「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の映画が公開されるので、ファンがウキウキしているけれど、アラフィフの私も「スター・ウォーズ」世代なのだと思う。実際に小学生当時の映画が公開された頃は、ブームは凄かったし男子はみな下敷きなどの文具で「スター・ウォーズ」のものを買っていた。
私はというと、ここで書いたこともあると思うけれど、学校推薦図書のようなまじめな学校推薦映画しか見せてもらうことができず、「キタキツネ物語」とか「あゝ野麦峠」などを見ていた。
もちろん、今から思えば絶対に「スター・ウォーズ」を見た方が良かったと思うけれど、当時は男の子が夢中になる映画という感じだったかもしれない。
母がSFを好まないのは、「ウソだから」という何の反論の余地もないような理由なのでしょうがなかったけれど(笑)、禁じてしまうと大人になってハジけるのは当然の摂理だ。
なんだか、私が今になっても男子が好むようなSF作品を見ているのは、きっとその頃の影響もあると思う。
「無駄なことに興味を持ちすぎるとバカになる」というような、当時の母親が持つ共通の危機感もあったのかもしれない。
しかし、母は心霊特集とか、幽霊ものはとても好きで見ていた。霊的なものには何らかの興味があったようだ。オカルト的な噂話の大流行やコックリさんが禁止になるほどのブームも当時はあったので、「無駄なことに〜」もまんざら間違ってはいなかったかもしれない。
●事実認識のレベル
宇宙飛行士が帰還したり、金星探査機が画像を送ってきたり、日本が関わっている宇宙のニュースが、日常の普通のこととして伝えられている。特別なことが特に騒がれないような普通のことになるまでの時間は、どんどん短くなっているのかもしれない。
人間の認識の中では「信じられないこと」→「もしかしてあるかもしれないこと」→「あるらしいこと」→「あると信じられること」→「当たり前なこと」というように、事実認識のレベルが移動していくように思う。
ないところから誰かが「ある」ことを見つけて、それを「伝える」ことをして他の誰かに「信じる」「信じない」などの異なる意見が生まれる。
これは誰かの気づき一点から始まることもあれば、同時に始まっていることもある。誰かが「ある」と思い始めている時は、既にどこかの誰かも同時にそれを思っているかもしれないのだ。
誰かが伝えて公にした時に、自分もそう思っていた人の賛同を得ることができるし、他にもそう思っていた人がいることを知ることもできる。ネット時代になってリアルタイムにこれらは確認できるようになった。
例えば、私は宇宙人はきっと「いる」と思っているけれど、これも大きく意見が分かれるネタだ。自分が地球にいるのだから、どこかの星にも生きているものはいると思うのだ。未だ全然発見できないけれど、そんなのは宇宙の全体の大きさから見たら当たり前なのかもしれない。
宇宙人の古いイメージに「タコ型宇宙人」というのがある。頭が大きくてひょろひょろの足が何本もあるという絵。H・G・ウェルズが1898年に小説『宇宙戦争』の挿絵に書いたからとも言われているイメージだけれど、人間とは似ても似つかない存在の高等生物がいるかもしれないということに、何ともいえない恐怖を感じたものだ。
私たちはこのタコ型のルックスのイメージのせいで「きっと言葉は通じない」「どんな攻撃をしかけてくるか予想もつかない」「食べられちゃうかもしれない」という絶望感を持ったのだ。
水がある場所で高度な知能を持っているとしたら、という設定で考えられたというこのタコ型宇宙人だけれど、最近これはけっこう「バカにできない直感」だったのではないかとも言われている。
●タコの全ゲノム解読
タコの遺伝子は全ゲノム解読の結果、地球上の生物の中で特有のものらしいことがわかったという。科学誌「ネイチャー」に掲載された発表で、シカゴ大学と沖縄科学技術大学院大学が三年間もかけたという。このことで、タコはエイリアンだったかもしれないという可能性が多くの興味を集めているのだ。
・タコのゲノムを解読する 沖縄科学技術大学院大学
https://www.oist.jp/ja/news-center/press-releases/20839
特殊だからといって、なぜ地球外から来たと考えるのかは飛躍しすぎな気もする。確かに地球の歴史上、どこかの星の何らかのカケラが割とまともな形で地球上に落っこちて来たことがあるとしても否定できない。その中にタコの元となる何かがあったかもしれない。
タコの解読に三年もかかったのだから、生物のゲノムの解析自体がまだこれからの分野であるけれど、計算スピードが速くなれば解ることが増えるのだから長生きしたくなる。
タコが特殊な存在に思われる理由として、その頭の良さがある。実際にタコの頭の良さは凄いという、テレビでの実験映像を見たことがある。
水の中の透明な箱にタコを閉じ込めて、一つだけ小さい出口を作ると、そのサイズを器用に調べて、自分が通れる出口であればどれだけ時間をかけてでも外に出る。もし出口のサイズを手で測って自分が通れないものだと解ったら、まったく出ようとはしない。無駄な努力はゼロなのだ。
もしかしたら人に閉じ込められたことを認識していて、自分を利用する時には再び出すだろうということまでも知っているかのような落ち着きぶり。
トロンとした目はただのタコの目と言えばそうだったけれど、こちらのスキを狙っているようでもある。周囲に合わせて擬態する能力も凄いし、身体能力はタコ、イカ類は独特だ。タコだけにつかみどころがないというか、まともに戦えない感じはある。
認識の話に戻すと、私にとってこのタコ・エイリアン説というのは「もしかしてあるかもしれないこと」のレベルで、下から二つ目という感じだ。信じられなくはないけれど、そうらしいとも言えない。ただそう考えると何か楽しいことであるのは確かだ。
もしタコが宇宙の別のところから来たエイリアンであったなら、タコ型宇宙人のユーモラスな挿絵はすごく的を得ていたことになる。宇宙人という高等生物が地球外にいたなら、シルクハット姿でもなく金属色の全身タイツ姿でもなく、人間とは似ても似つかない外見の、何ならタコみたいな状態という発想。
タコが何らかの鍵になって、地球外の生物に対する興味・発見が始まるという暗示にも思えて来る。
もしかすると未来では、タコが元々はエイリアンというのが当たり前という認識を皆が持つ時代が来るのかもしれない。地球が丸いのを皆が当たり前と思っているように。
実は地球外から来た生物はタコだけじゃないかもしれないし、今みつけられているのがタコだけなのかもしれない。元がどこからかなんて誰も明確に答えられないのだから、あんまり考えすぎると夢にタコが出て来そうだ。
【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/
ブロッコリースプラウトの水栽培で、最初の五日間ほどは光のない暗所に置かなければならない。これをダンボール箱で済ませてきたけれど、ダイソーで買える茶色いプラスチックのプランターが正にちょうど良いサイズだった。
別売りだけれどフタがあるのでばっちり暗くできるし、鉢底には穴もあるので空気穴も完璧だ。見た目はそれなりだけれど満足だ。