[4114] やはり最初の志を全うしようと決めた出来事

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《一番嫌いな「了解しました」》

■ローマでMANGA[96]
 やはり最初の志を全うしようと決めた出来事
 midori

■アナログステージ[142]
 仕事で使っていい言葉、ダメな言葉
 べちおサマンサ



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■ローマでMANGA[96]
やはり最初の志を全うしようと決めた出来事

midori
https://bn.dgcr.com/archives/20160422140200.html

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ローマ在、マンガ学校で講師をしているMidoriです。私の周辺のマンガ事情を通して、特にmangaとの融合、イタリア人のmangaとの関わりなどを柱におしゃべりして行きます。

●子犬に柵を

将来の夢、マンガ家。という20代の若者が、たとえ美術学校へ行かなかったとしても、自分で勝手にマンガ作品を描いたことがないっていうのはどういうわけ? と毎年セミナーが始まる度に思うのだが、驚くほどに作品を作ったことのある者が少ない。

私のセミナーは「mangaの構築法(mangaの文法)」であってmanga式の絵の描き方ではない。具体的な絵の描き方や道具の使い方は見せることができるので、学習する方も自分のレベルなど把握するのが簡単だ。

構築法の解説は具体的に示すのが困難。いや、既成のmanga作品のページを使って示すことができるのだけれど、概念の説明に似て自分で体験したことのないことはわかりにくい。

私の解説を聞いて理解して、課題の作品に反映できる者は、自分で勝手に作品を作ったことのある者にほぼ限られてしまうことが、今までの経験で分かった。

それならば、と言うことで作品を作ってもらいながら構築法の説明をしていく、という方法をこの数年とっているが、これもうまくいかない。

ページ数が多いとコントロールしきれないだろうと、4ページを作ってもらう。

生徒「惑星がふたつあって、その惑星どうしで戦争があって文明が滅びてしまう。そのうちのひとつに主人公が住んでいて、力を持っている。どちらも復活してきて、でもまた戦争になりそうになって……」

私「ちょっと待って。それ、4ページで?」

生徒「あ…」

というようなことがちょくちょく起こる。

作品は作ったことがないけれど、なんとなく、漠然としたストーリーとかっこいい武器の数々のデザインを持ってたりすることがよくある。

放っておくと、初めて野原に出た子犬のように跳ねまわって収拾がつかなくなる。だから、SF禁止令を出したりする。

条件をあれこれつけて、子犬が動ける範囲をある程度狭めてしまったほうが迷わずに済む。

そして、サイレント・マンガ・オーディションだ。
http://www.manga-audition.com/


テーマがあり、最低5ページから10ページという範囲があり、セリフなし。締め切りまでの時間二か月。

子犬の周りに柵ができた。

●ネームは暗号か??

今回参加したSMA05は3月31日が締め切りでテーマが「友情&伝達のツール」。目的がはっきりしていると制作に向かう気力が違う。結構早々とそれぞれストーリーが出てきた。

ストーリーを出すのに困っている生徒にはサジェスチョンをする。できるだけ「産婆術方式」で、質問攻めにして答えを引き出すようにしている。

ストーリーが出てきたら、それをネームにする。

生徒たちはmangaを読んだことがあるのだから、各ページはコマというもので区切られていることを知っている。

1ページ目の1コマ目から、正式コースで習った描き方で人の顔をまず楕円をふたつ重ね(ヨーロッパ人の凹凸のある顔を描くためのベースは楕円一個ではなく、大小二個なのだ)中心線をひいて正確に描こうとする。

それを止めて、もっと簡単に、顔は丸一個でいい、背景は「学校の廊下」とか「町のシルエット」とか説明文でいい、とサジェスチョンしていく。素早く決めて行った方が勢いのあるネームができる。

何人か必ず、きちんと描かないと想像できないという生徒がいる。その場合はしかたがないのでそのまま描かせる。そうでないと先に進めないのだ。

この学校に来る前にすでに描いていた生徒は、アタリで描いていく事ができるし、作業が早い。

マンガ制作の経験のないものを短時間で引っ張っていくのは難しい。どうしても中に詰め込むものが多くなるのが素人さんだ。

例えばアリアンナ嬢は、「友情」を一人でネットの世界に住むのが好きな主人公の女の子が現実の友人(リア充っていうの?)との交わりを知ることとし、「伝達のツール」に紙に書いた手紙とスマホを使った。

「友だちがいない」ことを、原稿を左右に分けて、授業中のクラス内、主人公のつまらなそうな顔のアップ。そして授業が終了したクラスと主人公の嬉しそうな顔で表現した。

その後、学校を出る主人公。自宅に入る主人公。部屋でコンピューターの前に座ってヘッドホンをつける主人公。Facebookの画面にlikeがたくさんついているのを見てにっこりする主人公、と続く。

その後、窓ガラスになにか当たる。窓から見るとクラスの男子が丘の頂上にある木に向かって走っている。ドアに行ってみると手紙が差し込まれていて、丘の上の木の絵が描いてある。

ちょっと驚いて(驚いた顔のアップのコマ)何の疑問も持たずに丘の上の木に向かうのだ。

木のそばに絵手紙の主がいて、他の二人の友だちを紹介してくれる。四人で走り回って遊ぶ。

次のページに同じ大きさのコマが三つ並んで、同じ構図の木の絵。実がなったり葉っぱが落ちたりして、時間の経過を示す。

次のコマはなぜか引っ越しの車の絵。そして主人公と男の子が手を振る。

次のページは雪景色だ。雪を踏んで二人は木のそばへ。スマホを取り出す。

最終ページはそのスマホを中心に、四人が座っておしゃべりしている大きなコマが占める。終。

ネームの解読が必要だ。

主人公の女の子に絵手紙を送る男の子は誰? 突然現れる二人は誰? 二人が街を去るのは都合良すぎる。

最後のページでスマホを中心に四人が座っているのは、チャットを表しているのだそうだ。ネットを通した付き合いだけど、実際に会った後なので、最初のネット内だけの付き合いとは意味が違う、というわけだ。全10ページ。

ほとんどの生徒のネームはこのように、行動の羅列になってしまう。

本人には内容はわかっているのだが、作者の頭の中を覗けない読者には行動の意味が伝わらないし、主人公の感情はなおさら伝わらない。

「友達がいなくてつまらない学校生活」に口がへの字の顔だけでは読者は感情移入ができない。ただの信号だ。

ここから贅肉殺ぎの作業をしていく。出てきたストーリー、というか、行動の羅列の中で、いいたいこと(テーマ)に必要のないものをわかってもらい、それを外して行く。

アリアンナ嬢の場合、余計なのは木がある丘で紹介してもらう二人だ。学校から出る。家に入る。という行動もいらない。そのスペースで、ネット世界に遊んで満足している様子を描くことができる。

リア充に導く男の子のことをもっと読者に知らせる。例えば、内気なクラスの男の子で、主人公を気に入っていた。だから、最初のページに主人公を目で追う男の子を描く。木のある丘で会って、握手をするときにはにかむコマを入れるなど。

アリアンナは自分のスマホでネームを撮って、Facebookのメッセンジャーを使って送ってきた。週に一度の授業なので、次の週までに私が意見を送れば、直したネームを持ってくる、というわけだ。熱心な生徒だ。

上に書いたことをもう少し詳しく書き、しかもPhotoshopを駆使して、ネームを直したものをメッセンジャーで送った。

しかし、その後アリアンナは授業に来なくなって、このネームがそれ以上進むのを見ることはなかった。自力で仕上げて送ったかどうかもわからない。

正式コースではない悲しさだ。私のセミナーに来なくても成績には影響しない。

●夢の実現

締め切りの3月31日の週に復活祭もあった。復活祭はキリスト教徒にとって、クリスマスと同じかそれ以上に重要なのだそうだ。国の祭日でもあり、クリスマス時期と同じように学校は一週間休みになる。

セミナーのある金曜日がその中に入ってしまうので、復活祭バカンスの前日と直後に学校へ行って仕上げた原稿を受け取ることにした。

家にスキャナがない生徒が多いし、サイトへアップするのを間違えては困るという不安もあるからだ。原稿を仕上げない理由をひとつでもなくすための策でもある。

結果七人が仕上げた原稿を持ってきた。それ以外に二人は自力で応募している。計九人。

セミナーの参加者が当初45人。段々脱落していって20人ほどになり、その中で作品を期日までに仕上げた者が9名。この数字が多いか少ないかという問題ではないと思う。

ゼロから自分の作品をペン入れまで仕上げた、期日までに二か月で仕上げた、という経験をこの9名は得たわけで、そういう機会を提供できたことを嬉しく思う。

でも、仕上げたー! で終わらせないで、やっと一歩なのだ、とわかってくれないとね。この先どんどん作品を仕上げていかないと夢の実現には近づかない。

セミナーの半ばで一作目を仕上げるのは例年通りだ。今年はオーディションに参加というイベントになったことが違う。そして、一作仕上げると一段落した気持ちになるのか、セミナーに出てこなくなる者が増えるのも例年通り。

参加希望者が多くて、部屋に入りきれず、朝、午後、夜と三クラスあったものが、合計で15人ほどになったので、一クラスにまとめようと学校に言われた。

この文章の最初に「具体的な絵の描き方や道具の使い方は見せることができるので、学習する方も自分のレベルなど把握するのが簡単だ。」と書いたのは、このことにも関係している。

一段落すると出てこなくなる、ということは、それ以上はいいや、と思うということだ。魅力がない。

だからふっと、人気の出そうなつけペンの使い方とかトーンの使い方とか、具体的な作画技術を専門にしてしまおうか、と、考えたのだ。

と、考えたのと同じ日に、当のサイレント・マンガ・オーディションのスタッフの一人からメッセージが届いた。

「山根先生の教え子サルバトーレ君が準グランプリをとって東京に来ています。教えが実を結び始めた感じですね。」

絵に描いたような大団円……ではないのだ。

サルバトーレ君が参加したのは3月始めが締め切りの特別企画、テーマ「桜」のオーディションで、しかも学校の生徒ではないのだ。

5年前にデ・アゴスティーニ社刊の「manga & anime」シリーズの監修をしていたのだけど、同名のオフィシャル・サイトでのチュートリアル・ページをよく訪問し、課題を提出し、質問をしていたのがサルバトーレ君なのだった。「教え子」というのも必ずしも間違いではないか。

サルバトーレ君にお祝いのメッセージを送ってちょっとやりとりする中で「当時、mangaと言えばつけペンとトーンで描くものという認識しかなかった時に、構築法という側面からmangaを語った唯一の人があなただった。おかげで色々なことを学んだ」ということを書いてくれた。

学校から参加した生徒が賞をとったのなら、セミナーへの関心ももっとあがったかもしれないけれど、サルバトーレ君の入賞は、もちろん、その功労のほとんどは本人の絶え間ない努力によるものだけれど、私のしていることはまんざら無駄ではないのだ、と思わせてくれた。

作画技術というわかりやすく、目を引き、人受けがいい講義。だからこそ、他の学校でもやっていることに傾かず、やっぱり最初の志を全うしようと決めたできごとだった。

これを書いているときは、サルバトーレ君の入賞はまだ発表になっていないけれど、これが出るときにはサイレント・マンガ・オーディションの公式サイトで作品が見られるはずなので、ぜひともご覧ください。


【Midori/マンガ家/MANGA構築法講師】midorigo@mac.com

飼い犬のヌーボラ嬢がはや15歳を過ぎ、ヨボヨボになってきた。白内障で耳が遠くて、あちこちの関節が炎症を起こしている。昨年11月の予防接種の時の診察で、予防接種は受けなくていい、それより炎症を抑えたり中枢神経の働きを助けるサプリメントを服用させて、あまりプロテインの高い食事は避けて……といろいろ注意をもらった。

つまり、犬生の終わりに近づいているという宣言だった。ここへ来て、寝ていることが多くなり、移動も大儀そうになってきた。足の筋肉が弱って、よたよた歩き、何もないところで滑ったりしている。時々ハッハッハッハッと息が荒くなるのは、弁膜が上手く閉じないので血流が悪く、酸素不足になるからだそうだ。

幸い、かかりつけの獣医は、何が何でも寿命を伸ばそうという考え方ではない。取れる痛みは取っていくという対処療法で自然の手に任せ、彼女が逝く時を決めるまで見守ろう(打つ手がなくなり苦しむだけならば安楽死も含む)という考え方だ。

この二日、下痢をして食べなくなり、寝たきり状態になったので、医者に通い、また今日食べ始めてヨタヨタ歩くようになった。

昨年、三年前と90歳を超えた舅と姑を看取って、命の終わりとその尊厳を体験として学習したので、下手に高ぶったり不安になったりせずに、ヌーボラの終焉を見守ることができそうだ。感謝とともに。

MangaBox 縦スクロールマンガ 「私の小さな家」
https://www-indies.mangabox.me/episode/18803/


主に料理の写真を載せたブログを書いてます。
http://midoroma.blog87.fc2.com/



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■アナログステージ[142]
仕事で使っていい言葉、ダメな言葉

べちおサマンサ
https://bn.dgcr.com/archives/20160422140200.html

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蕗の煮物が美味しい春。お供の油揚げはそう、大和あげがいいかな。近所のお豆腐屋さんで、揚げたての油あげでもいい。

鶏もも肉を軽く炒め、蕗と油揚げを、花鰹で丁寧にとったお出汁に、白醤油、薄口醤油、みりんを合わせて煮込む。

火は弱火。せっかくの蕗がトロトロになってしまっては、旬から笑われてしまうので、強火は禁物だ。

漬物皿には、自家製の胡瓜と茄子のぬか漬け。アゴと日高昆布でしっかりととった出汁に、仙台味噌を溶かし、火を止める。

茶碗に炊きたての白飯をよそい、地場産の春キャベツを手でちぎり、味噌汁の椀の上に浮かべる。一瞬で、キャベツの色がハッキリとした緑に変わる。平鉢にツマを盛り、脂ののった鰆の刺身を三切れ、横に穂じそを添える。ほかの薬味はいらない。

今年の春を迎える支度はできた。

「いただきます」

うまい。カラダが春がきたことを感じている。アゴ出汁と仙台味噌の相性は抜群だ。春キャベツの甘さと柔らかさに、温々とした優しさがある。

蕗はどうだろう。シャッキリとした歯ごたえがあるが、筋ばってはいない。塩梅も上々。茶碗の白飯が、あっという間に空になる。口直しにぬか漬けを頬張る。毎年、変わらぬ我が家の味だ。

醤油皿に穂じそを茎に沿って落とす。我が家には、数十種類の醤油があり、食に合わせて醤油をかえている。3年くらい前から、刺身には、弓削多の『吟醸純生しょうゆ』を愛用している。

まずは、脂でほのかに光っている鰆の刺身を一切れ、口に運ぶ。

白身で身のやわらかい鰆だが、この時期の脂がのった鰆は、中とろに近い旨味がある。白身魚と穂じその相性も、これまた抜群だ。本当ならば、穂じそより紫芽(芽じそ)のほうが合いそうだが、紫芽はまだ時期ではない。

これは好みによるが、ワタクシは、白身魚のときには山葵は使わない。繊細な白身の旨さが、山葵のアクセントで台無しになってしまい、なんの魚を喰っているのか分からなくなるからだ。その代わりに、穂じそや紫芽などの、香りアクセントにできる香辛野菜を添える。

気がつくと、二杯目の茶碗が空になっていた。さすがに食べ過ぎたであろうか、春の香りも手伝って、最高の満腹感でいっぱいの、べちおです。

ここまでが枕です(笑)

ということで、今回はグルメコラムではなく、前回の続きのようなコラムです。

●無意識に使ってしまうあの言葉たち

通常の会話ではあまり気にならない言葉も、メールやFAXなど、テキストでのやり取りでは、ものすごく気になる言葉が存在します。気にしないかたは気にしないのでしょうが、オイラは気になります。とても気になります。

今回は、ついつい無意識に使いがちなあの言葉(キーワード)を挙げてみます。

・キーワード:その1『お世話さまです』

なにをどなた様にどのようにお世話になっているのか、未だにオイラもさーっぱりと分かりませんが、社会人になると、家族の間で交わす「おはよう」や「おやすみ」以上に、口にする言葉になります。

メールで、取引先や下請けさんへの連絡事項を書く際にも、「お世話になっております」と、とにかく使用頻度が一番高くなる言葉。

稀に(でもないんだけど)、「お世話様です、下記の件ですが…」というような、「おれってば、めっちゃ忙しいんだよね、知ってるよね、だから簡略でいいよね、わかってくれるよね、みんな」のような輩から上記のような、手抜きの挨拶をいただきますが「オマエが忙しいのなんか知ったこっちゃない」です。

気心が知れている仲ならばいざ知らず、通常業務ではきちんと「いつもお世話になっております」を使いましょう。

・キーワード:その2『なるほど』

もうこれ、本当に多いです。なるほどTHEワールドの影響力が強いのか、テレビでも「なるほど、なるほど」と、あちこちで多用されているので、普通に使っているかたも多いでしょう。

「なるほど」は使ってはいけない言葉というよりも、目上のかたに対しては、使ってはいけない言葉のひとつです。あまりにも浸透しすぎて、つい忘れがちになりますが、いち社会人として、使うケースを減らしていきたい言葉です。

・キーワード:その3『そうなんですか』

ときたま、「そうなんですね」とか、「よろしかったでしょうか?」など、首を横に、カコっと傾けたくなるような、不思議な日本語を耳にしたりしますが、皆さんはいかがでしょう。

プライベートでは、「ふーん、そうなんだ」って使う場面は多いですよね。オイラも多いです。しかも「ほぅほぅ、そーなんだ、ふーん」といった具合に、うわの空チックに相槌を打ちがちです。

しかし、この「そうなんですか」という言葉、人によっては不快指数が高い言葉だということはあまり知れられておりません。オイラはそこまで気になるような言葉でもありませんが。

同僚なんかは「こいつ、話し聞いてない(理解してない)だろ」って思うらしく、「そうなんですか」を多用する人には、なるべく仕事を振らないようにしていたりします(そこまで神経質にならなくてもいいような気もしますけど)。

では、「そうなんですか」の代わりに用いる言葉というと…… ありません。似たような言葉で「そうですね」がありますが、これは問題ない。

「そうなんですか」という言葉の代わりに、その話しの流れをくみ取り、話の中枢になっていることに対して、返事をすることが、「そうなんですか」の代わりの言葉になります。

「あそこのラーメン、すごく美味しかったんだよ」
「そうなんですか」

素っ気ないですよね。会話もそこで終わるパターンがほとんどです。

「あそこのラーメン、すごく美味しかったんだよ」
「噂には聞いたことがありますが、何系のラーメンですか?」

このように、話を繋げながら、会話のキャッチボールを楽しむのも、コミュニケーション能力のひとつですし、なにより、『会話の内容をあやふやにしない』話しかたが、デキる大人には大切です。

・キーワード:その4『了解しました』

メールで一番多いのがこれ。オイラが仕事メールの文中で書かれて、一番嫌いな言葉であったりします(笑) オイラは、プライベートでは使いますけど、立場関係なく、仕事では絶対に使いません。

「なるほど」と同じで、目上のかたに使うのは絶対にNG。「承知いたしました」という言葉があるのに、なぜ「了解しました」と書くのか、問い詰めたい衝動に駆られたりもします。

オイラ部署では、ベンダー(下請け)さんだろうが、部下ちゃんだろうが同僚だろうが、普段から「承知いたしました」を必ず使うようにさせております。

・キーワード:その5『すいません(すみません)』

謝るときの「すいません」、尋ねるときの「すいません」、難しい日本語の代表格でもありますが、謝るときは「申し訳ございません」、尋ねるときは「お尋ねしたいことがありまして」とか、いくらでも代用がある言葉。

「すいません、○○でもよろしいですか、すいません」

会話で使うのは、場の空気というものが存在しているので、すみませんレベルが把握しやすいが、メールでは、「どのすみません?」となる。


今回でまた暫く地下にこもります

まだまだたくさんあるのですが、タイムオーバーなので、また機会があったときにでも、デジクリで取り上げてみますね。

「オマエに言われたくねーよ!」とか仰らずに、ぜひご参考にしてください。明るい未来が待っているかもしれません。

ピンチヒッターでの登板は今回で最後になります。クソ忙しいけど、原稿もなんとか書けているし、レギュラーに戻ってもよさそうな。

時期をみてまた戻ってきます。ゴールデンウイーク、事故や怪我ないよう、愉しい時間をお過ごしくださいね、ではまた。


【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp

NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。愛機はD90とGRD4。最近はiPhone6で写真撮影多し。全国寺社巡りで、過去の懺悔道中をしております(そろそろ冬眠終わり)。

・先日、出張(という息抜き)先での休日に、滋賀県の海津大橋の桜を見にいってきました。琵琶湖の湖面に沿った、たくさんの桜。絶景のひと言。久しぶりに愛機のD90を肩からぶら下げるも、「写真に残すより、心に残したい景色」で、撮った写真は、わずか3枚。

そんなケースがこれから増えていくんだろうな…… と、思い耽る中年。


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編集後記(04/22)

■デジクリは明日から、高齢の、もとい恒例のGWメンテナンス休暇に入ります。5月9日(月)から再開の予定です。ところでデジクリは4月何日かに19年目に入った模様です。※昨年のテキストの数字だけをいれかえました(笑)

●和田竜「村上海賊の娘」を読んだ(2013、新潮社)。上下巻累計100万部のベストセラーで、2014年の「本屋大賞」と吉川英治文学新人賞をダブル受賞。上下巻で約1000ページ、重量約900g、大変なボリュームである。眠る前に読んで10日かかったが、前巻途中で投げ出しそうになった。重いからではなく、なんとなくのれないからだ。主人公である景(きょう)の言動に共感できない。景は欧米人のような容貌から醜女扱いされるが、美女だと憧れる連中もいる。悍婦のくせに良き武者振りの男に弱く、察しが悪く、自分の価値観だけで突進する迷惑キャラで、ヒロインらしくない。まあカワイイと言えなくもないが。

むしろ、準主役である、敵方となる真鍋七五三兵衛の方が好感度が高い。圧倒的な不利の状況でも、立たねばならぬという心意気がいいが、もちろん計算ずくでもある。景よりも頭が良く、とにかく強い。桁外れに強い。あまりの超人ぶりに鼻白む。そう、延々と続く海戦、格闘シーンは、漫画みたいというか、CG使いまくった映画というか、リアリティが乏しい。筆者は脚本家であり小説家でもある。資史料を充分読み込んできちんとした設定を構え、まず一年かけて脚本を完成させた。その後に小説化するという手順を踏むから、連載中に矛盾が出て処理できない、ということはなかったという。確かに物語に穴はない。

主な出演者(って映画みたい)は実在する。村上武吉に実の娘がいてもいいはずだ、ということで造形したのが景である。わたしはたくさんの登場人物がいると、たいていわけが分らなくなるのだが、この物語は登場人物それぞれにメリハリの利いた造形をしているから、ほぼ迷うことなくストーリーを追えた。悪趣味なわたしの好きなキャラは、又右衛門と安太夫の瓜兄弟である。風采のあがらぬヘチマ顔で、ヘラヘラとぼけたふりをしてじつは残忍な主殺し、相当腕が立つ。間違いなく映画化されるが誰が演じるかな。そもそも、常識外れの大きな二人、景と七五三兵衛は誰が演る。CGの助けがなくては無理だろう。

読み進めながら、漫画化するなら誰がいいかとも考える。たまたま併読していた荒俣宏「日本まんが」で、平田弘史のインタビューがあり、リアル時代劇ではこの人しかいないと思う。だが、「村上海賊の娘」はちょっと悪ノリ(としか思えないシーン)が目立つ戦闘ファンタジーなので、違うなと思い直す。じっさいは吉田史朗が漫画化しており、まあいいかという出来である。この小説は多くの資史料をつかって書かれたから、説明がくどいところもあるが、まったく知らなかった海賊ビジネスの仕組みがわかって面白い。もちろん、ソマリアの海賊とは全然違う、乱世のあだ花である。読了できてよかった。 (柴田)

和田竜「村上海賊の娘」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4103068825/dgcrcom-22/


図書館はベストセラーをどれだけ買い込んでいるのか?--「村上海賊の娘」
のデータを調べたら頭が混乱した話(CNET Japan)
わたしも図書館の複本問題、わからなくなった……。
http://japan.cnet.com/sp/t_hayashi/35074578/



●べちおさんカムバーーーーック!/最近、有名人が亡くなりすぎて話題にもしない。これって自分が歳とったってことよね……。読んだ本、見た映画やテレビ・お芝居、聞いた音楽などが多くなれば、名前を知る人だって増えるわけで。その人たちが高齢になっているわけで。

名古屋ウィメンズマラソン続き。元タカラジェンヌの陽月華は、大声で歌いながら自転車でお稽古場へ通っていたそうな。久しぶりに舞台に上がることになり、踊りながら歌うため、肺活量を鍛える必要があるんだって。

昨日の動画を見てもらってもわかるけれど、踊りながら歌うし、肩で息しないし、踊ってすぐに台詞を言えるのが当たり前って大変だなぁ。私も歌いながら走れば、マラソン用の肺活量アップに……勇気ないっす……。

走者エリアに入ると、湿布のにおいがきつくなる。そうよね、みんな無理してるよね。荷物を預けるためにぞろぞろ列をなして歩いていたら、エリートさんたちがウォーミングアップをしていた。野口みずき選手に皆の視線が注がれていた。対抗車線ですれ違う時にもみんな拍手していたよ。

今年も二の腕に関門時間を書いた。腕での違いと言えば、左手に家人に借りた脈拍計測機能搭載リスタブルGPS「SF-810B」(腕時計)、右手には昨年つけていたデジタルスポーツ時計を装着。両腕って本田かっ!

右手で現在の時刻を走りながら見られる。関門との戦いがあるギリギリランナーには必需品。ただ普段右手に時計をはめることはないので、手首の骨に当たって痛くなり、途中ではずした。

左手は昨年iPhoneでの記録が、バッテリー切れのため41kmで終わってしまったので、すすめられたし、つけとくか程度。イヤホンから1kmごとにペースや経過時間が聞こえるからいらないんじゃないかと思っていたのだが、これがもう本当に凄かった。

どう凄いか書こうとしたがスペースがないわ。気が向いたらGW明けにでも。みなさま素敵なGWをお過ごしください〜。地震が収まりますように! (hammer.mule)

陽月華。めっちゃ男前の表情と踊りをする元娘役さん
http://www.spacecraft.co.jp/hana_hizuki/


SF-850PB。新しいのが出たのね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01AUCFYIA/dgcrcom-22/


SF-810B。ひとつ前のモデルなので安くなってるよ〜
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00NV1TY52/dgcrcom-22/