3Dプリンター奮闘記[49]3Dプリンター・水面下の開発動向/織田隆治

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最近巷では、あまり3Dプリンターがメディアでも取り上げられなくなってきましたが、実はかなり「熱い」んです。

出始めの一時期は、メディアも我先にと色々取り上げ、一般の方もかなりの興味を持っていましたが、スタートダッシュ的なブームも去り、今後は真摯に向き合う人が盛り上げて行く、ということになるかと思います。

2014年の、日本国内3Dプリンタ出荷台数は6000台くらいらしいですが、2017年には3.5倍ほどの2万台になると見られているようです。

去年2013年には3000台半ばくらいだったらしいことから考えて、今年はその倍ほどが出荷されたことになります。世界的には、現在7万台。これが2017年には30万台を超える見通しだとか。

これは、3Dプリンターの色々な特許切れにより、生産、開発が可能になったことや、ハイエンド機だけではなく、コンシューマー向けのプリンターの低価格化、3Dプリンターの開発等に補助を出す政府機関が増えて来たこともあるんでしょう。

3Dプリンターの活用に関して、工業デザインはもちろんのこと、建築、ファッション、グラフィックなど、ありとあらゆる生活の周りにある事柄に関わって来ると思われます。




以前、「食品をプリントする3Dプリンター」について書きましたが、最近また色んな話題が出てくるようになりました。学生が和菓子をプリント出来るプリンターを開発したとか、クッキーやチョコ、飴をフルカラーで出力できるとか、色々と発表されてきています。

よく記事を読んでみると、今のところ、飴などの砂糖菓子をプリント出来るものが一番「3Dプリンター」らしいもので、あとはまだ手でやった方が造形的によく出来たり、手でやった方が早い、という物が多いのが現状ですね。

しかし、これからもっと技術が上がって行くことで、本当に面白い「食」をプリントできる3Dプリンターが出るのは間違いありません。

他の分野と違い「食」に関しては、その成果物が「消耗品」である点が重要です。リピーターが必ずいるだろうし、祭事に合わせての需要も考えられることから、大規模な市場があるんじゃないかなと思います。今後、かなり「熱い」分野になってくるでしょうね。

3Dプリンターに加えて、最近は3Dスキャナーの動向にも目が離せません。

以前は、スキャナーの前で何分間もじっと待っていたものですが、先日の報道では、なんと0.1秒でスキャンできる装置を使った「人物スキャン、3Dフィギュア制作サービス」を行う「ドゥーブスリーディー」が日本は渋谷に上陸するなど、かなり進歩しています。

これは、昔(江戸時代後期?)、写真機の前にかなりの時間じっとしていないといけなかったのが、最近では一瞬で色々と撮影可能になったことを彷彿とさせます。これらの技術も、今後かなりのスピードで進歩していくでしょう。

粉末をレーザーで固めて積層するSLS方式(レーザー焼結)のプリンタでも、50〜60万円台のデスクトップ型の3Dプリンターが発表されています。

SLS方式とは、金属や樹脂などの粉末を薄く敷き詰め、造型する断面部分にレーザーを当てることによって焼き固めて積層し、オブジェクトを造型する方法です。

このタイプの3Dプリンターは、ナイロンなどの成形が可能で、これまでのABSやPLAといった樹脂だけではなく、色々な分野でそのまま使用可能な素材が用いられます。今のところ金属は不可能らしいですが、今後そういったものも出てくるのは間違いありません。

ただし、この粉末を固めていくプリンターは、どうしても表面にザラ付きが残ってしまうことがあります。そういった素材研究も、かなりのスピードで行われており、ケミカルメーカーなどがこぞって開発中のようです。

僕が所属している大阪3Dプリンター研究会でも、あるメーカーさんが、毎回色々な素材の開発について発表されています。一般的にはあまり知られていないのですが、水面下ではかなりの開発競争が繰り広げられています。

本当に日進月歩的な伸びを見せていて、あと数年すれば、「3Dプリンター」は当たり前のものになってくるんでしょうね。

僕ら、今現在、3Dプリンターを駆使している者にとっては、ウハウハ状態で、「ああ...このプリンターいい!」「これがあれば、あんな展開やこんな展開ができる!」など、日夜それらの記事を見てはわくわくしています。

僕みたいな超零細個人事業では、そんなにポンポンと新しい機種を導入するわけにも行かず、これがまたかなり「苦しい」現状ではありますがね(笑)

以前も書きましたけど、3Dプリンターの普及に関しては、「サポート」がかなりの重要性を占めています。特に今の段階では、まだまだ海外製のプリンターばかりで、そのサポートに関して、しっかりとした「サポート」のできる代理店さんや店舗、人材が少な過ぎます。

結局、トラブルにあった時から止まってホコリをかぶっているプリンターがかなりの数を占めているんじゃないかな...と憶測してます。そういう、「当たり前のサポート」に慣れている日本人にとって、自分で分解メンテするような事案では、普及しないのが当たり前ですけどね。

ビンテージものの車なんて、ある程度自分でフォロー出来る人しか乗れませんけど、3Dプリンターでもそれと同じ理由で、一般への普及の足かせになっているんじゃないかとも思います。

ここ数年で、やっとこさ日本の製造メーカーも重い腰を上げて色々発表していますが、その展開に期待したいところであります! がんばれ! 日本メーカー!

【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
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