[3989] デザイナー&ディレクターが写真を上手に撮る本

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《グロテスク感とデザイン的と》

■おかだの光画部トーク[143]
 書籍「Web制作のための撮影から管理、レタッチまで〜デザイナー&
 クターが写真を上手に撮る本」発売!/Adobe MAX2015 速報
 岡田陽一

■ところのほんとのところ[124]
 撮る、仕上げる、倒れる……
 所 幸則 Tokoro Yukinori

■羽化の作法[03]
 思わぬ反響と恐れ
 武 盾一郎




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■おかだの光画部トーク[143]
書籍「Web制作のための撮影から管理、レタッチまで〜デザイナー&ディレクターが写真を上手に撮る本」発売!/Adobe MAX2015 速報

岡田陽一
https://bn.dgcr.com/archives/20151006140300.html

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10月2日に、KADOKAWA/アスキー・メディアワークスさんの WEB PROFESSIONALシリーズから「Web制作のための撮影から管理、レタッチまで〜デザイナー&ディレクターが写真を上手に撮る本」が発売になりました。
http://amzn.to/1K865m0


編集部の担当さんからこの企画の話をいただいたのが、二年半くらい前のこと。それから、企画や構成が何度か変更になりつつも、話が途絶えることなく、長い月日をかけてようやくリリースできました。

Webサイト制作で、写真素材はとても重要なのは知っての通り。制作予算が潤沢な案件や、見積りに撮影項目を加えることが可能な案件なら、プロのフォトグラファーに撮影を依頼すればクオリティの高い写真を手に入れることはできますが、弊社のような小さな制作会社や、フリーランスの制作者が受ける案件の中には、制作予算が少なく、デザインやCMSカスタマイズ、コンテンツ制作やライティングまでやって数十万というものも少なくありません。

そんな案件では、写真撮影を外注することはできず、結局安価か無料の素材集などから探すことになります。

素材集を探すと言っても、そう簡単にクライアントの製品やサービス、Webサイトのビジュアルとマッチするものが見つかるわけはなく、デザイナーが何時間もかけて延々とサムネイルをスクロールして探すハメになってしまいます。

デザイナーの時間コストがいくらなのかは会社によってまちまちですが、半日から一日かけて素材集から探すコストは、元々予算がない案件なので、たぶん請求できてないのではないでしょうか。

そうやって苦労して探した素材写真を使ってWebサイトを制作したものの、よくある問題は、同じ画像が多くの他のサイトでも使われていて、オリジナリティがなく胡散臭さを感じたり、クライアントの満足感や、サイトの所有感が低くなってしまうことです。

予算が少ないから仕方ないと言えばそれまでですが、デザイナーが素材集を探す時間で、自ら撮影すれば、さまざまな問題が解決します。

この本は、撮影が本職でないデザイナーやディレクターが、クライアント先に取材に行って撮影したり、商品を撮影する時に、知っておいた方がよいノウハウやTipsを、機材選びから、段取り、実際の撮影、撮った写真の整理・管理、レタッチや合成の例など、撮影にまつわる一連の業務を盛りだくさんで解説した内容になっています。

一般の写真上達本とは違い、あくまで素材として使う写真をどう撮るかという内容なので、例えば構図の話は「被写体に寄って余分なものは省く」のではなく、文字を入れるスペースやデザインで使うときに背景が足りなくなることがないように「できるだけ引きで背景を多めに入れてトリミングできるようなカットを撮影する」と言った感じになっています。

予算のないWebサイト制作案件で、写真素材に困った経験がある人は、ぜひ一度、手にとって見てください。

http://ascii.jp/elem/000/001/047/1047627/

Facebookページ
https://www.facebook.com/PhotoBook4DD


●Adobe MAX2015のキーノートから

そして、つい先程 Adobe MAX2015のキーノートがあったので、気になったトピックの速報。
https://goo.gl/photos/ddNLJFJbhKLb5UmN9


まず、モリサワと提携し、Adobe TypeKitでモリサワ社のフォントが10書体、モリサワグループのタイプバンク書体が10書体、合計20書体が利用可能になった。CreativeCloudであれば、追加用金なしで使えるようになっている。
https://goo.gl/photos/uQGTjzYL1XKW6Sku7


Web系では、Project COMETというUXをデザインしプロトタイプを作る、なかなか興味深いアプリが紹介されていた。
https://goo.gl/photos/qtcvyM693RZS5ZQv5


また、Photoshopがさらに高機能になり、Webデザインや3Dを使ったプロダクトデザイン、タイムラインを使ったアニメーションや動画など、写真のレタッチ以外にもさまざまな用途で使うようになったことにともない、用途を限った色々なTouchアプリが使えるようになった。中でも、レタッチ専用のPhotoshopFIXというアプリがなかなか面白そうだ。
https://goo.gl/photos/6MfTMahcYQj8GfGn9


これで、ますます11月に発売予定のiPad proを買う理由が増えたことになる。

【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
mailto:okada@fuwhat.com   Twitter:http://twitter.com/okada41


2015年、マンスリーで開催中の「CSS Nite in KOBE」
次回、Vol.14は、今週末、10月10日(土)に開催。大阪を中心に活動されているデザイナー、瀬口理恵さん(5DG)から「人を惹きつける美しいウェブサイトの作り方」と題し、3時間Webサイトのビジュアルデザインについて学びます。
http://cssnite-kobe.jp/vol14/vol14list/vol14outline.html


続く、Vol.15は11月6日(金)神戸ITフェスティバルの会場で “プレゼンテーション”をテーマに開催します。

著書『医療者・研究者を動かす インセンティブプレゼンテーション』(KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)を出版し、自身も数多くのプレゼンをこなし、多くの人のプレゼンのコーチングも行う、医師、医学博士の杉本真樹さんから、人を動かすプレゼンテーションのノウハウを学びます。

普段のWeb関係のセミナーや勉強会では、なかなかない内容だと思いますので、ディレクター、デザイナーをはじめすべての方ご参加いただきたい内容です。
http://cssnite-kobe.jp/vol15/vol15list/vol15outline.html



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■ところのほんとのところ[124]
撮る、仕上げる、倒れる……

所 幸則 Tokoro Yukinori
https://bn.dgcr.com/archives/20151006140200.html

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さて、個展ラッシュも取り敢えず終わり、しばらく“産後の肥立ち”が悪かった状態からも、ようやく立ち直ろうとしています。

9月からずっと抗生物質や風邪薬を飲み、胃腸がかなり弱っていることに気が付かず、先日の快気祝いでアートの話ができる数少ない気の許せる友人たちと、イタリアンのお店でプロシュートや前菜の盛り合わせを作ってもらい、ワインを酌み交わしてリラックスしようと酒盛りをはじめたら、いつもの半分の酒量で体調が悪くなってしまった。。

完全復活にはもう少し時間がかかるようです。。やっぱり、一か月近く寝込んで薬を飲み続けていたのですから、胃の調子も体力も落ちているようです。

毎日7000歩〜8000歩は歩いても平気だったはずなので、とりあえず5000歩から。クリーニング屋さんに行くついでだったり、病院に薬もらいに行くついでだったり。子供が午後2時半から〜3時半に帰ってくるので、バレエ教室に送ったりしていました。

気候もやっと涼しくなり、薄手のコートの中にシグマのクワトロをしのばせて散歩するようになった時に、とてもいい光が当たっているところを見つけました。「幸采ちゃん、あの光の道を走ってジャンプして!」と叫んだら嬉しそうに飛んでくれて、素晴らしい写真が撮れました。ブログにもfacebookにもアップしました。

facebookでは最近いちばん反応が良かったみたいで、シリーズ化しようかなと思っていますが、リハビリ中に真剣に作品を仕上げたので、また倒れました。

どうにも作家のサガとして、いい光があると撮りたくなるし、撮ってしまうと仕上げたくなります。しかも[ところ]が仕上げるとなると、半日ぐらいかけて念入りにやるので、すごいエネルギーを消耗してしまい、また倒れそうになってしまいます。

完治してというか、以前より体力をつけたいのですが、晴れた日に出歩くと写真を撮りたくなって困ってしまいます。

10月8日には大阪芸大で講義もありますし、その夜には神戸で来年2月からの個展の打ち合わせも控えています。

香川県高松市でやっている、ファインアートフォトのいろはを教える講座フォトラボkが、広報の遅れで珍しく定員を割れたので、西日本で興味のある方は申し込んでください。本来は先週の説明会に出席していないとだめなのですが、今回はだいじょうぶです。

香川の人が中心ではありますが、これまでも徳島、愛媛、広島、京都からの受講生も何人もいるので、やる気があれば問題はありません。

e-とぴあ・かがわ特別講座「フォト・ラボK」
https://member.e-topia-kagawa.jp/Module/CourseDetail.asp


ここにある程度説明を書いていますし、受講申し込みを押せばフォームがでてきます。どうしてもうまくいかない方は、087-822-0112にファックスでもだいじょうぶです。所幸則宛てと大きく書いてくださればOKです。わからないことがあれば 087-822-0111 に電話で問い合わせてください。樋川、松島、馬場、宛てにお願いします。


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則  http://tokoroyukinori.seesaa.net/

所幸則公式サイト   http://tokoroyukinori.com/



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■羽化の作法[03]
思わぬ反響と恐れ

武 盾一郎
https://bn.dgcr.com/archives/20151006140100.html

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段ボールハウスに絵を描き始めた最初の日、いきなりカメラマンがやってきた。当時『ジャパン・タイムス』で写真を撮っていた小暮茂夫さんというカメラマンだ。僕らの絵を掲載すると言う。

木暮茂夫さんは路上の人たちを撮り続けた写真家で、のちに複数の写真家たちと『路上写真展』を行い、さらにその後、『餌取りキャラバン』と銘打った路上生活者写真展を全国展開して、寄付を募り大量のお米をホームレスにおくるという偉業を成し遂げる人なのだが、この時は当然そんなことは知る由もなかった。

まさか初日から取材されるなんて思ってもいなかったのでとても驚いた。これはなんかすごいことになるんじゃないかって、無邪気にも思ってしまったのだ。

そして、描き始めてからわずか数日で『週刊Friday』が取材に来た。自分も知っているメディアだったのでちょっとびっくりしたが、正直嬉しかった。一部の美術業界の人が読むような高価な雑誌や専門誌に掲載されるよりマッチしてると思った。

当時の『Friday』というのは言っちゃあ悪いが、俗悪で大衆的で大量部数の雑誌、ショッキングなことを掲載する雑誌、というイメージだった。

僕の藝術行為もどこかそういう週刊誌的な「俗」を抱えていたし、むしろその方が「藝術」なのだ、と思っていた。「アートっぽいアートをアートな場所でやっているアートはもはやアートではない」みたいな、そんな気持が強くあったのだ。

なにせ、路上。しかも新宿西口地下道という大量の人が通る場所で、コンセプトや理屈が先行してる表現ではなく、その場で思いついたことを描いてるのですから。

でも一方で、闇に覆われて行くような感じもした。知らない底なし沼の世界に沈み込んで行くような……。

当時、僕は何も知らなかった。

「野宿者を支援する活動家たちがいる」ことすらも。そもそも「活動家」とは「かつて日本にあった(今はもうない)世界共産主義革命を遂行しようとする人たち」というイメージだった。

「マスコミ」も当然知らなかった。「高い給料を貰ってキラキラした世界に棲む特殊な人たち」というイメージしかなかった。

「ホームレスの人たち」も「ムーミン谷のスナフキン」のような漠然としたイメージを抱いてたに過ぎなかった。いずれにせよ未知の世界だったのだ。

自分たちのやっていること〈絵を描くこと〉を、多くの人に見てもらいたかった思いは、段ボールハウスに描けることによって実現した。

思いがけず取材されたので、この行為が「藝術」として評価されるんだ、という期待も自分の中で高まってしまったのだ。

そういう上昇する気分と、暴力の臭いのする闇の恐い世界へ突っ込んで行くような下降する気分と、両極に力強く引き裂かれていくような心持ちがしたのだった。

●恐れていた暴力

段ボールハウスに描かせてもらう許可を得るのに、相変わらず苦労はあった。しかし二人で描いていくうちに、ちょくちょくタケヲに「おねえちゃん、うちにも絵を描いておくれよ」とリクエストがくるようになった。

段ボールハウスの集落はやっぱり男性が圧倒的に多い。そこに二十歳の女性が絵を描きに来たのだ。おっちゃんたちもなにげにちょっと嬉しがってる感があった。

タケヲは“花”だった。もし、これが男二人のコラボレーションだったら、絵を描きつづけていくのはやっぱりきつかっただろう。

一方で、絵を描く相棒が女性であるプレッシャーはあった。男性通行人とのトラブルがあったらどうしようとか、段ボールハウス群のコミュニティはなんだかんだ男社会なので、そこに若い女性がいるんだから何かあったらどうしようという心配はあった。

というか、それが実は物凄いプレッシャーでストレスだった。「大都会の路地で不良グループが女性を襲うシチュエーション」は想像に容易い。

地元の中学でヤンキーにからまれた時の恐怖がよみがえる。友だちと帰宅中に後ろから見知らぬ上級生らしき人たちに「ちょっと金貸してくんない?」と話しかけられた。

青ざめながら「持ってないス…」とうつ向きながら答え、去ってくれるのを願うしかなかった。その時「なにガン飛ばしてんだよ」とおもむろに友だちが蹴られた。「飛ばしてないっス…」とよろめきながら力なく答えるが、更に蹴られ、そして、つばを吐きかけられていた。

僕は友だちを庇いに止めに入るどころか、目を下に向け後ずさりして「こっちには来ないで」と思うしかなかった。これと似たような体験が中学時代には何度かあったが、当時の日本の片田舎では良くある風景だったと思う。

ちょうどその頃に、友だちと美術予備校『彩光舎』の仲間が噂を聞きつけて新宿西口に来るようになった。二人とも女性だった。それはとても喜ばしいことだったが、二十代の女性が三人も来て大丈夫なのか?

何かあったら僕は対処できるのか? とも、ちょっと思った。

ところが、タケヲは僕の心配もお構いなく、常に堂々としていた。はなから「私は女だから守ってよね」的な素振りも一切なかった。というか、女性陣は新宿西口地下道の風景を恐がっているふうはなく、面白がっているようだった。怯えてたのは僕だけだったのかもしれない。

●グロテスク感とデザイン的と

新宿西口地下道段ボールハウス絵画は、「グロテスク」な絵が多いと言われることが多かった。或いは「摩訶不思議な絵」とか。画像は描き始めた頃の絵である。

http://cardboard-house-painting.jp/media/m_shinjuku/firepig
http://cardboard-house-painting.jp/media/m_shinjuku/hanakodomo
http://cardboard-house-painting.jp/media/m_shinjuku/gokuraku

ちょっと気持ち悪い雰囲気は、タケヲの画風によるところが大きかったと思う。タケヲは彩光舎でデッサンが上手な方だったが、なぜかグロテスクな絵を描くのだ。

臭いとか湿っぽさとか暗さとか重さとか、そういう要素を強く感じる、と言ったらいいだろうか。

僕は当時そういう雰囲気の絵にとても惹かれていたのだ。新宿西口地下道は僕らが好んだ「グロテスク感」がピッタリハマる場所でもあった。これも偶然なのだが。

新宿西口地下道段ボールハウス絵画では極力平面的に描こうとした。描写ばっかりだと時間がかかってしまうというのもあるが、遠くから観てもパッと分かるようなデザイン要素が強い絵を描きたかった。

面を使ってデザイン的にして、かつ、臭いとか湿っぽさとか暗さとか重さとかの「グロテスク感」も出したい、と。

デザイン的にし過ぎるとグロテスク感が薄くなる。グロテスク感を頑張っちゃうと時間がかかる上に、デザイン的な感じがなくなっちゃう。ここの試行錯誤だった。

そこに登場したのが彩光舎の仲間だった山根康弘(ヤマネ)だったのだ。(つづく)


【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/アーティスト20周年記念中】

ガブリエルガブリエラ第3回展覧会『 ─氷砂糖の湖の物語─ 』
代官山アートラッシュ『箱庭展』(10/28〜11/9)
https://twitter.com/artsrush


新作原画とジクレー版画、氷砂糖の湖の呪薬(ジュエリー)、新作発表記念といたしまして『13月世の物語・第一話“氷砂糖の湖に棲む人魚”』初版本+新作ミニジクレー版画セット・限定13部を販売します。

今回の展示はスペースを広く使わせていただけることになり、新作・旧作(本掲載作品含め)・ジクレー版画を合わせて絵画約20点、旧作呪薬(ジュエリー)も併せまして華やかな展示となりそうです。

13月世の物語 ガブリエルガブリエラ
https://twitter.com/G_G_jp

https://www.facebook.com/GabrielGabriela.jp

http://gabrielgabriela-jp.blogspot.jp/


・facebookページ http://www.facebook.com/junichiro.take

・Twitter http://twitter.com/Take_J 

・take.junichiro@gmail.com


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編集後記(10/06)

●東京都が発行し各家庭に配布された防災ブック「東京防災」がなかなかいい出来である。わたしは都民ではないから現物は手に取れないが、東京都のサイトにPDFと電子ブックがあるのでチェックしてみた。A5サイズで325ページもあり読み応え充分だ。どの項目もイラスト入りでわかりやすいのがいい。大震災シミュレーション、今やろう防災アクション、そのほかの災害と対策、もしもマニュアル、知っておきたい災害知識の5セクションに、かわぐちかいじの漫画「TOKYO“X”DAY」がついている。もしもマニュアルは、災害時に役立つさまざまな知恵や工夫を図説でわかりやすく解説する。これいいな。

完全東京仕様の防災ブックというが、どこに住んでいる人にも役立つ内容である。舛添都知事は、過去にスイス政府が国民に対して配布した危機管理本「民間防衛」の災害バージョンを思い付いたと言う。画期的なのは、テロ・武力攻撃についても4ページにわたって説明があること。「政治・行政・経済が集中する東京は、テロや武力攻撃の標的にされる可能性も」「着上陸侵攻は沿岸部が侵攻目標になりやすく、航空攻撃は都市部の主要な施設が攻撃目標になることも想定されます」「核爆発には遮蔽物の陰に身を隠し、地下施設や頑丈な建物の中へ避難」ってリアルだな。憲法第9条じゃ都民の安全を守れないものな。

かわぐちかいじの漫画付きというのも注目だが、たった16ページで、東京都に震度7の大地震が発生した、というイントロだけだ。会社で仕事中に地震が来る。非常階段から外に出て、東京の惨状に茫然とする主人公、というところまで。「このビルは耐震設計が成されています、安全です」とアナウンスがあるのに、なぜみんな外に出るんだ。倒壊しない堅牢な建物の中にいたほうが安全なはずだ。それはともかく、デザインもナイスな「東京防災」冊子がほしい。PDFや電子ブックでも読めるが、こういうものはやはり手にとりたい。あきれたことに、すでにオークションに沢山出ている。なにが「新品」だよ。

わがマンションの防災対策は遅々として進まない。たったひとりの自主的防災委員であるわたし以外は、輪番制の理事会役員が防災委員を兼ねている。毎年その期の理事会の防災の議事だけ出席していて、もう三年目。今年の理事会も、個人情報うんぬんに自主的に縛られていて、毎年1月に更新する居住者アンケートの回答に手を触れない。居住者アンケート回答は宝の山で、看護の現役や経験者をはじめ、いざというときに役立つ人が何人もいることが分かるのに頑なに避ける。わたしはとっくに見ているから、この情報が惜しくてならない。来期の理事会に期待するか、って防災委員まだ続けるつもりか。 (柴田)

東京都防災ホームページ 「東京防災」PDF版と電子書籍版がある
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/1002147/


「東京防災」をWeb・スマホ用に最適化して再配布してみた
http://blogos.com/article/131741/



●Ingress続き。ゲームをはじめる前には気づかなかったが、そこかしこにユーザーがいることを知る。ゲーム独特の動きをしているのだ。張り込みやスパイ活動って案外簡単なのかもしれない。

攻撃やグリフハック(より多くのアイテムを出すためのミニゲーム)のために、信号でもないのに立ち止まり、位置調整で北へ三歩、いやGPSがずれた西へ二歩なんてのもする。

目的のポータルでの用事が済んだら、すぐに次のポータルに向かう。東方向から西にある公園に向かい、公園の中に入るでもなく立ち止まり、ふいに西から東に戻る。

閑静な住宅街をスマホをにらみつつウロウロしていると、端から見たら、あの不審者は何? である。道に迷っている風にも見える。空き巣の事前調査だと思われて、通報されてもおかしくない。続く。 (hammer.mule)