ところのほんとのところ[147]カメラマン受難の時代がやって来る/所 幸則 Tokoro Yukinori

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これから先、カメラマンとして食べていける人は激減していく、これは既定路線です。誰しもが考えていること。一番そう思うのは一般の人かもしれません。

今のiPhoneでもきれいな写真は簡単に撮れるし、iPhone8が出てきた以降は、もうプロなんて必要なの? 必要だとしても敬われるような人は1000人に一人なんて、とんでもないことになってるかもしれません。アプリも含めて、なんでもできる。

それはおいといて、まあデジタルカメラに限っていっても、カメラを使いこなして、時間をかけてきれいな写真や貴重な写真を撮れる人はどんどん増える。そんな人が日本に100万人以上はいるでしょう。





まず現役を引退した世代は、きれいなだけの写真は得意だし、それが最高だと思っている。そういう教育を、今まで雑誌や写真教室がやってきたからです。

そういった写真は必要だけれど、記録としての話だから余分に色を触るべきではない。しかし、記録の写真でさえ過剰にきれいにする方向に動いています。

ネイチャー系の写真家とよばれる人たちが、一番加工しています。作品を高く売るためです。

もっときれいに、もっときれいに、自然はどんどんきれいに、ゴミや余分なものも消していきます。蛍も少なってきた今では、合成していくらでも増やしていきます。話にならない状況です。

そして問題なのは、カメラがよければ誰でもカメラマンになって商売できると、安易に思っている人が多い時代に、そういう人のレベルが低すぎます。

プロのカメラマンというのは、ワンチャンスを逃してはいけないのですが、最近のブライダルや発表会の写真などは、怒りがこみ上げるレベルです。もちろん、うまい人もいるけど少ない。

それとカメラメーカーが写真教室を開いて、カメラや交換レンズを薦める商法も、やるのはいいのが、数をやりすぎる。

しかも、教える人にはみな写真家を名乗らせる。実質はカメラがちゃんと使えるレベルというだけで、15年ほど前ならただのカメラマンとさえ呼べないレベルの人が、写真家を名乗っているケースが多過ぎます。

しかし、カメラメーカーの手先となった教育者がほとんどを占める、この日本という特殊な国では、一番食べていける確率が高い道は、メーカーの写真教室などで教えることなんです。

そういう職業が通用するのは、今から数年だと思いますが、地方にまでそうなるのはもう10年かかるかもしれません。

僕はいつも早すぎる判断をしてしまうかもしれませんが、ずれて5〜7年ぐらいかなと思います。

カメラマンを名乗る人は、この10数年の間にできる限り稼ぎながら、次の道を探さないと悲惨なことになります。一部の一流以外は、かなり淘汰されると思いますよ。

それにしても、iPhoneももうじきすごいことになるでしょう。これから先どうなっていくのかという予想を立てるのは、そう難しいことではないと思います。

次回は、アートとしての写真教育の現場にも踏み込んで、もっと過激なことを書いちゃおうかなと思っています。デジクリの編集長が許せばですが。


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則  http://tokoroyukinori.seesaa.net/
所幸則公式サイト   http://tokoroyukinori.com/