ネタを訪ねて三万歩[137]わたしに「断捨離」を言わないで
── 海津ヨシノリ ──

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テレビを見ない生活なので記憶が曖昧ですが、大昔……初めてのお使い〜みたいな番組がありましたね。なんと今回の私は、ローマ字変換を用いています。初めてのローマ字入力での原稿というわけです。

10年前なら200%ありえないことです。本格的に宗旨替えするかについては微妙な状態ですが、やっぱり我慢できずに来週あたりはATOKをゲットしているかもしれません。

慣れていないということの影響は大きいと思いますが、文章がなんとなくワタシ的でないような気が……。とにかく大学では、解説の関係でローマ字入力なので、まったく出来ないということはありません。

昨今の大学生はスマホの達人が多くて、PCの達人は少ないようです。そんな彼らと比べたら、私のローマ字入力は超速かもしれません。

最近の学生はPCが苦手だということをあちこちで聞き、私自身も実感しているのですが、それを嘆くのは少々軽率な考えのような気がしています。確かに現状では、PCが使えないと仕事に支障が出るでしょう。もちろん、一般事務職も含めた状況の話です。

でも、視点を変えると、PCは使えてもスマートフォンやタブレットが駄目な中高年が増えてきているという事も見え隠れします。かつて若者が急速にPC操作に慣れたとき、中高年はキーボードがまともに使えないと騒がれた、あの時と同じですね。視点を変えると、見えなかったことがジワジワと見えてきます。

さて、今年の8月はお尻が痛くなるほど座りっぱなしで、さすがに疲れました。秋以降の授業準備が半端ない量で、ほとんど本を執筆するような状況だったのです。




更に中盤以降はエアコンの故障で、悪夢のような暑さの部屋で、扇風機も使えずにデータ作成に励んでいましたので、もう怖いモノなしのような開き直りしかありません。

もちろん、水分補給など体調管理はいつもより神経質になっていました。何しろInDesign、Illustrator、Acrobat DC、Photoshop、Bridgeを起動したMacProの熱暴走を気にしながらの、とってもストレスを溜め、体力を磨り減らす日々でした。

このエアコンの故障は100回記念セミナーの直前でしたので、セミナーのデータ整理に専念しました。工事の見積もりなどで業者が室内に入るには、あまりにもモノが多すぎて、どうしようもない状況だったからです。

そして、セミナー後に緊急荷物整理……。廃棄書類やカタログ、そして・古いマニュアル類を積み上げると3m、読んでしまってブックオフ行きの本や古い参考書類は3m、不燃ゴミが60L、可燃ゴミが120L、ダンボールが72L。とうとう徹夜になってしまいました。

結局何とかなったのですが、モノは捨てないと駄目ですね。心を入れ替えて、今後は断捨離(だんしゃり)に徹したいと思うのですが……。

●断(入ってくるいらない物を断つ)

まず無理だと思います。ついつい衝動買いしてしまう悪い癖は直りそうにありませんが、なんとかしたい気持はかなり強いです。

●捨(ずっと家にあるいらない物を捨てる)

これは必死の努力で何とかなりそうです。10年も使っていないソフト……使うにも環境が既にないソフトのマニュアル類が山のように出て来ました。さらに、様々なパッケージの空箱……本当に猛省です。

●離(物への執着から離れる)

これは絶対に無理ですね。でも何とかしないとダメですね。

資料という括りだけでも、画像処理関連、プラモデル関連、彫塑関連、Office関連、データベース、プログラミング関連、折紙や戦国関連、スイーツ関連……ジャンルが増えるばかり。

大学の授業などで扱っているソフトだけでも、
Photoshop、Illustrator、Acrobat、Animator、Dreamweaver、InDesign、Strata、modo、Shade、Excel、Word、PowerPoint、Access、VisualStudio……
何かルールを決めないとダメみたいですね〜。

さてさて、ソフトには比較的温厚な私も、Acrobat DCには相当キレかかっています。まず、いちいち「コンテンツ準備の進行状況」が表示されてイライラ。DC以前からありましたが、いまだにユーザー設定で消せないのは腹立たしい限り……。DCでも消せないですよね。

で、それはもう諦めているのですが、それよりも、存在するはずのページがまったく表示されないという不思議な状況に時々遭遇します。そんなときはMacのプレビューで乗り切っているのですが、なんとも不快な環境に何とかして欲しいと叫びたくなります。

まっ、待っていられないのが現場ですから……で、とにかく環境が悪くて冷静になれないときに限って、InDesignで笑っちゃうようなミスをしているのに、まったく気が付かないという失態は、お約束の範囲なのかも知れませんね。

あっ、そうそう……2006年からほぼ毎月行なっていた、画像処理セッションの100回記念セッションは無事に終わりました。参加して下さった皆さん、本当にありがとうございました。

私としては酔狂で記念のマグカップを作成して、会場でクジ引きプレゼントしたのですが、意外と綺麗な仕上がりに我ながらビックリしています。これだったら、今後も色々と作ってみようかと……ということで次回は200回記念……って、少々早すぎますね。

■今月のお気に入りミュージックと映画

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[Suis-moi]by Camille in 2005(U.S.A)

「リトルプリンス 星の王子さまと私」の挿入歌。とってもポップでリラックス出来る曲です。2002年のデビューアルバム "Le Sac des Filles" も良かったのですが、こちらの方が私は肩に力が入っていない感じで好きです。

Camille - Suis-moi (Le Petit Prince) [Clip officiel]


[The Little Prince]by Mark Osborne in 2015(France)

邦題「リトルプリンス 星の王子さまと私」。内容はアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ「星の王子さま」の後日談を、勉強漬けの9歳の少女の目を通して描かれるものになっている。

予告編では松任谷由実の曲が主題歌になっていますが、それは日本語吹き替え版だけです。個人的には、字幕で見た方が圧倒的にイメージがいいです。

例えば、老人飛行士の声は「光の旅人 K-PAX」「トロン」のジェフ・ブリッジスが担当。少女は「インターステラー」のマッケンジー・フォイが担当。素敵なお話は「本当に大切なモノは目に見えない」「この子はきっと良い大人になる」で締めくくられます。

The Little Prince Official Trailer #1 (2015)



【海津ヨシノリ】
グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
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粘土細工は相変わらずドツボにはまって大騒ぎ。今月は「ゾンビ三兄弟」ということで、ゾンビの顔三つを作りました。紙粘土で1分ほど練り込んでから乾燥させてペイントなのですが、今回は目玉にBB弾を利用しています。40mm程度の顔にはちょうどよいサイズでした。

ペイント処理は、サーフェース代わりに赤のラッカースプレーを吹いてから、アクリルカラーで基本塗装後に油彩でウェザリングです。かなり気持悪くて、いい感じのゾンビ三兄弟が出来上がりました。

ということで、途中でとうとう仮名漢字変換に変更してしまいました。ATOKがダウンロードで販売していたので魔が差しました。やっぱり染み込んだ感覚は消せないですね。

◎9月の画像処理セッションは9月15日(木)の予定です。
〜Photoshopの復習【応用力が付く切り抜き処理】〜

講演内容:画像合成に欠かせない切り抜き処理と、マスキングが激変した最新環境の親和性と、従来処理との違いと組み合わせについて、解りやすく整理・解説いたします。

・クイック選択と自動選択の使い分け
・色域選択処理の可能性
・選択とマスクの正しい使い方
・割り切りと古典的手法の活用

参加は無料ですが、申し込みが必要です。詳しくは以下のサイトでご確認ください。
https://www.borndigital.co.jp/seminar/4647.html