[3826] ほのかな感激──【止まった部屋 動き出した家】展を観て

投稿:  著者:  読了時間:24分(本文:約11,600文字)


《「情緒性」を現代アートに注入》 

■武&山根の展覧会レビュー
 ほのかな感激──【止まった部屋 動き出した家】展を観て
 武 盾一郎&山根康弘

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■武&山根の展覧会レビュー
ほのかな感激──【止まった部屋 動き出した家】展を観て

武 盾一郎&山根康弘
< http://bn.dgcr.com/archives/20141219140100.html >
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山:こんばんはー

武:はい、こんばんは!

山:先月は失礼しました。おやすみいただきまして。

武:いえいえ。グーグルドキュメントちゃんと動きますか?

山:大丈夫そうやね。今のところ。

武:今回はね、初MacBook Airでやっております。OSはYosemiteだよ。

山:なんやと!!!どっからかっぱらってきたんや!!

武:プログラマのIさんから頂きました。どうも有難うございます! アートラッシュでのガブリエルガブリエラに来てくれたんです。搬出の時になんだけどねw 娘さんにあげたMacBook Airがどうやら用済みなったようで「武さんコレあげます」と。

ガブリエルガブリエラ・第1話コレクション
『塔の上のヴァイオリン弾き ─ダニエルの物語─』展示風景
< https://www.facebook.com/GabrielGabriela.jp/posts/710515929034574 >

山:マジですか! やっぱり買ったんちゃうんか。用済みってどういうことやねん。

武:ちょっと前のマックブックなんすよ。Iさんが新しいマックブックに買い換えるので娘さんにあげたようです。けど、娘さんももういいって。娘さんのお下がりw

山:うむ、、なんかよくわからんけど羨ましい。

武:妹からも、甥っ子姪っ子が残したお菓子や果物を貰うよ。

山:そんなん言ったら僕かて、昨日友人夫妻に食器とラ・フランスいっぱいもらったぞ。

武:そうやって裕福な人の要らないもので生活してるんだねえ。これって、トリクルダウンか?

山:余ってるとこには余ってる、ってことやろね。

武:足りないところは足りないんだよなあ。そこが繋がればみんなが嬉しいんだけど、なかなかそうならないんよな。

山:家とかもあまってんねんから、くれたらいいのに。都心でも空き家率はそこそこなんちゃうの。

武:そうだよなあ。「家余ってるから誰か貰ってくれないかなあ?」という人と「家欲しい!」っていう人が出会える「マッチング」をクリエイトできたらいいいよね、阿漕な不動産業じゃなくて。

山:てか、今日はですね、結局展示はどこにも観に行けなかったのでどうしよかってとこなんですが。

武:あ、そうだ! なべちゃんこと渡辺篤の個展行ったんだけど、すんごい良かったからその報告でどうでしょう?

山:あ、いいですね、そうしましょう。渡辺篤さんって会ったことはあると思うけど、ちゃんと話したことないんよね、僕は。

【渡辺篤個展 止まった部屋 動き出した家/NANJO HOUSE】

武:ちょっと前に渡辺篤『ヨセナベ展』のトークショー「ブルーシートハウスで座談会」のゲストに呼んでもらって、会田誠さんとなべちゃんと喋ったんだけど、それから半年で個展やったんよ。

YouTubeにあがってるね。
『「ブルーシートハウスで座談会」in ヨセナベ展』
< >

『ヨセナベ展』プレスリリース
< http://www.atsushi-watanabe.jp/%E3%83%A8%E3%82%BB%E3%83%8A%E3%83%99%E5%B1%95%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9/ >

山:YouTubeめっちゃ長いやないか。観てたらチャットにならんがな。

武:暇な時に観てください。で、なべちゃんと出会ったのは「246表現者会議」をやってた時なんです。

「246表現者会議」について
< http://kaigi246.exblog.jp/m2007-11-01/ >

2008年5月の246表現者会議に渡辺篤の名前が入ってます。このちょっと前に出会ってるんです。
< http://kaigi246.exblog.jp/7978444/ >

ちなみに、この俯瞰写真はキョージュこと関根正幸さんで、スウェーデンの社会学者カール・カッセゴールさんの本「Youth Movements,Trauma and Alternative Space in Contemporary Japan」の表紙に使われている。
< http://www.brill.com/youth-movements-trauma-and-alternative-space-contemporary-japan >

山:ふむ。

武:で、ですね、この後「246表現者会議」は「宮下公園ナイキ化反対運動」に巻き込まれていくんです。

ナイキが宮下公園をネーミングライツで私設化して、その際に宮下公園に住んでいる野宿者を一掃しようっていう、行政とグローバル企業が手を結んだいわゆる「ジェントリフィケーション」な再開発です。

問題点は野宿者排除だけじゃなくて、都市とは何か、公園とは何か、「公」とは何か、という非常に難しい問題が孕んでいて、、うん、俺には難しすぎたw

で、246表現者会議で宮下公園ナイキ化問題が話題になった時に「昔、渋谷川にはウナギがいた」という話が出るんです。宮下公園は渋谷川の暗渠化で造られた人工地盤の空中公園なんだ。

そこで、「ナイキのロゴマークとウナギって似てるよね」と誰かが発言して爆笑。

『2008年06月20日(金)- 第七回 246表現者会議』
< http://kaigi246.exblog.jp/8158422/ >

その後、なべちゃんがナイキのロゴマークをもじってナイキうなぎを作るんです。
『Just doite? ジャスト ドイテ NIKEうなぎ 』
  < http://ja.scribd.com/doc/18228315/Just-doite-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%B9%E3%83%88-%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%86-NIKE%E3%81%86%E3%81%AA%E3%81%8E-%E6%9C%80%E6%96%B0%E7%89%88 >

「Just Doite?」(ちょっとどいて)。宮下公園から野宿者を排除するためのナイキか? というアイロニーですね。

これは著作権を放棄した作品で、この『ちょっとどいてナイキうなぎ』はいろんなところに拡散したんです。俺も『ナイキうなぎ』をシートに描いて宮下公園に横断幕のように設置して放置する作品を作ってる。それでですね、、、

山:えーと、、長いんで展示に行ってください。

●引きこもり

武:長いかw けど、この経緯が個展の説得力に繋がると思うんです。

個展『止まった部屋 動き出した家』プレスリリース
< http://www.atsushi-watanabe.jp/%E6%AD%A2%E3%81%BE%E3%81%A3%E3%81%9F%E9%83%A8%E5%B1%8B-%E5%8B%95%E3%81%8D%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%9F%E5%AE%B6%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9/ >

山:なかなかインパクトある写真やね。

武:本当に引きこもっていた時の写真だよね。

展覧会概要:2011年東日本大震災の直前まで渡辺篤は自室でひきこもりをしていた。その間ほぼ寝たきりでずっとカーテンを締め切っていた。心病み、一生の覚悟を背負いながら続けていたものの、6か月でその終わりが訪れ、社会復帰を目指す。

ようやく2013年春に美術家として復帰を果たした。自身の引きこもり経験とREBORN、インターネットでの似た境遇の者達との繋がり、直後に起きた津波とそこで実際に起きた事例も取り込みつつ、インスタレーション、パフォーマンス、絵画、ビデオなどで空間を構成する。作家が会期中コンクリート製の一畳サイズのハウスに生き埋めになり、そこに住み、かなづちとノミを使い自身のタイミングによってそこから出る。

「引きこもり」がテーマなんですよ。実際に本人も病んでいて薬も飲んでたみたい。

山:なかなか大変なテーマやね。美術とどう関係していくのか、というのも気になる。

武:「病み語り」ってちょっとアレじゃないですか。引くっていうか。表現が難しいと思うんですよ。「私ってこんなに傷ついてるの! 見て!」みたいな表現ってキツイじゃないですか。

山:そうやな。

武:だからどういう展示になるんかなあって思ってたんですよ。しかも「引きこもり6か月」って短いでしょ。

山:もっと長く引きこもってはる人もたくさんおるんやろうね。

武:病気系はさ、「私のほうが重症だ合戦」やっちゃうからね。どんだけ酷い病気や虐待を受けたかがステイタスになるじゃん。したっけさ、「引きこもり」をテーマにした場合、たかだか6か月の「引きこもり」で「引きこもり」を語れるのか? みたいなところはあったのよ。

山:ふむ。で、実際観てどうやったん?

武:まず、予約制じゃん。そこにひとつ「引きこもり」の具現化があるんよね。

山:それは観に行くのちょっとめんどうになるな。

武:そうそう。そういう観に行くことに対してデメリットになりそうなことをわざわざやる。そこの時点でひとつ「引きこもり」を表現化してるんよね。コンセプチュアルなんですよ。で、予約して観に行ったわけですよ。池尻大橋まで。

山:はい。

武:NANJO HOUSEって住宅街にある一軒家なんですよ。ピンポン鳴らすんです。

山:へー、そうなんか。

武:入り口が作品になっていて実際に引きこもっていた時の部屋のドアなんですが、とても入りにくいw で、入るとなべちゃんは居ないw キュレータの佃義徳さんひとり。で、部屋には斜めになったコンクリートで出来た家のインスタレーションがある。
< https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10203603627993566&set=a.3014117394242.2119478.1301779680&type=1&theater >

山:その中にいるわけですか。

武:そうなんです。コンクリの家の中にいるんです。展示時間だけじゃなくてずっといるんですよ。

山:最終日に出てくるってこと?

武:最終日ではなくて一週間後かな。13日にREBORNしたはずだから今はもう出てる。中に食べものを持ち込んでトイレも中でする。と言ってもトイレなんてない。

山:となると、出てきた時は臭いがすごそうやな。

武:前になべちゃんから引きこもり体験談を聞いたことあるんだけど、実際に引きこもってた時も、トイレすら行かなかったって。どうしてたかっていうとペットボトルにおしっこしてた、と。うんちはどうしてたかはその時聞かなかったけど、個展ではタッパかなにか匂いがでないように密閉してるみたい。

山:それでも臭いは漏れてきそうやね。

武:作品のコンクリの家は1畳もあるかないか。しかも斜め。とても狭い。まあ電気とネットは通じてるけどね。それが今の「引きこもり」だから。

山:なんで斜めにしてるんやろ。

武:それは、引きこもってる時に同じ状況の人たちとネットで出会うようになって、その中のひとりに震災で家が津波で流されてしまった人がいたらしい。で、流されている(動いている)家の形にしたらしい、と。

山:ほう、そういうことなんか。斜めって、床も斜めになってんの?

武:床は平らだろうね。天井の高さが変わる、というか。

山:ほう。

武:狭いコンクリの中に完全に引きこもる。外からの音はあんまり聴き取れないだろう。で、唯一なべちゃんにコンタクトを取る方法はベルだけ。

< https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10203584510435639&set=a.3014117394242.2119478.1301779680&type=1&theater >

山:ベルが付いてるんですね。押すと中から反応してくれるん?

武:反応はない。ただ、なべちゃんにはベルがだけが鳴ったことだけは伝わる。なべちゃんがどうなってるかは分からない。この一方通行のコミュニケーションしか取れないところがまた「引きこもり」を表現している。

山:なかなか難しいな。何にせよ、外からの直接の刺激はベルだ、と。ネットを直接と考えなければ。

●追体験

武:そうね。実際になべちゃんが引きこもっていた状態の濃縮された「再現」と言ったらいいかな。

山:「再現」というか、「追体験」って感じするな。

武:なるほど。「追体験」か。。俺としてはなべちゃんと喋れるつもりで行ったので、えらいびっくりしたよ。 

山:事前にわかってなかったんかい! ってわからんか。

武:なんでか知らんが、まさか中で実際に籠もってるとは思わなかった。プレスリリースに「生き埋め」って書いてあるのになw 修行とか儀式、という感じもしたかな。コンクリの家が生暖かい卵のようにも感じたよ。

山:それが作品としていいとか悪いとかはわかりませんが、なんにしても「もう一度」籠らなくてはならなかった、ってことよな。

武:人は原体験を追体験する。追体験することによって新たに再生する。人生は螺旋だ。それをちゃんとやったという感じかなあ。REBORNってどこか輪廻転生も思わせるので宗教的な感じもあったなあ。というか、山根が「追体験」と言った意図をもうちょっと聴きたいな。

山:そんな感じした、というだけやけどね。ただ、部屋に引きこもっていた時のような行為をもう一度やる、ってことでしょ。環境も状態も今は違うが、過去の自分の行為を繰り返してみる、それは「追体験」なんかな、と。

武:「過去を再現した」という言い方もできるよね?

山:そうも言えるのかも知れないけど、「追体験」の方がもっと感情的というのか。「再び現す」ことに主眼があるのではなくて、過去の「行為を追う」ことによって、感情を呼び覚ます、或いは感情の違いを確認する、とかね。

武:なるほどね。作品を自分の外側に作るバージョンと、自分自身が作品を実践するバージョンとがあると思うんですよ。
 
殆どの場合、例えば「引きこもり」がテーマなら、引きこもりにちなんだ作品を作ってそれを置いて展示する。作家本人は作品にはなっていない。作家本人が作品になる場合はパフォーマンスだからね。けど、パフォーマンスではなくて「作品を自分の体でやっちゃう」ってのが、俺には響いたんだよね。

山:ずいぶん前に、Chim↑Pomが隔離された状態のパフォーマンス作品をやってたような記憶があるけど、なんやろ、受け取り方というか、見え方がちょっと違うな。どんな作品やったか忘れたけど、、あ、これか。
< http://d.hatena.ne.jp/mmpolo/20080817/1218923784 >

武:ああ、なんか記憶にあるなあ、この作品についてをナディッフのオープニングパーティで本人から聴いたような。。酔っぱらってたからなあ。。

これも確かに身体を張ってるよね。すごく面白い。けど何かが大きく違う気がする。遊びっぽいポジティブさが前面にあるのがChim↑Pomだよね。なべちゃんはどこかネガティブというか重い感じが前面に出ると言ったらいいのかな。

山:「感情」の扱い方なんかな。

●身体表現

武:そこでまた自分たちのやり方を思い出すんだけど、『段ボールハウス絵画』。出来上がった段ボール絵画を持って行って、現場で段ボールハウスにするっていう発想はないんだよね。

例えば、会田誠さんが段ボールで作った『新宿城』は、作ってから新宿西口地下道の現場に置いてると思うんだ。或いは組み立てるとか。野宿者が暮らしている現場から生まれたわけではない。

多分、美術の人の多くの考え方はそういう立ち位置だと思う。作品は身体や現場から切り離されている。というか、「身体や現場から切り離すことによってでしか作品にならない意識」と言ったらいいのかな。多分その方が美術としては正解なんだよね。

俺は逆で身体や現場であることが作品だった、そういう感性だった。なべちゃんにもそういう身体を張る系であることを「246表現者会議」で接してて感じたんです。

例えば、渋谷の高架下で小川てつオくんとなべちゃんと俺で実際に「ロケット(渋谷周辺では段ボールハウスのことをこう呼んでいた)」を作って寝たんよね。そうやって問題に対峙する時、現場に行って身体化させようとするんです。このブログの下の方。
  < http://kaigi246.exblog.jp/7978444/ >

美術家って案外こういう行動様式をとらない気がするんです。現場や体験ではなくて想像力を使う。また、発表の仕方もアートメディアが伝える場で身体を張る、アートの場所だと認定されている場で発表する。

誰も見向きもしない問題の現場で身体化しても、それ自体はアートじゃないからね。俺としてはそういう「アートではない場をアートと言うことがアート」だと思ってたんだけどさ、、だからというか、美術業界的には小川てつオくんや当時の俺は「アーティスト」と認識されてこなかった。けど、そこになべちゃんは来たわけなんです。

山:パフォーマンス作品において、身体性がある強度を持つことはわかるけど、それと作品のクオリティ、他者からの評価、ってのはまた全然別の話なんやろう。なので、身体性が必ずしも正しい選択かどうかは分んないけどね。

武:別に正しいとかってワケじゃなくてさ。自分がそれを「体験してる」という「リアリティ」を求めたんだろうね。

山:「リアリティ」が常に芸術や美術を支えてるとは限らないよね。いや、作品をけなすつもりはまったくないですが。

武:そうそう。だから、身体張ればいいってものでもない。けど、「身体張るアート」ってなんだかアジア人っぽいなあって、佃さんと話してた時に思ったんですよ。佃さんの解説がすごく良かったんでいろいろ話が弾んだんです。

グローバルっつっても、国外に出たことほとんどない俺には分からんけどさ、けど、ワールドワイドに観た時に、この身体を張った『止まった部屋動き出した家』は「アジアの、日本の、現代美術」という位置付けができるような気がしたんだ。

オタク文化ではないアジア文脈っつうのかな。貴族主義っぽくない、西欧っぽくないアジア人ならではの現代アートっつうのかな。

例えば、現代アートで「引きこもりの部屋」をモチーフにするなら、実際に引きこもった人の写真を集めて、それをインスタレーションにしちゃったりすると思うんですよ。集めた個々人の「物語」を回収しちゃう系。その手の現代アートってすごく多いと思う。または、よそから引いてくるバイラルメディア的アートっつうのかな。

●情緒である

山:その方ががわかりやすさはあるかもな。でも、この展示では「引きこもり」の「身体性」に目が行きがち、っていうかそういう展示なんでしょうけど、表現としての根幹はどちらかというと「情緒性」よね。

武:そうだね。そこだよね。「情緒性」を現代アートに注入しようとしてるのがなべちゃんなのかな。布団を敷き詰めた会場の『ヨセナベ展』は、意味や価値をずらす会田誠さんっぽさが強かったけど、今回の個展は「脱・会田誠」って感じもした。

山:僕は観に行ってないのであれなんですが、もしその一週間コンクリの中に閉じこもって出てくるというインパクト以外に、あるなんとも言えない、吹けば飛んでしまいそうなか細い(ようにも見れる)情緒を感じ取れるならば、作品として成立してる、ってことなんやろか。

武:非常にコンセプチュアルではあるんですよ。だけど真ん中にあるのがセンシティブな情緒で、それって現場にいかないと分からないんですよ。コンセプチュアルなインスタレーションって、現場行かなくても写真観ればよかったりするじゃないですか。

なべちゃんの今回の個展もインスタレーションなんだけど、現場に居合わせたことによって「ほのかに感激」したんだよね。

山:「ほのかに感激」ってどんなんやねん。

武:「震える弱いアンテナ」のようなもの。

山:それどっかできいたことあるぞw

武:茨木のり子なんだけどねw
< http://bn.dgcr.com/archives/20140627140100.html >


【渡辺篤個展 止まった部屋 動き出した家/NANJO HOUSE】
< http://www.atsushi-watanabe.jp/%E6%AD%A2%E3%81%BE%E3%81%A3%E3%81%9F%E9%83%A8%E5%B1%8B-%E5%8B%95%E3%81%8D%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%9F%E5%AE%B6%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9/ >
会期:2014年12月7日(日)〜12月28日(日)
時間:14時〜20時(毎週水曜休廊)
会場:NANJO HOUSE(154-0001 東京都世田谷区池尻2-29-2

※本展はアポイント制となります
予約先(メール)nabekoten@gmail.com

ご来場希望時間を、14〜19時の毎時00分〜/30分〜で、ご指定のお時間及び、ご来場予定者全てのお名前をご明記して戴き、メールにてお伝え下さい。1予約4名まで。最終は19時30分予約です。


【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/止まった年齢 動き出した運命】

野宿者支援・生活保護問題で長らく活動を続けている稲葉剛さんの著書『鵺(ぬえ)の鳴く夜を正しく恐れるために』の装画描きました!
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< http://ameblo.jp/t-s-pal/entry-11963286874.html >

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【山根康弘(やまね やすひろ)/ほのかな酒呑みになりたい】
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編集後記(12/19)

◎デジクリは明日から長い冬休みに入ります。2015年は1月12日(月)にスタート予定です。みなさん、よいお年をお迎えください。12月31日(水)に「デジクリゆく年くる年」特別号を発行します。

●2010年からの年末最終号を見たら、12/22、12/22、12/21、12/24、そして今年は12/19と例年より数日早い。カレンダーの関係だが、まるまる3週間の休みとなった。この4年間の年末最終号をバックナンバーで振り返ってみた。

2010年は、暑さにはめっぽう強いと自信があったわたしが敗北した年だ。なにしろ日本一の熱中死地帯・埼玉県の住人である。Mac G4ポリタンクが熱暴走して、システムが終了できずにパニックに陥った。最大の感激はやはり「はやぶさ」だ。そして一年中、民主党政権を罵倒し続けたような気がする。

2011年は、2月3日に「デジクリ」が3,000号を記録した。3月11日、東日本大震災、一生忘れられない日になった。わが国の最大の不幸は、よりによって、あきれ果てた無能・無責任政権のときに未曾有の自然災害に襲われたことだ。加えて信じ難い人災。天の与えた試練か。6月17日に母が死んだ。Mac miniが始動。11月15日、姉妹メルマガ「写真を楽しむ生活」が2,000号を達成した。

2012年は、なんと一年を振り返っていなかった。Kindle Paperwhite 3Gについて書いていた。この年はいったい何があったのだろうか。

2013年は大晦日の特別号で、「今年の前半と後半との違いは、犬がいるかいないかだけだ」とある。古い映画DVDをたくさん見た。ふたつの図書館からずいぶん多くの本を借りて読んだ。毎日追われるように読んだ。そして今年、2014年はなにがあったのか。それは、12月31日の「デジクリゆく年くる年」特別号に書くことにします。(柴田)


●今日が今年最後の号だということに気づいていなかった。日や曜日の感覚が一日ずれていて、えっ、もう? どうするのよ、この仕事の山は、と。修正や追加対応があると、マイペース、ワークライフバランス、健康、清潔、身だしなみなんて単語は消えるわね......。愚痴るつもりはなくて、お仕事をもらえたり、声をかけてもらったり、相談してもらえることはありがたい。

必要に応じて、仕事をしながらヒーヒー言いつつ勉強をしているから、なんとか今までやってこれたんだろうなぁとは思う。勉強したいことはたくさんあって、仕事以外にも英語をやろうと考えていたけれど、いまはまったく手をつけていない。先にいま足りないものを埋めていかなければ。

Webサイト系のお仕事は進化し続けているので、それについていくのが大変だし、技術にすらトレンドがある。どんな技術であっても極めた人は応用がきく。基礎の出来ている人は強いわ。スクリプト系は本業じゃないからと、ごまかしごまかしやってきたツケが来ている。

逆に興味の赴くまま自宅サーバなんてやってみた過去が、今の自分には生きている。お客さんに頼まれて生ログから解析していたことが役に立っている。絞り込めない自分を情けないと思っていたけど、それなりに面白いものだなぁ。

手を動かすのが好きだけど、もうちょっとディレクション側にシフトしないとと思いつつ、なかなか難しい。ただ、ゼネラリストだから見える部分もあって、総合的な側面から提案できたりするメリットはある。

来年はもう少し、人と会う機会を増やして、いろんな刺激を受けてみたい。いやまぁ、もうぱんぱんではありますが、健康に注意し、体力をつけて、ワークライフバランスのとれた人生にするのさ。 (hammer.mule)

< http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1070128080 >
先輩ABの言うことどちらもわかる。お客さんからはスペシャリストだと思われるけれど、自分はゼネラリストだと思っているから。マラソンだって、肩甲骨と骨盤で走れって言われるし、違う場所だって大切なのさ、たぶん。