery+jQuery UI+jQuery Mobile逆引きハンドブック
< http://www.amazon.co.jp/dp/486354149X >

・データビジュアライゼーションのためのD3.js徹底入門
< http://www.amazon.co.jp/dp/4797368861 >

・D3.js例文辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/D3.js/ >

・ExtendScript Toolkit(ESTK)基本編
< http://www.amazon.co.jp/dp/B00JUBQKKY/ >

・Egison言語 例文辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/Egison/3.3.2/ >

・4K/ハイビジョン映像素材集
< http://www.openspc2.org/HDTV/ >

・JavaScript逆引きハンドブック
< http://www.amazon.co.jp/dp/4863541082 >

・Adobe JavaScriptリファレンス
< http://www.amazon.co.jp/dp/4844395955 >

・Nexus 7(アンドロイドタブレット)使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/Android/Nexus7/ >

・クリエイター手抜きプロジェクト
< http://www.openspc2.org/projectX/ >

・Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集
< https://www.ddc.co.jp/estore/cgi/item/start.cgi?m=DetailViewer&record_id=243 >
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