[3958] へそ曲がりのデジカメ購入記

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《僕はバックアップ偏執狂w》

■ネタを訪ねて三万歩[125]
 へそ曲がりのデジカメ購入記
 海津ヨシノリ

■グラフィック薄氷大魔王[442]
 「スマホネックのひどいやつ」「追悼・長岡秀星」他、小ネタ集
 吉井 宏




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■ネタを訪ねて三万歩[125]
へそ曲がりのデジカメ購入記

海津ヨシノリ
< https://bn.dgcr.com/archives/20150729140200.html
>
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愛用していたコンパクトカメラLUMIX DMC-FX550でしたが、CCDに塵が入ってしまいました。無造作にバッグに入れていますので、仕方がないのかも知れませんが、レンズ部分はユニット方式ですから、CCDに塵が入るというのは少しヤワですね。

もちろん、素人が分解しても取り出すことは出来ません。五年使っていたので限界かな? とも思ったのですが、たったの8000カットしか撮影していなかったのでちょっと悔しいです。

それでも、ゴチャゴチャしたものを撮影していれば問題ないのですが、フラットなモノを撮影すると影が……。修理代で新品が買えてしまうので、断念するとともに廃棄しました。

ただし、少し悔しいので分解を楽しんでみました。毎度のことですが、分解は楽しいですからね。

ちなみに今までの他のカメラでの撮影枚数を調べてみました。

Nikon D50 2006/03購入〜 15000枚
CASIO EXILIM EX-S10 2009/03購入〜 3000枚
EPSON R-D1xG 2009/04購入〜 5000枚
Nikon D7000 2011/06購入〜 7500枚
Panasonic LUMIX DMC-GF2 2011/08購入〜 25300枚
OLYMPUS PEN Lite E-PL1s 2011/10購入〜 18600枚
Panasonic LUMIX DMC-G3 2012/08購入〜 9000枚

思っていたよりもカット数は少ない結果に少し驚きましたが、まっ、こんなものかな?

ということで、コンパクトカメラはそれなりに必要なので物色に入ったわけですが、暫くは予備のCASIO EXILIM EX-S10で切り抜けるつもりでいました。

しかし、広角側が28mmであったのと、歪曲収差(樽型)が大きく、書類を自動パース補正して取り込む機能以外にはほとんど使っていなかったので、常用する予定はありませんでした。本当に緊急時のサブです。

例えば、雨の日や風の強い日用といった感じデス。それと、このカメラは名刺サイズでとても薄いので、スーツの時などに便利というメリットがあって、六年前に購入しました。

そんなことを思い出しながらAmazonでカメラを物色していたら、同一機種のLUMIX DMC-FX550を中古で発見。直ぐにクリックすれば流れは変わっていたかも知れませんが、「よし、夕食食べたらクリックするぞっ」と楽観していたのがプチミスでした。

食事が終わって戻ってみると、値段は何故か一気に倍額。なんと私が五年前に新品で購入した額よりも高額だったので断念しました。そこで私は、バッテリーが共有できるカメラを型番で調べあげ、求めるスペックのカメラを絞り込みました。

決め手は広角24mmと操作性の継承。コンパクトカメラでの撮影で、私は望遠側はほとんど使わないので、28mmよりも24mmが嬉しいのです。学生の時から28mmよりも24mmが好きでしたので。もちろん評価が極端に低いタイプは外しました。

こうして絞り込んでいったところ、DMC-FX550の一年半後にリリースされた中古のDMC-FX700を発見、程度も良さそうなので迷わずクリックで翌日ゲットしました。届いた商品は新品そのものでした。

DMC-FX550よりもサイズは小さく、スタイリッシュになっていましたが、操作方法は少し違っていました。一年半の進歩と言うことですね。

例えば、DMC-FX550にあったカーソルスイッチは、すべて液晶画面でのタッチ操作に変更になっていたので、少々混乱しました。

また、液晶画面をタッチして操作するのですが、反応が少し鈍いのです。これは五年前の機種ですから仕方がないですね。どちらにしても操作は直ぐに慣れました。

画質的には名機DMC-FX550には遠く及ばないものの、納得できる範囲と合格点を出しました。なにより、状態が良く対応も良かったので星五つの評価をしたら、販売元から500円のクーポン券が届きました。久しぶりのラッキーデーでした。

ところで、その後、突然高騰したDMC-FX550は何故かまた半額に戻っていました。意味が分かりませんが、ご縁がなかったのでしょうね。

そもそもコンパクトカメラを何に使うのか? ですが、周りに迷惑を掛けずに静かに撮影できること。なにより大袈裟な撮影にならない点です。

別に盗撮をしているわけではなく、公園や駅などの水飲み場や遊具など写真をコレクションしている関係で、周りへの配慮をかなり大事にしています。

とにかく、フットワークと速写性では、コンパクトカメラに敵うモノはないですからね。そんなことであればiPhoneでいいのでは? と突っ込まれそうですが、広角が弱いのと、絞り調整も出来ませんし、なによりウルサイので私はメモ代わりにしか使っていません。

一部アダプター式のユニットを付けることで、絞り調整が出来る撮影を可能にしていますが、価格が数万円とかなり、それなら高性能なカメラが買えますからね。意味がわからないと言う感じデス。

しかし、2009年1月リリースのDMC-FX550を2010年2月に購入して、2015年7月に廃棄後すぐに、2010年7月リリースのDMC-FX700を購入って、ちょっとへそ曲がりすぎるかもしれませんね。

ちなみに、私にとってこのDMC-FX700購入は41台目のカメラで、今まで購入したカメラの中で、デジタルカメラの台数がフイルムカメラを上回った一台となりました。

もっとも、実際に現在所有しているのはフイルムカメラ14台。デジタメカメラ13台です。フイルムカメラは処分のタイミングを完全に見誤ってはいますが、愛着のあるカメラばかりなので、コレクションとして残すことにしています。


■今月のお気に入りミュージックと映画
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[真夏の昼の夢]by 大滝詠一 in 1991(日本)

1977年に発売された、大滝詠一の通算4作目のスタジオ・アルバム『NIAGARA CALENDAR』に収録されていた曲を、インストルメンタル集としてリリースしたNiagara Songbook 2に納められた曲。初夏から初秋にかけて、インストルメンタル集の Niagara SongbookとNiagara Songbook2は必需品ですね。
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[Shutter Island]by Martin Scorsese in 2010(U.S.A)

邦題「シャッター アイランド」。主演はレオナルド・ディカプリオ。彼が演じるテディ・ダニエルズが、ボストンハーバーの孤島(シャッターアイランド)にあるアッシュクリフ精神病院を訪れ、この島で一人の女性が、"The law of 4; who is 67?" という謎のメッセージを残して行方不明となったコトを発端に……マインドコントロールの事実が……。

ということで、ネタバレは厳禁の作品です。目の前で繰り広げられる映像が現実なのか妄想なのか、様々な解釈を引き出すトリッキーなシーン満載で一気にラストまで駆け巡るサイコスリラーの傑作ですね。
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【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家

先日、教え子と彼女の娘さんが私を訪ねてくれました。多摩美術大学造形表現学部の五年前の卒業生です。一歳半の娘さんがグズるのであまり時間が取れないと話していましたが、娘さんは私とは妙に相性が良かったらしく終始ご機嫌だったので、彼女の手作りケーキを食べながら、楽しい時間を過ごすことが出来ました。

彼女は一年生の時からオーラがありましたが、今もそれは変わっていません。娘さんがそのオーラを引き継いでいることも確信すると同時に、とても癒やされる時間でした。

しかし、カワイイ娘さんを見た時、十年後には母娘ではなくて姉妹になることも確信しました。長生きしないとね。

そういえば、五月には駿河台大学の六年前の教え子がわざわざ大学に訪ねに来てくれて、一緒にお昼をしました。非常勤講師でしかない私にとって、定期的に会える教え子がたくさんいることは、とても贅沢なことだと感じています。

しかし、どこの大学でも同様というわけではありません。普通は五〜六回目ぐらいの授業から雑談に入れる学生が数名出来るのですが、何年関わってもそれすら出来ない大学があります。とても不思議ですが、現実は直視しなければなりません。しかし、私も生身の人間ですから、雑談の出来る学生と騒いでいる方がいいですね。

吉井さんへ:
6月3日のデジクリの原稿でリアクションありがとうございます。

「海津さんなんか、本当にほぼ一日一枚で今まで続いててあと少しで5000枚!」

吉井さんのアドバイスで始めましたが、こんなに続くとは思ってもみませんでした。特にFacebookではリアクションが多いので励みになりますね。

とにかく私は既に生活の一部になってますので……もちろん仕事も不思議と発生しますね。本当は3Dとかイラストをもっとやりたいのですが、やることが増えすぎてパンク寸前なので、取り敢えずエネルギーを蓄えているところです。

Facebookでも、コアな昔からのスウェーデンの友人への説明のつもりで始めたインチキ英語併記も既に苦痛を通り越しました。なんとなく通じているみたいなので気にしていません。疲れはピークですが、遠くの大学へ向かうときの電車では、途中駅の記憶がないほど熟睡していますので大丈夫でしょう。

yoshinori@kaizu.com
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■グラフィック薄氷大魔王[442]
「スマホネックのひどいやつ」「追悼・長岡秀星」他、小ネタ集

吉井 宏
< https://bn.dgcr.com/archives/20150729140100.html
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●スマホネックのひどいやつ

「スマホで後頭神経痛。注射20回の地獄を見てきました」GIZMODO
< http://www.gizmodo.jp/2015/06/20_26.html
>

そこまでひどくなかったけど、十数年前にタブレットPCを入手直後にこれに近い感じになった。椅子に座った膝の上で、タブレットPCを数日間も熱中していじってたら、首、肩、背中、頭がひどく傷み、しばらく首を回せなくなった。実際、注射が必要な症状だったかもしれない。

その後も液晶タブレットやiPadで同じように痛くなるし、しまいにゃ紙にボールペンで描いててもあの鈍痛がよみがえってくる感じに。そんなわけで「液タブやめた、板タブオンリーにする」って言ってるのですよ……。

首を曲げないようにどんなに気をつけてても、長時間やってるとなっちゃうのです。机の上のディスプレイを使う板タブ作業に戻したら、「なんてラクなんだ!」って思う。

先日、なんで首が痛いんだろうと思ったら、午前中に「iPadとMacのSketchBook Proで絵の往復が普通にできるんだった!」と思い出して、30分弱くらい夢中で描いてたのだった。たった30分でスマホネック! 首の違和感が取れるのに二〜三日かかるんだよ〜。

●Yosemiteの「タグ」

タグが小丸で困るとか見にくいとか言ってたけど、うわ! 気づいてなかった。タグって、ラベルじゃなく、いわゆる、そのまんま、あの「タグ」じゃん!

タグだから、分類のためにいくつでも複数つけられる。大量の資料画像をフォルダ分けしてしまうと後で不便だから、同じフォルダに何千枚も放り込んであるのだが、そのまま分類できないかなと思ってた。

そっか、タグなら付け放題じゃん! 検索して目的のタグ付きのだけ表示もできる。っていうか、ファイル名とタグをしっかりつけておけば、フォルダ自体が要らなくなってしまうかもしれない。ほとんど検索だけで足りてしまう。

ラベルの色で分類する利点ばかりに気を取られて、タグは全部白のままにして、テキストで分類名を入力しておけばいいことに気づいてなかったー。便利!

旧ラベルと同等の色オビはXtraFinder使ってます。
< http://www.trankynam.com/xtrafinder/
>

●Launchpadアイコン問題

Launchpadでアイコンを真っ直ぐクリックできずに、ちょっとドラッグしちゃったりすると、画面にアイコンが残る不具合。再起動しないと消えない。以前から検索してるんだけど出てこない。この現象って他の人は発生しないのか?

しばらく困ってたのだが、消し方がわかった! もう一回、Launchpadで他のアプリのアイコンをぐりぐりその場でドラッグすると消える!

●Facebookデータをダウンロード

Facebookの設定のところに「Facebookデータをダウンロード」ってあるじゃん? 今まで何度かダウンロードしたけど、中身をちゃんと見たことなかった。すごいこれ!

自分が書いたりアップしたものがダウンロードされてるのはもちろんだけど、htmでタイムラインに書いたテキストが全部一括で表示される。ってことは、検索できる!

Facebook内検索はあまり役に立たないのだ。アレ書いたのいつだっけな〜? と必死に探すより、時たまダウンロードしてhtmを検索するほうが確実で早そう! コメントも保存されれば最高なんだけどな〜。

●Apple Musicのせいじゃない

「Apple Musicは悪夢」──長年のAppleファンが苦言 /ITmedia news(Yahoo!ニュース)
< http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150724-00000021-zdn_n-sci
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不具合が多くわかりにくいのは同意するけど、「ほとんどは今は手元にないCDからリッピングしたものだという4700曲」が消えたのは、大切なデータをバックアップしてなかった本人の過失100%で、Appleのせいじゃないぞ?

一切バックアップしてなかったんじゃ、Apple Music関係なしに、遅かれ早かれ全データを失った可能性大。ずっと消えずに済んだら運がよかったってだけ。

っていうか、Time Machineも使ってなくてデータ失ったとか言う資格なし。Windowsにだって自動バックアップの機能はある。今もときどき見かける「パソコンが壊れて今までのデータ全部消えた」「フリーズして数時間の作業がパー」って人がいることが信じられない、僕はバックアップ偏執狂w

そもそも、Appleの新サービスをまっ先に使うのは人柱志望の命知らずって「長年のアップルファン」なら知ってるはずw それでも使いたい人は当然ながら、復旧可能に準備してから試すのだー。まあ、えいやっ! ってやっちゃうことも多いな。

●ピクサーは偉いけど

ピクサー、日本のためだけに本編映像を一部変更!(シネマトゥデイ)
< http://www.cinematoday.jp/page/N0075099
>

ピクサー作品に出てくる看板やポスターや貼り紙などを、わざわざ日本語に書き換えてるのは偉いと思う。日本語版を子供が見るんだからね。どこの国なのかわからなくなる危険はあるけど、やりすぎなければオーケー。

今作で「日本の子供にはブロッコリーを嫌いな食べ物代表にするには無理があるので、リサーチの結果ピーマンに変更した」も、ナイスな対応。

変更しなくても特に問題ないのに、上映国に合わせてより最適化するために大変な労力を費やすのは、右ハンドル車さえ作らない米国の企業とも思えない。さすがピクサー、と思ったのだが……惜しい!

画像を見ると、刻んだ「生のピーマン」がww いや、サラダに入ってる生のピーマンはあるけど、子供が嫌いなピーマンってそういうのか? 炒め物とかに入ってるやつだよなあ。

日本人スタッフが何人もいるはずなのにどうしたんだ? (刻んだ生のピーマンを子供用テーブルに並べて「食え!」はヒドイ! と思ったら、女の子がピーマンのお皿をひっくり返したらしいw)

●After Effectsのキャッシュファイル

ONIXというメンテナンスアプリを使って、Macのキャッシュや一時ファイルなどを定期的に清掃するから油断してた。そういえば、Adobe Bridgeのキャッシュはどうなってるんだろうと見てみた。表示した画像のサムネールやプレビューが作成されて、気がつくと5GBくらい溜まってることがあるのだ。

Cashes→Adobeフォルダを見てみたら、Bridgeは2.7GBだったが、After Effectsのキャッシュが41.9GB!!

レイヤーが二枚しかない簡単な15秒のムービーを編集しただけだぞ? それも二日間くらいしかいじってない。しかも、この時に初めてAEをインストールしたのだ。

日常的にAEを使ってる人のキャッシュフォルダが心配だw

と思ったら、AEの初期設定でキャッシュファイル容量の上限が設定できるらしいと知ってちょっと安心。

「Application Support→Adobe→Media Cashe Files」も19GB溜まってた。Adobeじゃないけど、iPhotoのキャッシュらしいものが数GB溜まってた。いろいろ削除して70GBくらいディスク容量増えた!

500GBのSSDの70GBって、容量のコスト考えたら大きいよ!

●夜、そのへんで何か食べようと思っても

「居酒屋や焼き鳥屋でドリンクを頼まずにご飯だけを食べていく客が増えているらしい」が話題になってた。

しかし、夜そのへんで何か食べようと思っても、ファミレスとかファストフード以外はほぼすべて、お酒飲む前提の店なんだよね。食事がしたいだけなのに飲み屋というか居酒屋しか選択肢がない状態。結局、コンビニで何か買って帰ったり。

僕は飲み物頼むけどね。水だけではあまりに「食事の絵面」として寂しいし、店員さんにセコい客と思われるのヤダし、ウーロン茶かグラスビールくらい注文しなきゃお店に悪いと思うし、それが常識らしいってことで。お酒飲まない人が食事だけ利用しちゃダメなのか?

僕は酒飲まない人じゃないけど、外で食べるときに必ずお酒も飲みたいとは思わない。まったく酒飲まない人も数割くらいはいるはずだけど、どうしてるんだろ? やはりソフトドリンクを頼むのが礼儀と心得てるのか? しかし、ほしくもない商品を買うことがマナーなのか?

そもそも、「お酒を注文してもらわないと成り立たないビジネスモデル」って、店の都合じゃん? 食事だけしたい人ってそんなに珍しいものなのか? 「客のマナーというか善意というか、もっと言えばお情けに頼るビジネスモデル」ってどうなんだろう?

「洋服だけ買うと店の儲けが少ないから靴下も一緒に買うのがマナー」みたいなもんでしょ? と、ちらっと思ったのでした。

っていうか、「食べ物+飲み物=ワンセットの食事」というのもわかるけど、たとえば「どうしても今、焼き子持ちししゃもが食べたい!」ってときに、居酒屋に駆け込んでししゃもだけ食べて出てくるのは、「非常識」だとは思うけど、「異常」なことなのか? など。

まあ……異常だなw

●キッコーマンの醤油差し

少ししかかけたくないのにドバッと出て、醤油まみれになってしまうのが困りものだったのだが、「反対側の穴を指で押さえたり離したりするとちょっとだけ出せるじゃん!」っていうのを最近やりはじめた。検索してみたら、最初からそのための穴だったのか〜〜!! 知らんかった orz

実はずっと前から、穴を押さえれば量を調整できることには気がついていたのだが、口に入るものが出る部分を指で触るのが抵抗あったのだった。そんな不衛生が常識とは思わないじゃん? 定食屋ではぜったいやりたくないな。マジックで矢印書いて、指で押さえるほうの穴を限定したい。

●追悼・長岡秀星

僕の別格的英雄クリエイターは二人いて、冨田勲と、長岡秀星。どちらも日本で一流の実績がありながら、個人で動いて海外進出し、アメリカをはじめ世界で大ブレイクしたアーティスト。ここ30年くらい新作見なかったけど、最近は何やってたんだろう? いつ帰国したんだろう?

長岡秀星話はもう散々やったので繰り返しませんが……と思って検索してみたら、デジクリでは二度ほど軽く触れただけだったので、遠慮なくさせていただきます。

僕がイラストに興味を持った70年代後半には、すでに別格の大スターだった。スターログその他や月刊プレイボーイ誌のインタビューでも紹介されて「すごい人だなあ!」って長岡秀星の名前を覚えた。

その五〜六年前の小学生の頃、家にあったカーペンターズの「Now & Then」のレコードジャケットが秀星作品だった。

「これ、写真? いや絵だ! なんてカッコイイ!」って、どうやって描いたかわからないけど、イラストでショックを受けた最初だったかも。もちろんその頃は名前までは覚えなかったけど。

名前を知った頃「あっ!」っと気づいた。小一の頃に買ってもらった小学館の学習図鑑の「交通の図鑑」の巻頭に、見開きの未来世界の交通の想像図が数枚載っていて、クレジットを見ると「長岡秀三」と。これはぜったい同じ人だ! って。他のイラストレーターの絵とはまったく違う洗練! 飛び抜けてかっこよかった。

実は、小学校三〜四年の頃か、「未来の世界を描くコンクール」だったか「未来がテーマの小学生の文集に載せるイラスト」だったかを、その絵のあちこちからヒントをもらって描いたこともある。秀三時代にマンガ雑誌の巻頭のカラー特集イラストも描いてたのは後で知った。

イラスト的には直接の影響は受けてないけど、ビジネス主体のクリエイターとしての姿勢がカッコイイ! とあこがれた。

ビバリーヒルズにプール付きの邸宅とか、イチャモンつけてくるレコード会社の役員らの前で、完成済みの絵をバリバリ破り捨てて啖呵を切ったなどの話もシビれた。長岡秀星の月刊プレイボーイのインタビューのスクラップは、バイブルだった。

EW&FやELOのレコードジャケットも誇らしかった。ただ、ブームの最中に制作された「迷宮のアンドローラ」はイマイチでノレなかった。小泉今日子のテーマソングなど大資本投入の仕掛けもミエミエすぎたし。その後はあんまり見なくなったなあ。

惜しいのは、ブームのタイミングがあと七〜八年くらい遅ければ、CGに直接繋がったのに。

人物はあまり上手くないですよね。当時はストレートに「人物ヘタじゃんw」って思ってた。まあたしかにヘタなんだけど、数年後ヴォルフガング・フッターの絵を好きになったとき、フッターってあの完璧なヒラヒラ極彩色空間の絵なのに、人物めちゃくちゃヘタ。

で、あのヘタさがすごく味があってイイ! と思えるようになってから、秀星さんの人物もいい味出してると感じるようになったのでしたw

っていうか、絵の中の人物って上手く真っ当に描かれてると、視線が素通りしちゃうんだよね。だから、「上手い人物を描く」が第一の目的でないのなら、人物は適当にヘタなほうが引っかかりがあってイイのだ。必要に応じてヘタを装ってもかまわない。

リアルイラストが上手い人は大勢いたけど、ハイテクっぽい壮大な世界をあそこまで洗練した表現ができたのって彼だけ。当時の世界のSF寄りのアーチストはスターログなどである程度知ってたが、束になってもかなわないほどだった。しかも、マニアック臭が皆無、あくまで一般向け。

秀星ビジュアルに対抗できるようになったのは、3DCGや映像が娯楽映画に使われるようになってからじゃない? で、そういう表現は秀星イラストが出発点になってることも多いはず。

今に繋がる新時代のSF的ビジュアル表現のルーツとしては、ギーガーやメビウスなどと同格以上の重要作家だと思うぞ。

あと、あこがれた頃は1ドル250円くらいだったから、「長岡秀星のようにアメリカの仕事すると儲かるぞ!」って変な海外志向が植え付けられた。めでたく海外の仕事も普通にやるようになったわけだけど……円/ドルの相場がこんなに変わると思ってなかった orz

●おまけ プレイボーイ・インタビュー

長岡秀星の月刊プレイボーイのインタビューはすごかった。しかし、プレイボーイインタビューはどの回もすごかった。当時でさえあまりにすごいと思ったので切り取ってスクラップ、数年前に自炊してPDF化。

スクラップにあるメンバーは、手塚治虫、ポール&リンダ・マッカートニー、タモリ、坂本龍一、糸井重里、ビートたけし、小松左京、長岡秀星、黒澤明、矢沢永吉。すごいでしょ! こんなメンバーが毎回濃密なインタビューされてたのだ。

そういえば、インタビューをまとめた本が出てたなと思い出して、アマゾンで中古を購入。そしたら、なんと! 長岡秀星の回がない〜〜!

僕が持ってるスクラップのうち、この本に出てこないのは、ポール&リンダ・マッカートニー、ビートたけし、小松左京、黒澤明、矢沢永吉。あとがきによると、日本版オリジナルインタビュー130人から30人をセレクトしたらしい。スクラップしててよかった!


【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>

今住んでる部屋は北向き。35度の日も、ときたまエアコンの「ドライ」をかけるだけで十分。「冷房」にすると寒すぎ。いいでしょ〜。でも、春はちっとも暖かくならず、いつまでも暖房を切れないんだけどw どっちがいいかと言えば、夏涼しいほうがイイ!

・パリの老舗百貨店Printemps 150周年記念マスコット「ROSEちゃん」
< http://departmentstoreparis.printemps.com/news/w/150ans-41500
>

・rinkakの3Dプリント作品ショップ
< https://www.rinkak.com/jp/shop/hiroshiyoshii
>

・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
< https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii
>

・ハイウェイ島の大冒険
< http://kids.e-nexco.co.jp
>

・App Store「REAL STEELPAN」
< https://itunes.apple.com/jp/app/real-steelpan/id398902899?mt=8
>


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編集後記(07/29)

●とうとうわが家のメイン・テレビが壊れてしまった。浦和の一戸建てに住んでいた頃、ビデオ鑑賞部屋でモニター専用として使っていた、東芝の大型ブラウン管テレビである。戸田に引っ越してからは、バッファローの地デジレコーダーにつないで地デジを見ていたが、今年になって地デジレコーダーが壊れた。もはや製造中止だったため、アマゾンで中古品を買ってなんとか今まで通りに、テレビ鑑賞と録画・再生をしていたのだが、今度はモニター部が壊れてしまった。壊れるまで使うと妻が主張していたテレビだったが、10数年でようやく役目を終えたので、やっと普通の大型液晶テレビがやってくる。

と思ったら、そう簡単ではなかった。東芝大型テレビをスタンドから下ろして、わたしの部屋で地デジチューナにつないでいたソニーのポータブルテレビを持って行き、地デジレコーダーにつないだらじつに美しく映るのだった。画面が小さいだけに、やたらきれいに見える。地デジはこれでいいじゃん、と妻が言う。ダイニングには19インチの液晶テレビ(地上・BS・110度CS)があるから、リビングは大型東芝から小型ソニーに換えて、このままいって、ソニーかバッファローが壊れてから大型液晶テレビにすればいいという。ああ、ソニーをつながなければよかった。

それでも一週間ほどしたら、東芝大型テレビの処分と同時に新たに液晶テレビを買ってもいいかな、ということになった。放置しておいた大型テレビが邪魔なのだ。近所のノジマに行ってテレビを物色した。しかし巨大なやつは絶対イヤという。わたしはDVD観賞用に大きいのが欲しい。結局、32インチでようやく折り合った。苦しい戦いであった。ノジマとでん吉の店頭で4社の実物を見て、詳しくはネットで性能などを比較。価格はやっぱりアマゾンがはるかに優位だった。配送料無料だし。セッティングにやや不安があるが、いざとなったら娘のダンナが技術者だから大丈夫だ。ほぼ東芝にかたまった。

となると、大型テレビの処分をしなければならない。市役所の環境クリーン室のパンフレットにあった、リサイクル家電の業者に依頼する。リサイクル料金は法定で16型以上のテレビは2835円である。収集運搬料金は業者によって違う。昨日ゴミ置き場まで運んでおき、取りに来てもらったら収集運搬料金が見積もりと違っていた。わたしの申告したサイズより大きいとかで、1000円以上高かった。ちょっとおかしいと思ったが、集金に来た人がわたしより明らかに年上だったので、そのままにこやかに受け入れた。こんなハードな仕事をしている先輩には敬意しかない。夏休みに入ったらすぐテレビを買うぞ〜。 (柴田)


●ディカプリオだったっけ? 私が頭に浮かべたのは「アイランド」でした。ユアン・マクレガーの。面白かったなぁ。/ドリンク頼まなくてもいいなら、気軽に食事しに行けるのになぁ。お水や熱いお茶(煎茶、ほうじ茶)がいいのに〜。

iPhone、iPadのバックアップも結構な容量だ。容量が足りない時は、数世代前のを手動削除。何もしていないのに「コンピュータから取り外されたため〜バックアップできませんでした」と言われたら、バックアップを全削除するとできるようになるよ〜。

御用聞き制度の続き。あなたのニーズなら化学洗剤より重曹の方がいいですよ、とか、使い方はこれこれで面倒そうに思えるかもしれませんが、コツはこうで、収納にはこうで、とか。たまには何々を食べてみませんか、取り入れにくいと思われがちですが、レシピはこれで〜とか。

多種多様な情報が散漫していて、まとめサイトのまとめサイトがあって、でもどこか物足りないし、収集した知識は自分の中に残るものの、何か虚しい。こういうのに時間使うより、プロな人たちの経験に基づいた話を聞きたくなる。

All Aboutはそういうプロからの情報発信サービスだけど、こちらからリアルタイムに質問できるわけじゃない。本は体系的に学べるけど、検索ボタンが欲しくなる。ネット検索だと、そこはわかったからこっちはどうなの? と掘り進めたくなったら拾い集めないといけない。

それでもネットがない時には「ま、いいや」で諦めるしかなかったことだって、調べることができて良かったような、そうでないような……。だから日用品マスターという御用聞き+アドバイザーのプロフェッショナルがいるといいなぁ。 (hammer.mule)