アナログステージ[146]花八層倍、薬九層倍、お寺の坊主は丸儲けは事実なのか
── べちおサマンサ ──

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コンニチハ。おかしな天気が続いておりますが、読者の皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。オイラは具合悪いところに、身内の不幸やら、仕事のトラブルがバタバタと続いていたりで、「ハァ? 夏季休暇? なにそれ、おいしいの?」状態でございます。

今回は、前回の続きを予定しておりましたが、原稿を書く時間状況が好ましくないので、先日にあった、叔父の葬儀手続きのときのお話を。




●医者もビックリ絶妙のタイミング

朝方に緊急の連絡が入り、急いで病院へ駆けつけたのですが、オイラが処置室のドアを開けた瞬間に心肺停止。先に駆けつけていた叔父の家族は、みんな揃って口がポカーン状態。

なんという間の悪さでドアを開けてしまったのだろうか。まるでオイラが殺してしまったような空気が部屋に漂う。

しかも、着ていたシャツが、京都の三千院で購入した、般若心経のシャツだったものだから、「なんて準備がいいのかしらw」と、死にたてホヤホヤの叔父を前に、笑いが飛び交うも、オイラは白目状態。

慌てて家を飛び出したものだから、着ているシャツなど、まったく意識していなかった。顔を洗う余裕すらなかったので、当然といえば当然だが、シャツくらい着替えてくればよかった。

その後、病院が提携している葬儀屋さんの手配へと話は進むのですが、叔父家族から「不慣れで心配なので、付き添いしてほしい」とお願いされたので、特別断る理由もないので、そのまま葬儀屋さんの手続きへ。

安置所に移動したところで葬儀屋さんが病院へ到着。そのまま、遺体を自宅へ搬送していただき、葬儀の手続きが始まったのですが、お寺のお話になったとき、葬儀屋さんがおかしなことを言い始めた。

葬儀屋「お寺さんは決まっておられますでしょうか?」

オイラ「はい、ウチは代々、○○寺にお世話になっております」

葬儀屋「今からですと、お寺さんの都合も分かりませんよね? よろしければ、こちらでお寺(坊さん)を手配させていただきたいのですが」

オイラ「はい? それは菩提寺に確認してから、住職の都合がつかない場合ですよね?」

葬儀屋「後からお寺の変更もできますので、こちらのお寺さんをお願いしたいのですが」

オイラ「変更ってw 旅行会社にツアーをお願いするわけではないので、おかしいお話ではないでしょうか? それに、仮に菩提寺の都合がつかなくても、連絡はしないと。勝手に違うお寺にお願いすると、菩提寺に離檀したとか勘違いされた場合、話が拗れますし」

といった具合に、葬儀屋と繋がりがあるお寺さんを薦めて、どうやらお寺さんからバックマージンが貰えるような、葬儀ビジネスシステムになっていそうな臭いがしてくる。

ただ、上記のやり取りは、葬儀屋の説明が悪いだけで、実際には、これには理由があることは、オイラは分かっていたので、後ほど。

●裕福なお寺さん・貧困なお寺さんの二極化

僧侶の手配をWEBから頼める『お坊さん便』というのが少し前に、ネットやらで話題になりましたが、あれは、無宗派のかたが、お寺さんと繋がりがなかったり、お布施の金額や、法事、法要の出費などで、お財布が心配なかたが利用するには、いいのかもしれない。

実際、菩提寺との付き合いが、先祖代々からと長かったり、ご先祖さまの戒名がすごいと、お布施は相当な高額になったりする。一回の法要でも、お布施の金額は、ん十万円というのはザラだったりで、やはり、一番の心配は供養そのものよりも、お金になってしまう。

なので、葬儀屋さんが、繋がりのあるお寺を薦めてくる理由の背景も、分かっていたりする。葬儀屋さんから見せてもらった資料に、お布施の金額も明確化されていたので、訊きにくいけれど一番心配なところが、きちんと目に見えるのは安心。

オイラ自身、巡礼であちこちのお寺さんへ行ったが、有名な観光寺は別モノとして、札所に入っているお寺さんでも、檀家収入がメインだと一目で分かるお寺さんもたくさんある。

お寺の維持だけでも、かなりの費用が掛かるので、檀家を増やそうと、お墓の分譲販売に力をいれているお寺さんが増えているのも事実で、巡礼していると、お寺の山門横に『新規墓地分譲中』と書かれたのぼり旗が、風になびいているのをよく見かける。

オイラママの実家のほうへ遊びにいったりするとき、「檀家にしてあげてもいいですよ」的な、なにか勘違いしているお寺さんの話も聞いたりしますが、本来は、檀家さんのためにお寺があるので、お寺が檀家を選ぶというのは間違っている。

以前WEBで読んだ、興味深い住職のBLOGがあって、探したらまだ残っていたので、ご紹介。

・『お坊さんが隠すお寺の話』 - 洞松寺住職ブログ:
http://www.tgiw.info/weblog/2010/07/post_692.html


このBLOGを読んでいただいてお分かりのように、現代社会で残るには、会社であろうが、お寺であろうが、やはりお金がついて回る。これはもう、仕方ないことなのだ。

檀家収入が少ないお寺さんは、必然的に、サイドビジネスが必須になってしまい、身近な葬儀屋さんと手を組むことで、新しい収入経路を切り開いていかなければ、やっていけない(生活できない)事情があるのだ。

もう一つ、興味深いWEBページがありましたので、貼っておきます。中盤、かなり具体的な数字が書かれており、オイラは興味深かったです。

・相談と回答例:布施について 布施の金額の関する取り決めについて
http://www.zenshoji.or.jp/soudan/soudan2.htm


オイラも、子どもたちに迷惑のかからない死後を準備しておかないと。


【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp

NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。愛機はD90とGRD4。最近はiPhone6で写真撮影多し。全国寺社巡りで、過去の懺悔道中をしております。

うーん、いそがしいー、また月末に(^^