[3808] 経験の価値

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《就寝の必須アイテムは烏龍茶》

■アナログステージ[125]
 他人の失敗は良い教科書
 べちおサマンサ

■Take IT Easy![37]
 経験の価値
 若林健一 / kwaka1208


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■アナログステージ[125]
他人の失敗は良い教科書

べちおサマンサ
< https://bn.dgcr.com/archives/20141125140200.html
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2014年も、あっという間に終わりそうな2014年の11月終盤ですが、いかがお過ごしでしょうか。コンニチハ、就寝の必須アイテムは烏龍茶の、べちおです。最近、サマンサとかつけるのが面倒なんで、デジクリでも「べちお」でいいかなって思い始めております。

そもそも、なんで「べちおサマンサ」かというと、この話は長くなるので、また別の機会に。「サマンサ」は、あとからオマケでつけただけの、ただの装飾なんです。はい。

前回は出張中ということもあって、書きかけであったにも拘らず、グタグタとタイムアップしてしまい、原稿をそのまま送って終わらせてしまいました。ごめんなさい(てへぺろ)。

さてさて、よく分からない雑記ネタが続いておりましたが、先週(11/18)の若林さんのコラムを読んで、「あー、あるある、そーなんだよなー」と頷きながら読んでいた自分がいたのと、「絶対に思い出したくない思い出」を思い出してしまったので、今回はそのネタで。

・Take IT Easy![31]IDとパスワードの管理法
< https://bn.dgcr.com/archives/20141118140200.html
>

●「あんた、なにやってんの? 電話きってもいい?」

数年前、いや、Win98の時代なので、もう10年以上は経つだろうか。やっと日本国内でも、インターネットのインフラも徐々に進みはじめたころ(まだダイヤルアップ接続のころ)、それを追うように、社内ではやっとEメールが浸透し始めました。

ダイヤルアップ接続なので、画像を添付するという、当時では爆弾技のようなことはできず、テキストのみの、いたってシンプルなやり取りでした(その頃は、接続している時間幅で通信料をとられました。いまでは、瞬間で落とせる100kbくらいのファイル容量も、当時は下手をすると10分から15分、酷いときには30分くらいかかることも)。

WEBを見るにしても、画面の上から、目の詰まった天付きで、ところてんを無理やり押し出しているかのような、そんな表示のされかたが当たり前だったのが、とても懐かしい。十数年前は、いまでは信じがたい通信事情だったのです。

デジカメも家電量販店で並びはじめ、一般人でも手軽に買うことができるようになったころ、そこに、爆弾を積んだメールをよく送ってくる上司がおりました。おそらく、デジカメを買った嬉しさを伝えたかったのだと予想しますが、画質サイズが恐ろしく大きく、正確には憶えていないけれど、ファイル容量も1MBくらいの、まったく意味不明な画像が添付されておりました。

そんなのを送られてきた日には、その画像を開くだけでひと仕事。上司だから仕方ないにせよ、プロパイダーとの通信が安定していないときに開くと、それは本当に阿鼻叫喚。「画像を落としている間に、ほかの作業を」というわけにはいかない。貧弱な物理メモリが、それを許さないのだ。

オイラも人の子なので、イライラもすればムカムカもする。ある日、やんわりと「画像添付するとき、もう少しサイズを落としてもらえます? 使っているパソコンが非力なので...」と言うと、当たりまえのように「どうやるの?」ときた。それから小一時間くらいレクチャー。

「さっそく今日帰ってから試してみる!」と意気揚々で帰宅した上司から、その日の夜に電話がかかってきた。

「ね、ね、なんかメールのIDとパスワードを再入力してくれって画面が出るんだけど、おれのIDとパスワードってなんだっけ?」

「しるかー! なんでアンタのプライベートIDとパスワードをオイラが知ってんじゃー!」と電話をガチャ切りしたかったが、そうも言えずに「プロバイダーから送られてきた案内通知に書いてないですか?」と助言。

一回設定したら用無しと思ったのか、控えもとらずに捨ててしまったらしい。普通なら「そうだったのか、申し訳なかった、プロバイダーに問い合わせしてみるね」で終わるのが、普通の人だと思う。しかし、上司は普通の人ではなかった。

IDとパスワードが分かるまで付き合ってくれと言う。IDのほうはメールヘッダーから簡単に推測ができるので、特別な苦労はなかったものの、問題はパスワードだ。プロパイダーから送られてきたままのパスワードだと、サハラ砂漠でコンタクトレンズを探す勢いに近い。

どうにかこの場は諦めてもらおうと説得するものの、「これから使う用事があるから」と電話を切る様子をみせない上司。かれこれ3時間くらいは受話器の向こうで「あー、ちきしょー、これでもないか!」と格闘している。オイラ、まったく必要ないじゃんね。

最終的には諦めて、翌日にプロバイダーに問い合わせを出して解決したのだが、パスワード管理の大切さを始めて知ったときでもありました。オイラも、プロバイダーからの初期パスワードのままだったので、この騒動以降は、きちんと自分なりのパスワードを設定するようになりました。家人の誰かが、間違えて通知を破棄してしまうケースもありますしね。

しかし、当時から比べると、本当に急成長した分野が「インターネット」でもあることが、よく分かりますねぇ。すごいなぁ。そろそろ「ADSLってなに?」とか言うような世代もでてくるのかな。ウチのムスメなんて、「ISDN? どこの車?」とか言っていたもんなぁ(笑)

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp

NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。愛機はD90
とGRD4。全国寺社巡りで、過去の懺悔道中をしております。
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※各SNSでの出没は激レア状態になっております(2014年11月現在)

■□ 懺悔道中膝栗毛 ─ 六編 □■

関東三十六不動を満願した翌日から、巡礼している夢をみます。そりゃもう、かなりリアルどころの騒ぎではない夢です。病んでいるという括りではなく、「べちおさん、休んではいけませんよ、死ぬまで札打ち(巡礼)をするのです!」というお告げなのでしょうか。

その夢のなかで、まったく知らない(行ったことがない)お寺さんが、あちこちとリアルに出てきてます。いつの日か、この夢のなかで参拝したお寺さんに、ひょっこりと足を運ぶのかと思うと、胸アツです。ある意味、良い方面の病気ですねw

それでは、関東三十六不動の続きです。

・大雄山 最乗寺(清滝不動尊)

本社での打ち合わせが思ったより早く終わり、その後はフリータイムだったので、コッソリと参拝。お寺の場所的に一番いき難いところかな... っと危惧していたものの、行ってみてビックリするほど立派なお寺さんでした。とにかく広いわ、お堂は全部立派だわで、半日はゆっくりできそうです。

東名高速の大井松田インターで降りることなんて殆どないというより、ウチのガキんちょたちが子どものころに、飲み仲間たちと、丹沢でBBQをよくやっていたので、そのときに利用したくらいで、ほぼ無縁の場所だと認識していたのですが、近隣探索すると面白そうです。

ご朱印をいただいている間、横にいた僧侶さまと少し立ち話を楽しむ。着いた時間も閉山ギリギリだったので、またゆっくりと足を運んでみたいです。

・神木山 長徳寺 等覚院(神木不動尊)

法事を避けるために朝イチでお参り。お寺の所在地をみて、「神木(しぼく)本町」と書かれていたので、もしや......? と思っていたら、ビンゴ。実は、ここのお寺さんの麓にあるアパートに『隠れ宿』として18歳くらいまで住んでいたのです。住んでいたにも関わらず、こんな立派なお寺さんがすぐ後ろにあったとは。

誰もいない本堂にズカズカとお邪魔し、扉を開けたすぐ左に、それは立派な不動明王さまが鎮座されておりました。間近で見るのは野毛山不動尊に続いて二回目になりますが、お顔はやっぱり怖いです。

怖いのですが、なにか引っぱられる力もあり、ズーっとお顔を眺めていると、半分にこやかになってくるような錯覚が。いや、錯覚ではなく、少しだけ笑みを浮かべた表情に見えたりと、なんだか新しい自分が覚醒されてきそうですw

庫裏にて、対応してくださった奥さんと、「このあたりも随分と変わりましたねぇ」と、しばらく昔話で盛り上がり、「ツツジが咲くころ、またいらしてくださいね。とても綺麗ですよ!」とお言葉をいただいてきました。

以下余談。

ご朱印をいただいたあとに、住職さまにいろいろとお話を伺えるのは、檀家寺ならでなの醍醐味ですね。言いかたは悪いが、観光寺のように、業務的に流れ作業でご朱印をいただくのは、いただく側としても、なにか、「記念スタンプを捺していただいただけ」な感じがして、味気ないものです。

ひと言ふた言でも言葉を交わすと、そのお寺さんの印象がグッと強く残り、また足を運んでみたいと、そう思わせる気持ちの良さもあります。檀家寺さんでは、土日祭日などは、法事で忙しい日になることが多いので、参拝してご朱印をいただくときは、朝の10時くらいまでを目安に足を運ぶと、お寺さん側も落ち着いた対応で接していただけます。面白い小話もいただけたり、お得ですw


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■Take IT Easy![37]
経験の価値

若林健一 / kwaka1208
< https://bn.dgcr.com/archives/20141125140100.html
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個人ブログのくだらない記事に反応してはいけないと思いつつ、反応せずにはいられない自分がいます。

そのブログには「京大を出た優秀なみなさんなんだから、就職なんかせずに起業しましょう。」とか「15分で書いたブログ記事で、15万円稼いだから時給60万円」といった記事が並んでいます。

あえてリンクは張りませんが、上に書いたキーワードで検索していただければ、検索結果のトップにでてきます。関心のある方はご一読ください。

「京大を出た優秀なみなさんなんだから、就職なんかせずに起業しましょう。」

正直なところ大きなお世話だと思います。大企業だって人を必要としているわけですし、京大生にもいろんなタイプの人がいるわけです。十把一絡げに「起業せよ」というのはあまりにも短絡的。

もちろん、小さなベンチャー企業が大企業にはできないことをやってみせることもありますし、大企業に入るよりも自分で起業した方がその能力を発揮することがあることも事実。

その一方で、大企業にしかできないこともあるのです。一定の品質の製品を大量に生産してボリュームメリットを出しつつ、サポート体制を構築していく。このようなことは、数人規模の企業では難しく、大企業だからこそできることと言えます。

ベンチャー企業か大企業かという単純な話ではなく、両方が必要なのです。

また、大企業は人材育成カリキュラムや仕事の体制が中小企業よりも整っているため、大企業に勤めることは社会人として成長するためのジャンプスタートするには良い環境だと言えます。

私自身も起業独立ということに関心のあるひとりです。それは、私自身が大企業での勤務経験があり、一定の経験やノウハウを積んでいるから考えられる面もあります。このブログの主も同じく大企業経験者なのです。

彼はその経験値を完全に飛ばした上でこの記事を書いている、この点を是非とも見逃さないで欲しいと思いますし、大企業で働きたいと考えている学生さんには、このような記事に動かされないで欲しいと思います。

「15分で書いたブログ記事で、15万円稼いだから時給60万円」

こちらも経験の価値を完全に無視した内容。15分で書いたブログで稼げるようになるためには、その記事を書くだけの文章力、それまでに積み重ねた経験や知見が必要なわけで、そこには膨大なコストがかかっています。

そのコストを無視して、ある単位時間だけを切り取って価値換算してみたところで何の意味もありません。会社員だって、業務時間外に勉強したことを仕事に生かしていますし、そういった努力がなければ生き残ってはいけません。会社員だって気楽な稼業ではないのです。

このブログ主も、現在の状況になるまで経験値を積むための努力をしてきたでしょうし、ブログ以外のメディアでの活動もあったからこそ成し得たことなのです。

それをこのブログ主もわかっているはずなのですが、それを無視した記事を書く。これがこのブログ主のやり方であり、経験の結果得たノウハウなのかもしれません。

友人からは「こんな記事に釣られた方が負けだ」とも言われましたが、このような記事が多数のアクセスを集めている現実があり、影響を受けている方が多少なりともいらっしゃることを考えれば、見逃すことができませんでした。

考え方は人それぞれ、ということは承知しておりますので、ひとつの考え方、見方として参考にしていただければと思います。

【若林健一 / kwaka1208】 kwaka1208@pote2.net
Take IT Easy! - ひとにやさしいIT
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編集後記(11/25)

●「米多国籍企業をたっぷり潤す現代の奴隷制度 240万人の受刑者をもっと増やせ、そして低賃金でこき使わせろ!」という、じつに興味深い記事をJBPRESSで読んだ。筆者は堀田佳男氏。米国で罪を犯して実刑判決を受けると、出所するまで奴隷と呼んで差し支えない賃金(平均時給は25セント、約28円)で刑務作業を強いられるそうだ。米国では近年、増え続ける受刑者を労働力とする動きが加速しており、100社以上の多国籍企業が刑務所と契約を結んで製品を作らせている。IBM、ボーイング、モトローラ、マイクロソフト、コンパックなどといった優良企業までが、塀の中の労働力を使っている。

多国籍企業が受刑者を使う理由は、企業側にとって好条件がいくつも揃っているからだ。もちろん低賃金が最大の魅力だが、受刑者には職を辞する権利がない。さらに賃上げ要求やストライキがない。有給休暇もない。遅刻や早退もない。そのうえ、失業保険や福利厚生の手当ても必要ない。加えて、仕事ぶりは四六時中チェックされている。この理想的な労働力を見過ごす企業はない。大企業と刑務所の結託を「獄産複合体」と呼ぶらしい。240万人という囚人数は新潟県の人口とほぼ同じ。とんでもない犯罪大国だが、「獄産複合体」体制を維持するためには受刑者数の確保が必要だ(オイオイ)。米司法当局が多国籍企業と結託して、塀の中の労働力を確保するために意図的に検挙率を上げていると論ずる人もいるそうだ。

米国では日本のような更正という意識がほとんど見られない。極悪の犯罪者を社会に戻さないという意識が強い。前者はともかく、後者は大いに賛成できる。日本の量刑は軽過ぎると思う。塀の中で死ぬまで労働せよ、という刑罰はあってもいい。日本で現在、刑務作業をしている受刑者は約6万2000人、作られる製品は家具や靴、バッグなどが一般的だが、民業を圧迫しない程度で多角化・大型化し、米国の悪辣な刑務所ビジネスを真似るといいと思う。受刑者ひとりにつき年間46万円ほどの金がかかっているという(諸説あり)。その分くらいは稼いでもらおうではないか。

と書いてきたが、刑務作業について調べてみると、「刑務作業は国の事業であり、安心して仕事を任せられます」というセールスポイントで、企業から作業の注文を待望している。米国における多国籍企業が受刑者を使う理由をあげたが、それは日本でも同様ではないのか。法務省の「刑務作業Q&A」を見ると、企業と刑務所の協議で賃金が決まるが、一応の目安が各都道府県の最低賃金を基準とするとなっている。そのうちどのくらいが国に納められるかはわからないが、受刑者に渡る作業報奨金(賃金、給与ではない)は微々たるものである。米国の「奴隷と呼んで差し支えない賃金」より遙かに安い。いったい米国の刑務所では、どういう仕組みで時給28円も(!)出して大儲けしているのだろうか。わかんない。また花輪和一の「刑務所の中」をまるまる読んでしまった。この漫画読んでなごむってのも問題ではあるが。(柴田)

< http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42211
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米多国籍企業をたっぷり潤す現代の奴隷制度(JBPRESS)


●プログラマーの方をご紹介いただけませんでしょうか? と書き続けたが、コンタクトなし。人手不足であります。

「TAKARAZUKA 1万人のラインダンス」続き。

認定を待つ。40分はかかっただろうか。ラジオから「ギネス認定者の誰それさんから結果発表があります」と聞こえてきた時にはほっとした。

失敗だったら、もったいぶったやり取りはないだろう。成功したんだ。ああ、良かった。あと二回もこんなのやってられない。

しかしこの時もみんな聞いちゃいねー(笑)。いや聞いていない人はごくわずかなんだろうけれど、ずーっとザワザワ。こういう声って、静寂の中に響くものだと思っていたのだ。

参加人数、失格人数、成功人数、失敗の割合が5%未満なので成功です! という発表があって皆は拍手したけれど、疲れているので余韻などない。その後の人たちのスピーチを聞くより、もう帰っていいの? いいんだよね? と確認する人続出。

しばらくして、もう一度最後に皆で踊りましょうという流れになったんだけど、その頃には帰路へ。混雑を避けるため、我先にと記念グッズをもらう列へ。 (hammer.mule)