Otakuワールドへようこそ![262]ぼくのミラクル急上昇夏休み
── GrowHair ──

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夏休み明け最初のデジクリでは、休み中に起きたことをレポートするのがここ数年来の私の恒例となっている。

今年の夏は、やや長距離の移動をともなう予定が、いろいろ入ってきていた。休み明けにまとめて書いたのでは、書ききれなくなるのが目に見えていた。

休み前、自分の書く番が終わってから、もう一本、押しかけ原稿を送り、掲載してもらっている。

7月27日(木)『あっち行ったりこっち行ったりの週末が続く』。
https://bn.dgcr.com/archives/20170727110200.html


7月8日(土)9日(日)は、京都と大阪。
7月16日(日)17日(月・祝)は、金沢。
7月23日(日)は、中国山西省太原。

ここまで書いておいた。書いておいて正解だった。

7月30日(日)は、中国甘粛省蘭州。
8月13日(日)14日(月)は、中国雲南省昆明。

そのほか、近場でもいろいろあって、ネタがいっぱい。

去年や一昨年のを振りかえってみると、なんかすごいミラクルレベルの偶然によってもたらされたような出来事が散りばめられている。

2016年8月26日(金)『真夏の昼の夢』
https://bn.dgcr.com/archives/20160826140100.html


2015年9月18日(金)『ぼくのミラクル夏休み』
https://bn.dgcr.com/archives/20150918140000.html


確率で考えると著しく低そうなことが、なぜか私の身にはよく起きる。それでいて、宝くじを買ったら高額の賞に当選したとか、乗っていた豪華客船が沈んだとか、自分の生活がただちに激変するようなことは、そうそう起きない。

ただ、めずらしいなぁ、不思議だなぁ、と思って眺めるだけで終わるような鑑賞用エピソードばっかり。めずらしいことが起きるのが、めずらしくなくなってきている。今年の夏もまた、そんな巡り合せだらけだった。

まあ、宝くじは買わないし、豪華客船にも乗らないんだけど。





●急ピッチで上昇中? アイドルグループ「Q-pitch」

7月29日(土)、中国甘粛省蘭州に向かう。フライトはイベント主催側から指
定されたもの。

10:55 成田 (NRT) - 13:25 上海浦東 (PVG)、中国東方航空 MU272。
16:05 上海浦東 (PVG) - 19:25 蘭州中川 (LHW)、中国東方航空 MU2354。

成田空港のチェックインカウンターで並んでいると、少し後にきゃぴきゃぴした若い女の子のグループがいる。みんな、けっこうかわいい。ピンときて、聞いてみると、やはりアイドルだった。グループ名を「Q-pitch」というのだそうで。すまぬ。知らない。
http://q-pitch.com/


上海まで同じ飛行機だ。去年の10月に結成したばかりなのに、もう中国のイベントから声がかかってるって、すごい! メンバー7人、プラスマネージャさんの旅費をイベント側が負担してくれてるってんだから、大したもんだ、中国の経済力、じゃなくて、このグループの実力。

7月30日(日)に上海で開催されるイベント『新生代女子力 in SHANGHAI』に出演予定とのこと。
http://mp.weixin.qq.com/s/7PYJiIcKN3BooBjmMyRxAw


8月4日(金)〜6日(日)に開催予定のイベント『Tokyo Idol Festival 2017』(TIF)にも、ひょっとして出る話になってたりするのかな? 聞いてみれば、金曜と日曜に出るそうで。おおお!

それ、すごいって。地下アイドルは、全国に何百グループあるか知れない。このイベントに出られるようになると、一定の水準を超える存在感を獲得したな、って感じがする。

AKBグループみたいに最初っからメジャーなのを別にすれば、たいていは、3〜5年、地下で地道に活動を続けて、やっと出られる。セミである。

私もかつて、女子中学生アイドルグループの一員であったが、あのころ、週末のイベントで毎回のように対バン張っていたグループが、去年今年ぐらいになって、TIFに登場するようになってきている。

「Festive」とか「キャンディzoo」とか。ウチのグループも、もし続いていれば、今ごろ、TIFのステージぐらい踏めてたかもしれない。

そんな狭き門を結成一年以内に突破って、異例だ。Q-pitch、急上昇街道まっしぐら。

しかし、私は、土曜にだけ行くことにしているので、すれ違いではないか。

7月29日(土)の写真:
https://goo.gl/photos/YmKMidJrypsmqiBE9


●友好提携35周年記念式典で甘粛入りする秋田県議の面々

7月29日(土)の夕方、上海浦東空港(PVG)を発った中国東方航空の飛行機は、3時間後に甘粛省蘭州中川空港(LHW)に到着した。

数名からなる日本人ご一行が、荷物が出てくるのを待っている。スーツをバリッと着て、背筋がピーンと伸びている。秋田県の県議会議員さんたちであった。

甘粛省と秋田県とは 1982年8月5日に友好提携都市になり、同時に、甘粛省蘭州市と秋田県秋田市とも友好提携都市になり、今年は35周年にあたる。

蘭州市は、標高1,600メートル。上海が気温37℃だったのとはうって変わって、ちょいと肌寒い。

甘粛省蘭州、四川省成都、雲南省昆明と北から南へ並ぶ三都市のラインは、中国全土からすると、ほぼ真ん中に位置する。しかし、そのラインよりも西にはもう大きな都市がない。

どんな魔境が広がっているのだろうと思いきや、道がないわけでもなく、人が住んでいないわけでもなく、ただただ田舎なのだそうである。

つまり、感覚的には、甘粛省は中国の左上。一方、秋田県は日本の左上。左上つながりなのか。

ちなみに、甘粛省の人口は2,600万人、秋田県は108万人である。蘭州市は314万人、秋田市は32万人。

「外遊」って言葉の響きが悪いのかなぁ。海外で遊んでくるみたいだもんなぁ。何らかの具体的な協力関係や事業に発展することを目論んで、外との対話に務めるっていうのも、議員さんたちの大事なお仕事だと思うけどなぁ。

遊びに使う金があったら、納税者たちの生活向上に直接響くような政策に使え、って批判する人が出てきちゃいそうなんで、あんまり大っぴらに宣伝しづらいのかもしれない。

7月30日(日)に執り行われた友好提携35周年の記念式典の模様は、「甘粛網路広播電視台」(「甘粛テレビ放送局」みたいな感じ?)で報道され、ウェブサイトにも記録が残っている。動画1本と写真5枚。
http://www.gstv.com.cn/news/folder63/2017-07-31/497232.html


また、甘粛省人民政府外事僑務港澳弁公室(「甘粛省地方議会渉外室」みたいな感じ?)のウェブサイトでもレポートされている。写真6枚。
http://www.gsfao.gov.cn/news/guojjl/2017/814/K402.html


日本では8月4日(金)に「AKT秋田テレビ」の夕方のニュースで報道したらしいが、記録が見当たらない。

つるた有司氏と石田ひろし氏という二人の議員の個人ブログぐらいしか出て来ない。
http://truruta-yu-ji.seesaa.net/article/452381862.html

https://ameblo.jp/kisd2129/entry-12297282176.html


ううむ。扱いがなんだかショボい気が……。7月22日(土)、23日(日)の豪雨災害があって、秋田県知事が渡航を取りやめたこともあり、派手派手しい扱いがしづらかったのかもしれない。

●香りのよい中国の唐辛子

一週間前に山西省太原でお世話になった羊羹氏が、蘭州中川空港まで迎えに来てくれる手筈になっていたが、四川省成都からの飛行機が大幅に遅れていて、まだ到着していなかった。代わりに、イベントの若いスタッフが来てくれた。

「夕食は何が食べたい?」と聞いてくるので「地元のものであれば何でも」と答える。

連れていかれたのは、羊肉の串焼きのお店。車道に面して隙間なく建ち並ぶビルの一階部分が歩道になっており、奥に店舗があり、歩道上に簡素なテーブルと丸椅子が並べられている、中国によくあるタイプの大衆的なお店。初めて会うのに、私の喜ぶツボを心得ていらっしゃる。

店名は「清真西部[火ヘンに考]肉」。[火ヘンに考]は「焼く」とか「炙る」という意味のようで。

店名に冠してある「清真」は「ハラル(halal)」という意味。イスラム教の戒律によって食べることが許された食品のこと。ちなみに、それのユダヤ教バージョンは「コーシェル(kosher)」と言い、どちらも豚肉は禁止である。

金属製の長ーーーい串に、羊肉のうんと小さいのが5切れぐらい、ちまちまちまちまっと刺さったのが30本ぐらいドバっと出てくる。店の人が炭火の上で炙ってくれる。

四川省成都には及ばないかもしれないけど、蘭州の料理もそこそこ辛い。焼き上がりに、魔法の赤い粉を手づかみにして、ドバッ、ドバッと豪快に振りかけてくれる。

冷めたら、客が勝手に焼きなおしに行ったりもできる。そんでまた、赤いのをパッパパッパと振り足すんだなぁ。正気の沙汰じゃないとも言えるけど、中国人が中国一美味いと言うだけあって、クセになる。

こっちのほうで使われる唐辛子は、めちゃめちゃ香りがよろしい。日本のとは種類が違う。「鷹の爪」ではなくて、「朝天椒」というやつ。赤ピーマンをちっちゃくしたような、ずんぐりとした形状をしている。

「[火ヘンに考]肉」と掲げたお店は、日本における焼き鳥屋ぐらいありふれているもんで、道を歩いていても、「どうです? 食べたくてたまらなくなるでしょ?」と語りかけてくるように、よい香りが漂ってくる。

[火ヘンに考]肉、肉筋、肚子。どれも美味い!

ホテルに戻り、だいぶ経った深夜、ドアがコンコンされ、出てみれば羊羹氏であった。飛行機が大幅に遅れたんだとか。このところ中国でよくある飛行機の大幅遅れ。インドとモメてるせいか?

蘭州では、もうひとつ「蘭州ラーメン」が有名だ。帰るまでにはこれも食べとかなきゃと思っていたのだが、結局かなわなかった。

すると、帰ってきてから、東京に蘭州ラーメンのお店が二軒、オープンした。
8月10日(木)、池袋に「蘭州拉麺店 火焔山」。
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13212134/

8月22日(火)、神保町に「馬子禄(マーズルー)」。
http://lanzhou-lamian.com/


神保町のお店の初日、開店前から長蛇の列だとか、テレビが取材に来ているとか、twitterでつぶやかれていた。

営業時間は9:00pmまでとウェブサイトにあるので、7:20pmごろ行ってみれば、「本日分完売」の貼り紙。なななんとっ。

その日の5:00pmには、RocketNewsから記事が上がっていた。

2017年8月22日(火)5:00pm
RocketNews24
『中国最強のラーメン店「蘭州ラーメン 馬子禄」がついに上陸!
大行列のオープン初日に行ってきた!! 東京・神田神保町』
あひるねこ
http://rocketnews24.com/2017/08/22/943855/


もしかして、蘭州ラーメン、急上昇してる?

翌7月30日(日)のイベントの写真:
https://goo.gl/photos/nxkqczHXVaA3dBAC6


●中国渡航前夜、小学校の同級生に40年ぶりの再会

雲南省昆明への渡航を翌日に控えた8月11日(金)、昼間はなんだかんだとやることがあって、結局コミケには行きそびれてしまったけれど、夜になって、中途半端に時間ができた。

友達のいない私は一人さびしく歌でも歌おうと、一人カラオケ(ヒトカラ)専門店「ワンカラ」のある高円寺へ。
21:33 中野 - 21:36 高円寺、総武線・中央線各駅停車武蔵小金井行。

南口へ出て、ちょっと歩きかけたところで、はずんだ声で話しかけてくる女性あり。

「ひさしぶりぃ! 私、覚えてるぅ? M下!」
「...。S子?」

かつての面影がまるで残ってないもんで、確信がなかったが、ビンゴ。40年ぶりだった。小学校5、6年生のとき同じクラスだったやつ。杉並区立杉並第八小学校。通称、杉八。担任は小池映子先生。

中野で友達と飲んできた帰りだとかで、どうやら同じ電車に乗ってきたらしい。なぜ私を認識できたかというと、セーラー服を着ていたからだ。それは同窓生の間でうわさになってるらしい。

ヒトカラはやめだ。飲みに行こう。翌日のフライトは遅めの時間なので、ちょっとぐらい飲んで、帰りが遅くなってもだいじょうぶだろう。

14:55 成田 (NRT) - 18:05 厦門 (XMN)、厦門航空 MF816
21:00 厦門 (XMN) - 23:45 昆明 (KMG)、厦門航空 MF8429

結婚して、娘さんが一人いて、20歳だという。夏休みなんで、ロンドンに単身赴任している旦那さんのもとに行っちゃってて、いま、ひとり羽をのばしてるとか。

話していると、かつての面影が現れる瞬間がちらっちらっとある。オレがアホな話をすると「バカぁ!」と言ってばんばん叩いてくる。それ、小学校でもやられてたぞ。変わってないなぁ。

当時、学校に行くと、私はまず女子全員のスカートをめくってパンツをチェックしていた。旧友たちの姿は、顔よりも先にパンツで思い出す。

M下で印象的だったのは、卒業から数か月して、小池クラスだった同窓生が杉八に呼び集められ、近況報告会が催されたときのことだ。

屋上に出る鉄扉は施錠されていたが、積んである机によじ登って窓の鍵を内側から開けると出られるのは、在校時と変わっていなかった。

机の下に隠れていると、屋上から戻ってくるM下を下から眺められた。白いコットンパンツの上にピンク色の毛糸のパンツを穿いているが、毛糸のパンツがやけに小さくて、はみ出してる白いパンツのほうが面積が広かったのを、昨日のことのようにありありと思い出す。いやぁ、なつかしいなぁ。……言ったら、ばんばん叩かれた。

私は当時のやつらと音信が切れちゃって、誰一人としてその後のことを知らなかった。一人、本名で検索すると出てくるぐらい偉くなったやつがいるけど。

M下はそれなりにつながりを維持してきたようで、なつかしいやつらのその後の話がいろいろ聞けた。

しかし、オレが海外渡航する前日に、こういう偶然の再会があるって、なんかのアレじゃあるまいな。死亡フラグとか? いやいや。たのむぞ、飛行機落ちるなよ。

昆明への飛行機は大幅に遅れ、ホテルに到着したとき、夜が明け始めていた。

●日本の社会科の教科書はどうか

羊羹氏と太原にいるとき、社会科の教科書の話になった。中国の学校では日本のことをいったいどんなふうに教えているのだ、というのを知りたかったのだが、逆に、羊羹氏は、日本の教科書に何が書いてあるのか(あるいは、書いてないのか)読んでみたいという。

日本の教科書は、一般の人も購入できるらしい。中学で使う社会科の教科書には、物議を醸した両極端なやつが、それぞれ一冊ずつある。両極端と言ったって、ちゃんと検定は通ってるんだけどね。

杉原誠四郎、藤岡信勝、他
『市販本 新版 新しい歴史教科書』
自由社(2015/6/3)

子どもと学ぶ歴史教科書の会(編集)
『増補 学び舎中学歴史教科書 ともに学ぶ人間の歴史』
学び舎(2016/10/1)

前者は、一般社団法人「新しい歴史教科書をつくる会」、いわゆる「つくる会」が作ったものである。従来の「自虐史観」の影響を払拭しようとの思いが込められている。

後者は、いわゆる「学ぶ会」によるもので、政治思想についてみずから何かを謳っているわけではなさそうだけど、位置づけ的には、前者の反対側に置かれがちなものである。従軍慰安婦問題に触れている、唯一の教科書であるらしい。

私立灘中学校がこの教科書を採用したところ、自民党とネトウヨから同校に卑劣な圧力がかかったらしい。
http://lite-ra.com/2017/08/post-3360.html


ううむ。思想は自由だけど、こういう形で圧力をかけてくるのは、事実だとしたら、やり口が卑怯な感じがするなぁ。

それはともかく、それ以外の教科書は二つの間のどこかに位置づけられるってことでよかろう。なので、この二冊を入手して、雲南省昆明に行くときの、羊羹氏への手土産にしよう。

そう思ってAmazonでポチったのだが、出発までには前者しか届かなかった。これではいかにもバランスが悪い。しかも、よりによって、中国にとってはあんまりおもしろくないほうのやつだ。

羊羹氏には、いま述べたような講釈つきで、お渡しした。届かなかったもう一冊の代わりと言ってはナンだが、成田空港で羊羹を買っていった。

●昆明の昆は……(ちょいグロ注意)

8月13日(日)の午後、ステージに上がって軽くトーク。

今しがた、雲南省発祥の「過橋米線」という面白い料理を食してきたことを言う。ラーメンどんぶりをさらに大きくしたような瀬戸物の器に入ったスープが煮立っている。小さなしぶきがぴょんこぴょんこ。器も非常に熱い。

具は、「キノコ」か「花」から選べる。私はキノコに。三段重ねの重箱みたいな器に、様々な具が入っている。メインは米粉の細い麺。それらを全部一気に放り込む。

スープは、辛くて、パクチーが入っているので、タイのトムヤムクンみたいな感じ。

私は、どこかへ行ったとき、できるだけその土地に特徴的なものを食したいと思う。って確かに言ったけど、実際、今までそうしてきているし、決して挑発するつもりだったわけじゃないんだけどなぁ。

昆明では他にどんなお薦めの食べ物があるか、目の前の観客に聞いてみた。「これを食わずに帰るな」みたいなの、ある?

勢いよく、たくさん手が挙がる。中でも特に「言わせろ!」という目をしている人を差してみれば……。

ある人の答えは、幻覚キノコ。またある人の答えは、虫。う。挑発してないってばー。「美味いの?」と聞けば、「美味い」という。

イナゴの佃煮なら、何回か食べたことがあって、あんまり抵抗ない。ああいうふうに調理してあると、元の素材が何であれ、あんまり変わらないような気がする。見かけはイナゴなんだけど。

あと、蜂の子は、美味いから食ってみろと目の前に出されたことがあるけど、ちょっと無理だった。幼虫は見た目がアレすぎて、口へ運べん。

しかし、食わずに帰るなと言われて、食わずに帰ったら、男がすたる。

翌14日(月)、夕食に連れていってもらったお店は、キノコの種類が豊富に取り揃えられているのが特徴のようだった。

雲南省は、南のほうに位置するが、標高が1,800メートルと高いため、一年中、春のような気候で、山の幸に恵まれている。キノコもまた、雲南省の誇る食材なようで。

ついでに、虫はあるかと聞いてみた。そしたら、主催の人ったら、私が聞く前にすでに注文してた。こりゃどうも。よく気の回ることで……。

まず、キノコ。干巴菌。中国で一番値段の高いキノコ。これ、ちゃんと毒抜きがしてあるけど、それが十分でないと幻覚が見えるそうで。小さな人が空中を舞うのが見えるらしい。

ニンニクの小片などにまぎれている小さな緑色の破片がそれのようで。口に入れて噛んでみると、胞子っぽい香りがプワッと広がる。ブルーチーズに入ってる青カビに似てる気がする。

残念ながら、天使さんは出てきてくれなかった。

さて、虫。来た来た。バッタの成虫と蜂の幼虫。割と気前よく盛ってある。

バッタは、日本の田んぼにいるイナゴとはぜんぜん形状が違ってて、強いて言えば、蚊とトンボの合いの子みたいな感じ。体長は5cmくらい。

カリッカリに炒めてあり、ものすごく辛い味付け。元の素材の味が分からなくしてある感じ。クリスピーなスナック菓子を食べてる感覚で、これはけっこういける。

次は、蜂の子を攻める。体長2cmぐらい。白くて、米粒をでかくしたような。まあ、どっからどう見たって、紛れもないイモ虫だわな。

これも、割としっかり炒めてあって、見かけよりは、やや硬めの食感。強烈に辛い味付け。これもやっぱり素材の味がよく分からん。

中国人が5人ほどいたけど、この皿だけ不人気なもんで、私が大半をいただく。

もうオレの中で、昆明=昆虫。

8月13日(日)の写真:
https://goo.gl/photos/ycf1V2peJ2g2QzsP8


8月14日(月)の写真(グロ注意):
https://goo.gl/photos/dzQTU61ujg2HGfto7


●居酒屋を介してつながった三遊亭とむ氏

皇居の周辺に用事ができることなどめったにないのだが、めずらしく2日連続でその辺に招き寄せられた。
8月19日(土)は西側、半蔵門の近く。
8月20日(日)は東側、大手町。

◇三遊亭とむ独演会 スーパー落語ラブファントム 2017
http://sanyutei-tom.com/schedule01/


日時:2017年8月19日(土)7:00pm開演。
場所:国立演芸場
演目:『心眼』『鰻の幇間』『新作落語』ほか。

◇シンギュラリティサロン@東京「第21回公開講演会」
http://peatix.com/event/288193


日時:8月20日(日)1:30pm 〜 4:00pm。
場所:サンケイプラザ310号室
講師:前野隆司(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネージメント研究科教授)
タイムテーブル:
13:30 - 15:00「受動意識仮説と幸せ」
15:00 - 15:30 自由討論

三遊亭とむ氏の落語独演会は、行きつけの居酒屋のマスターから薦められて、行くことにしたものである。面識はなかったが、同じ店で酒を飲んだという不思議なご縁である。

かつては「末高斗夢(すえたかとむ)」の芸名で活動するお笑い芸人で、寒い系のダジャレを得意としていたようだが、2011年8月に落語界に入門している。

わずか6年で、国立演芸場の檜舞台で独演会とは、ものすごい急上昇ぶりではないか。

かなりどうでもいいけど、私が初めてセーラー服を着て外を出歩いたのは2011年6月のことである。私の場合、上昇というよりは、脇へ曲がっていっている感じだけども。

かつてSDN48のメンバーだった双子タレント奈津子さん・亜希子さんから取材を受け、「しらべぇ」の記事になっているところも共通する。

三遊亭とむ氏、2015年3月19日(木)
https://sirabee.com/2015/03/19/22128/


私、2016年1月7日(木)
https://sirabee.com/2016/01/07/71587/


なんか、こう、軌道が合ってるような、ぜんぜん合ってないような。

前売りで完売していたようで、当日、300席がほぼ埋まっていた。私の席は、1列3番。最前列だ。

セーラー服を着たおっさんが最前列に座ってたら、芸人としては、まあ、ツッコみたくなりますわな。

小学生時代から「すぐ調子に乗る」と先生によく怒られていた私である。

案の定ツッコミが飛んで来たとき、席を立って振り返り、「にゃんっ♪」とやったら、大きな拍手がいただけた。「もう立たなくていいからね」とたしなめるとむ氏。

とむ氏は、ゴマ摺り芸が面白い。調子ぶっこいて部長をヨイショしまくる部下の話とか。道で会った人におべんちゃら使って、鰻を奢ってもらう話とか。

昨今のスマホやらSNSやらに絡む世相を生き生きと描き出して、皮肉っているのもそうとう可笑しい。

さて、翌20日(日)。講演会のことは別途レポートすることにして。

帰り、建物を出たすぐのところに地下鉄大手町駅に降りていく階段があり、そこから東西線に乗ろうかと思っていたのだが。

武盾一郎氏は東京駅まで歩くというので、じゃ、私もそっちにしよう、と一緒に歩き出す。中央線に乗ればいいや。

日曜で人通りがほとんどない丸の内の金融系のオフィス街を歩く、やや場違いな感じのおっさん二人。

横を通る車が停まって、こっちに挨拶してくる。見覚えのない人なので、大方、以前に一緒に写真を撮っていった人かなんかであろう、と、すんごいテキトーな対応してしまった。

なんと、三遊亭とむ氏その人であった。普段着なもんで、ぜんぜん分からんかったー。

もっとゴマ摺っときゃ、鰻ぐらい奢ってもらえたかもしれない。ってのはともかく、この軌道の合いっぷりからすると、そのうち、あの居酒屋でばったり会っちゃったりしないだろうか。

この遭遇のことは、とむ氏もInstagramに書いている。


遭遇の場面を、非常にいいタイミングと構図で武氏が撮っておいてくれた。
グッジョブ!

写真:
https://goo.gl/photos/XhUQBxoybZVZiFXa9



【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。
http://www.growhair-jk.com/



《スペインで会った》

三遊亭とむ氏の独演会を薦めてくれた居酒屋では、偶然の出来事がもうひとつあった。私が店に入ってくるのを見るなり、一人で食事していた外国人女性がわっと言った。私の姿をマドリードで見た、と。

バルセロナ在住だが、マドリードで催される「Japan Weekend Madrid」をわざわざ見に行ったのだそうである。こんなとこで再会するとは、思いもよらないことだったようで。

でも、私のほうは、けっこう慣れてきている。シンガポールのイベントで会った人と、ベトナムの路上で偶然再会したこともあったしなぁ。

《中国の英語レベル》

以前にも書いたけど、中国の教育は、長時間にわたって生徒を学校に縛りつける、詰め込み式。

裕福な家庭の子供だけが塾に行かせてもらうことができ、その結果、学業成績で抜きん出て、いい大学に行くことができ、いい会社に就職できて、たくさんお金を稼ぐようになるという格差連鎖に陥っている日本よりも、公平でいいとも言える。

イベントでは、小学生ぐらいの子供でも「写真を撮らせてください」程度のことなら普通に英語で話しかけてくる。たいへんすばらしい。

それなのに……。空港の国際線の搭乗ゲートのあるエリアの飲食店に入ったら、ウェイトレスが10人ぐらいいるのに、英語のしゃべれる人が一人しかいない。しかも、カタコトレベル。

グラス赤ワインを一杯注文するだけで、そうとうたいへんな目に遭ってしまった。どうなっているのだ、中国。

《中国の土産》

山西省太原からの帰りは上海浦東空港で乗り継いで、羽田に戻ってきた。
13:05 上海浦東 (PVG) - 16:45 羽田 (HND)、中国東方航空 MU539。

空港では、土産品として、プリッツの上海蟹風味というのを売っていた。ちゃんとグリコが作っている。上海限定販売だという。日本への土産、これでいいやー。

甘粛省蘭州からの帰りも同じ便になった。土産物屋のおばちゃんから、先週も来ましたね、と言われた(英語で)。

プリッツのフカヒレスープ味というのもあった。上海限定販売だという。日本への土産、これでいいやー。

《蘭州がダメで重慶》

開店初日に行った蘭州ラーメンのお店は、閉店時間より1時間半も早かったのに、「本日分完売」で入れなかった。

翌日にも行ってみた。同じような時間に。そしたらまた同じ目に遭った。初日は、まだ、店内の照明が点いていて、中で食べている人がいたのに、二日目はすでに誰もいなくて暗かった。

「重慶小麺」のお店を見つけたので、入ってみた。私は2015年10月4日(日)に重慶へ行っている。

重慶市は、ナントカ省に属さない中国直轄市。四川省の東側に隣接する。そういう位置にあるので、食べ物はやっぱり辛い。唐辛子の辛さだけでなく、赤山椒の痺れる辛さが加わる。

神保町のそのお店も、まったく手加減せず、その辛みをちゃんと再現してくれていた。スペシャル担担麺(1,200円)の辛さ3(2が店の標準)、大変よい。

このお店もオープンしたばかりのようで、ネットで検索かけてみても、まったく情報が出て来ない。Googleストリートビューで探しても、ない。

甘粛省と秋田県の記念式典でもそうだったが、ネットを検索して情報が出て来ないと不安になる。ほんとうにあったのだろうか、と。

現実の存在よりも、ネットに上げられた情報のほうに、より確たる存在感がある。メディアの時代と言えそうだ。

《元愛$菩薩さん、東京でイベント出演予定》

7月9日(日)の京都の法事(という名のイベント)をもって、戒名の「光誉祐華」さんに改名した元「愛$菩薩」さん、今週末は東京のイベントに二つ出演されます。

◇『教えて仏さま』悟東あすかさん出版記念イベント
─仏 ほっとけナイト─
スペシャルゲスト光誉祐華 (元愛$菩薩)
https://www.facebook.com/events/130757820783623/

http://idolbosatsu.jp/

http://idolbosatsu.jp/live.html


日時:2017年8月26日(土) 6:00pm 開場、6:30pm 開演。〜 8:00pm。
場所:com. cafe 音倉 東京都世田谷区北沢2-26-23 NIU B1F 03-6751-1311 下北沢駅 徒歩2分
料金:前売り2,000円

◇江戸の音風(おんぷう)金谷ヒデユキ × 光誉祐華
https://www.facebook.com/events/241748416298006

http://idolbosatsu.jp/

http://idolbosatsu.jp/live.html


日時:2017年8月27日(日)5:30pm開場、6:00pm開演。
場所:らいぶはうすの鈴ん小屋(りんごや) 東京都豊島区東池袋1-47-1 庚申ビル B1F 03-6382-7273

私は両方行くことにしています。それ以降の週末も、筑波とか、京都とか、また京都とか、ばたばたが続きます。