[4347] シュレーディンガーの猫

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《下品なのにスタイリッシュの極み》

■腕時計百科事典[38]
 腕時計の歴史 クオーツ時計の誕生と腕時計の現在
 吉田貴之

■クリエイター手抜きプロジェクト[503]雑ネタ編
 シュレーディンガーの猫
 古籏一浩

■映画ザビエル[35]
 "Misirlou" 丸腰刑事のテーマ
 カンクロー




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■腕時計百科事典[38]
腕時計の歴史 クオーツ時計の誕生と腕時計の現在

吉田貴之
https://bn.dgcr.com/archives/20170522110300.html

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機械式時計は小型化、高性能化が進み、時計業界は1960年代に全盛期を迎えました。この頃、数年後に機械式時計を駆逐する新しい仕組みの時計が登場することや、数十年後には腕時計を着ける文化がなくなることなど、誰も予想していなかったでしょう。機械式時計以降の腕時計の進化と、今後についてをまとめました。

●クオーツ時計

機械式時計がひととおり普及すると、今度はより精度の高い時計を求める気運が高まりました。天文台が主催するコンテストや、各メーカーの自発的な競争によって、腕時計の精度はみるみる向上していきます。

しかし、ベル研究所(アメリカ)で開発された「水晶時計」、またアメリカ国家企画局が開発した「アンモニア原子時計」が限界に近い精度をたたき出したことで、精度競争は終焉を迎えます。いずれも非常に大きな機械であったため、腕時計にはそれほど影響がなかったと思われます。

1969年にセイコーがクオーツ式腕時計を開発し、市販すると、クオーツショックの扉が開かれました。同時期に、音叉時計のように機械式時計とは異なる仕組みを用いた時計が登場しましたが、こちらは普及には至りませんでした。

●クオーツショック

クオーツ登場後、世界中の多くの時計工房、また時計メーカーがその歴史に幕を閉じることになりました。これを「クオーツショック」と呼びます。特にアメリカの時計産業は壊滅的な打撃を受け、当時の時計会社として現在残っているのはタイメックス社のみとなっています。

一方、スイスの時計業界も同時期に起こったオイルショック、国際為替の変動相場制導入により国際競争力を失い、多くの時計メーカーが消えてなくなりました。1990年代に機械式時計の再評価がなされるまで、機械式時計業界は低迷しました。

●腕時計の低価格化と多機能化

華々しく登場したクオーツ腕時計は、その普及に伴って低価格化もすすみました。液晶表示の時計が登場すると、低価格化はさらに促進されました。

また、液晶を使ったクオーツ時計では、機械式時計だと高額になりがちなクロノグラフやカレンダー機能でさえも比較的安価に実現出来たため、多機能化も一気に進みました。

●コレクタブルアイテムとしての腕時計

1983年にスイス時計業界が満を持して発売した「スウォッチ」は、シンプルな構造と安さ、豊富なデザインを武器にファッションアイテムとして認知され、高い人気を集めしました。

また同年、カシオ社から発売された「G-SHOCK」は、高い防水性能や頑丈さを前面に出したデザインなどで話題を呼び、ブームとなりました。いずれもコレクタブルアイテムとして、現在でも多くの蒐集家が存在します。

●機械式時計の再評価

クオーツ時計がひととおり行き渡ると、今度は機械式時計の再評価がなされました。ブランドを買い戻したり、グループを組むことで経営を安定化させ、機械式時計業界はようやく息を吹き返しました。

この結果、2006年にはスイスから日本への輸入額において、機械式時計が電池式時計を追い越すまでになりました。これは自然とそうなったわけではなく、機械式時計業界が自ら仕掛けて成功させたのです。

●腕時計を着けないという選択

時計の存在が当たり前となった現代、街には様々な時計があふれ、また携帯電話やスマートフォンの普及とともに、腕時計を身につけない人が増えていきました。

それでも、男性にとっては年齢を問わず身につけられる数少ないアクセサリーであり、また二極化する価格からステータス・シンボルとしての役割もさらに重みを増しています。

●先進の時計技術

太陽発電を利用した電池交換不要な時計、手の動きで発電する腕時計、また標準時刻の情報を電波でうけとる電波時計など、時計の進化は現在も継続中です。

一方で、スマホと連携するスマートウオッチやライフログツールなど、腕時計の「ポジション」を実質的に奪うガジェットも登場しています。


【吉田貴之】info@nowebnolife.com

イディア:情報デザインと情報アーキテクチャ
http://www.idia.jp/


兵庫県神戸市在住。Webサイトの企画や制作、運営を生業としながら、情報の整理や表現について研究しています。


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■クリエイター手抜きプロジェクト[503]雑ネタ編
シュレーディンガーの猫

古籏一浩
https://bn.dgcr.com/archives/20170522110200.html

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もし、この宇宙がコンピューターだったら、という気が向いたら適当に書いているネタの続きです。今回は「シュレーディンガーの猫」です。これは量子力学で出てくる有名なネタです(思考実験であり、実際に猫をどうこうするわけではありません)。

https://ja.wikipedia.org/wiki/シュレーディンガーの猫


「シュレーディンガーの猫」で検索すると、難しい内容の文章やページがずらずらと出てきます。よく分からないのでネタとなるキーワードだけを取り上げると

"死んでいる猫と生きている猫が同時に存在する。観測によって生死が決定される。"

というものです(で、いいかなあ、と。まあネタですので違っていても許してください……)。

箱の中に入れた猫は、生きているか死んでいるかは観測するまで分からない。毒で死んでしまっているかもしれないし、死んでいないかもしれない。

この宇宙(世界)がコンピューター上に表現されている場合、死んだ状態と生きた状態の両方を「同じ場所(アドレス)」「同じ時間」に存在させることができるものでしょうか。

結論から言えば、それができるかどうかはコンピューターの設計によります。同時に存在させることができるコンピューターもありますし、そうでないコンピューターもあります。

昔(1980年代前半)のいくつかのコンピューターは「同じアドレス」「同じ時間」に複数の状態(値)を存在させることができました。CPUからアクセスするアドレスは同じなのですが、同じメモリ空間をごっそり切り替える「バンク切り替え」という機能があったのです。

私が使っていたマシン(SHARP mz-700)で説明します(というか、他のマシンは分からないので)。なお、16進数は先頭に$を付けて表現します。メモリアドレス$D000を読み出すには以下のようになります。

LD HL,$D000
LD A,(HL)

これでレジスタAにメモリアドレス$D000の内容(0〜255)が入ります。が、ここで問題があります。mz-700には$D000のメモリバンクが二つあるのです。

以下のページ内の「メモリマップ」の部分になります。上位機種のmz-1500では、さらにメモリバンクがありますが、今回は無視してください。

・mz-700のI/O
http://www.maroon.dti.ne.jp/youkan/mz700/mziomap.html


レジスタAに読み出した値は、どちらのバンクにあるメモリなのでしょう? この場合、どちらを読み出したかはわかりません。

電源投入時であれば、特定のバンクになっていることが保証されていますが、その後プログラムでバンクを切り替えてしまった場合は、わからなくなります。そこで、読み出す場合は、以下のようにバンクを指定してから行うことになります。

OUT ($E1),A
LD HL,$D000
LD A,(HL)

これで目的とするメモリの内容を読み出すことができました。この場合、観測(読み出し)によって猫の生死が決定するのではなく、「自分で決めて」「猫の生死が決定する」ということになります。

コンピューター上の世界において、プログラマは神様ですから、こういうところは思い通りにできてしまうわけです(多分、ここが「Wikiのシュレーディンガーの猫」にかかれている "「波動関数の収縮」が、人間の「意識」によるもの" の文章に該当しそう)。

バンクを指定しない場合でも、どちらかが生、どちらかが死という内容があれば、読み出した時点で生死がわかることになります。

バンクがランダムに切り替わっているとすれば、確率的に読み出したバンクによって、猫の生死が決まってしまうわけです。この方が「シュレーディンガーの猫」に近いかもしれません。

宇宙が複数のバンクを持つタイプのコンピューターであれば、ひとつの場所に複数の状態があってもおかしくない。が、それは読み出すまで(観測するまで)わからないということになります。

場合によっては、観測してもどちらの状態か決定しないこともあります。さらに、バンク切り替えのような仕組みであれば、猫が死んだからといって、生きている猫がすぐに消えるわけではありません。

プログラマがそのバンクを使用しなければ、残ったままになります。猫は死んだわけではなく、生きているけど時間が停止したままという感じになります。

(基板上の時間=クロック/水晶震動子は動いているけど、メモリ内容を操作するプログラム的な時間が停止している、という解釈。TSS:タイムシェアリングシステムやプリエンティブマルチタスクあたりを想像してもらえばよいかと思います。こうなると、宇宙がコンピューターだと時間も二つ以上ないとうまくいかない気がします)。

バンクが二つあると、猫の生と死の二つの状態を取ることができますが、これは「重なりあった状態」と言えるのでしょうか。CPUから見たメモリアドレスは同一ですが、とても重なり合った状態とは言えません。

基板上を見ても別のメモリチップであり、重なり合ってはいません。でも、バンク切り替えを知らないコンピューターの中の住人であれば、「同じアドレスに二つ、もしくは複数の状態が存在する……1ビットは0か1ではなく0.5もありうる」という謎解釈をしてしまいそうです。

重ね合わせということにしておけば、二つのバンクにある二つのメモリをひとつのメモリとして扱える、というところなのでしょうけど、何かしっくりきません。

あと、8ビットマシンであれば、ひとつのメモリについてバンクが256個あればすべての状態を取れる(持てる)わけですが、やはり重なり合っているわけではありません。

ということで、重ね合わせがないというオチになってしまいましたが、よくわからなくなってきたので、数学に詳しい銀色の髭の方にお任せしたい……です。


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
http://www.openspc2.org/


なんと昔懐かしいmz-80Cが手のひらサイズで販売されるとのこと。6/1予約で10月中旬発売予定だそうです。

mz-80cは今回のネタで出てきたmz-700のルーツとなるマシンです。エミュレーターを搭載しているのでマシン語で作成した昔のプログラムも動くそうです。

mz-80Cにはバンク切り替え機能がないので、「重ね合わせ」ということはできません。が、30年前の過去と未来を重ね合わせて体験できるのは面白いですね。

・PasocomMini
https://www.pcmini.jp/


・みんなのIchigoLatte入門 JavaScriptで楽しむゲーム作りと電子工作
https://www.amazon.co.jp/dp/4865940936/

[正誤表]
http://www.openspc2.org/book/error/ichigoLatte/


・After Effects自動化サンプルプログラム 上巻、下巻
https://www.amazon.co.jp/dp/4844397591/

https://www.amazon.co.jp/dp/4844397605/


・IchigoLatteでIoT体験
https://www.amazon.co.jp/dp/B06X3X1CHP/

http://digiconcart.com/dccartstore/cart/info/2561/218591


・みんなのIchigoJam入門 BASICで楽しむゲーム作りと電子工作
http://www.amazon.co.jp/dp/4865940332/


・Photoshop自動化基本編
http://www.amazon.co.jp/dp/B00W952JQW/


・Illustrator自動化基本編
http://www.amazon.co.jp/dp/B00R5MZ1PA/


・4K/ハイビジョン映像素材集
http://www.openspc2.org/HDTV/


・クリエイター手抜きプロジェクト
http://www.openspc2.org/projectX/



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■映画ザビエル[35]
"Misirlou" 丸腰刑事のテーマ

カンクロー
https://bn.dgcr.com/archives/20170522110100.html

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◎パルプ・フィクション

原題:Pulp Fiction
制作年度:1994年
制作国・地域:アメリカ
上映時間:154分
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ジョン・トラボルタ、ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン

●だいたいこんな話(作品概要)

低俗小説(パルプ・フィクション)的エピソードを集積させ、オムニバス仕立てにしたクライムムービー。ヴァイオレンス、コメディの要素も強い。

ギャングのボスと二人の部下、ボスの妻、ボスが八百長を仕掛けたプロボクサーのエピソードがストーリーの主軸。94年アカデミー賞脚本賞、カンヌ映画祭パルムドール獲得。

●わたくし的見解

昨年末からブレイクし、今年のR-1ぐらんぷりで優勝したアキラ100%さん。丸腰刑事のテーマ曲が「パルプ・フィクション」のセンセーショナルなオープニングテーマと同一なのです。

あらためて本当にこの曲かっこいいなぁ、なんて感心しながら丸腰刑事の巧みなオボンさばきを眺めていたら、無性に「パルプ・フィクション」を観たくなってしまい、20年ぶりくらいで再鑑賞。

映画の冒頭で、パルプ・フィクションなる言葉の意味がテロップで表示されますが、まさに煽情的な音楽です。血湧き肉躍る、とはこの事か。

タランティーノの監督デビュー作「レザボア・ドッグス」に心酔した男子たちにとっては、満を持しての二作目でありメジャー作品と言えるものでした。一般の人にとっては、タランティーノは「パルプ・フィクション」から、のイメージが強いのではないでしょうか。

「キル・ビル」のインパクトが強すぎるユマ・サーマンも、この頃は前後して「ガタカ」などの出演もあり、正統派のファッション・アイコン的存在。劇中、アニエス・ベーを見事に着こなしツイスト・コンテストに出場する彼女を、私も心底COOL、すこぶるイイ女だと憧れておりました。

また公開当時は、あの「サタデーナイト・フィーバー」のジョン・トラボルタが残念なくらい中年太りして、だけれども踊るとやっぱり格好いい! と騒がれていましたが、わたくし個人は往年の映画への思い入れもない世代のため、彼の長髪も似合うと思えず、欧米人がセクシーとのたまう割れた顎も解せず、正直ピンときていませんでした。

しかし時を経て鑑賞してみると、やはりジョン・トラボルタのダンスの実力はまったく目を見張るものがあり、超絶COOL。ユマ・サーマンとのツイスト・コンテストシーンは、ほんま痺れます。

激しさだけで踊る(しかし顔は無表情の)ユマ・サーマンに対し、あくまで冷静で、ともすればアンニュイに軽く流して踊るジョン・トラボルタ。彼がこの作品を機に、大人の俳優として返り咲いたと言っても過言ではないかも知れません。以降は、ちょっとクセのある、個性的な悪役として活躍する機会が増えます。

オムニバスの中で(プロローグを除く)最初のエピソードとして、ギャングのボスの妻であるユマ・サーマンとボスの部下の一人ジョン・トラボルタが、ボスの命令で食事に行きます。

他の部下が妻の足をマッサージしただけで、ボスから半殺しにあったと噂に聞いたヴィンセント(ジョン・トラボルタ)は、とにかく穏便に食事を済ませ家まで送り届けたい。しかし、ボスの妻ミアは美しく魅力的で、良い雰囲気になってしまった二人。

抗いがたいミアの魅力と、ボスへの忠誠心の間で煩悶していると、急転直下で下心が吹き飛ばされる事態に見舞われます。ユマ・サーマンは鼻血を出しても格好よく、すったもんだがありながら、最後は無事にミアを家まで送ったジョン・トラボルタの気障な去り際も、大変に洒落ています。

タイトル通り、くだらなく実に低俗なエピソードで構成されたオムニバスですが、時系列の置き換えだけでなく各エピソードのリンクの仕方が洗練されていて、下品なのにスタイリッシュの極み。それが「パルプ・フィクション」のすべて。

ほぼ同じ頃の作品「レオン」の悪徳警官、ゲイリー・オールドマンを俳優たちが真似したがるように、当時のクリエイターは「パルプ・フィクション」をこぞって真似した、そんな作品でした。

今観ても、この手のオムニバス作品の最高峰に位置していると感じますし、あの頃得た興奮、映画体験は何ものにも代え難い。

劇場鑑賞以降、20年あまり観ていなかった間もオープニングテーマの「ミシルルー」と、サミュエル・L・ジャクソンの唱える、旧約聖書のエゼキエル25章17節はずっと脳裏に残っており、また今後も私の頭から完全に消え去ることのない響きなのだろうと思えました。


【カンクロー】info@eigaxavier.com
映画ザビエル http://www.eigaxavier.com/


映画については好みが固定化されてきており、こういったコラムを書く者としては年間の鑑賞本数は少ないと思います。その分、だいぶ鼻が利くようになっていて、劇場まで足を運んでハズレにあたることは、まずありません。

時間とお金を費やした以上は、元を取るまで楽しまないと、というケチな思考からくる結果かも知れませんが。

私の文章と比べれば、必ず時間を費やす価値のある映画をご紹介します。読んで下さった方が「映画を楽しむ」時に、ほんの少しでもお役に立てれば嬉しく思います。


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編集後記(05/22)

●先週の土曜日の午後、以前から自転車で行ってみたいと思いながら、まだ寒いからとか、風が強いからとか、雲行きが怪しいからとか、そんないいわけを独り言いって放置してきた地点に、とうとう行ってきた。なにしろ、地図上で見るとかなり距離がある。しかも、道が入り組んでいて面倒くさそうである。

予定コースの1/3まではほぼ一本道だったが、そこから先は地図を見ないと行かれない。次の次の信号の少し先を左折、なんて覚えて走っていても、その道が見当たらず、やっぱり迷った。方角は間違いないのでそのまま進むが、人っ子一人いないので道を訊ねることもできず、勘でなんとか行き着いた。

川口市安行領家の興禅院。ここの墓地にある通称「抱き地蔵」を見に来たのだ。巨大なスダジイの木の根元にひっそり佇むお地蔵さまである。木の根元にあった石の地蔵が、木の生長とともに木にとりこまれ埋もれている。もはや身動きできず、ってもともと動けぬ石地蔵だが。むしろ木に「抱かれ地蔵」である。

墓地内の方角違いの方を捜していたので見つからず、三人組のおばさまグループに尋ねた。「ほら、あの大きな木の根元よ」「わかりにくいけど、ご自分で見つけたほうがいいわね」ということで、巨木の回りを五周してようやく見つけたのだった。一切の標識も説明もないという潔さ、じつにいい感じだった。

帰りは東京外環自動車道の下を北上し、首都高とクロスしたところで首都高下を南下すれば絶対に道を間違える心配はない。しかしその方法は三角形の二辺を走ることになる。残りの一辺を走ったほうがいいに決まっている。といった選択により、またしても迷った。信号には地名が出ているので地図を参照する。

ただいま光化学スモッグ注意報が出ています、という放送が聞こえる。それまで快調に走ってきたが、とたんに疲れを感じる。興禅院で10分間くらい歩いたが、あとはずっとサドルに尻を置いたままだった。セブンイレブンを見つけて、ガリガリ君もちっとチョコレート(棒)を求め、駐車場の端で10分間休んだ。

そのとき場所は不明だった。さらに進むと見慣れた風景になった。岩槻街道を南下していることがわかった。あとはもう地図はいらない。快調に飛ばして、16時には家に着いた。走り出して約2時間半、距離は約30km、なーんだ、ずいぶん遠くまで行ってきたような気がしていたが、たいしたことなかったんだ。

この「抱き地蔵」のことは本田不二雄「ミステリーな仏像」で知った(駒草出版)。おそるべき本である。日本でただ一人の神仏探偵(自称)が、いまだ見たことのない仏像を日本中に探し求めて四年、これまでになかった仏像ガイドなのだ。比類なきお姿に込められた祈りと信仰を、筆者はじっくり読み解く。

オールカラー256ページに登場する仏像は120体(一部神像含む)。仏像ブームでマニアがふえたが、この本に登場する仏像たちを知る人、見た人は多くないだろう。この仏像たちはものすごく怖い。見れば見るほど怖い。わたしは苦手だ。勇気を奮って一度だけざっと眺めて、さっさと図書館に返した。(柴田)

興禅院の紅葉 埼玉県川口市安行領家(終わりの方に出てきます)


本田不二雄「ミステリーな仏像」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4905447755/dgcrcom-22/



●今朝は65人。平日11時公演なのに6時半でこの待ち人数。入り時間は何時間前なんだ? 千秋楽か。恐るべし、舟木一夫。

/ウォーキングに慣れてきたので2kmのジョグを混ぜた。膝は今のところ大丈夫だけれど、息がすぐにあがってしまう。以前より大幅にペースを落としているというのに。どんだけ弱ってるの……。

今朝は2km走って、5kmちょいの早歩き。早歩きを3kmやるとふくらはぎがパンパンになる。肩こりはマシになる。

そうだった。こんなだった。こんなのが、一か月もすると5〜10kmは走れるようになるんだった。続けることが大切なのだ。(hammer.mule)

この状態が65人。
http://t-shizuka.at.webry.info/201502/article_18.html


2017.3.10 川崎教育文化会館入り待ち
https://blogs.yahoo.co.jp/kanbon1949/folder/1048538.html


入待ち出待ちでの舟木さん
https://blogs.yahoo.co.jp/kanbon1949/46587081.html