3Dプリンター奮闘記[91]この時期は今年も結構なバッタバタ状況/織田隆治

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一度お休みを頂きました。

この時期ですが、年度末と「ワンダーフェスティバル」というフィギュアのイベントが重なります。他にもいろいろなイベントがありまして、制作のお仕事もかなり重なって来ます。

毎年同じようにバッタバタにはなるのですが、同じように今年も結構なバッタバタ状況になっております。

そして、学校はそろそろ卒業とか進級になります。

僕は今、専門学校と大学で少しだけ教えさせて頂いています。大学関係はほとんど年に数回の集中講義等ですが、専門学校は毎週授業を行っています。

今年も、卒業して就職に旅立つ学生がいます。専門学校では、主に3Dプリンターを使った造形を指導しているのですが、塗装やちょっとした手で作る造形なんかも教えています。

そして、この時期は制作展がある訳ですね。今年も卒業、進級制作展を見に行って来ました。

僕も芸術大学で美術を専攻していまして、それを見ると自分の学生の頃を思い出します。そういえば、自分もずっとのんびりやってきてしまい、この制作展前に怒濤の作業に追い込まれていたなぁ……と(笑)。

そして、出来上がった作品は、自分では納得していない、という矛盾した結果(笑)日頃からちゃんとやってれば良いんでしょうけど。





今の学生も、そういったところはあまり変わっていませんね。制作する道具がかなり進化してきていますが、人間はあまり変わらないって事。

出来る人は結構前から進めていて、余裕の内容の濃い制作物。でも、こういった人はやっぱり少ない(笑)

ほとんどの作品は結構「やっつけ」で制作された様子が見て取れます。

「ああ……自分もこう見えていたんだなぁ……」

今、先生と呼ばれる立場になって改めてそう思いました。

そんな事やってた僕も、今ではいいオッサンになり、人を教える立場になっていたり、色々な仕事をさせてもらったり。なんとかなるもんですね(笑)。

まあ、今でもお仕事の造形は、納期ギリギリまで色々と気になる所をいじくり回していて、結局変わってなかったりしますね〜。

さて、3Dプリンターなんですが、この時期は展示会なんかも多くなり、新しい3Dプリンターがたくさん発表されたりしています。

前回までレポしていた「クホリア」もそうなんですが、FDMのプリンターは「より細かく、いや、もっと細かく!」といった具合に、光造形の3Dプリンターにどれだけ近づけるか、って感じになっています。

実際、かなり精度も上がって来て、積層ピッチが0.1mmよりもっと細かいミクロンの世界が常識となってきています。

細かい積層ピッチでのプリントですが、今まで結構やってきました。光造形、インクジェット方式も色々触ってきましたが、その造形に近づくようなFDMの3Dプリンターも出て来ました。

しかし、さすがにFDMと光造形の根本的な違いにより、FDMの場合はその造形物の輪郭、もしくは断面を物理的にヘッドが動いて素描していく訳なので、積層ピッチが細かければ細かいほど、造形にかなり時間がかかってしまいます。

これは、仕方のない事ですが、FDMに0.05mmピッチ以上の精度って、そもそも必要なのかな? なんて思ったりしています。

最近のは、0.02mmとか、本当に凄いFDMがあります。まあ、基本的に縦軸の動きをどれだけ細かく制御するか、という事なので、出来なくもないんでしょうけど。

ノズルも0.2mmくらいのものがたくさん出て来ていて、縦横の解像度もかなり上がってきています。ノズルが詰まりやすい……って障害も出て来ますが。

それより、縦軸のブレや、テーブルとヘッドの精度を上げていく事が重要なんでは、とも思います。まあ、そういった精度を追い求めたプリンターも、かなり出て来ていますけどね。

まず、そういった細かい造形物をFDMで行うには、プリンターの進化も必要ですが、やっぱり素材の進化が必須ですね。

詰まらず、造形テーブルから剥がれず、ダレにくくて後加工が楽。そんな理想的な素材が欲しいところです。

最近は、PLAでもかなりABSに近い性質を持ったフィラメントも出て来ていますし、他にもポリカボやPP等といった面白い素材も出て来ていますので、とても楽しみです。

光造形のプリンターは、基本今の新しいものを見ても、失敗する事がまだまだ多い気がしています。しかし、造形スピードにおいては、やはり一面を一気に光で固めてしまう光造形に軍配が上がりますね。

FDMで造形スピードをこれ以上上げるには、テーブルとヘッドのブレを抑えるために、かなりの剛性が必要になってきますね。物理的にどこまで精度を上げられるんでしょうか。

それぞれ、特徴となる得手不得手があり、そういった役割分担があるものです。その垣根をどんなに埋めようとしても、やっぱりそういう「差」が出て来ます。

うまく使い分けて行く事が必須になってくるんでしょうね。僕の使い方ですが、現在のところ、以下の4つを使い分けています。

大きな部品製作用「造形範囲が各300mmのFDM、ノズル0.5mm」
中サイズである程度精度が必要な物用「各200mmのFDM、ノズル0.4mm」
細かい造形が必要な物用「各200mmのFDM、ノズル0.2mm」
そして、微細な表現には「光造形プリンター」

そろそろ工房事務所も手狭になってきていますねぇ……。まだ欲しいプリンターや機材もあるんですが、そう簡単に導入出来ずにいます。まあ、資金も必要なんですけど(笑)

しかし、現在「シゴトバLAB」の管理、というお仕事も兼ねているため、他に引っ越す事もなかなか難しいので、しばらくは我慢してここで頑張って行かなくては……。

業務についても、色々な事が増えてきて、今まで通り造形だけ黙々とやってられない状況になってきています。

そろそろ人を入れていく必要もあるのですが、なかなかねぇ……。難しいところです。

さて、今週末は幕張で「ワンダーフェスティバル」が開催されます。

その為の準備もしていますが、実は筑波大学の集中講義実習と重なってしまい、「ワンダーフェスティバル」には行けなくなってしまっています。

でも、「ワンダーフェスティバル」に作品は出展しないといけないので、今バッタバタ。委託にて作品を置いてもらうので、ちゃんと分かり易いように梱包もしなくちゃ……。

みなさんに作品を見てもらう様子や、どれだけ反響があったのか、が見れないのが残念です。筑波で学生さんに合うのも楽しみなんですよね。

贅沢は言ってられないので、出来るだけ頑張って行きますよ!

他にもロボットの外装設計制作やデザイン。某企業向けオリジナルデザインのフィギュア制作。某製品試作モデル制作。3DCGイラスト制作等、現在てんこ盛りの状況です。

そういった理由で、3月くらいまではかなりのハードワークを強いられます。僕も今年で半世紀生きる事になりますので、ポンコツボディに鞭打って頑張らないと!

生きてればまたお会いしましょう!


【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
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