LIFE is 日々一歩(57)[コラム]ハンズオンセミナーに“反転学習”の導入を考える/森 和恵

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こんにちは!森和恵です。先日、久しぶりに水泳をする機会がありました。借りた水着で200mぐらい泳いだら、もうヘトヘトになってしまい、体力の衰えを感じました。一方、70歳の母親は、休みなしでガンガン泳いでいて……体力つけないとヤバいですね(汗

さて。DreamweaverのGitのお話の予定でしたが、今度登壇するイベントが近いということもあって、お題を変更しています。

2017年9月2日、大阪産業創造館にて開催される《まにまにフェスティバル P5》にて、「じょうずなハンズオンセミナーの受け方/進め方」をお話します。3階オープンステージで、17時15分からスタートです。

3階のセミナーは、ふらっと来て無料で見れるのでお気軽に
http://m2college.net/fes5/program.html#program_mori_kazue

登壇するにあたり、普段から担当している『ウェブ制作を学ぶ“ハンズオンセミナー”って、どうなんだろう?』ということを、ここで考えてみたいと思います。





●これまでと最近のセミナーの傾向

1997年頃から、EPSONのインクジェットプリンターをからめた、デジタルフォト出力を学ぶ授業を担当したのをきっかけに、2003年にウェブ制作を教えるようになり、現在まで講師業を続けています。

“ハンズオンセミナー”と呼ばれる、パソコンを使って講師と一緒に操作しながら、作業に必要な知識を身につける授業形式をメインで行ってきました。

アプリケーションの使い方を説明するには、ハンズオン形式がもっとも手っ取り早いと思っています。最近は、細かく説明された書籍もたくさん販売されていますが、人間というのは飽き性なので、文字を読みながら自分で操作を淡々と進めるのは、なかなかむずかしいものです。

講師が前に立ち、操作のためのちょっとしたコツを伝えながら、同じ画面を見て進めるほうが、学習スピードも早くなります。もちろん、レベルの異なる5〜10名の受講生をまとめて教えるには、間違えさせずに、飽きさせずに、操作を引っ張っていくという講師の技量も必要です。

「どうすれば、ちょうどいい加減で、効果的に授業を進めることができるのだろう?」という問いかけは、常に行っています。授業が終わったら反省点をメモし、次の授業に反映してきました。

20年近く、そんな風に進めてきていたのですが、ここ数年は、「このままじゃダメなのでは?」という疑問もわいてきました。

・ウェブ制作において、必要となる知識が多岐にわたりすぎている
・一方、セミナーの時間は減少傾向にある(昔は6〜8時間がざらでしたが、最近は4〜5時間)
・会社からの研修というより、個人のスキルアップ利用が多く、受講料も減少
傾向にある

このような状況のなか、これまでと同じように“ハンズオンセミナー”をやっていてよいのだろうか? と思うのです。

パソコンルームを準備し、長時間になるので、時間も受講費用もどうしても高くなってしまいます。利用者のニーズから、ずれてきているのではないだろうか? という疑問が生まれてきました。

●動画学習ができるサイト

そんな疑問を抱く中で、ここ数年興味があるのが、オンライン授業です。

講師に直接質問はできないものの、操作手順を聞くだけであれば、ネットで動画をみてもらっても、同様な効果が得られるのかもしれないと思ったのです。

それから、自分の授業の復習・補足用にYouTubeで動画を少しずつ公開し始めています。特に大きく宣伝しているわけではないのですが、自然とチャンネルを登録してくれている方々が増えて、300名のチャンネルになっています。

【r360studio Channnel】
https://www.youtube.com/r360studio

近々、YouTubeの生放送授業を定期的に始めようかなと思ったりもしていて、世の中にあるオンライン学習サイトを研究しています。いろいろ使ってみる中で、気になったサービスをまとめておきますね。

【Schoo - 参加型のオンライン動画学習サービス】
https://schoo.jp/

生放送が無料公開され、録画は有料。生放送中に視聴者がコメントをつけ、ライブで講師が答えたり等の参加型。テレビ番組風の授業が多く楽しんで学べる。

【ドットインストール - 3分動画でマスターする初心者向けプログラミング学習サイト】
http://dotinstall.com/

すべての動画が3分で構成されていて、講師の授業を聞いている雰囲気でピンポイントに知りたいことを学べる。よく3分でまとめきれるなぁ…といつも感心しています。構成力がすごいですね。

【Udemyオンラインコース - どんなことでも、自分のペースで学べる】
https://www.udemy.com/

有料。ひとつのテーマに沿って、単元の分かれているコースを選んで学べる。講師の技量に左右されるところが多く、良い先生の講座はとてもよくできています。

【lynda.com - 仕事・趣味に活かせるオンライン動画学習サイト】
https://www.lynda.jp/

こちらもUdemyと同じシステム。有名な技術者やクリエーターを引き抜きで講師にしているのが特徴。

【オンライン学習 ShareWis(シェアウィズ)】
https://share-wis.com/

長編のものもあるが、90秒で学べるシリーズが面白い。

【gacco The Japan MOOC | 無料で学べるオンライン大学講座「gacco」(ガッコ)】
http://gacco.org/

大学の授業を受けている感じのオンライン講座。オンラインで学び、課題を解いて提出するなど学校スタイル。大人になってから、時間はないけど大学の授業を受けたいという方に。

●“反転学習”に興味あり

“反転学習”とは、生徒が自習の形でビデオ教材を使い、あらかじめ基礎知識を学習してから、後日教室に集まって、基礎知識を身につけた上で、講師に質問したり、応用課題に取り組んだり、反復練習をしたりする学習方法です。

これまでは、教室でみんなで基礎知識を学び、それから自宅で宿題などを通じて反復練習をする形だったのが、ちょうど反対になっているので“反転学習”と呼ばれています。

【注目の反転授業とは? 反転授業のメリット・デメリット|ベネッセ教育情報サイト】
http://benesse.jp/kyouiku/201609/20160902-1.html

先程紹介したオンライン授業の【gacco】で採用されています。実際にある授業をうけて体験してみましたが、基礎を身につけた後に十分な反復練習をすることで、疑問点がクリアになり、知識が深まりました。

わたしがいままで担当してきた授業では、どうしても時間の拘束が長く、長い割には「学んだことを繰り返して身につける(反復練習)」や「学んだことを活用して課題に取り組む(知識を応用する練習)」の時間が取れませんでした。

取ろうと思うと、さらに授業時間が倍になるからです。基礎知識をみんなで学んで、はい終わり……という、講師側からすると「いま学んだ知識をしっかり根付かせるために、もう少し時間が欲しかった」と悔やむこともありました。

この“反転学習”をうまく取り入れられれば、この問題が解決しそうな気がしています。

・オンラインの学習教材を開発するコスト
・受講生に“予習”を必ずしてきてもらうという前提条件のクリア
・効果的な反復練習をどう提供するか?

など、考えることは山積みですが、これはなかなかに面白い課題だなと思っています。

次の10年も、社会人教育に関わっていきたいと思っているので、ちょっとがんばってみます。乞うご期待!

(とかって、強めに言っておけば、後に引けなくなってやるだろう……と自分を鼓舞して終わります)

……ということで、今回はここまで。
次回は、まにまにフェスティバルの参加レポートをお届けします。できたら、当日みなさんにお会いしたいなぁ。声をかけてくださいね。ではまた、次回お目にかかりましょう!(^^)


【森和恵 r360studio 〜 Web系インストラクター 〜】
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