[4272] 心脳問題に至る病

投稿:  著者:  読了時間:26分(本文:約12,700文字)


《変だろ、変だろ、おかしいだろ。》


■ Otaku ワールドへようこそ![249]
 心脳問題に至る病
 GrowHair




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■ Otaku ワールドへようこそ![249]
心脳問題に至る病

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http://bn.dgcr.com/archives/20170127140100.html
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われわれの意識はいったいどこから生じているのか。これは、数百年にわたって人類を悩ませ続けてきた根源的な問いであり、「心脳問題」と呼ばれる。

根源的な問いというのは、普通に生活している人々にとっては、往々にしてなじみが薄く、その問いの意味からして、ピンと来づらかったりする。いったい何を問うているのか。どこが謎なのか。

でも、ひとたび「あっ」と気がつくと、今度は、頭の中がそればっかりに支配され、他のことがすべて霞んでしまうということも往々にして起きる。

普段の生活を営む中で、損するより得したほうが嬉しいとか、負けるよりも勝ったほうが嬉しいとか、そういうのは自明なことのような気がしてたけど、そっちのほうが、かえって分からなくなってくるのである。

嬉しいと思うほうへなびくという、われわれの行動原理ひとつをとったって、それは意識あってのことである。ところが、意識がいったい何に由来し、どういうメカニズムによって成り立っていうのか、というところにおいて、われわれ人類は、ほぼ何も知らないに等しい。

生活上においては自明に思えることといえども、その自明さは、拠って立つべき土台がしっかりしていればこそのことである。ところが、その土台の領域において、われわれは何も分かっちゃいないのである。そしたら、その上に建てた建造物にいったいなんの意味があるのか。

そういうわけで、生活上のあれやこれやをいったん棚上げにしてでも、心脳問題をまずなんとかしておかないことには、何も始まりゃしないじゃないか、と思えてくるのである。

さて、心脳問題とはなにか。どこが謎なのか。

●心脳問題、謎だらけ

われわれ人間といえども、食ったもんで出来ていることには違いなく、身体は、脳も含め、物質によって構成されている。物質であるからには、物理法則にしたがうはずである。

ところが、ニュートン力学から始まって、相対論や、量子論や、それらの統合理論である超ひも理論を紐解いてみても、「あー、このあたりからなら意識が生じてもおかしくないかもな」と思えるような原理は、そう簡単には見当たらないのである。そこがたぶん、心脳問題の本質的な謎。

脳科学方面は、ここ十数年ばかりの間に著しい進歩を遂げ、いろいろなことが分かってきている。脳神経細胞どうしの間で、電気信号をやりとりしている。これが、われわれの思考の正体であるらしい。

ひとつの細胞は、シナプス結合によって接続されているいくつかの別の細胞それぞれから電気信号を受け取り、線形和をとり、活性化関数にかませ、出てきた信号をいくつかの別な細胞へと送り出す。

一個一個の細胞がどのように機能しているかについて、現段階で分かっていることは、だいたいそのくらいであって、その機能自体は、機械によって代替することが簡単に可能な程度のものである。

数百億個だかの脳神経細胞が互いに信号をやりとりする総体として、われわれの精神の活動がなされている。どうも、そういうことらしい。

しかし、である。一個一個は機械のように簡単な計算しかしていない脳細胞が、大量に集まったからといって、意識が生じたりするものなのか。

ひとつひとつの構成要素には単純な機能しかなかったとしても、それらを階層的に構造化することによって、下位の層にはなかった性質が、上位の層に現れてくるという現象は、起こりうることであり、「創発 (emergence)」と呼ばれる。

われわれの意識は、単純な機能をもった脳神経細胞が、階層的な構造をもって結合することにより、創発的に生じる、という説が、ひとつある。

仮にその説が正しかったとしても、具体的にどういうふうに結合されれば意識が生じるのか、その方法については分かっていない。そこが、また、謎。

「意識の統合情報理論」という仮説が出てきてはいて、意識が生じているとき、脳細胞はある評価関数の値が高くなるような結合構造をもっている、ということが言われている。しかし、逆に、そのような結合のしかたをしてさえいれば、意識は自然と生じるものなのか、そこはまったく分かっていない。

解明された暁には、同じ機能を機械で実現することにより、意識をもったロボットというものが作れるようになるかもしれない。人工知能(AI)の中でも、意識をもったものを「強いAI」と呼ぶが、現段階では、まだ実現できていない。

これができると、機械の知能が人間のそれを追い越すことになるはずで、それを「技術的特異点 (Singularity)」と呼ぶ。あと30年くらいでその日が来るんじゃないかと言う人もいる。

また、脳科学において、ベンジャミン・リベット氏の実験により、われわれには自由意志があると思っているけれど、どうやらそれは錯覚かもしれないということが示唆されている。

なるほど、われわれには意識があるような気がしてたけど、それは実は錯覚で、ほんとうは機械のように必然の法則にしたがって動作しているだけのもんであり、意識なんてなかったんだ、ってことになれば、心脳問題は問いとして成立しなくなり、問いそのものの消滅という形をもってして解消する。

けど、たとえ錯覚にせよ、われわれは意識があると感じている。しかし、一方、アイボーやペッパーみたいなやつは、たぶんだけど、意識があるという錯覚すらしてなく、意識は片鱗も存在しない。その違いは何か、という謎は依然として残る。

●割と先端を走っているっぽいロジャー・ペンローズ

創発説に異を唱え、現時点において最も進んだ仮説を提示しているのは、ロジャー・ペンローズ氏である。「進んだ」とは何をもって言うのかについては、多分に感覚的であり、この際、深追いしないことにして。

ペンローズ氏は、数学にたいへん明るく、心脳問題を論じるのに、「ゲーデルの不完全性定理」まで持ち出してきている。物理学における「不確定性原理」の間違いではない。

われわれの思考は計算的ではないという。ひらめきとか飛躍とか、特別の作用があって、そういうのはアルゴリズムの形をしていない。メカニズムが解明できたとしても、計算機でシミュレーションできるようなものではないのである。

ニュートン力学では、そんなことの起きる余地はないから、量子論がからんでくるのではないか。脳神経細胞の中にナノチューブルという細い管があって、その中で波動関数の収縮が起きていて、そこから意識が生じているのではないか、という。

ペンローズ氏の予想は、科学的な仮説の形をしているかといえば、まあ、そう言えなくもない。将来、科学が進歩して、観察や実験のための方法論や設備が整備されていけば、その仮説が正しかったか正しくなかったか、検証可能であろう。

その限りにおいては仮説と呼んでも差支えないのだが、しかし、漠然とした仮説である。たとえそれが正しいと分かったとしても、なるほど、それなら意識が生じて当然だよね、と納得できるようなメカニズムの説明にはなっていない。

そこまで説明しきるためには、これから新しい物理法則が発見されるのを待たなくてはならないという。現段階で確立されている相対論や量子論においては、もろもろの物理量の相互関係が数式的に記述されており、現実世界において測定した数値と非常に高い精度で符合している。

その限りにおいては、非常に優れた理論であり、間違っているとはとうてい言い難い感じのするものではあるが、しかし、ちょっとばかり物足りない感じがするのである。

測定した結果として得られる数値が精度よく予測できたとしても、じゃあ、実際のところ、そこで何が起きているのか、と問えば、うまく説明できないのである。分からないんだけど、とにかく数値だけは合っちゃう。

物理学の役割として、「そこまででじゅうぶんじゃないか」、「それ以上、求めてどうする」という立場の人もいるけど、ペンローズ氏は、今の理論だけじゃ、どうにもすっきりしないという。なので、そのむずかゆいところをなんとかする理論がこれから登場してきて、それで意識の問題も進展するはずだ、と予想している。

物理学者のホーキング氏は、ペンローズ氏の説を笑い飛ばしている。量子論も神秘、心脳問題も神秘だからって、ただ結びつければいいってもんじゃないでしょ、と。

●なんか違う気が……

ペンローズ氏とホーキング氏のやりとりを見ていると、絶望的な気分になってくる。明確な仮説が打ち立てられていて、それについて、合ってるの合ってないのと細部を突っつき合う議論しているのではないのである。

だいたいこっちのほうの山に登ると宝が埋まっているのではなかろうか、いやいやそんな方面、どこ掘ったって宝なんか出てきやしないよ。そんなレベルの議論なのである。

現段階でこんな調子じゃ、真相解明まで、あと300年はかかるわ。だとしたら、この議論に対して、私が勝手な予想を一言二言述べたとしても、生きてる間に恥をかく心配は、あんまりなさそうだ。

ペンローズ氏の仮説、方向性としてはいい線いってても、ナノチューブル内で波動関数が収縮とか、合ってないんじゃないかなぁ。

●世の中、間違っておる!

ひとつ思うのは、この世は間違ってるんじゃないか、ってことだ。

時代遅れの価値観に凝り固まった頭の固い老害みたいなのが、権力の座にしがみついて権勢を振るっているとか、民主主義にはバグがあるとか、って方面の話ではない。物理の話である。

相対論や量子論は、観察された現象を精度よく記述できているという点においては、間違ってはいないのだとは思う。けど、なんか、変だ。

相対的に位置関係が変化しつつあるAさんとBさんが、「あんたの時計、進むの遅くねーか?」「いやいや、あんたの時計こそ、進むのが遅い(注:「速い」ではない)んだよ」とお互いにののしり合っているのを、「いやいや、きみたち、どっちも正しいんだよ」と認めちゃうとか。

打ち出された球が、人が見てないとこでは波に化けていて、行く手に細長いゲートが二つあると、その両方を通り抜け、その後、自分どうしで干渉しあって、もやもやっとした干渉縞を生じ、でも人が観察したときには、シレっと球に戻っている。そんなシナリオを認めちゃうとか。

変だろ、変だろ、おかしいだろ。

でも、変なのは、理論が変なのではない。現実に起きていると観察されている、現象が変なのだ。理屈から言って、矛盾としか言いようのないことが起きているのである。そんな現象、起きちゃだめでしょ、と叱りとばしてやりたい。

「だめでしょ」と言ってみたところで、現実に起きているものはしょうがないので、物理学者たちは、うんうんと呻吟した末に、クレイジーな理論を編み出してきたのである。

しかーし。やっぱ変だ。そんなことが起きちゃってる、この世の中が変だ。

光速不変という現象も変だし、二重スリット問題という現象も変だ。それらにも増して、いっそう変なのは、われわれに意識があるってことだ。そんなこと、起きちゃいけないんじゃ、なかろうか。

目に見えている、あるいは、実際に起きていると知覚しているような気がしている現象というものをあんまり信用しすぎちゃ、いけないんじゃないかな?

シェークスピアの言うように、この世は、誰かがみている夢なのかもしれない。シェークスピアがそんなこと言ったかどうか、よく知らんけど。

●答え、聞いちゃった

ある日、目の前の机がガタッと鳴る。驚いて飛び退くと、ひきだしの中からごそごそと這い出してくる未来人。26世紀から来たという。

お、お、お、お願いですっ! 心脳問題の正解、教えてくださいっ! そしたら、気前よく教えてくれる。図と数式を書きならべ、ていねいに説明を書き加えてくれる。

けど、聞いてもなんのこっちゃか、さっぱり理解できない。でも、これが正解なんだよな? その図と数式入りの解説が書かれた紙を、世界一高名な物理学者のところに持っていって、「先生、これが正解なんだそうですけど、何言ってるのか分かります?」と聞いてみる。

しばらく紙を凝視して、「ん?」とか「はぁ?」とかいぶかしげな声をあげながら、ためつすがめつしていた教授が、ある瞬間、かっと目を見開き、顔が一気に紅潮したと思うと、うぉー、うぉーと奇声をあげて、そのへんの床をごろんごろん転げ回る。

ひえー、そんなにびっくりするような意外な答えだったんですかぁ〜? どうやらそういうことだったらしい。

世界でトップクラスの優秀な頭脳の持ち主たちが、根源的な謎に挑み、来る日も来る日もそのことばっか考えて、何十年も生きてきた。そこに人生を捧げてきた。

それなのに、とりとめもないSF的空想というレベルにおいてさえ、誰一人として、発想することすらできなかった。

けれども、ひとたび正解を聞いてみれば、ぎゃっと絶叫し、なんでそこへ思い至ることができなかったのだろうと悶絶してしまう。

そんなあたりに正解が転がっているような気が、私はする。

●なんか、うらやましいぞ

で、その床ごろごろって、なんだかうらやましい気がするのだ。正解を知ったとき、驚き、感動する能力があるってことが。

相対論と量子論を中途半端に理解した、ぐらいの段階で腹いっぱいになっていると、ひきだしから出てきたやつから斬新な理論を教えてもらったとしても、もうこれ以上食えないよ、ってなる。これじゃ、感動のしようがない。

ひきだしから未来人、いつか出てこないとも限らないじゃないか。あるいは、300年後なら現れてもぜんぜんおかしくないようなのが、ちょっと早めに、20年後ぐらいに出てきちゃうとか。大天才、現る、みたいな。

「ひょっとして、これじゃね?」って言いながら、おずおずと仮説を提示すると、ペンローズ氏が「おお! それを待ってたぜ!」みたいな。そのときに備えて、せめて聞いて驚けるくらいの土俵に立っていたいと思うのだ。

で、いるかどうか分からないけど、「それならオレも一緒に連れていってくれ」って人がいるかもしれない。

そういうわけで、これから何回かに分けて、そんな話をしていきたいと思います。どんな話かって、だから、相対論とか、量子論とか。物理だけじゃなくて、数学も。基礎論のあたり。選択公理とか、ゲーデルの不完全性定理とか。

でも、そこには問題があって。自分がまだよく理解できていないのだ。理解できていないことは、人様に説明できない。だから、まず、自分が理解するところから始めないとならない。

これって、けっこう遠い道のりかも。まあ、ぼちぼちやります。なんか分かったら、そのときにそれを書き、特に理解が進まないときは、チョーくだらないことを書いて埋める、と。よろしく〜。


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《TBS よくやった! シリアのアサド大統領にインタビュー》

2017年1月17日(火)、シリアのダマスカスにて、Japan News Network(JNN)がアサド大統領に単独インタビューし、27分10秒にわたる映像が、20日(金)、TBSテレビのウェブサイトに掲載された。アサド大統領が日本のメディアからのインタビューに応じたのは、およそ6年に及ぶ内戦状態に陥って以降、初めてのこと。

 1月20日(金)掲載、1月23日(月)更新
 TBS News 国際
 シリア・アサド大統領、単独インタビュー(全録)
 27分10秒の動画
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2964153.html

この中で、今まで大手メディアがシリアの情勢について報道してきたことと、明らかに食い違うことが述べられている。

どっちが正しいかは、即座に自明ではないが、少なくともAとBとの間で対立が生じているのであれば、AとBとの両者から話を聞いてみるというのは、たいへん健全なことと思う。

そのあたりまえのことが今までできてなくて、西側からの偏った情報しか入ってきていなかったのだとすれば、イスラム圏からのナマの情報が日本に届くのをどっかで遮断されていたってことではないだろうか。

遮断していたのは誰で、それは何のためか。アメリカが、意図的に発信してきたウソがバレるのを防ぐため、と勘ぐるのは穿ちすぎだろうか。

じゃあ、それが急に入ってくるようになったのは、なぜか。それは、アメリカが大きく方針転換したからではなかろうか。いや、なんたって、その動画が配信された1月20日(金)がトランプ大統領就任の日なもんだから。

米国の世界覇権維持勢力と大手メディアが結託した軍産複合体が、今までついてきたウソを積極的にバラして信用を失墜させ、これからは情報が自由に流通する健全な世界を作っていこうぜ、ってメッセージなんじゃなかろうか。

11月18日(金)配信分のこの欄に書いたけど、中東情勢について、真実は下記のようなことになってるんじゃなかろうか、と私は疑っていた。
http://bn.dgcr.com/archives/20161118140100.html

いままで、米国政府は、ユダヤ圏の国家であるイスラエルの言いなりになって、メディアと癒着してウソの情報を流布し、イスラエル周辺のイスラム圏国家を悪者に仕立て上げて、軍事攻撃や経済制裁してきた。

フセイン大統領は自国民を虐待する暴君であるとか、大量殺戮兵器を隠し持ってるとか、難癖つけてイラクを軍事攻撃したのもそうだけど、次には、アサド大統領が統治するシリアを同じ目に遭わせようとしていた。

で、反アサド勢力をこっそり支援してたら、そいつらがISに育っちゃった。どっちもイスラムであることに変わりはない。テロ集団たるISは、アメリカが育てたものである。フランスあたりにまで迷惑をかけるようになり、やっぱり撲滅せねばなるまい、となったときも、手ぬるくしかできなかった。

それをプーチン大統領率いるロシアがバシッとやっちゃったもんだから、アメリカは面目を失い、オバマ前大統領はロシアに対して感情的になっていた。

さて、今回公開されたインタビュー映像の中で、アサド大統領は、上記の見方を裏づけるような数々の発言をしている。

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まず、アサド大統領は、言われているような暴政を敷く独裁者などではなく、憲法と民主主義を尊重した、国民思いでリベラルな基本姿勢を示している。そして、下記のように述べている。

アメリカの企業やロビー団体やメディアは利害関係を持っているため、トランプ新大統領が政策として掲げる、テロとの戦いや、他国の主権の尊重や、ロシアや中国などとの関係改善を通じた国際関係の緊張緩和などを邪魔してくるでしょう。

「イスラム国(IS)」はアメリカの管理下で生まれました。トルコはイスラム国を支援しました。トルコやアメリカがイスラム国との戦いに参加するとは期待できません。

あからさまな例としては、数週間前、アメリカのドローンによる監視の中、イスラム国がパルミラを制圧したことが挙げられます。彼らは砂漠の中を抜けてきて、パルミラを占領したのです。

今日も、イスラム国はシリア東部デリゾールを攻撃しています。アメリカは、それを知りながら、イスラム国を止めるために何もしませんでした。真剣ではないからです。

トルコは、イスラム国やアルカイダに同情的で、イスラム国やヌスラ戦線と戦っているように見せかけるために工作をしつつ、実際には、それらの組織を支援しています。トルコの支援なしに、それらの組織は生き残れないのです。

子供を含む何百万人もの難民や国内避難民について、問題の一部として最も重要で、欧米や国際社会の多くが触れない面があります。欧米やその同盟国によってシリア国民に科されている経済制裁は、政府に対して効力を発揮しておらず、シリア市民一人一人の生活に影響を与えたのです。

多くの国民が国を離れたのは、テロリストからの脅威からだけでなく、普通の暮らしに必要な基本的なものを手にすることができないからでもあります。食べ物、教育、医療など、手に入らなくなりました。

彼らはフランスに歓迎されるかどうかが問題なのではなく、ほんとうは自国に帰りたいのです。

日本は、何十年も前に国交を持って以来、シリアを含むさまざまな国の発展に、インフラ支援などの分野でとても重要な役割を果たしてきました。日本は中東地域におけるさまざまな問題で、公平さを保ってきました。

しかし、シリア危機の初期に、日本は初めて慣例を破り、欧米社会と歩調を合わせ、シリア大統領に辞任を迫り、シリアへの経済制裁に加わりました。

在シリア大使館を閉じた日本は、シリアと関係を絶った多くの欧米諸国と同様、状況が見えていません。

日本が得ている欧米諸国からの情報は、我々からすれば、ばかげたものです。一方の手で食べ物を与え、もう一方の手で取り上げるようなものです。

我々は主権国家で、日本は常にシリアを尊重していました。世界の中で日本を際立たせたその立場に日本が戻ることを期待します。我々が過去数十年間知っていた姿に日本が戻ることを期待しています。

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こんな情報が日本に入ってくるようになったことは、大いに歓迎すべきことと私は思う。

今まで、もし日本が勝手にこんなことをやったら、アメリカの逆鱗に触れ、ただじゃ済まなかったであろう。テレビ局のボスの首が飛ぶとか、首相がスキャンダルを暴かれて失脚するとか。

軍産の情報操作の圧力に屈しない、トランプ大統領の強硬姿勢の賜物である。ユダヤ支配からアメリカを解放しようと戦う、革命家トランプ。勇気あるトランプ。われらがヒーロー!

ただ、些末なところで、人格的にあんまり尊敬しづらい部分もあるらしいから、手放しで褒めちぎっていると、バカみたくみえてしまうかもしれない。ほどほどにしておこう。

それにしても、大統領就任当日という絶妙のタイミングでこの映像が公開されるとは、手回しがよすぎるぞ。

事前にインタビューしとかなきゃならないし、そのためにはもっと前々から申し入れておかなくてはならない。ひょっとすると、当選直後に安倍首相がトランプ氏と会談した際、「やれ!」と言われたんだったりして。だとしたら、ウチの首相もグッジョブだ。考えすぎかな?


《イスラエルに豚骨ラーメンの店》

新宿に「○宿めんてんてん」というラーメン屋があることを知ったのは、1月23日(月) のこと。その日の帰りがけに、さっそく寄ってきた。

めっちゃとんこつ。スープがどろっと濃厚。ラーメンのタイプとしては、「天下一品」のに近い。

ネギの爽快な植物系の青臭さが、とんこつの動物系のこってりした脂っこさを緩和して、絶妙のコンビネーション。スープがどろっとしているおかげで、細麺によくからんで、濃厚な味が楽しめる。なかなかいけるぞ。

しかし、それにしても……。世界に国々はいっぱいある中で、よりにもよって、ユダヤ教の戒律で豚肉を食することが禁じられているイスラエルで、とんこつラーメンの店の支店を出そうなんて発想に、よくぞなったもんだ! テルアビブは比較的緩いらしいけど。

このラーメン屋のことを知ったのは、下記のニュースから。

 2017年1月23日(月)11時47分
 朝日新聞デジタル 国際
 豚骨スープは禁断の味? イスラエルに日本のラーメン店
 テルアビブ=渡辺丘
http://www.asahi.com/articles/ASK1P2JXDK1PUHBI026.html

おそるおそる豚を食ってみて、「超絶うめー!!!」ってなってるイスラエル人を想像すると、ちょっと笑える。飯テロかよ?


《そうとう読まれたはず、シン・ゴジラの感想》

2016年10月26日(水)配信分のデジクリで『自虐の国のゴジラ』のタイトルでTOMOZOさんが書いたシン・ゴジラの感想。
http://bn.dgcr.com/archives/20161026140200.html

12月2日(金)にMAG2NEWSが取り上げていて、「いいね!」が1,000個以上ついている。

2016.12.02
MAG2NEWS ビジネス
【ネタバレ注意】米在住の翻訳家が「シン・ゴジラ」で驚愕したこと
http://www.mag2.com/p/news/230000

それが、その日のうちに、ライブドアニュース、gooニュース、楽天Infoseek NEWSなどにも上がっている。そうとう多くの人に読まれたんじゃないかな。デジクリの宣伝にもなってるはず。

http://news.livedoor.com/article/detail/12364639/
http://news.goo.ne.jp/article/mag2/business/mag2-230000.html
http://news.infoseek.co.jp/article/mag2news_230000/

私からお伝えしたわけでもないのに、KADOKAWAウォーカー総編集長の玉置泰紀氏がFacebookでシェアしていた。


《投票していただけると》

根源的な問いへの答えの希求の強さに比べたら、生活上の損したの得したの、勝ったの負けたのなんて、つまらなすぎて霞んでしまう。……などと大言壮語した後で世俗っぽいことを言うのは、たいへん恐縮なんですが。

30秒CM映像作品コンテスト「DMM CM AWARDS」のエントリー作品2本において、出演させてもらっています。

1月16日(月)より、ウェブサイト上でのユーザー投票が始まっていて、現在進行中、2月15日(水)まで続きます。

下記の手順にしたがって、一票入れていただけると、たいへんありがたく存じます。

(1) DMM CM AWARDS のウェブサイトへ
https://cmawards.dmm.com/
(2) 右上にある [人気順] ボタンで表示順を変更
(3) 下記どちらかへ投票、よろしくお願いします〜。
 『DMMのCM JK人文字編』
 『DMMのCM JK青春編』


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編集後記(01/27)

●平山夢明「華麗なる微狂いの世界」を読んだ(2016、洋泉社)。たまたま図書館で見つけたが、よい子には絶対お薦めできない危ないお話ばっかり。「微狂い」と書いて「ビチガイ」と読む。放置しておくのも生き障りな面々を表すぴったりな言葉として平山が思いついたのが「微妙に」+「キチガイ」=「微狂い(ビチガイ)であった。山田くん、座布団一枚。「怖い噂」「不思議ナックルズ」(ミリオン出版)の連載をまとめたものと、がっぷ獅子丸との「世の中、正気かよ」をテーマにした対談、最後に岩井志麻子との「キチキチホイホイ」対談という構成で、このふたつの不謹慎でヤバイ対談は非常に面白い。

世の中ビチガイだらけで、いやな話ばかりびっしり詰め込まれている。この本は「ビチガイな人々の生の証言を検証することで、いつ彼らがムコウ側からコチラ側に侵入してきても、無事に対応できる平常心を清く正しく養って戴こうというものです」というが、電車に乗り込んだ途端「俺より先に座っている奴、全員コローッス!」と叫んで殺人計画を話しだしたビチガイ・サラリーマンの隣にわざわざ座る平山や、あえて樹海でキャンプしてイヤーな目に遭う平山、そういう人でないと、とても対応できないだろう。ああ、いやだ、いやだ、こんな本、と思いながら、結局三回ほど全文を読んでしまった。嗚呼、いやだ。

第1章・“迷宮”に迷い込んだ女たち、第2章・“業”を背負ってしまった女たち、これはビチガイ受難女性に平山がインタビューする形式なのだが、ものすごく悲惨な話に平山がギャグっぽく返すのが不謹慎(というか、この本すべて不謹慎なんだけど)。3分間だけ診察する医者や、いい加減なカウンセラーがいるらしい。「結構病んでる奴がカウンセラーになったりするからね。自分をなんとかするために、そういう勉強してなっちゃった人もいるだろうね」。ありそうな話だ。それから後は、がっぷ獅子丸との対談。がっぷはゲームプロデューサーで、実話怪談やオカルト業界で重宝される怪奇ネタの持ち主らしい。

引きが強い岩井志麻子と平山の対談「基地との遭遇」は、ぴったり息があってリズミカルに進む。なぜかこの二人にはおかしな人が寄ってくる。平山「俺らがなぜ人を殺さないかといったら、殺すと刑務所に入ったり死刑になったり、家族に迷惑がかかったりするからじゃん。自殺する奴は、死のうと思っているんだから、家族に迷惑がかかるのも覚悟済み。案外乱暴なんだよ」岩井「死んでもいい奴は、殺してもいい奴……」。死のうと思って、生と死のギリギリのところにいる奴は危ないんだという話。自殺予定者ほど怖いものはない。これは覚えておいたほうがいい。最後だけがまともな雑談集であった。 (柴田)

平山夢明「華麗なる微狂いの世界」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4800311039/dgcrcom-22/


●アサド大統領のインタビューの件は初耳だった。敗戦国日本が、戦後になってもいかに不利な、あるいは嘘の情報を流され続けたかを考えると、アサド大統領の話は興味深い。どこまで本当かはわからないけれど。

/AED講習会続き。胸骨圧迫をしても呼吸が復活しなかった場合、いよいよAEDの出番となる。うちのマンションに導入されたAEDは、PhilipsのHS1+というもの。リチウム電池で4年は保つらしい。

電源は緑のボタンを押すか、緑のハンドルを引くことで入る。電源を入れると自動的に音声メッセージが流れる。

これってどこもそうなんだろうかと検索してみたら、まずAEDそのものの形や色が違う。何これ? 形はまぁいいとして、色が違うのってどうなの? せめて国内だけでも統一規格ができないものなの?

AEDを使う人は医療従事者や教師、スポーツ関係指導者がほとんどなんだろうと思う。ちゃんとした講習で学び、専門知識を得ていることだろう。でももし私のような簡単な講習会に出ただけの一般人が外出先で使うことになったら? 続く。 (hammer.mule)

Philips HS1+
http://www.philips.co.jp/healthcare/product/HC5066AP01/hs1-
http://www.fukuda.co.jp/aed/products/hs1.html

ドバイの通貨(UAEディルハム)について
http://dubainavi.com/articles/dirham-2.html
AEDで検索したら、1アラブ首長国連邦ディルハム=31.072472円と出た。