装飾山イバラ道[169]スター・ウォーズのカワイイを探す
── 武田瑛夢 ──

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年が明けて、六本木で「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を見た。私はスター・ウォーズ世代だけれど、以前も書いたようにリアルタイムで見られなかったし、ストーリーの深いところではスター・ウォーズを語れない。今回は女性目線で見たところを書いてみたいと思う。

そして本来はネタバレもしたくない映画でもあるので苦しい。見る前はスター・ウォーズ情報からなるべく離れ、見てしまうと自分がネタバレしないかと不安になる。

※今回はネタにほぼ触れずスター・ウォーズ全体について語ろうと思いつつ書き始めたのにやはりネタがバレてしまっています。未見の方は注意して下さい。

今回のスター・ウォーズを見るにあたって、私もテレビ公開されていたいくつかの過去作を見直した。正月テレビでやっていたエピソード3をうっかり見逃したのでiTunes Storeでレンタルして見た。HD画質で500円は安いのか高いのかわからない。




若い頃の私は「スター・ウォーズって順番がバラバラでストーリーがわかりにくい」と正直思っていた。今思えば、時代順に見たら物語の山場がなくなってしまうので納得した。同じ人物に何通りも呼び方があるのも、その方が良いことが多いし、やっと解って来た。

エピソード4、5、6とエピソード1、2、3そして今回のエピソード7から始まる新時代に、それぞれ思い入れを持つ人がいると思う。ネットで見ると各時代のファンがあまり仲良くなかったりして、同じ映画シリーズが好きなファン同士なのに不思議だ。

それは、生みの親であるルーカスを神格化している古くからのファンと、それぞれ新しいシリーズのファンで、初めて見た時の気持ちの違いに理由があるようだ。

シリーズが長期化している映画やゲームには、起こりがちな問題かもしれない。先輩を敬い新人を歓迎する暖かいムードの関係もあれば、新人の軽はずみな発言を許せない先人もいるだろう。

しかし、若手は先輩の長いうんちくに嫌気が刺しているかもしれないし、せっかくスター・ウォーズに興味を持った人を、ニワカ呼ばわりしたりするのは残念だ。それこそはお互いの「善の心」が必要なのではないだろうか(笑)。

●スター・ウォーズのカワイイ

女性目線からのスター・ウォーズを考えると、恋愛要素やカワイイロボットに目がいく。エピソード1、2、3ではパドメとアナキンの出会いと恋が描かれていて、エピソード4、5、6のレイアとハン・ソロの恋愛とは違う良さがあったと思う。SFに恋愛要素が必要かどうかは好みもあるけれど、友情と愛情のどちらにも善と悪のパワーが隠れているからやはり必要だろう。

エピソード1、2、3では、美しいパドメの髪型や服装が楽しみでもあったけれど、今回は登場人物に余裕があるシーンが少ないので、女性の髪型や服装を見る楽しみはあまりなかったと思う。

カワイイロボット代表だったR2-D2の登場シーンは今回少ないけれど、BB-8がたっぷり可愛さをまき散らしている。ピューピューいう声や、目のようなライトの動きもわかりやすく感情を表していた。

BB-8の「サイズが小さい」というのもやっぱりカワイイ。スピーディに転がって疾走するけなげさも、あの作りのロボットならではだし、逃走シーンが多いので都合の良い機構なのだと思う。

出て来る強面の怪物は、もう少ししっかり止まった状態で見たかった。そして、やっぱり可愛げが欲しかった。悪役に可愛げが加わるとすっごくカワイイので、ファンになる人もいると思うのだ。

コミカルにしすぎない縛りでもあったのだろうか。ゲテモノ好きだけが感じたことかもしれないけれど、そういうところがいちいち惜しい。

そしてカイロ・レンの一味の部下に登場シーンが少なくて、魅力が薄かったのがもったいない。ディズニーランドでは「手下達」がブームにもなっているのだから、悪役の部下ポジションを愛したい層はいっぱいいると思う。

今回やけに活躍する白いマスクのストームトルーパーだけれど、主人公の一人であるフィンと一対一で戦うストームトルーパーがネットで話題だ。戦う前にバトンをクルクル回すアクションが「何なの?」「威嚇? もしかして威嚇なの?」って感じでカワイイ。

こういう「無駄な動き」が大好きな人が多いらしく、「TR-8R」と名前が付けられ、いろいろな動画やイラストが作られてインターネット・ミームとなっているそうだ。

レイア姫が年老いたとか話題になっているようだけれど、同じ女性からすると「そんなのしょうがない」と思う。各時代ごとにそれぞれの登場人物はしっかり年を取ってきたのに、女性だけが厳しいことを言われるのは何とかならないのだろうか。実際は映画の中では充分綺麗なレイアだったと思う。

そして、今までそんなに好きじゃなかったチューバッカが、今回とても好きになってしまった。毛むくじゃらのものは好きなはずなのに、あの背の高さがなんだか怖かったけれど、いいヤツだなぁと思うし「バォー」っとだけ鳴く声もまた懐かしい。

オバQのO次郎の「バケラッタ」のように、一つの言葉しかないことがかえって可愛いこともある。チューバッカのグッズで可愛いものを探しているけれど、毛むくじゃらだからかグッズにすると可愛いものとそうでないものの差が激しい。しかもあの顔だから、成功しているグッズが本当に少ないのだ。

来年以降に公開する映画への期待も高まるけれど、今回の新時代はエピソード1、2、3の頃よりはシリアスムードが弱められているので、よりキャラクターを愛せるシーンが多くなればいいな思っている。戦いがベースになるのはしょうがないけれど、時間の長い映画なのでどこかでホッとしたいのだ。


【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
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映画を見た後は、グルメバーガーでも食べればアメリカっぽくて映画にも合ったと思うけれど、やっぱり「つるとんたん」でうどんを食べた。冬はうどんがいいですね。

私はトッピングの多いカレーうどんで、夫は鍋焼きうどん。さすがに鍋で来る鍋焼きうどんは大きいだろうと思っていたら、私の丼と大差なかった。ここの丼はほんとに大きい。