はぐれDEATH[39]はぐれのお布団事情はとってもヘビー/藤原ヨウコウ

投稿:  著者:  読了時間:10分(本文:約4,700文字)



「はぐれだから」というより、ただ単に幼少期の経験値に過ぎないとは思うのですが、ボクのお布団事情はなかなかにヘビーらしい。らしい、というのは友人・知人やCMなどで流れる色々な種類の布団が、まったくボクの趣味に合わないからである。

「軽くてふんわり、夏は涼しく冬は暖かい羽毛布団」……なんてのはその筆頭である。

寝る時は重い掛け布団がないと不安になる。ナゼかはさっぱり分からん。とにかく軽い布団は、どれだけ高機能を謳ってもボクには不安感しかもたらさない。一定の重さがどうやらボクの眠りには必要なようなのだ。

ここに、ももち(猫です)が加わると、もう快適そのものなのだが(笑)

特に冬場は重くしないと暖かくなりそうな気がしない。完全に勘違いなのですが(実験済み)。掛け布団が軽過ぎると、どうにもそわそわして、寝るどころの騒ぎではなくなる。

「一種の胎内回帰願望みたいなもんか?」とも考えたのだが、なんか話が大層になりそうなのでこの考えはソッコーで捨てた。

身体に負荷がかかると、暖かくなるように感じるだけの話だろう。寝ながら加圧トレーニングみたいなもんか? どこが鍛えられるのか、さっぱり分からないけど。




大体、ほとんど寝返りを打たないのだ。動く人なら(こっちが普通である)軽い布団の方が動きやすいだろうし、そもそも圧迫感を感じることなく、深くて快適な眠りに入れるのではないだろうか。

初っ端からコケてるのだから、世間様のでふぉは通用しないに決まってる。

これが春から夏にかけてとなると、結構な騒ぎになったりする。だって、布団の枚数が減るんだもん。当たり前だけど。

「重さ(≒暖かさ)は枚数でかせぐ」というのが、ボクの基本パターンだ。

実際、冬の重ね着は相当無茶苦茶である。それでも着膨れしないようなもので構成しているので、ぱっと見た感じは、それ程重ね着をしているようには見えないというところがキモである。

一番寒い時期(と言ってもボクは結構早かったりするのですが)は、タオルケット×2→薄くて重い毛布→薄くて軽い毛布→二つに畳んだ重くて厚い毛布→掛け布団、という構成である。これが暖かくなるにつれ徐々に枚数が減っていくのだ。

いくら重い布団が大好き、と言っても京都の寝苦しい夜に(伏見の方が上賀茂よりきつい)何を好きこのんで、こんな重い布団構成で寝なきゃあかんねん。

と、自分で自分に言い聞かせているのだが、それでも何となく不安になる。暑いからダメに決まっているのは頭ではちゃんと理解してるし、不快なのもばっちり分かっている。それでも不安になるのだ。これはもう一種の強迫概念のような気すらしてくる。

とか言いながら、タオルケットだけは意地でも手放さない。これまたそこそこ重いのですが。

本来、バスタオルだけで十分なのですよ、ボクの場合。お腹が冷えないようにさえしておけば問題はない。

実際、動かないからバスタオルの面積で必要十分なのだ。でもやっぱりバスタオルだと、またまた不安になる。愛用しているタオルケットは、もうギリギリのラインだったりする。

もちろん、こんなアホなコトをするのはボクだけで、おねえちゃんが小さい頃にお布団の中に潜り込んだ時「おとおさんのおふとんおもたいなぁ。おとなのおふとんはこんなにおもいん?」と、どう答えたらいいか分からないことを聞かれて往生したことがある。

話のついでだが、おねえちゃんの寝相はかなり酷い。まだ保育園に上がる前だと思うのだが、一階の八畳の和室を横断して、隣接する玄関まで転がっていった猛者である。

玄関は上がり框が結構高い上に、土間はもちろん硬いので発見した奥さんは血の気が引いたそうだ。そりゃそうやわな。

何しろおねえちゃんは部屋の奥の方に寝かしていたのだ。横で寝ている奥さんを器用に迂回しつつ、玄関にまで辿り着いたようだ。点点とお布団が散乱していたので、迂回コースは丸分かりである。

まだハイハイしか出来ていなかったので、赤ちゃん用の柵を用意していなかった。慌てて入手したのは言うまでもあるまい。「しかしよくギリギリの所でとまったもんや」と、奥さんとビビりながら呆れた記憶がある。

ちなみに小学校に上がる時、おねえちゃん用に個室を与えた折にベッドを買ってあげた。もちろん柵付きだ! それでもあの狭い空間の中でめちゃめちゃ動いてるし。

朝起こしにいったら、いつもぐっちゃぐちゃになったお布団の中で、とんでもない方向を向いて寝ていたりする。恐らく今もこの癖は全く直っていないだろう。っていうか、矯正の仕方なんか分からん。

ちなみに、程度にもよるが寝る時は適当に動く方が身体にはイイらしい。と言うか、こっちが自然なのだそうだが。

で、ボクは寝てる間ほとんど動かない。死体の如くじっとしている。こっちの方が不自然極まりないのだ。

ところが、ももちや昔実家で飼っていた猫が、冬になるとボクのお布団に潜り込んでくる。動かないから安心して寝るようだ。

ももちに至っては、最初は隅っこの方にちょこんと潜り込んで、右太腿の辺りにぺっとりひっついていたのに、目が覚めたらボクの脚を無理矢理押して(多分、無意識だと思うのだが、押されるとボクが自ら譲っているようだ)お布団のど真ん中にいるという図々しいにも程があることを平気でする。

もちろん、ボクは本来動かないので脚だけ平行に動かされる。上から見れば、仰向けなのに腰の所からかくんと15度弱ほど曲がっているという始末である。

まぁ、どっちもどっちやな。これで身体が痛まないのだから、柔らかい身体というのもなかなか便利である。

動かないというのは、身体の特定の場所(ボクの場合は背面になるのか?)に負荷がかかることになるが、敷き布団だって負荷が掛かる場所はピンポイントで決まっている。

だから、大体5年でボクが使っている敷き布団は綿が出てくる。結構マメに裏返したりしたりしているのだが、5年が限界である。これは完全にボクの寝方の問題である。

敷き布団は敷き布団で、硬くて薄くないとダメである。動かないのだから負荷に沿って沈むような布団が良さそうなものだが、なぜかダメなのだ。

掛け布団さえあれば、板張りの床でも平気で寝てしまう人である。あ、頭はぼーずなので枕は必要ですが。で、枕も硬くないとイヤなのだ。どこまでも歪な就寝習慣である。

で、今春、ついに使っていた敷き布団が手の施しようもなくなったので買い換えることにした。

頑丈で薄くて長持ちしそうで安いやつ(笑)

最初は素直に布団で探していたのだが、「もしかして簀の子もありか?」と一瞬脇道に入りかけた。もっともこの案は、嵩張るので邪魔くさいということでソッコー却下だ。

そこで目をつけたのがヨガ・マットである。お布団と比べるとめちゃめちゃ安かったしなぁ。おまけに収納が楽でコンパクト。

初日は少しドキドキしながら寝たのですが、起きても別に身体が痛くなったり異常があったりしたりはしていない。ばっちり熟睡。

ただ、さすがに素のままだと肌触りは良くないので、パイル地の薄いベッドシートを追加した。これで気持ちよくなった。ベッドシートなのでお洗濯も超楽ちん。メンテが楽なのは重要だ。

だが硬いというのも度が過ぎると、ロクなコトにならない。最初のうちは快適だったのですが、ナゼか両足の付け根が痛くなってきた。色々調べた結果、またまた座骨神経痛である。

何しろヨガ・マットは厚さが6mmしかないのだ。圧力を分散させる隙は微塵もない。やり過ぎ、というのはこういうことを言うのだろう。

よくよく考えてみれば、直に床の上で寝るなんていうのは明らかに一時的な事でしかなく、今回のように五か月にも及ぶ臨床実験はしたことがなかったのだ。おまけに昨年に座骨神経痛を一度やってるので、身体も老いているのだろう。

最初は我慢していたのだが、さすがに痛くて眠れないとなると、これはもう危険ゾーンである。あきらめて一番薄くて硬そうな三つ折りマットレスを買った。これで症状はなくなった。本当はもっと硬い方が良かったんですが。

もちろん一番安いヤツだ(ここ重要)。

枕もかなり長い間好みに合うヤツを捜していたのだが、先日やっと発見した。結局、ぐるっとまわってソバ殻だ。低反発枕とやらも試したのだが、とにかく気持ちが悪い上に高さが全然あわない。

今回入手した枕は、硬さと高さも袋の紐でいくらでも調整できる。おまけに良い具合に頭の形に沿ってフィットしてくれるので、快適そのものである。

とまぁ好みが偏りすぎているので入院時は大変である。

枕は薄くて柔らかいわ、掛け布団も薄くて軽いわ、敷き布団もそこそこ柔らかい。ボクの就寝習慣とは真逆なのだ。もっとも、入院中というのはほぼ常時点滴を打たれているので寝てばかりなのですが、気がついた時の機嫌の悪さは自分でも絶望的なほどだ。だから病院は嫌いだ。

ホテルも同様で、たいがいまともに安心して寝れない。いっそ寝袋を持って野宿した方がマシな気すらする。高いから買わないけど。

以前に書いたような気もするのだが、お布団はお日さまの匂いがしないとイヤだ。だから冬でも夏でもとにかく乾かす。夏場の乾いたお布団は暑いばっかりなのだが、それでも干す。冬はなかなかいい匂いがつかないけど干す。

春と秋はお日さまの匂いがよくつく。春が一番好きかな。

とここまで書いて「こいつ結構面倒な人やな」とやっと気がついた。

産業革命を引き合いに出すつもりはないのだが、量産品というのは規格がある。だいたい母集団が大きい方にあわせるのが一般的だ。それでも、昨今はかなり多様な展開をしているにも関わらず、ここまでお布団だけで苦労するというのはいかがなものか?

冒頭で「幼少期の経験」と書いたが、実は幼少期のボクのお布団は昔ながらの作りで、両家の祖父母の家に遊びに行った時も、お布団はやっぱり昔ながらの作りなのだ。

実はこの体験で、そば殻枕の快適さを知ってしまったのだ。枕に限らずすべてがそうで、この状態に身体が慣れきってしまうと元に戻せない。

お布団は新調する必要などなく、大抵両家の実家から送ってくれる。これをイチイチ愛用していたのだから、もうどうしようもない。というか、ボク専用で送ってもらっていたような気がする。

この手の変な習性は、ちょっと思い出すだけで結構な数になるのだが、何しろオンリー男孫である。もうすぐに送ってくれていたような気がする。

こうして昭和初期の寝床事情をキープする事が可能だったのだが、さすがに21世紀となると上手くいかんもんである。まぁ、ボクは老い先が短いのでどうでもいいのだが、問題はおねえちゃんである。

さいわい、お布団に関しては保育園に入園した時に、お昼寝用の最新鋭のお布団(もちろん軽い)を与えたので、ボクのようにはならないですんだ。だが他の方面は色々なぁ……。

なにしろ、ほぼ1980〜90年代様式で育ててしまったのである。2001年生まれなのに。ボクの稼ぎの悪さが露骨に出てしもうたしなぁ。その他、生活環境もほとんどボクの価値観で作られているので尚更である。今更言ってみたところで、どうにかなるわけではないのだが。


【フジワラヨウコウ/森山由海/藤原ヨウコウ】
YowKow Fujiwara/yoShimi moriyama
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最近、本業で口に糊できないエカキ。これでエカキと言ってイイのか正直不安になってきている気の弱いぼーず。お仕事させてください…m(_ _)m