晴耕雨読[16]自分でできる肩こり・腰痛対策
── 福間晴耕 ──

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●椅子とモニターの問題

デスクワークを生業にしている人の多くが悩まされている腰痛と肩こりだが、最近いくつかの事を気をつけるようにしてから、これらに悩まされたことはない。そんな訳で本当に役に立っているのかは分らないが、自分なりに気をつけている事を書いてみたいと思う。




まずは椅子の話からいこう。そもそもデスクワークが多いPC相手に仕事をしている人は、普通に勤務したとしても一日8時間、下手をすると12時間近く椅子に座っている訳だから、1にも2にも良い椅子を選ぶ事は重要だ。

本当は椅子について書くだけでこのコラムが終わってしまうのだが、結論からざっくり言えば、最近のオフィスチェアは良くなったので、それなりのお金(5〜6万以上)を出せばひとまず問題はないだろう。

大切なのは適切なサイズを選び、「ちゃんと調整して座る」ということだ。有
名なアーロンチェアーをはじめとして、高性能オフィスチェアは実に多くの箇所が調整出来るようになっているにも関わらず、意外に高さぐらいしか調整せずに、後は買ったままの設定で使っている人が多いからだ。

それとついつい多用しがちなリクライニング機能だが、椅子に座って休憩している時と、仕事をしている時では最適な角度は違うので、面倒でもその時のモードによって切り替えるか、それが面倒なら最近多くある、体重をかけた時だけリクライニングする設定にして使うことをお勧めしたい。

そして椅子が何とかなったら、次に金をかけるのはモニターだ。モニターが何故腰や肩に関係するかといえば、簡単な話で、要はちゃんと見えなければ姿勢も崩れそれが腰や肩にくるからである。

そういう意味では、実は創作環境では流行りのミニノートは小さすぎる。よくスマホをいじっていて姿勢が悪くなっている人が多いという話を聞くが、創作環境ではミニノートでも当てはまる。

とはいえ、大きなマルチモニターはそれはそれで大きな問題があって、設置場所を取る上に位置調整が面倒くさいために、ついつい置けるスペースの都合で実は目に良くない、作業しにくい距離や場所になっているケースが少なくない。

またタブレットを使う人だと、キーボードと合わせてタブレットのスペースも確保しなくてはいけないので、ますますモニターを置く場所が狭くなるという問題もある。

これを解決する方法として、モニターアームがある。調べてみると分かるが、今はモニターアームも良くなって、以前よりもずっと安い値段で高機能な物がたくさん出ている。

一度使ってみると分かるが、何よりもかっこ良いし、その便利さから手放せなくなること請け合いだ。

と、ここまで書いておいて何だが、そうは言っても仕事で使うパソコンや椅子は会社のものなので、自分ではどうにも出来ないと言う人も多いだろう。自分も自宅の仕事場はともかく、出先で作業することが多いので実は同じ状況だ。

●ストレッチと筋力トレーニング

そんなわけで、今度は自分でできる腰痛・肩こり対策についても書いてみたい。

最初の注意として、先ずは自分の状態を把握する事である。これは自分の体験だが、長年モニターを眺めているとひどい頭痛がする。それを放置していたところ、調べてみたら緑内障に羅患していて眼圧が24(通常は10〜21)以上あり、視野の一部が欠けてしまった。

ひどい頭痛がした時点で医者に行っていたら、ここまで酷くなることはなかったのだが、もう後の祭りである。

周りを見ると他にも、ヘルニアや痔に悩まされている人は少なくない。具合が悪いと思ったら、先ずは医者に行くことだ。酷くなってからではもう遅いのである。

ところで、自分でできる肩こり・腰痛対策というと、多くの人が思いつくのはストレッチや整体・マッサージだろう。このうち整体やマッサージは個人差や施術してくれる所の当たり外れが大きいので、万人に勧めるアドバイスはあまりない。

そんなわけで、主にストレッチについて書いてみようと思うが、自分の経験から言うとストレッチといえど、ある程度の筋力トレーニングと併用したほうが調子が良いようである。

座ったままでは筋力が衰えがちだし、何よりも筋力が衰えてくると姿勢も悪くなりがちだから、それを筋力トレーニングで補うわけである。

といっても、腰痛対策や肩こり対策では、どれだけ重いものを持ち上げられるかとか、どれだけ早く走れるかと言った体力よりも、背筋や腰といった体幹の方が重要になってくる。

幸い体幹トレーニングは今の流行りなので、ちょっと調べればいくらでもやり方は見つかると思うので詳しくは書かないが、自分の経験で言うとNHKのあさいちでもやっていたアザラシのポーズが有効な気がする(詳しく言うと自分の場合、以前も書いたロシアの武術「システマ」のトレーニングの中にあるこれに似たトレーニング)。

また意外に感じる人も多いかもしれないが、腕立て伏せが肩こりに結構効くようで、最近はこれが欠かせない。

ポイントは単なる腕立て伏せではなく、体幹トレーニングやウエイトトレーニングでも行われている「深く・ゆっくりやる」腕立て伏せと、肩を回した入念なストレッチを組み合わせて行うことである。

そんな訳で長々と書いてきた。メルマガでは図版が貼れないので文章だけではわかりづらいとは思うが、もし興味があればググればいくらでも出てくると思うので、是非とも自分なりのストレッチとトレーニング方法を見つけて欲しい。

【福間晴耕/デザイナー】
フリーランスのCG及びテクニカルライター/フォトグラファー/Webデザイナー
http://fukuma.way-nifty.com/


HOBBY:Computerによるアニメーションと絵描き、写真(主にモノクローム)
を撮ることと見ること(あと暗室作業も好きです)。おいしい酒(主に日本酒)を飲みおいしい食事をすること。もう仕事ではなくなったのでインテリアを見たりするのも好きかもしれない。