[4245] 自宅でお手軽VR

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《クリスマスには間に合います》

■装飾山イバラ道[190]
 自宅でお手軽VR
 武田瑛夢

■crossroads[38]
 CoderDojo JapanでScratchの本を出します
 若林健一




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■装飾山イバラ道[190]
自宅でお手軽VR

武田瑛夢
http://bn.dgcr.com/archives/20161206140200.html
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今年はいよいよバーチャルリアリティ(VR)の自宅用の機器が発売された。だからVR元年なのだという。私も10月にPlayStation VRの体験イベントに行ってきた。

人気があって購入予約ができる回はとっくに締め切っていたので、買うことはなかった。ただ来年になればNintendo Switchを多分購入するので、今は他のゲーム機は買わないと思う。

私は遅咲きのゲーム好きだけれど、自宅に買ったテレビゲームはWiiしかないし、最近はiPhoneやiPadでなんでも済ませていた。VRはソニーストア銀座で無料体験ができるなら、一回は試してみようと思ったのだ。

●PlayStation VRの体験会

PlayStation VRの体験会はWEBで予約をした。幾つかのムービーの中から、サメが襲ってくるムービーを選んだ。これはテレビでも何度か紹介されていたものだ。

頭につけるヘッドセット(ゴーグル)はとても大きくて、誰もがロボコップみたいになれる(なりたくなくても)。夫と一緒に行ったけれど、まず私がセットしてもらうことになった。それぞれの動画は、少しだけ時間差で始まったようだ。

椅子に座ってヘッドセットを装着され、動画がスタート。視線を上下左右に回すと、どこまでも続く海の中の3DCGの映像がきれいだ。

海の中にはサメが来ても安全なカゴの中に入って、どんどん深海に降ろされる。下からクラゲがプワプワたくさん上がって来るのだけれど、自分の足や体が見えないのが、当たり前だけれど不思議だ。

360度の動画って、一度見ただけでは自分の見た方向しか確認ができない。下から来るクラゲに気を取られていた時は、上で起こっていたことは見過ごしてしまうのだ。だからこそ、同じムービーでも何回も楽しめるのかもしれない。

いよいよ荒ぶるサメのシーン。テレビでは体験者がワー! キャー! 言っていたけれど、私はなんだかワクワクしてしまって、怖さはなく楽しんだ。それはたぶん子猫と老猫の猫じゃらしの反応の違いと一緒だ。ワーなるほどー、キャーなるほどー、といちいち冷静だ。

夫よりも私の方が先に動画が終了したので、ヘッドセットを外してもらう。すると夫がまだヘッドセット姿であたりを見渡していたのが面白くて、iPhoneでこっそり動画撮影した。

ここで公開すると夫婦仲に問題が生じそうなのでやめるけれど、これから体験する人は、自分だけヘッドセットの状態を仲間に見られることを油断しない方がいい(笑)。

●お手軽スマホVRゴーグル

VRというとYoutubeでもアプリでも、色々とクオリティの高い動画やゲームがアップされている。皆バンバンVR動画を作っているので、大量にありすぎて良いものを探すのが大変なのだ。

デジクリの吉井さんのVRの記事でも、色々な動画が紹介されていたけれど、誰かのお勧めから見てみるのがやっぱり良いようだ。

これを見るにはスマホ用のVRゴーグルを買うのが手軽だ。2,000円から4,000円程と手頃だし、これでも十分楽しい。

私もAmazonで最近発売されたヘッドフォン付きの3,000円台のものを購入した。スマホはiPhone7Plusだ。iPhone7には従来のイヤホンジャックがないけれど、セットするにはイヤフォン用アダプターを使えば問題なかった。

スマホ自体が重たいので、装着感はどうしても重たい。ヘッドフォンで耳をがっしり押さえられるので、安定は良い方かもしれない。

試しにYoutubeの「VR」や「360」で検索して、出てくる動画をどんどん見てみた。動画をスマートフォンで見た時に、右下に出てくるゴーグルのアイコンを押せば360°の映像モードになる。

すぐにはピントを合わせたり再生をしたりが、なかなかうまく行かなかったけれど、慣れるとコツがわかってきた。

いくつか試して没入感のあるものほど「酔う」ということも分かった。酔うかどうかは人によるけれど、頭を大きく動かさなければいけないものなどは、私にはつらい。自分が三半規管が弱いということを思い出した。

楽しいのもつかの間、だんだん気分が悪くなってしまうのだ。これはVR酔いと呼ばれるものみたいだ。見ている情報と体の不一致から来るという説もある。

この記事を書くために、何度か休憩を挟まないと無理だったので(笑)私は適性がないタイプなのかもしれない。

ゴーグルはレンズで拡大表示しているので、元画像がなるべくきれいな方が粗さが気にならないようだ。きれい目のものを以下に選んでみた。

画質もきれいで、巨大な恐竜が周りにいて迫力満点。お腹の膨らみ感も目の前に迫ってくる。真上に首の長い恐竜の頭がある感じだ。このような自分の位置が固定しているタイプは、比較的見やすくて好みだということが分かった。

360 degree JURASSIC PARK VR for Google Cardboard.
DINOSAURS VR panoramic video[4K Ultra HD]


猫カフェで猫と戯れているお姉さんたち。普通の猫動画と違って完全に猫目線だ。猫好きとしては猫たちに囲まれるのが嬉しい。後ろから迫り来る茶色の猫は、上記の恐竜と同じぐらい大きく見えて、自分の体勢を変えないと見ることができなかった。

Cat Town Cafe(360° 4K VR)


美しい草原の中を本物の象の群れが歩いてくる。ぐるっと振り返っても、美しい景色が広がっていて癒される。カメラを鼻で突っつくような仕草は象が勝手にやったものだし、微妙な緊張感がリアルでいい。自然を撮影した映像物は、お気に入りをどんどんブックマークしたいと思った。

Surrounded by Wild Elephants in 4k 360


宇宙船の中に完全に入り込んで動画を見ている感じ。最後の方のダースベイダーの周りに飛び交う宇宙船の夕暮れ? の景色の美しさは、ファンにはたまらないものではないだろうか。

STAR WARS 360 VR - Hunting of the Fallen


360°ではないけれど、2画面の立体視で奥行き感が感じられるタイプの3D動画。3D映画を見ているようで、前だけ見ていればいいので楽。

テレビ用なのか比率が変だけれど画質がきれいで、トンボの羽がどのように動いて飛ぶ力を生んでいるかが詳しく分かる。立体的だからこそ伝えられる内容かもしれない。

AMAZING 3D MOVIES SBS #3DinTV


iPhoneアプリだと、インタラクティブ性があって、自分の選んだ進行方向でどんどん景色が変わるものや、視線でボタンが選択できるものがあるので楽しさは増す。

ただ、やはり私に適性がないのか、長時間プレイはつらい。そしてまだリモコンを持っていないので、コントローラーでアクティブに動くゲームはできない。現状あまり評判の良いリモコンを見つけられていないのだ。

それでも無料のアプリや動画だけで、体験しきれないほどの世界がこんなに広がっているのはすごいと思った。こんなにお手軽にお安く見られちゃってありがとうと言う気持ちだ。

まだ試していないけれど、ホラーの場合は怖いものが来ても、手で目を覆えないのはきっと恐怖だろうな。なぜかゴーグルをつけたまま毛布をかぶる姿が目に浮かんでウケル。

目をつぶれば回避できるけれど、目をつぶって怖さが消えるなら今までもそうしたはずで、やはりそれだけでは恐怖から逃げるのは無理なのだ。

これからゲーム会社が本気で作るVRは、きっともっと多人数が同時に遊べる形になっていくと思う。今のものだとゴーグルの中ではまだまだ孤独だと思ったのだ。

今でも一人がヘッドセットをつけて、同じ映像がテレビに出ていて周囲の人と一緒に遊ぶというのはあるらしいけれど、なんだか物足りない。キャラクターに化けた友達が映像の中に見えて一緒に戦ったり、同じ空間に飛び込んでいければ楽しさ倍増だと思う。

振動や動きもやはりあるとリアルで楽しいので、マッサージチェア型とか、中に入れるカプセル型とか面白そう。移動型透明カプセルに入って恐竜時代を安全に楽しむのが夢だったけれど、映像体験だけならすぐにでもできそうだ。

タイムカプセルとか宇宙旅行とか、映像を作る人の仕事はまだまだ増えていきそうな気がしてきた。


【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/

マンションの民泊問題は確かに知らないと怖い。うちのマンションもこの春に慌てて規約が変わった。皆で使っている建物なのだから、どう使うかは皆の意を問う必要がありますね。


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■crossroads[38]
CoderDojo JapanでScratchの本を出します

若林健一
http://bn.dgcr.com/archives/20161206140100.html
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こんにちは、若林です。日本のCoderDojoの有志で本を出すことになりました、12月22日発売です。

CoderDojo Japan公式ブック Scratch(スクラッチ)でつくる! たのしむ! プログラミング道場
https://www.amazon.co.jp/dp/4800711517/

タイトルにあるように、Scratchを通してプログラミングの楽しさに触れてもらえる内容になってます。

初めてScratchを使う子どもたちにとっては、簡単な作例から順に取りかかれるようになっていますし、ある程度慣れた子どもたちにとっても、引き出しを増やすいいきっかけになると思います。

この本はCoderDojoで活動する6名による共著で、4月からプロジェクトはスタートしました。

あわよくば、8月27日の「DojoCon Japan」の前に発売できればといいつつ、DojoCon Japanの準備に忙殺されてとてもそれどころではなく断念。

DojoCon Japanが終われば、と思っていたもののそれぞれ忙しくて10月、11月とターゲットスケジュールが伸びて、なんとか年内の発売で収めることができました。

最初は、本を出すということについて具体的なイメージを持てず、どこから手をつければいいのだろうかと思っていましたが、担当編集者の方のリードにより内容に集中して書くことができました。

具体的なプログラムの例を載せる本ですので、本として世の中に出た時に恥ずかしくないようかなり慎重に進めました。子供達に間違ったことを伝えられないというのはもちろんですが、エンジニアとしてのプライドもあります。

それでも何がしかのツッコミがあるのだろうと覚悟はしています。どんなツッコミがあるのかな、amazonのレビューにはどんなことを書かれるのかな、期待と不安が入り時混じった気持ちで、発売日を心待ちにしています。

以前から「本を出してみたい」とは思っていたので、共著とはいえ自分が書いた文章が本になって発売されることはとても嬉しい。

クリスマスには間に合いますし、年末年始の休みを子どもたちと一緒にプログラミングして過ごすいいきっかけになると思いますので、少しでも関心があれば、まずは本屋さんでちらっと立ち読みしてみてください。

そして、この本をきっかけにCoderDojoに参加してみようと思う、子どもや大人が増えればいいな。


【若林健一 / kwaka1208】
http://kwaka1208.net/aboutme/

CoderDojo奈良・生駒〜子どもためのコーディング道場〜
http://coderdojo-nara-ikoma.github.io/

ソーテック社より12月22日発売! 税込2,052円
CoderDojo Japan公式ブック Scratch(スクラッチ)でつくる! たのしむ! プログラミング道場
http://amzn.asia/58Gk80h


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編集後記(12/06)

●石平「漢民族こそ歴史の加害者である」を読んだ(2016、飛鳥新社)。2013年、韓国の朴槿恵大統領は「加害者と被害者という歴史的立場は、千年の歴史が流れても変わることはない」と恐るべき発言をした。過去の日韓の歴史(=韓国ファーストの超絶偽史)を未来永劫、日本叩きの材料にしようとする決意だろう。じつにシンプルに断言したものである。即座に日本の朝鮮史専門家が、容赦なく無慈悲にバッサリ斬り捨て、笑い飛ばしてくれればよかったのだが、あきれてものが言えないとはこのことで、バカバカしくて検証するまでもないと放置した(たぶん)。そこで、元中国人で今は日本人となった筆者が立った。

韓民族の立場に疑問を感じる専門家がいないなら、自分で検証しようと決意、三年間、門外漢が朝鮮半島の歴史を猛勉強した。あらゆる専門書や文献を読み漁り歴史を考察した。視点や内容の公平さをことさら意識して、日本人学者の著作だけでなく、韓国の代表的な歴史家たちの著作の邦訳版をできる限り入手し勉強のテキストとした。結論はこうだ。韓国人は常に、韓民族は長い歴史において、度々外国から侵略を受けてきたと主張しているが、そのほとんどは韓民族自身が、嘆願して外国軍を半島内に招き入れてきたのだ。理由は、外国勢力を半島内の勢力争いや内輪もめに巻き込んで、その力を利用するためだった。

それが「半島国家の多用する常套手段であり、韓民族の不変の習性ともいうべきものだった」。日本も、中国も、半島の内紛に巻き込まれて大きな被害をうけ続けた。ときには「元寇」における高麗王朝のように日本侵略の主役、加害者でもあった。米中大国が巻き込まれおびただしい若者の血を流し、甚大な被害を受けた「朝鮮戦争」という事実を見よ。朝鮮戦争の拡大と長期化の原因は中国軍の参戦にあるが、それは国連軍が38度線を越えたからだ。毛沢東は38度線さえ越えて来なければ中国は関与しないと表明していた、のにもかかわらず。38度線突破を画策し、主導したのは当時の大韓民国大統領・李承晩であった。

その一部始終は韓国の著名な歴史家の著作にある。金日成、李承晩は「韓民族の政治指導者らしく、『外国頼み』の伝統芸を遺憾なく発揮して、米中両大国を半島の内戦に巻き込み、おびただしい人命を、自分たちの火遊び、無駄な戦争遊戯の生け贄にしてしまったのである」。この本には、半島史上の三国統一戦争の時代から朝鮮戦争の時代まで、日本や中国をはじめ諸外国が、いかにして不本意に半島の内紛や権力争いに巻き込まれ多大な被害を受けたかという歴史がいやというほど描かれている。「今までの歴史がそうだったように、半島国家はいつまでたっても、東アジアのトラブルメーカーであり、国際秩序にとって災いの元だ」。〈加害者:韓国 被害者:日本〉ということだ。 (柴田)

石平「漢民族こそ歴史の加害者である」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864104611/dgcrcom-22/


●若林さん、ご出版おめでとうございます! 私も、いつか本を出してみたいなぁ。

/「死ね」「殺す」などの言葉は忌諱している。呪いの言葉だ。口から出すなんてとんでもない。文字で見るのも、いまこうやって入力するのもイヤだ。

最近は「殺す」とは言わず、「死ね」と言うそうだ。他人に言葉や圧力で促す。自分は手を下さず、覚悟せず、責任を持たず、目的を果たそうとする。

世代の広いゲームは「やっつけた」になっている。子供用のアニメもたぶんそうだろう。しかし子供らはキャラが「死んだ」と言う。簡単に「死ね」と口にする。私の感覚とは違い、軽いんだろう。

自分の所属するコミュニティ(国)のやり方や不甲斐なさに腹が立った時、今は自分も含めて「死ね」なんだなぁと、流行語大賞を見て思った。「変えて欲しい」「方法はないのか」じゃなくて、自分も含めての消滅を願うんだなぁと。そういう意味では衝撃的だし、感覚が違いすぎて到底受け入れられない言葉だ。

とは書いているものの、自分に向かう「死ぬ」「死んでまう(「し」は入れない)」は使う。「死んだ目をしてしまうわ」とか。

そして、デザイン用語として使っている(笑)。要素がバッティングしてたら「どちらも死にますよ」、ごちゃごちゃしていたら、「線が死んでいますね」。その時は動物の生死とは別の感覚なんだけど、子供らが聞いたら同じだろう。

「どちらも生き生きしませんよ」「線を生(活)かせてません」とでもしようか。いまさら難しいなぁ。 (hammer.mule)