わが逃走[204]どんなものでも三つ並ぶとYMOに見えてしまう の巻
── 齋藤 浩 ──

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どんなものでも三つ並ぶと、YMOに見えてしまう。

1983年、YMOが散開(解散の意)し、突然心の拠り所を失った少年は、偶像崇拝に走ったのかもしれない。

そんなとき撮った写真がこれ。

https://bn.dgcr.com/archives/2017/06/22/images/001

見た瞬間、YMOだ! と思った。





これが病気の始まりで、それ以降,三つ並んだものを見かけるとなんでもYMOに見えるようになってしまい、同時に脳内でYMOの楽曲が自動再生される体質になってしまった。

たとえばこれとか。

https://bn.dgcr.com/archives/2017/06/22/images/002

これとか。

https://bn.dgcr.com/archives/2017/06/22/images/003

コピーライターのサカモト氏(仮名)に話したところ、彼はパフュームに見えると言い、そんなことを聞いた日にゃあ、なにやら私はスターボーに見えてきてしまったりと、脳の見立て中枢(そんなものないが)がおかしな動きをするようになってきた。

そんな我々に、建築家のイトペン氏(仮名)が「これは?」と一枚の写真を差し出した。

https://bn.dgcr.com/archives/2017/06/22/images/004

目に入った瞬間、二人は「wild&moodyだーっ!!」「ユキヒロが三人おる!!」と、その場は興奮のるつぼに。

※参考
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000FJHF04/dgcrcom-22/


『wild&moody』は、1984年、YMO散会後に発表された高橋幸宏のソロアルバム。

「なよなよ路線」に入る直前の、骨太でキレのいいサウンドで構成された名盤で、ジャケットのイラストはまさにイトペン氏提供の写真そのものといえよう。

という具合に、三つ子の魂百まで、これからも三つ並んだものを見るたびにお三方を思い出すことになると思われるが、そろそろご本人達の三人並んだ姿を見せてほしいと思う昨今であります。

なにせ来年は結成40周年だしね!


【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
http://tongpoographics.jp/


1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。