[3991] 宇宙はどのくらい大きいのか

投稿:  著者:  読了時間:15分(本文:約7,000文字)


《恩返しに来るかな?》

■わが逃走[168]
 トリのおんがえし の巻
 齋藤 浩

■もじもじトーク[28]
 宇宙のお話・第四回「宇宙ってどのくらい大きいの?」
 関口浩之




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■わが逃走[168]
トリのおんがえし の巻

齋藤 浩
http://bn.dgcr.com/archives/20151008140200.html
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たしかバードストライクっていうのかな?

信州某所の山小屋で優雅にコーヒーなんか飲んでたら突然、ガラス窓に何かが当たった音がしたので見に行くと、トリが床に落ちていた。

空がガラスに映っていたのだが、それと気づかずぶつかったらしい。

トリは脳震とうを起こしたようだ。羽もたたまず、頭を床板の隙間に突っ込んでひくひくしている。

こいつあたいへんだ。そばにいた極親しい間柄の、年上の女性Aさん(年齢非公開)がネットで処置を調べてみると、とりあえず暖かくしてあげるといいらしい。

その際、このトリの名前も調べたのだが忘れてしまった。最近、覚えようという強い意思がないとすぐ忘れる。

さて、乾いた布の上にトリを寝かせ、その上からティッシュペーパーで作ったおふとんをかけてやる。

ネットの情報によれば、こういった状況の場合、約7割は助からないという。極親しい間柄の年上の女性Aさん(年齢非公開)は、もう死ぬんだ、助からないんだ、うえーん、と言っている。実に悲観的である。

しかし、私は過去の経験から助かるような気がしていた。

子供の頃、実家の居間のガラスに激突したスズメが同じようなことになって、それを何度か介抱したことがある。介抱といっても、あたたかく見守っただけだが。

いずれの場合も、しばらく気を失った後、元気に飛んでいったのだ。なので今回も助かるだろう。根拠はない。種類も場所も季節も違うだろうが、まあなんとかなるのだ。

白目をむいて仰向けに倒れていた(印象の)トリであったが、20分ほどすると通常の木の枝にとまる体勢をとれるようになり、おふとんをかけたまま、きょろきょろと辺りを見回しはじめた。

実にトリっぽい動きである。しかしまだ自分の置かれた状況を理解できてないらしい。近くから人間がじっと観察しているというのに、無警戒きわまりないのだ。

ティッシュペーパーを重ねたおふとんは、けっこう気に入ってもらえたようだ。たかが紙といってもばかにしてはいけない。

私が会社員デザイナーだった頃、残業で終電がなくなったため事務所に椅子を並べ新聞紙をかけて寝た経験から、紙は実にあたたかいという事実を知っている。音はうるさいが。

ちなみにビニール製ゴミ袋をかけて寝たこともあるが、内側が水滴だらけになってしまった。人間からはタイヘンな量の水分が放出されているのだなあ。20年ぶりくらいに思い出しました。

てなことを考えながら二杯目のコーヒーを飲んでいると、極親しい間柄の年上の女性Aさん(年齢非公開)が、あっ!という声をあげた。

なんと気がつくとおふとんはもぬけの殻だったのだ。トリは元気に飛んでいったらしい。と、極親しい間柄の年上の女性Aさん(年齢非公開)が言った。

「恩返しに来るかな?」

そう! 恩返し!! きっとしてくれるに違いない。有名なツルだってトリだしな。少なくとも虫や魚よりは確率的に高いような気がする。

明日の朝起きたら、窓の外にどんぐりが山積みになってたりするのだろうか。トリの価値観的にはミミズやいも虫だろうか。いずれにせよ、明日がたのしみである。

翌日、窓の外を見たのだが、それらしきものは見つからなかった。配達がちょっと遅れているのかもしれない。

そうこうしているうちに帰らねばならない時間になったので、我々はそのまま信州を後にしたのだった。実に残念だ。もう少し滞在していれば、恩返ししてもらえたかもしれないのに。

せっかく恩返しに来てくれたのに気づかなかったのだとすれば、トリに悪いことしたなあ。とはいえ、わざわざ150キロも離れた東京まで来てくれるとも思えないし。無念である。

それから数日後、なんと世田谷の我が家の窓辺にすてきな贈り物が届けられたのだ。

トカゲのミイラ! モズのはやにえ的な逸品で、実に見事なひからびっぷりなのである。

間違いない。トリからの贈り物だ。しかし本人(トリ)が直接運んできたとは思い難い。

おそらく花キューピットのようなシステムがトリ界にもあって、信州のトリから注文を受けた世田谷のトリが届けてくれたのであろう。

実は干からびた爬虫類は子供の頃からから欲しかったので、ホントに嬉しい。当時、科学博物館で開催された恐竜展で、サウロロフスの皮膚の化石を見て以来、それに通じる爬虫類のサンプルは憧れだったのだ。

ありがとうトリ。家宝にするよ。


【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp


1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。


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■もじもじトーク[28]
宇宙のお話・第四回「宇宙ってどのくらい大きいの?」

関口浩之
http://bn.dgcr.com/archives/20151008140100.html
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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。

すがすがしい秋晴れの日が続いてますね。みなさんにとって、どんな秋ですか? 味覚の秋、読書の秋、スポーツの秋、旅行の秋…… そうだ、僕にとっては「天体観測の秋」がありました!

と言いたいところなのですが、ここ数か月、週末を含めて、自分の趣味の時間がまったくとれてないのです。明けない夜はない…(笑) そう思って、積みあがったタスクをひとつひとつ片づける毎日を過ごしています。

さて、全四話でお送りしてます宇宙のお話、本日は最終話、「宇宙ってどのくらい大きいの?」をお送りします。

●永遠の謎、宇宙ってどのくらい大きいの?

太陽系の誕生は約46億年前と言われていますよね。では、宇宙はいつ頃、誕生して、どのくらいの大きさなのでしょうか?

諸説ありますが、望遠鏡技術が発達した、ここ20年の研究の結果、「宇宙には始まりがあって、爆発のように膨張して現在のようになった」とする説、つまり、『ビッグバン理論』が現在の定説になっています。

・ビッグバンの説明(ウィキペディア)
https://goo.gl/8G6amO

これを読んで、「ふむふむ、理解できました!」という方、あまりいないと思います。

僕は小さいころから宇宙が好きでしたし、最近、天体観測や天体写真も再開しました。そんな僕でも、これを読んでそれなりに理解できてるつもりですが、自分の言葉でうまく表現できないなぁ……。

ビッグバン理論では、「宇宙は極端な高温高密度の状態で生まれ、その後に空間自体が時間の経過とともに膨張し、銀河はそれに乗って互いに離れていった」と説明されています。

う〜ん、やはり、日本語としては理解できますが、物理学や天文学に基づいてしっかり説明することはできませんね……。

でも、20世紀初頭でも、「宇宙には始まりがあって、膨張しているんだよ」と唱える天文学者はいなかったんです。

エドウィン・ハッブル氏もアルベルト・アインシュタイン氏も「宇宙に始まりがなければいけない」と断言できなかったのです。

中学生の時(年代でいうと1970年代半ば)、ブリタニカ大百科事典で宇宙に関するページをいつも眺めていた記憶があります。でも、宇宙の誕生に関してビッグバン理論のことは書かれていなかったと思います。

当時の百科事典では、木星や土星は写真ではなくイラストで表現されてたと記憶してます。だけど、それを見ていると、神秘的で、すごく楽しかったのはよく覚えています。

ちなみに、百科事典ってすごく重かったですね! インターネットがなかった時代、知識の情報源としての百科事典は大活躍してましたね。あと、押し花を作る道具にも使ってました(笑)。

さて、宇宙の話に戻ります。ハッブル博士が1953年、63歳で亡くなり、その約40年後の1990年代に「ハッブル宇宙望遠鏡」の観測が開始されました。それを契機に、次々と宇宙の謎が解明されるようになってきたのです。

ハッブル博士の偉業を称えて、宇宙望遠鏡に彼の名前が付いたんですね。

・ハッブル宇宙望遠鏡の説明(ウィキペディア)
https://goo.gl/xommUx

ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)は通称「HST」と呼ばれています。地上約600km上空の周回していて、長さ13.1メートル、重さ11トンの筒型の反射望遠鏡です。主鏡の直径は2.4メートルもあるのです!

大気や天候による影響を受けないため、鮮明な写真が撮影できるんですよ〜。

鮮明な天体写真を当たり前のように、日々見ることのができるのもハッブル宇宙望遠鏡のおかげなんです。銀河系外のたくさんの「銀河」も、このハッブル宇宙望遠鏡があるからなんです。

あれっ、今日のテーマの答え、まだ辿り着いていませんね……(笑)

「宇宙はいつ誕生したのか?」の答えは、「約138億年前」のようです。そして、「宇宙の大きさは?」の答えは、「半径約465億光年の球状の範囲、つまり、観測可能な宇宙の直径は約930億光年(約28ギガパーセク)」のようです。

何故そうなのか???

・観測可能な宇宙の説明(ウィキペディア)
https://goo.gl/CxjmI5

そういうことのようです……。さらっと読むと理解できた気がしますが、じっくり読んでみたら、余計にわからなくなりました。今日のテーマは壮大すぎました。

●「宇宙白熱教室」という番組

NHK Eテレの番組「宇宙白熱教室」第一回の再放送を6月5日に、ちょっとだけ見ました。

なぜちょっとだけかというのは、その週末、仙台で「MTDDC Meetup TOHOKU 2015」というWeb系セミナーイベント出演があり、前夜祭で相当飲んだ後にテレビ見たからなんです。

でも、今まで見た宇宙に関する番組の中では、もっとも素晴らしい内容の番組で、眠い目をこすりながら魅入った番組でした。

・「宇宙白熱教室」紹介サイト(NHK Eテレ)
http://goo.gl/WaJN99

このページの「番組動画」を見るだけでも、すごく楽しいです。3分間ぐらいのプロモーションビデオですが、彼のプレゼンテーションがすっごく魅了的なんです。ぜひ、観てください!

アリゾナ州立大学・宇宙物理学者、ローレンス・クラウス教授が、宇宙に興味のある一般市民を対象に行った集中講義を1時間×4回、放映したんです。

彼のトーク内容、身振り、笑顔、ジューク、すべてが素敵なんです(自分もセミナー登壇する機会が多いので、すごく勉強になります)。

この番組をみると、ヒッグス粒子、ダークマター、ダークエネルギーが誰でも理解できます。全四回の再放送番組だったのですが、録画しておけば良かったと後悔です。アーカイブをどっかで見れるかもしれませんが。

●宇宙の誕生は奇跡だね

そんな宇宙の中で、地球という天体が誕生して、人類が誕生しました。そして、みんなと出会えて、こうやって、みんなとコミュニケーションしています。それが奇跡であり、素敵なことだなぁと思います。

つまり、宇宙がビッグバンで誕生したことが奇跡であり、不思議なことであることに間違いありませんね。ビッグバンに感謝です。

◎──最後にセミナー情報

10月9日(金)19時から、大阪でのセミナーに出演します。Webデザインやフォントに興味のある方はぜひ〜。無料セミナーです。
http://goo.gl/bGZmXb

概要:2015/9/24発売「美しいウェブサイトの作り方」著者の瀬口理恵さんとFONTPLUSを提供しているソフトバンク・テクノロジー株式会社Webフォントエバンジェリストの関口浩之さんにお越しいただき、美しいウェブサイトの制作TipsとWebフォントの基礎知識に関してお話を伺います。

日時:2015年10月9日(金)18:30会場 19:00開始
場所:ファーストサーバ会議室(大阪市中央区安土町1-8-15 野村不動産大阪ビル3F)


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
http://fontplus.jp/

1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。

その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。

小さい頃から電子機器やオーディオの組み立て(真空管やトランジスタの時代から)や天体観測などが大好き。パソコンは漢字トークやMS-DOS、パソコン通信の時代から勤しむ。家電オタク。テニスフリーク。


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編集後記(10/08)

●藤岡信勝「国難の日本史」(ビジネス社、2015)で知った日本の歴史。タイトルの前に「日本人が目覚めた」とある。子供向けの教材にいいと思う七つの講話。その中でわたしが正しく知らなかったのが「元寇」で、その記述に驚愕した。モンゴル帝国の五代の皇帝フビライ・ハン(「元」の初代皇帝)のとき、極東にある日本征服に手を伸ばしてきた。その理由は、当時の日本が世界最大の産金国だったからだ。遊牧民であるモンゴル人にとって金は特別な価値があった。彼らの財産は家畜と金であり、金は財産として持ち歩くのに最適だ。フビライ・ハンに日本侵攻を進言したのが、属国・高麗の役人だった。

高麗を通じて太宰府に国書が届けられ、幕府は30日かけて検討し、朝廷に転送する。とにかく尊大、無礼、威張りくさった文面で隷属せよという。幕府も朝廷も絶対に受けいれることはできない。日本は聖徳太子の時代に独立宣言し、他国の属国にはならないと決めていたからだ。わずか17歳の執権時宗は、国書の返事を拒否した。モンゴルの国書の受取を拒否した国はすべて滅ぼされている。日本が唯一の例外である。1274年・文永の役、3万の兵が対馬に現れる。元の兵士2万人、高麗の兵士1万人だ。彼らは住民数がせいぜい1000人の島を襲い10日間も滞在した。直接九州本土に向かった方がいいはずなのに、なぜだ。

ここに仮説がある。期間がわからない戦争で、3万の兵の食糧をどうやって調達したのか。じつは移動途中の住民を食べていたという。中国では古来、人肉を食べる習慣があり、孔子も人肉の塩漬けが大好物で毎日食べていたといわれる。対馬を攻めた元の兵士が、人間の干し肉を作ろうとしていたという推論も成り立つ。中国人は自分たちの残虐な文化、食人習慣といったものを日本人に投影して、日本人が過去に行った行為として非難している。それが彼らの発動する偽史プロパガンダである。1281年・弘安の役、4600艘の船にモンゴル人、漢人、高麗人の連合軍14万人が来襲したが、再び神風が吹いて壊滅した。

日本の勝因は、鎌倉幕府という軍事政権だったこと、そして神風。決定的なのはモンゴル人が本格的な騎兵戦をできなかったこと。馬を運ぶ輸送技術がなかったからだ。元寇が日本人にもたらしたもの。国家意識が醸成された。日本民族の記憶に刻み込まれて、油断をするなと警告を発し続けている。そして、「脅威は朝鮮半島からやってくる」という認識が定着したことが重要である。日清戦争も日露戦争も朝鮮半島からの脅威により始まっている。安全保障上の焦点はなぜ朝鮮半島なのか。それを日本人に教えたのが、13世紀の元寇という国難だったのだ。教科書には書かれていない日本史、読み応えあり。(柴田)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/482841813X/dgcrcom-22/
「国難の日本史」


●Ingress続き。長々とした後記でおわかりだろうが、人間の体力や時間には限界がある。そう長い時間プレイできるものではない。もう少し歩けばリンクがはれる、壊せる、わかっていたって動けない。

地図を眺めていて、なぜここにリンクをはらないのだ、もったいないと思うことは多いが、もったいないなんて言ってはいられない。すぐに壊されるんだしと、皆さんマイペースになっていく。何かのついでにプレイできるのがベター。無理しないのが一番。ゲームなんだし。

ということで、人数の多い方が有利。1人の猛者がいるとパワーバランスは変わるものの、多勢側がすぐさま奪回・再構築するため、占拠時間は長くなる。続く。 (hammer.mule)