腕時計百科事典[34]腕時計のブランド(ヴァシュロン・コンスタンタン)/吉田貴之

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ヴァシュロン・コンスタンタンは、キャビノチェの精神を受け継ぐスイスの名門時計メーカーです。「世界三大高級時計メーカー」の一つに数えられ、またパテック・フィリップと共に「世界二大高級時計メーカー」ともいわれます。

●キャビノチェ

ヴァシュロン・コンスタンタンが創業した18世紀頃、ジュネーブには「キャビノチェ」と呼ばれる時計職人がいました。彼らは時計職人でありながら、同時に芸術や哲学など幅広い知識をもつ知識人でした。

ヴァシュロン・コンスタンタンの創業者、ジャン・マルク・ヴァシュロンもそんなキャビノチェの一人です。1755年に時計工房を設立し、当時は珍しかった複数人による時計製作をすすめていきました。

当時の時計産業の中心地はイギリスでした。スイスはいわゆる廉価品を製造していたようです。





●共同経営者による経営の改革

ジャン・マルク・ヴァシュロンの後継者である2代目アブラム・ヴァシュロン、また3代目ジャック・バルテルミー・ヴァシュロンも、キャビノチェとして時計を製作していました。

1819年にフランソワ・コンスタンタンを共同経営者として迎え入れると、同社は転機を迎えます。この頃から海外販売にも積極的になっていきます。

●近代時計産業への移行

1839年に製造技師ジョルジュ・オーギュスト・レショーが経営陣に加わると、ヴァシュロン・コンンスタンタンは時計工業に機械生産を導入します。

この二年後には、ほぼすべてのサイズの時計部品を製造できる工作機械を完成させています。これにより、時計職人が人間にしかできない作業に集中できるようになり、生産効率が飛躍的に向上しました。

「キャビノチェのブランド」としての印象が強いヴァシュロン・コンスタンタンが、スイスでいち早く機械生産を導入したことは興味深い事実です。また、これによりイギリスを追い抜き世界一の時計産業国となっていきます。

●マルタ十字

ヴァシュロン・コンスタンタンのシンボルマークとしてつかわれる「マルタ十字」は、1880年から使われています。これは香箱に設けられた、ゼンマイの巻き過ぎを防ぐための部品に由来します。


【吉田貴之】info@nowebnolife.com

イディア:情報デザインと情報アーキテクチャ
http://www.idia.jp/

兵庫県神戸市在住。Webサイトの企画や制作、運営を生業としながら、情報の整理や表現について研究しています。