3Dプリンター奮闘記[52]新しい3Dプリンター「Bellulo」が来た!
── 織田隆治 ──

投稿:  著者:


ついに、新しいプリンターが届きました。「Bellulo」ベルロという機種で、
熱で素材を溶かして積層するタイプのプリンターです。

前から使っているBFB3DTOUCHと同じ種類のプリンターですが、このBFBは購入
してもう3年が経過しています。この3年の間、色々メンテナンスをしながら、
かなり酷使してきましたが、いまだ現役でバリバリ造形しています。

で、今回導入した「Bellulo」ベルロですが、これは僕がいつもお世話になっ
ている、3DプリンターやCADCAMの販売等をしている株式会社システムクリエイ
トさんがオリジナルで販売するプリンターで、2月には正式なプレスリリース
があるかと思います。

詳細な事は、そのプレスリリースを待っていただくとして、まず僕が驚いたの
は、そのスピード。




これまで使って来たBFBから比べると倍以上、場合によっては3倍くらいのスピ
ードなわけです。僕からしたら、「シャアが来た!」って感じ。そりゃ、3年も
経てば色々と進化しているんだな〜と実感するはずです。

BFBの樹脂を絞り出すヘッド部分は0.5mmで、樹脂を積層する厚み(ピッチ)は
0.125〜0.5mm。それに対して、Belluloは0.3mmで、積層ピッチは0.05〜0.1mm。
まあ、これだけ見ても、Belluloの方が精細な3Dプリントができるわけです。

あと、重要なのが造形サイズ。これは、造形の出来る大きさのことです。BFB
は240mm角くらいの物が造形でき、Belluloは200mm角の造形サイズになってい
ます。この4cmの違いってのが、結構でかいものなんですよ。

僕の場合、大きい物をプリントすることが多く、その時に、BFBの240mm角+
積層ピッチ0.5mmというスペックはかなり重要になってきます。

3Dプリントは積層する大きさと、積層するピッチが重要になってきます。同じ
1cmの高さのものをプリントする場合、積層ピッチが0.1mmの場合は100回積み
上げ、0.5mmなら20回で積層できる訳です。

大きなものですと、そんなに精細なディテールにはこだわらないことが多く、
後でヤスリがけやパテ等で修正する場合、この積層痕の幅なんて、そんなに重
要ではないわけです。

そういう事で、精細なプリントができるに越したことはないのですが、30〜50
cm角くらいの物体をプリントする場合には、積層ピッチを大きくとることで高
速化をはかれます。そういった意味で、まだまだこのBFBが活躍しそうです。

同じタイプのプリンターでも、こうやって棲み分けが始まっているんだと思い
ます。

しかし、これまでかなり酷使してきたので、それなりにガタが来てしまってい
るんですよね...。そういう個所は、分解して掃除してみたり、色々と強度を上
げる改造、メンテナンスが必要になってきます。

そういうデメリットもありますけど、分解して掃除したり、改造したり組み立
てたりすることで、3Dプリンターの仕組み等を理解できるというメリットもあ
ります。

そうなると、もっとここをこうしたら良いのになぁ...とか、色々と不満なんか
も出て来る訳ですね(笑)

新しいBelluloですが、設定によってかなりきれいな物がプリント出来ます。

プリンターの癖を理解して、そのプリンター、出力するものに一番良い設定を
見つけるには、結構な使い込みが必要になってきます。

Belluloの一番目のメリットは、サポート材を選べるという所でしょうかね。
水に溶けるタイプのPVAという素材を、サポート材に使える他、同じ素材のPLA
に混ぜ物をしたもので、きれいにメインのPLAと剥離する素材もあります。

触ってみたところ、メイン材に使うPLAよりもかなり弾力のある素材で、それ
によって剥離が出来るようになっているようです。

素材にしても、色々と良いものが出て来ていますね〜。最近では、金属の粉を
混ぜ込んだPLAもあり、磨いて真鍮の輝きを得られる物。電気を通す物。透明
で柔らかい素材や、ナイロンはもとより、多種多様な素材が発表、販売される
ようになってきました。

柔らかい素材に関しては、ファッションの分野にも使えるようになるんだろう
な〜なんて思います。

とかなんとか言ってますが、実は凄くお仕事が沢山ありまして、せっかく入っ
て来たBelluloをいじくり倒すことが出来ず、かなりフラストレーションが溜
まってしまっています。

そして、2月8日には、幕張メッセで開催されるフィギュアのイベント『ワンフ
ェス』ですよ...。

この記事を書いている今、まだ原型が出来ていないという惨事。昨年の夏前か
ら、かなりのお仕事を頂いていて、やりたくてもなかなか出来ない状況でした。

まあ、あと2週間ないんですが、これから仕事と平行してバリバリ進めないと
いけません...。嗚呼...生き残ることができるのでしょうか...といった状態。

僕の次回の掲載は2月第2週の予定。生き残っていれば又お会いしましょう!(笑)

その時には、またワンフェスの話題でもさせて頂きたいと思います。

え? 興味ない?

ではでは!


【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
oda@f-d-studio.jp
< http://www.f-d-studio.jp
>
< https://www.facebook.com/FullDimensionsStudio
>