Otaku ワールドへようこそ![259]超常的な力が作用してできたかのような映画『よろずや探偵談』
── GrowHair ──

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いつも穏やかで控えめな監督が内に秘める、何物にも屈しない執念に近い情熱の賜物であることには間違いない。けど、それだけでは説明のつかないことが多々起きており、超能力やミラクルの要素が加わってこうなったとしか思えない。不思議な現象を見る心持ちでこのお祭り騒ぎを眺めてきた。

うだつの上がらない四十男の衝動的転身にくっついていき、頼まれもしない助手を務めるしっかり者の未央は、探偵の看板を掲げながらちっとも仕事の来ない嶋に、電球の交換やら買い物代行やら、次から次へと半端仕事を取ってくる。

便利屋になり下がった嶋の腐った気持ちを、冷めた視点ではぐらかす未央のとぼけた味がいい。でも、嶋は、純なところがあり、困っている人のために本気で力になろうとする、いい人だ。未央はそこに惹かれている。

配されたキャストが個性派揃いのこの映画で、主人公の相手役を張って、負けじと個性の光を放ち返しておもしろさの要となったくり子さんは、演技経験のまったくない地下アイドルだった。

監督、起用するのにそうとう勇気が要ったんじゃないですか? この役の演技がもし振るわなかったら、全体が台無しですよね?

「黒猫の憂鬱」のライブを見たら、よくあるユニットとは一線を画する何かがあって、直感が働きました。自分がホレた人を出すのが、この映画の製作の基本姿勢です。もし演技が拙かったとしても、自分が選んだ人だから、ぜんぶ自分のせいです。

いや、私からは超能力にしか見えんです。





沢村東次監督が、借金までして500万円の資金を調達して製作した渾身の映画『よろずや探偵談』は、6月29日(木)から7月2日(日)までの連続四日間、「ザムザ阿佐谷」で上映され、241人が来場した。

この会場は、二階が「ラピュタ阿佐ヶ谷」という映画館で、地下一階の「ザムザ阿佐谷」は劇場である。映画の上映を映画館ではなく、あえて劇場でやる。風船やら、いかがわしいオブジェやらで装飾され、昭和の見世物小屋みたいなわくわく感のある空間が演出されていた。

出演者らによるライブパフォーマンスも、客席との垣根が低くて、みんなで一体感をもって盛り上がれた。スクリーンの中も外もすごいカオスだった。

写真は、こちら。
https://goo.gl/photos/ZQurZ7zfGWg35uS47
(7月1日/土)
https://goo.gl/photos/GsXCZfV4JSR6MP6y9
(7月2日/日)

●上司に悪態ついて公務員を辞めた北九州のプレスリー

沢村監督にホレ込まれた人々の一人に、ELVIS吉川氏がいる。

1949年生まれ、67歳。北九州小倉(こくら)に住む。米ロック歌手の故エルヴィス・プレスリーにあこがれ、「そっくりさん」を約30年にわたって演じ続けてきた男である。

「♪俺は田舎のプレスリー 百姓のせがれ」と歌うのは吉幾三氏だが。
『俺はぜったい! プレスリー』(1977年)。

それをリアルにやってる感じ? ライブの動画がYouTubeに上がっている。2011年とあるが、今も、そんなに変わっていない。


『よろずや探偵談』では、奥さんに先立たれた独居老人の杉田氏を演じる。役でも、プレスリーの大好きなおじいちゃん。ただの便利屋と化している探偵の嶋を、将棋の相手にと家によく呼んでいる。

沢村監督は、役にぴったりの人が小倉に住んでいるのを知り、面識のなかったELVIS吉川氏に電話した。演技など経験のない自分には無理だし、プレスリーのそっくりさんなら東京にも何人かいるから、と、いったんは辞退した。

しかし、東京の「もどき」はみんな若すぎる。数日後、沢村監督は、ELVIS吉川氏の自宅を訪ねていき、直接会って、頭を下げた。そこまでされたら、男として、情熱に応えないわけにはいくまい、と、出演を決意した。

映画の完成版は、まず小倉で上映された。2017年5月16日(火)6:00pmから「小倉昭和館」にて。上映に引き続いて、コンサートが催された。ELVIS吉川氏も出演して歌っている。

300人収容できる会場が満杯になったそうである。そのときのチラシがこれ。
http://npoelvis.jp/image/osirase/20170324-1elvis.pdf


阿佐ヶ谷では、7月1日(土)6:00pmからの第3回上映の終了後に、ELVIS吉川氏のミニライブが催された。まとっている衣装は、金属の装飾がごてごてついて、重さは20kgとのこと。

その夜に「土間土間阿佐ヶ谷北口店」で催された打ち上げでは、斜め前の席にELVIS吉川氏が座っていたので、少し、お話を聞くことができた。

あの衣装は、米国の専門店で仕立てた本格的なもので、二着目だという。一着目は、30万円かけて作ったのだが、汗の塩分で、金属の装飾から錆が出て、黄色く変色してしまったという。

二着目は35万円かけている。今度は同じ轍を踏むまいと、終演後はすぐにきれいにぬぐって干している。

ライブは、月に三回のペースで開催しており、かれこれ30年になるので、数えてはいないけど、1,000回は超えているはずだという。

ELVIS吉川氏は、秋田大学卒業後に小倉に戻って、公務員を15年勤めた。係長になったとき、上司の課長は天下りで、態度はいばりくさってるし、仕事はできないし、日々、ストレスをためていた。

ある日、朝出るときに決めていたわけではないけれど、ついにブチキレた。周囲に聞こえる声で、「この腐れハゲ! おめえの下でなんか働けるかい!」と悪態をついて、即刻、辞めた。

奥さんに報告すると、赤飯を炊いてくれたという。ぬぬ、デキる嫁だ。

そりゃスカっとするけど、以降の収入のあてがない。なんかせにゃあかん。

ダンナが手作りしたチーズの燻製を奥さんが売り歩き、一日で28,000円売り上げてきた。

今では、「くん煙亭」という屋号で工房を構え、デパートにも卸しており、安定収入が得られている。うわぁ、赤ワインにめっちゃ合いそう!
http://www.syaan.com/kunentei/


●エキストラ要員だった教団員の大活躍

もともとは教団員役のエキストラ募集に応募してきた人たちが、蓋を開けてみれば大活躍したというのも、ミラクルっぽい。

「ホワイト教団」という、いかにも怪しい宗教団体の教祖様の役が私に振られていたが、教団員を20人ほど募集するという。その旨を私はFacebookに書き込んでみた。

エキストラには交通費とロケ弁しか出ないにも関わらず、何人かが手を挙げてくれた。

伏見直樹氏は、かつて新宿のホストクラブ「愛」でナンバーワンの座を張り、女に一億貢がせたという伝説をもつジゴロである。還暦を過ぎた今は、中板橋で「三本杉」という居酒屋をやっている。

北海道せたな町出身の伏見氏が漁師料理を提供するお店で、カラオケもできる。特殊漫画家の根本敬氏がトイレのドアに絵を描いているし、壁という壁がポスターやら写真やら絵やらで埋め尽くされ、昭和のサブカル臭がぷんぷんと漂う。

2016年4月26日(火)の夜、沢村監督は、伏見氏にご挨拶するために「三本杉」を訪れた。そこで、ピピっと来ちゃったらしい。監督からホレ込まれた伏見氏には、台詞がやたらといっぱいある、大きな役が振られた。

宮沢氏は、市長の悪徳ぶりを世間に知らしめようと街頭演説するが、誰にも聞いてもらえない。伏見氏は、かつて、日本全国各都道府県のパワースポットを巡り、戦いを挑む(←何に?)旅を敢行した。

道端でCDや書籍を売り、お金を作らないと、次の場所へ移動できない。街頭で歌っても、通行人はみんな素通り。そういうことをリアルに体験している伏見氏は、役柄と重なり合うイメージがある。

伏見氏は五日間連続で店を休業にし、千葉に泊まり込んで、ロケに臨んだ。

もともと、伏見氏のお店に私を連れていってくれたのは、田村優子さんである。田村さんは、福島県本宮にある築103年の木造の映画館「本宮映画劇場」の館主の娘さんである。

かつて映画にも出演したことのある伏見氏とは、その業界の人々を介してつながっていた。

2017年5月29日(月)に渋谷の「アップリンク」で『よろずや探偵談』の試写会が催されているが、事前に田村さんは、以前、「本宮映画劇場」を取材してくれた産経新聞の記者に案内を送っていた。

カンヌ映画祭の授賞式があるので無理だと言われていたが、なぜか都合がついたようで、来てくれた。で、この件も記事にしましょうと言ってくれて、沢村監督にインタビューすることになった。

それは、6月6日(火)に実行された。「三本杉」にて。私もちょいとにぎやかしにおじゃましている。で、こんな記事になって世に出た。
http://www.sankei.com/entertainments/news/170617/ent1706170001-n1.html


ごく簡潔ながら、6月23日(金)付の紙媒体の産経新聞にも掲載された。

計良元宏氏とは、2005年11月19日(土)に会っている。ヤマシタクニコさんが大阪から来ていて、渋谷の「蛍の庭」で催された迎撃飲み会の幹事を務めていた。あれ? それ以前にも会ってたっけ?

人形作家の渡邊萠さんとは、私がかつてよく人形写真を撮っていたつながりで知り合っている。

計良氏と渡邊さんは、ロケ地に行ってから、急遽、台詞のある役が振られた。病欠した役者さんの代理としてらしい。ホワイト彗星の存在を真に受けちゃってる信者で、儀式の生贄役の仕事で呼び出された嶋にも親身になって入団を勧める。

この演技が、実に見事なんである。監督も褒めていた。このところ頻発する怪現象におびえ、ホワイト彗星に救ってもらわないとたいへんなことになると説得する渡邊さんは、人形を片手にというところに妙なイッちゃってる感が漂う。

計良氏の役は、もともと女性信者のもので、オカマっぽいしゃべり口が、実に板についている。実際にそれではなかったはずなんだけど。

その場面には、歌手の岡村奈奈さんも出ている。岡村さんの『三本杉』という歌は、伏見氏が作詞したものである。それでその店名。岡村さんもそこで働いている。

三本杉の常連である近藤正人氏も信者としてロケに参加してくれた。近藤氏は、沢村監督へのインタビュー記事を書いてくれた。障害者の生活をサポートする「虹の会」の機関誌『SSCにじ』に掲載されている。「約540号」(2017年5月)と「約541号」(2017年6月)に。
https://drive.google.com/file/d/0B-9dUcjbWeu0Y1owQXJGUVhjM3c/view

http://www.nijirock.com/


身長109cmのにしくんは、2013年当時代々木上原にあった「オカオカハウス」から、ニコニコ生放送の番組『にしくんの、発浸! 日本を変える奇変人』を発信していた。11月6日(水)の回に私が呼ばれて出演した。その番組に私を推してくれたのは、たわしおじさんである。

にしくんは、祭壇を降りる私に抱きかかえられており、キャストとしてクレジットされている。

ロケ以降、AV男優、AV監督として、すっかり有名になって、活躍している。子供のような見かけで、あんなことやそんなことをしちゃってる背徳感がウケているのだろうか。

「オカオカハウス」は、浜田ブリトニーさんがプロデュースしたパーティールーム。ブリさん主催のパーティーに、その後、何回かおじゃましている。

そこで、塩野克彦氏と知り合っている。塩野氏は、『よろずや探偵談』のウェブサイトを制作してくれている。
http://yorotan.com/


以前、デジクリに寄稿していた茂田カツノリ氏も信者になってくれた。

いやぁ、ご縁というのはほんとうにありがたいもので。ギャラの出ないエキストラに、丸一日つぶして鎌取くんだりまで来てくれるだけでもありがたい。いや、私は一日しか行ってないけど、信者の出てくるシーンのロケは三日間あって、二日以上参加してくれた人もいたのであった。

のみならず、持っている専門性を生かして期待を遥かに超えた働きを提供してくれる人たちがいたというのだから、もうありがたすぎて何と言っていいやら。

もともとは私からの放射状のつながりだったのが、お互いに仲よくなってるし。つながりが、広がりに発展している。お、そことそこがつながった? みたいな。しかも、みんなそれぞれに独自の専門領域をもっている。

この調子だと、リアルに教団が作れちゃうんじゃないかって気がしてきた。

●ザムザでの上映、評判は上々

ではここで、Twitterに上がったコメントを見てみましょう。

(1)全般について

・作品が世に出る喜びをなんだか共有できた気分。

・知り合いだからって言うのを抜きにして、面白かったです!

・映画も面白かったがカオスなイベントだった!

・ザムザ阿佐谷らしい内容で最高だったし、出演者も豪華(自分的に)だったな。

・この半端ない祭り感! 映画の内容、イベント、劇場含めて最高に楽しかったなー♪

(2)映画、キャスト、演技について

・馬鹿馬鹿しい内容だけど、ちゃんと美術にこだわりが感じられて誠実な作り

・かなりツボだった!! ヒロインのくり子さんの演技がうまくてびびる!

・曲者だらけの役者がみんな活きてて愛着も湧いた。

・突き抜けたバカバカしさ、熱量…ああ、インディーズ映画を観たなという満足感。

・はっきり言って傑作。同僚以上恋愛未満の関係をこれほど巧みに演じてる例はこのバジェットの作品で思いつかない。

・90年代後半のインディペンデント魂を持った破天荒なVシネマ的なノリもありながら、今っぽさも備えつつきちんとエンターテイメント作品として成立してる。

上記二つのコメントを発した内藤慈氏は、ブログに長いバージョンを書いてい
る。べた褒め。
http://ameblo.jp/bodyhammermegu/entry-12289326960.html


・各役者が皆素晴らしい演技をみせている

・特筆すべきは未央を演じたくり子。アイドル的な活動をしている人だが、芝居うまい。

・濃い面々が勢揃いだったのに個性が喧嘩してなくてむしろスッと入ってくる

・映画は自由だ! 出演者たちの自由さ加減が最高でした。

・贔屓目抜きでもヒロイン未央ちゃん可愛いし、嶋さんかっこいいです

・ナンセンスとエロ要素、つよいクセなど、観る人を選ばなくはないですが、センス良いBGMや印象的なカットなど、ポップな仕上がりに

・冒頭では、愁いを帯びた七菜乃さんの美しさに魅せられ、クライマックスでは、セーラー服おじさんの妙に美しい絶対領域に目が釘付けになる。

・シネフィル気分とフケ専気分を同時に味わえる

・面白かった! サブカル怪人総登場の趣だけど、便利屋の日常のあれこれがクライマックスに向けて一気に収斂される本格派で、ウェルメイドになりすぎず「お化け屋敷」を外さない。

・くり子ちゃん可愛いし。

・すげー良かった。監督のパッションびんびん伝わった。

・キャスト陣の個性が素直に発揮されてて痛快です。

・怪奇探偵モノを再現するかのような大人がワクワクできる作品でした。

(3)ライブについて

・上映後のエルビス古川さん、マメ山田さん、コバルトブルーは白昼夢のステ
ージもそれぞれの世界へ連れて行ってくれて楽しい時間でした。

・ライブありマジックショーありで娯楽の多量摂取感がすごい。

・エルビス吉川さんとマメ山田さんのステージが盛り上がりすぎて、分が悪そ
うだった「コバルトブルーは白昼夢」のライブ。結局、奇跡みたいにムチャク
チャひっくり返してくれましたよマジで。

(4)会場について

・ザムザの雰囲気ある会場やお祭りのような装飾も、この映画を観るのにぴっ
たり

・劇場での上映ということでどうなるのかなと思いきや、入った瞬間から風船
が迎えてくれる異空間。

・文化祭の準備期間みたいな匂いのする劇場だった。

(5)今後の期待

・続編がみたい!

・よろずや探偵談にはぜひ金沢で賞をとってほしい

ちなみに、褒めてるコメントだけをピックアップしたわけではなく、ネガティブなのがまったく見当たらないのだ。

いちいちリツイートしていた監督が、最後にみずからツイート。

「よろずや探偵談」ザムザ阿佐谷上映四日間終了いたしました。ご来場いただきました241名の皆さま、誠にありがとうございます! 作品を観ていただいた方々、応援いただいている皆さま、キャスト、スタッフ、関係各位、、皆さんの事を想うだけで、ちっぽけな僕の心は震えっぱなしになっちゃいます、、

●金沢に膨らむ期待

日本全国津々浦々で上映したいと監督は言っていたが、今のところ決まっているのは金沢だけである。

『カナザワ映画祭』は、2007年から金沢都ホテル地下二階セミナーホール(旧ロキシー劇場)で、毎年開催されてきたイベントで、2016年に第10回が開催された。

その回には、本宮映画劇場の館主である田村修司氏が、所有するフィルムをみずからチョキチョキペタペタして編集した映画が上映された。題して『ピンク映画いい場面コレクション 2016』。

しかしながら、会場となっていた金沢都ホテルが建て替えのため、2017年3月末でいったん営業を終了ことが決まっていた。それに伴い、この映画祭も、第10回開催時には、これをもって最終回と宣言されていた。
http://www.eiganokai.com/event/filmfes2016/


ところが奇跡か神がかり、今年の4月になって、この映画祭を主催してきた「かなざわ映画の会」の代表である小野寺生哉氏から「やっぱりやります!」との再宣言がなされた。

これは、終了を惜しむファンたちの声が大きかったのと、俳優・ミュージシャンの内田裕也氏から「やれよ!」の後押しがあったのと、各地の映画館から協力の申し出があったことで、継続の見通しがついたもののようである。

小野寺氏は「支えてくれるファンのおかげで映画祭をやれることに感謝したい」とコメントしている。

今年はテーマ別に各地で分散開催されることになった。

7月15日(土)〜17日(月) 石川県、金沢21世紀美術館
8月 3日(木)〜 6日(日) 山口県、山口情報芸術センター(YCAM)
8月11日(金)〜13日(日) 石川県、宇宙科学博物館コスモアイル羽咋
9月 8日(金)〜10日(日) 福岡県、小倉昭和館
10月 7日(土)〜 9日(月) 京都府、京都みなみ会館
11月23日(木)〜26日(日) 宮城県、仙台桜井薬局セントラルホール

7月15日(土)〜17日(月)に金沢で開催されるパートのテーマは「期待の新人監督」。今年は応募作品89本の中から、過去最多の22作品が選抜され上映される。

『よろずや探偵談』が上映されるのは、真ん中の日、16日(日)の5:00pmから。

上映作品の中から審査員が選ぶグランプリである期待の新人監督賞の一本と、観客が選ぶ観客賞の一本が決定し、最終日の夕方の授賞式で発表される。

私は最後まで居てみようかと思う。内心、ちょっと期待しちゃってるのだ。

もし賞が獲得できたら、もしかするとどっかからスポンサーのオファーが来て、続編が撮れるかもしれない。監督は借金をきれいに返した上で、今度は潤沢な予算を使って、10倍くらいすごい作品が作れちゃうかもしれない。奥様のご機嫌もなおるかもしれない。

しかし、もしそうなったとしても、オレの出番はもう回ってこないかもしれないなー。なにしろ……。おっと。みんな、がんばれよー。あとは任せたぞー。

「カナザワ映画祭」のウェブサイト:
http://www.eiganokai.com/



【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。
http://www.growhair-jk.com/


《世界最高齢のラッパーが荒木町の“おスナック”で熱唱》

6月24日(土)、荒木町にある「おスナック秋田ぶるうす」にて、『もーじき96歳記念・坂上弘おスペシャルライブショー』が開催された。
https://www.barks.jp/news/?id=1000143662


会場となったおスナックは、漫画家・お東陽片岡氏が営むお店で、イベントでは彼が司会を務めた。

東陽片岡氏は、下品で貧乏くさい「昭和」を描くのを得意とするガロ系の漫画家で、「昭和を描かせたらほぼ板橋区一」を自負する。何にでも「お」をつけて呼ぶので、人からは名前に「お」をつけて呼ばれている。

坂上氏の発声法はクラシックの声楽の鍛えが入っているようで、声量豊かなのびやかな声であった。もうじき96歳とは、とてもみえない。お東陽先生から「むこう20年は大丈夫そう」と言われていた。

イベントの模様は記事になっている。
https://www.kayou-center.jp/7574


《歩いてりゃ なんとかなるか 腹まわり》

万歩計って膣に入れて使うんじゃないんだー。脚に巻きつけて使うわけでもないらしい。じゃあ、いったいどういう仕組みで歩数がカウントできるのだ?

このところ、スカート丈が短いと指摘を受けることがよくある。別に、穿いているスカートそのものが短くなっていっているわけではないのだ。

腹が出てきて、ヘソのあたりで穿けなくなってきて、どんどんずり上がってきちゃうもんで、必然的に裾の位置も上がってきちゃってるのだ。もう限界だ。ワカメちゃん状態になるぞ。何とかせねば。

Twitterでは、こんなことつぶやかれてるし。

・セーラー服おじさん、早稲田の数学科だぞ。同級生の同僚だぞ。前はもっと痩せてたぞ。

くっそー、言わせておいていいのかっ!

冬は猫だって脂肪を蓄えて丸々とした体型してるんだから、オレだっていいんだ、と言い訳してたのだが、春になっても落ちないのが問題だ。

なんとかするぞっ! 夏までにはビキニが着れるようになるぞっ!

国会にもそこそこなじみがないけど、"diet"の意味としては、そっちが先に出てきちゃうくらい減量に無関心でずっと来た私である。

どうしたらよかろう? ジムで、吐きそうになるくらい激しいエクササイズなんて、三日坊主以前に、始めたくもならない。歩く程度なら、なんとか妥協できなくもないかなぁ。

重いものを移動させるのはしんどいので、習慣にしてれば、身体が自然に適応して、減量するんじゃなかろうかという理論。

そういうわけで、このところ、少し歩くようにしている。通勤の片道を電車に乗らないのが、割とちょうどいい。

汗をかきやすい体質になってきた気はする。脇腹が、若干すっきりしてきたかな、という気もする。けど、前側は全然減らないなぁ。布袋様状態。

歩くだろ、腹減るだろ。もう、何食っても美味いだろ。結局、入るエネルギーと出るエネルギーが双方増えて、差し引き変わっとらんのじゃあるまいか。

だけど、効果ないからって、もしやめたりしたら、ぼぼーんと太っちゃうんだろうなぁ。なーんか、トラップにハマった気分。

万歩計を導入してみれば、多少は楽しみの要素が加わるかなぁ、と思った次第。このごろはスマホにその機能が搭載できるアプリがあるらしいから、専用機は市場から消えていく前に、早く入手しておかねば。

ラクして英語が上達する、なんて謳ってる広告見ると「うっさんくせー!」と思っちゃう私だが、減量ぐらいならラクしてできる方法って、あるよね?