まにまにころころ[122]ふんわり中国の古典(孫子・その3)
── 川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito ──

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コロこと川合です。今回は孫子の3回目なんですが、その前に、9月2日に開催予定の「まにまにフェスティバル(まにフェス)P5」について紹介させてください。

あれ、この書き出し前回と一緒だ……

夏休みもいつの間にか終わり、いよいよ今週末の土曜日が、まにフェス!

当日のプログラムはほぼ決まったものの、準備が捗っておらず、夏休みの宿題を最終日まで片付けられなかった子供時代を思い出します……三つ子の魂健在。




◎──「まにまにフェスティバル(まにフェス)P5」とは

前回も書いたので繰り返しになりますが、まにフェスとは、Web/IT系を中心にコンテンツ分野の色々なものを集めて、展示とセミナーとを行うイベントで、今回が5回目。大阪で開催します。

http://m2college.net/fes5/


色々ってなんだよって話ですが、講演タイトルや展示内容から拾っていくと、Web、IT、インクルーシブデザイン、UX、フォント、AI、VR、DTP、プロレス、ハッカソン、ハンズオンセミナーの受け方・進め方、サーバー、アルゴリズム、プログラミング教育、映像、ウェアラブルデバイス、ドローン、IoT、ゲーム……ひと昔前のブラックなSEOキーワードかよってくらい、あれこれ詰め込みました。

すぐ隣の分野でもまったく知らないこと多いし、セミナーとかイベントって自分の業界、自分の職種のものにしか普通は参加しないじゃないですか。

でも、きっと、近しい業界のことを互いにちょっとずつ知り合うことで、意外な発見したり、化学反応起きたり、面白いことになると思うんですよ。根拠があってやってるわけじゃないですけど。

じゃあ私自身、何か面白いことがあったか、具体的に挙げてみろと言われると、「おかげで大儲けできました!」「札束のプールで美女を抱いてます!」とか、そんな怪しい通販グッズみたいな成果はないんですが。身長も伸びてないし、理想のボディも手に入れてないし。

ただ強いて言えば、毎回の「まにフェス」が、ある意味でそれらの集大成ってところでしょうか。参加された人が得たものが、私にとっての成果ってことで。

また毎回、本当に多くの人に助けられて実施できているイベントなので、その返しきれないほどの恩や感謝も、私が得た資産ですかね。

……返しきれてないって事は負債? いや、負債だって資産だ!!!

まあなんにせよ、楽しんでいってもらえれば嬉しいです。よく知らない分野のことも見聞きしていってください。参加してもらえれば、楽しんでいただけると思います。参加してもらえれば。

分野横断で詰め込んでいることの弱点として、テーマを絞ったイベントに比べ、面白さを広く伝えにくいんですよね……来てください、としか言えない(笑)。

もう5回目なのに、ひと言で説明できません。フェスティバルじゃなく万博とでも名付けたらよかったかなと、広報に悩む日々です。開催まで5日しかないのに。

えーっと……その……来てください。

http://m2college.net/fes5/


「土曜日は家族サービスしなきゃいけなくて」との声に応えて、今回は親子で楽しめる要素も多めです。


◎──孫子・その3

さて、唐突に孫子の話に移ります。今回からは第二章「作戦篇」です。

段の区切りは『全訳「武経七書」1 孫子 呉子』(プレジデント社)に合わせたものです。


◎──『孫子』作戦篇(一〜三)

戦争は、戦車千台、輸送車千台、十万の兵士を動員し、千里の先に物資を送り込む。内外の費用、賓客の応対、物資調達、軍備のメンテナンス資材や車両の準備、とにかく莫大な金をかけてやっと十万の軍を用意できる。

勝ったところで長期戦ともなれば、兵は疲弊し鈍る。城を攻めれば力も尽きる。長期戦は国力を落としてしまう。そんな状態になれば、その隙に乗じて他国が攻め入ってくる。そうなれば智恵者がいたところで、もうどうにもならない。

だから戦は短期決戦が決め手で、長期戦が良かったためしがない。長期戦が国にとって良かったことなんてない。だから、戦争をすることでどれほど大きな負担がかかるのかを知らなければ、戦争で何かを得ることなんてできないのだ。

戦上手なリーダーは、繰り返し兵役を課したり、食料を徴用したりしないで、最初に自国で兵を用意したら、食料は敵地で調達する。それで食料をまかなう。

戦争で国が疲弊するポイントは、遠くへ輸送することにある。物資を遠くまで送るとなれば、民は困窮することになる。物価も高騰し負担も増え、民の生活は成り立たなくなる。民の財産の七割が戦費に消えていく。国の財産も、軍事物資の補填のために六割が消えていく。

だから、智将は物資を敵地で調達するよう努力する。敵地で一鐘(約120リットル)の食料を調達することは、自前で二十鐘調達することに匹敵するし、敵地で牛馬の飼料を一石調達することは、自前での二十石に匹敵する。


◎──『孫子』作戦篇(一〜三)を解説すると

分かりやすい話なので特に解説も必要なさそうですが、とにかく戦争にはお金がかかるという話。国が傾くほどに負担が大きいことを理解して臨め、と。

ポイントは短期決戦と兵站。糧食はできるだけ敵地でまかなうべきだと。敵地での調達と言っても、略奪しまくれって話ではなくて、ちゃんと購入するのが基本みたいです。

まあもちろん略奪行為もあったでしょうけど、ここでは戦争をしかける話で、何のための戦争かと言えば、相手国の土地を奪いに行ってるわけですよ。

つまり、勝ったらそこは自国になるわけで、そこに暮らす人々は戦争終了後は、基本的には自国の民になるんですよ。敵軍の物資を奪うことは積極的に狙いたいところですが、民間からは購入するなり交渉するなり、遺恨の残らない形で調達しないと、あとあと面倒くさいことになります。ただでさえ、面倒くさいのに。

だって、どうしたって遺恨は生まれますから。戦争ではない外交手段による併合でも、どうにもならないほどの遺恨が生まれるってこと、よく知ってますよね……。少しでも遺恨を残さないようにすることも大事。

孫子の時代からしばらく後ろの時代ですが、秦が中華を統一した時、その辺りの問題をどうクリアしていったかという話なんですが、秦は自国の高官の子女を併合先の高官の子女とをどんどん婚姻させたそうです。国境を血のレベルで崩していったんですね。上手い。

あと、短期決戦の話ですが、「兵は拙速を聞く(拙速を尊ぶ)」という有名な言葉は、孫子のこの部分の話です。拙くてもいいから速さ重視。拙速の対義語は巧遅。何でもかんでも拙速が良いわけではありませんが、こと戦に関しては拙速を心がけましょうと。長期戦による弊害は甚大だから。

拙速か巧遅か、そこはケースバイケース。豊臣はなんとかもう少し徳川との戦を引き伸ばすことができていれば、家康の寿命が先に尽きていたかもしれません。逆に徳川は拙速を心がけた。あれ? やっぱり侵攻側は拙速がいいのか。そっか。


◎──今回はここまで

イベントの準備も拙速が大事。今になってバタバタしています……。毎度毎度、そんな感じですけども。いくら孫子を読んでいても、活かさないとだめですね。とはいえもうこの週末が決戦日。最善を尽くしますので、覗きに来てください。


【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
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