ネタを訪ねて三万歩[117]Adobe Illustrator本のリメイクと錆同好会/海津ヨシノリ

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いつもデジクリの原稿は締切りよりだいぶ前にアップするようにしていたのですが、今回は本当に前日ギリギリになって一時間で書き上げました。もう完全に忘れていました。言い訳がましいですが、忘れてしまった要因はふたつありました。


●Adobe Illustrator本のリメイク

ひとつは10年ほど前に執筆したAdobe Illustrator本のリメイクの話が持ち上がり、その内容に関してチェックと整合性の検証に没頭していました。今回は本格的な著書としては初の電子出版なので、とても緊張します。

また、最新バージョンでの確認はしていますが、基本的にはAbobe CSからCCまで使える内容を固持しています。そんな古いネタは要らないと思われるかも知れません。

しかし、10年ほど学校で教える立場に関わっていた経験で言うと、便利になればなるほど学生のアイデアが薄っぺらくなっているように感じていました。つまり、Adobe Illustratorの仕組みを理解しないまま、結果だけが一人歩きしてしまっているような危機感を抱いたということです。

本の内容はAbobe CS以降であれば使えるテクニックを再整理しています。少々大袈裟ですが、この仕組みさえ理解できれば応用にも繋がりますし、なにより最新環境で作り込むときのベース作りも、効果的に進めることができるのではないでしょうか。

そんなわけで、古い環境と最新環境(正確には少し前の環境)との狭間で、頭の中がパニックになっていました。

実際、私は自分が10年前に執筆したテクニックの一部を、完全に忘れていたことに気が付きました。学生から見せて貰ったある参考書の中に、とてもいいテクニックが記載されていて、思わず学生に「これはいいね〜」と言ったことがありましたが、なんと、それは私が10年前に著書で公開していたネタでした。

本人が忘れちゃダメですね。これからは過去の著書にも定期的に目を通すようにしたいと猛省しました。しかし、考えてみると基本的なテクニックというモノは、ほとんど何も変わっていないわけです。

そうなると、ソフトウェアは最新版である必要はなくなるのですが、ハードウェアの寿命や関連会社とのデータ共有などを考えると、そうも言っていられません。特にWeb関連なら最新のCC環境は必修でしょう。

ただし、DreamweaverやFlashは大きな環境変更が行われており、いまだに好きになれません。ですから、まだまだ私はCS6環境を使っています。いや、授業でCCを使っているのが正直辛いです。

とにかくCCでの必修とは、IllustratorやPhotoshopのことです。特にPhotoshopのリンク配置、レイヤーカンプ、アセット書き出しだけのためにCCにアップデートする必要があるとさえ感じています。

さて、本に話を戻すと、10年前はWindows環境での執筆でしたが、今回はMac環境での執筆にシフトしています。そのため、当然ながらキャプチャー画像の再撮影が必要となり、膨大な数に翻弄されていました。

問題は元データです。実は一年ぐらい前に、過去のCD-RやDVD-Rのバックアップメディアのデータをハードディスクに退避したのですが、その中から見付けることができずにプチパニック。

結局、その時に発見されなかったメディアに元データは含まれていました。ですから、このバックアップCD-Rを見つけ出すのが大変な作業でした。そして探し当てたのにエラーの連続で読めないモノがあり、再作成したデータもありました。

ところが、数日後に再度CD-Rを読み込んでみると何事もなかったようにきれいに読み込むことが出来るなど、本当に何が何だかわからないの連続でした。

そして、問題がひとつ発生しました。私は著書の各章末にコラムを執筆することを心掛けていましたが、さすがに10年前のコラムを修正して掲載するのは気がひけます。

電子出版ということもあり、思い切ってカットすべきか、担当者と協議中です。10年前を振り返って、という切り口なら面白いかも知れませんね。どちらにしても、他にも色々とアイデアはあるのですが、なかなか執筆にまでは進んでいないのが実情です。来年は少しばかり執筆系にシフトしてみようかとも考えていますが、どうなることやら……。

●錆同好会

そして、デジクリを忘れてしまったもう一つの要因はFB(facebook)でした。気まぐれ(実は少々意図的)でアップした、錆びた金属辺の写真が発端で「錆同好会」というグループを作って盛り上がってしまったことです。

あまりにもマニアック過ぎるので、錆などに興味を持っている人などいないと思っていたのですが、どうも違うのではないかという思いを夏頃から持っていました。

それは前回のネタになったプラモデル作りです。スケール系のAFV(Armored Fighting Vehicleとは、攻撃武装・防御用装甲板のある戦闘用車両)では錆や煤の表現は必要不可欠です。これらの表現ができなければ作れないと言っても過言ではありません。

塗料やパステルで色々と試行錯誤するわけですが、最近は非金属でも塗るだけで自然に錆を生成するような塗料まで出ています。

つまり、錆に敏感な人が意外といるのではと感じていたのです。Photoshopでも錆表現というテクニックも出て来ます。錆は案外人気者なのではないかと思っています。

ところで、鉄が錆びる基本的に赤さびなのに、どうして錆は「金」と「青」なのでしょう。それは鉄器よりも銅器が先に発達したからだと思います。銅錆は緑青ですからね。

更に、マンホールが大好きな人達のグループにも参加していたことも見逃せません。あれは基本的に錆びているモノばかりだからです。そう考えてみると、このグループを結成するために、知らず知らずに私は情報収集していたのかもしれません。

あくまでも結果論ですが、そんなことを思い浮かべながら、11月16日の16時45分にオープンさせることが出来ました。さらに面白い事に、私一人では管理しきれませんので、管理人は数名の方にお願いしたのですが、なんと誰一人面識のない人ばかりでした。ネットならではですね。

実際にお会いした方が素晴らしいとは限りませんから、普段の関わりの中で余計な先入観を入れずに判断した結果は正しかったと感じています。

ところで、個人的な感覚で言うと錆とは嫌われ者ですが、考えてみればしっかり仕事をしている結果が錆ではないかと。

もちろん錆びて貰っては困る場所もあるわけですが、どんなモノも劣化するという意味では、金属も静かに年齢を重ねてイイ味わいを出してくれていると感じています。そこで密かに錆の写真を色々撮り溜めていました。

先の写真はその中の選りすぐりだったわけです。プチ作戦は見事に成功し、とうとうグループまで出来てしまいました。出来てしまうと後は、良い意味で勝手に暴走してくれますからね。グループが錆びつかないように邁進していきたいと思います。非公開グループですが、同好の方がいましたら遠慮なく参加して下さい。

◎今月のお気に入りミュージックと映画

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[Daydream Believer]by Monkees in 1967(U.S.A)
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邦題:デイドリームまたはデイドリーム・ビリーバー。ビートルズの対抗馬として、アメリカでオーディションによって結成されたグループです。そのため色々と揶揄されていましたが、音楽性は高く、ジワジワとファンが増えていたように記憶しています。

とにかく、2年ほど続いたTV番組「ザ・モンキーズ・ショー」の影響はかなりあったのではないでしょうか。中盤以降に哲学的なイメージなど、どちらかというとメッセージ性が強かったビートルズに対して、モンキーズはアイドル的な存在を終始固持していたように感じています。

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[ゴジラVSキングギドラ]by 大森一樹 in 1991(日本)
(予告編)< >

先月17日に永眠された中川安奈さんの演じる、23世紀の地球均等環境会議穏健派メンバーとしてタイムスリップしてきたエミー・カノー役の、鮮烈な印象が私の記憶の中に焼き付いていました。

作品自体も良くできており、ゴジラ映画の中ではトップクラスだと感じています。実は、劇場でゴジラ仲間と盛り上がったことを思い出しました。当時、ゴジラ映画鑑賞会というメンバーで毎回映画館に通っていたのです。ハリウッド版もいいけれど、やはり東宝にもう一度ゴジラを復活させて欲しいですね。

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/
怪しいお菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
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10年ほど程前に執筆した「タブレット+Photoshop Elementsお絵かき・工作教室」という著書の中で紹介する手作りグッズのために、100円ショップに随分通いました。最近はプラモデル作りのための材料の仕入れに通い始めています。

一番のお気に入りは「おゆまる」という粘土です。プラスチック系の粘土で80度以上のお湯に浸すと柔らかくなるので、型どりしたいモノに押しつけて雌型を作成してから冷やして固め、ポリパテなどで押し込んで固めれば堅めにではありますが型取りが可能です。

もちろん100円ショップ以外でも入手可能ですが、手頃なサイズで100円というのが嬉しいです。また竹ひごや凧糸、スパッタリング用のブラシなど、お気軽に手に入るのは魅力です。

中でも5本セットのナイロン筆は驚きです。しっかりと腰があって使い心地は満点です。100円ショップの一般的な絵筆はお世辞にもお薦めできませんが、ナイロン筆は本当にお得です。もちろんラッカー系や油彩用には使えませんが。