3Dプリンター奮闘記[50]完璧な出力設計と大分解掃除メンテナンスと......
── 織田隆治 ──

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ここのところ、年末にかけて3Dプリント業務が目白押しになってます。こういうのって波があるのよねぇ...。

僕は出力サービスはやっていないので、主に本業用のプリントがほとんどです。あんな事やこんな事といった、守秘義務的に言えない物を出力している訳です。

現役で使っているプリンターは、ニュルニュル式(熱溶解型)と光硬化型なんですが、圧倒的にニュルニュル式の方が大活躍。これは、大きい物を出力する事が多いからなんで、今の光硬化型のプリンターでは役不足。

3年間、相棒としてきたBFB 3D TOUCHですが、流石にかなり酷使してきているので、最近調子が悪くなってきました。

素材を入れている代理店さんからは、僕の素材の消費量は普通じゃないという事です(笑)。まあ、それだけ実働しているって事なんですが、出力する時は、24時間交代なしで、4〜5日出力しっぱなし、なんてしょっちゅうです。




僕の場合、サポートを出来るだけ少なくするようにモデリングをし、配置にも気を付けて、出来るだけ素材と時間がかからないようにしてます。これ、3Dプリンターを使う上で、かなりの必須項目です。

たまにしか出力しないのであれば、あまり気にしないで良いのかもしれませんが、大量に出力する僕にとっては、かなりのコストと時間の削減になります。色々考えてモデリングやプリントの配置をするので、そこに時間はかかりますけど、出力時間の削減の方が、はるかにメリットが高い訳です。

最近の3Dプリンターでは、自動的にサポートが生成されるような仕組みやプログラムになっていますけど、僕の場合はサポート部分も一緒にモデリングしてしまいます。

どういうふうに出力すれば、このサポートを減らせるか? って事を考えながらモデリングする訳ですね。これ、レジンキャストなんかのシリコン型の制作にも似ているなぁ、と思います。

このシリコン型っていうのは、樹脂を流し込んで、原型になったものを複製する型の事なんですが、樹脂の流れ、型内部の空気がどういう感じに抜けて行くか、を考えながら配置をする訳です。

ここがうまくいかないと、シリコン型の内部の空気がうまく抜けず、その部分に樹脂が流れ込んでいかない為、気泡だらけの複製品が生まれる訳ですね。

そういった「考えながら」の作業に慣れているためか、この「出力しやすい」モデリングという事が、比較的苦にならないで出来ている気がします。

リアルなモデリングでも、バーチャル(3DCG)のモデリングにしても、その先の工程を考慮に入れながらの作業ってのは、「もの作り」にとってとても大切な事だと思います。ここをちゃんとしておかないと、後でエライ目にあったりする訳です。

で、今回も勿論、色々と出力する角度やサポートを考えながらモデリング、配置をして、「これで完璧やん! あとはよろしくね〜♪」と余裕をかまして他の作業をしていました。

「さて、そろそろ半分くらいは出力出来てるよね〜♪」と、覗きに行ったところ......ノズルが詰まってカスカスになっとるやないけ〜! という状態になっておりました...orz こうなると、ヘッドのメンテナンスをしないといけなくなります...。

いくら、自分なりに完璧なモデリング、モデルの配置を行っていたとしても、
こういったトラブルが出てくる訳ですね...。油断大敵です。

さて、BFBの場合ですが、このヘッドのノズルのメンテが凄く大変なんです。すべてを分解し、電気系のコネクタも外して、ほぼバラバラ状態にしなければなりません...。最近のプリンターは、比較的容易にこのノズルにたどり着けるようになっています。

でも、この分解バラバラが、3Dプリンターの仕組みや構造を知る良い機会になっている気もしています。いえ、決して負け惜しみではないです。多分、、、。

さあ、今日はもうグッタグタに疲れているので、この大分解掃除メンテナンスは、明日にしよう...。昨日から貫徹だったしね...。年末から年始にかけて、色々と出力しないといけないので、ちょうどいいレストアになるかなぁ。また、3Dプリンターの仕組みや構造の勉強も出来るぞ! いえ、決して負け惜しみではないです。多分、、、。

ホント、あっと言う間にクリスマスが来て、正月が来て、気がついた頃には年度末なんだろうなぁ...

あ、今年はこれで最後の掲載になります。それでは、皆さん「良いお年を!」

う〜ん。なんか実感ないなぁ...。

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