[4409] リビングオーディオ・パブリックミュージック

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《バッハってテクノと同じに聴ける!》

■ユーレカの日々[62]
 リビングオーディオ・パブリックミュージック
 まつむらまきお

■グラフィック薄氷大魔王[533]
 映画のグレン・グールドとJ.S.バッハ
 吉井 宏



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■ユーレカの日々[62]
リビングオーディオ・パブリックミュージック

まつむらまきお
http://bn.dgcr.com/archives/20170906110200.html
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<著者のご意向により削除いたしました>


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■グラフィック薄氷大魔王[533]
映画のグレン・グールドとJ.S.バッハ

吉井 宏
http://bn.dgcr.com/archives/20170906110100.html
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●映画のグレン・グールドとJ.S.バッハ

先日、アニメーション映画「ベルヴィル・ランデブー」(2002年)を観てたら、冒頭に変な姿勢でピアノ弾くグレン・グールドが出てくるんだよw

ネタバレとか心配されるかもしれないけど、最初の歌が終わってすぐの部分だから。

この曲「平均律クラヴィーア曲集1 プレリュード第2番」は、全編あちこちでリフレインされる。YouTubeに動画があった。


で、「ベルヴィル・ランデブー」の十日後に、たまたま見た映画「バグダッド・カフェ」(1987年)にも、バッハの「平均律」が全編に出てきてびっくり。

カフェの女主人の息子がピアノで延々練習してて、BGMみたいになってる。「ベルヴィル・ランデブー」と同じ曲も。

そんな時、Facebookにこんな動画が流れてきた。ドキュメンタリーの一部らしい。絵に描いたような天才っぽさがカッコイイ。シビレル! 犬もイイ。


また僕をバッハとグールドにハマらせようって、不思議な力が働いてる?

●グールドの演奏大量発見

そういえばApple Musicでグレン・グールドを探したことないな、と見てみたら、あるあるいっぱいある! で、ものすごいもの発見。

コロムビアのコンプリートコレクション、全960曲、再生に2.4日かかるw プレイリストに分類してみたら、465曲がバッハだった。約半分。
http://apple.co/2vPcIpd

●テクノポップ→J・S・バッハ

「バッハが好き」とか言うと、小難しいクラシックマニアみたいだけど、僕のバッハ好きはテクノポップの延長だからw

学生時代、YMOやクラフトワークの他にシンセサイザーの音楽はないかと探してて見つけた、シンセ音楽の元祖「スイッチト・オン・バッハ」の2枚にめちゃくちゃハマッたのがきっかけ。当時はドビュッシーの冨田勲より好みだった。

「スイッチト・オン・バッハ」はウォルター(ウェンディ)・カーロスがバッハの楽曲をシンセで演奏したもの。モーグ博士と協力して「音楽用のシンセ」を開発し、世界初のシンセ音楽のアルバムを出したのがカーロス。

バッハの楽曲の骨格がわかりやすい編曲で、ノリノリで聴ける(全曲聴けるリンクが見つからなかった。「Switched on Bach」で検索すれば、いろいろあります)

●バッハの原曲もテクノだった

ひとしきりハマッた後で、「じゃあ、アルバムの原曲やバッハの他の曲ってどうなんだろ?」って、いろいろレコード買って聴いてみたら、ノリノリは同じじゃん! バッハってテクノと同じに聴ける!

感情を盛りすぎず、音の配列のみで表現された対位法の音楽。幾何学的にも美しい純粋音楽というか。「メロディと伴奏」のような単純なものでなく、独立したメロディの重なりが伴奏もベースも兼ねてて、聞き込むほどにわかってくる楽しさ! テクノよりおもしろいかも! って思っちゃったんだよなw

それで一時期、シンセやティアックの4chオープンリールのマルチトラックデッキをローン組んで買い込んで、「スイッチト・オン・バッハ」のまねごとやってたくらいハマってた。「ブランデンブルク協奏曲」等のスコアを集めたり。

ピアノを習ってた小学生の頃、バッハの「平均律」とか「ゴルトベルク変奏曲」って、たいくつな音楽の代表みたいに語られてた。誰だ? そんなイメージにしたの。めっちゃくちゃ面白いじゃん!

宗教曲や「トッカータとフーガ(学校で聞かされるパイプオルガンのアレ。別名「鼻から牛乳」)」みたいに大仰で抹香臭いイメージのも確かにあるけどね。

●対位法っぽい部分に惹かれてた

後でわかったんだけど、バッハというか対位法的なものに惹かれる素地はあった。小学生ときにハマッた、ベートーベン第五交響曲の第三楽章のユーモラスな追っかけフーガ部分が大好きだった。

映画「荒鷲の要塞」の主題曲はモロにフーガ。あと、映画「JAWS」のサントラにはあちこちにフーガ的な部分がある。

ベートーヴェン第五交響曲第三楽章の追っかけフーガ部分。


ロン・グッドウィン「荒鷲の要塞」メインテーマ


ジョン・ウィリアムス「JAWS」サウンドトラック
https://itun.es/jp/TWi3

●スイッチト・オン・バッハの続編みたいな

ところで、Apple Musicでシンセでクラシックやってる人を探してて見つけた、Daniel Philipp Stotzってアーティスト。「スイッチト・オン・バッハ」のスタイルを受け継いだ感じで、なかなか良い。

バッハを中心に、何枚もアルバム出してる。この動画の最後にドビュッシーも出てくるけど、冨田勲がやった曲も入ってたり。普通にピアノも弾いてて自作曲のアルバムもある。


Apple Musicのアーティスト検索
http://apple.co/2goPqAV

平均律クラヴィーアのアルバムもいいけど、これなんかいろいろ入ってて、入門編として良いかも。
http://apple.co/2goF1VE


【吉井 宏/イラストレーター】
HP  http://www.yoshii.com
Blog http://yoshii-blog.blogspot.com/

デジクリ夏休み中に3本分を書き溜めた。これで3週間は焦らなくていいぞ!と思ったら違った。週一連載の3本って2週間+1日なのだったw もう在庫切れたw 普通に小ネタ集まとめようっと。

●SWAROVSKIのSCS会員限定の新作「ペンギンファミリー」が出てます。

SCS限定リスト
http://bit.ly/2wck6wD

ペンギンのお兄ちゃん PACO
http://bit.ly/2xeXuej

・スワロフスキーのLovlotsシリーズ「Hoot the Owl」
http://bit.ly/2ruVM9x

・ショップジャパンのキャラクター「WOWくん」
https://shopjapan.com/wow_kun/

・パリの老舗百貨店Printemps 150周年記念マスコット「ROSEちゃん」
http://departmentstoreparis.printemps.com/news/w/150ans-41500

・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii


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編集後記(09/06)

●世界最強の戦略家であるエドワード・ルトワックの「中国4.0 暴発する中華帝国」を読んだ(2016/文春新書)。中国1.0=平和的台頭 中国2.0=対外強硬 中国3.0=選択的攻撃 中国の対外政策の変遷を、このように一言で表現するのはおみごとである。中国は15年のうちに三度も政策を変更している。

それでは、ルトワックの提案する4.0はどんなものか。それは、中国の想像もつかないアイディアだ。習金平が対外政策において次の二つを実行しなければならない。一つは南シナ海の領有権を放棄すること、これによりインドネシア、マレーシア、ブルネイとの領有権問題を解消できる。もう一つは空母の建造を中止すること。これにより、アメリカの警戒感を解消できるのだという。

中国が受け入れがたい政策の転換だ。中国のメンツに傷がつく。しかし、九段線のような、馬鹿げたでっち上げの地図にこだわる必要は始めからない。空母の建設も金の無駄遣いでしかない。中国人がこれを理解するするのは難しい。中国が戦略文化に弱いのは理由がある。内的なコンセンサスの欠如と、外的な理解の欠如にある。「シーパワー」はあるが「海洋パワー」は失っている。

また「大国は小国に勝てない」ことは歴史が証明している。大国が小国を脅かす際には、小国を他国が支援する構造が生まれるのだ。中国が大きくなればなるほど、日本に味方する同盟国の数は増える。ロシアからも支援を受ける。中国が強大になってアジア地域を支配するというシナリオは、全くありえない。

日本が直面している状況は、隣に巨大でありながら先の見えない国が存在するということだ。習金平は今後も長く統治し続けるかもしれないし、明日、突然死ぬかもしれない。これは日本にとって計り知れないリスクである。では、具体的に日本はどう対処すればいいのか。最も効果的なのは「封じ込め」である。意図的な計画は持たずに、ひたすら「反応する」ことに主眼を置くということ。

中国が尖閣に上陸すれば、外務省、海保、海自、空自のすべてが予め用意していた対応策を即座に実行する。単なる非難はまったく効果がない。具体的な対応策を事前に想定して、即実行できるよう準備をしておくのだ。そこで重要なのは、最大限の確実性と最小限の暴力である。これが最も効果的な対処法だ。

ルトワックは強調する。中国のような、規模が大きくて、独裁的で不安定な国家に対しては今の日本の「慎重で忍耐力の強い対応」は、まったくの逆効果であるということだ。日本には予め合意・準備された行動計画「標準作戦手順」が必要だ。決定的に重要なのは、日本側からは何も仕掛けるべきではないということだ。ひたすら受動的な「封じ込め政策」に徹するべきである。

ルトワックの「逆説的論理」では、通常は相手国に対する「作用」ばかりに目が行ってしまうが、それに対する「反作用」が「作用」と同等、時にそれ以上にインパクトを持つ、ということである。日本にルトワックのいうような組織毎の「標準作戦手順」があればいいが。……ないような気がする。

ところで韓国であるが、彼らは中国の「天下」に入り込みたいと熱望している、世界唯一の国である。アメリカへの依存から、中国への依存に乗り換えることに関心がある。ルトワックの言う「中国4.0」とは、1.0〜3.0と違って「暴発する中華帝国」だ。いよいよ内部から大崩壊していくような……。(柴田)

エドワード・ルトワック「中国4.0 暴発する中華帝国」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166610635/dgcrcom-22/


●音楽が暴力になりうる……わかる。/嫌いにはなっていないが、たまに行く飲食店のBGMが、徹夜が続いてパソコンの前から逃げ出したい時の緩和音楽(ボサノバ)で、あんまりいい気持ちになれない(笑)。どのCDかもわかってる。/「スイッチト・オン・バッハ」好き。テクノ好きなのはピアノ習っていたせいだと思ってる。

断定的な発言続き。私も濁す傾向があるが、強気になる時もある。あれは何なんだろう。自分の言葉に酔っているのか? 妙に発言に自信が持てる時があったりするし。

最近あったのはポケモンGOのレイドバトル。見ず知らずの人たちと共闘する。勝った後にそのポケモンをゲットするチャンスが与えられる。その日、ジムのまわりに人が大勢集まっていた。

近所のサラリーマン(上席レベル)ら二人が、「この人数では勝てませんな、抜けましょうか」とつぶやいた。参加宣言をしてからの待機時間が2分あって、人数が集まらなかったら、次のチームに入り直せば、後から来た人たちと合流できる。

画面上は6人で、その6人の中に私も入っていた。レベルの高い人が、相性の良いポケモンを出し続ければ十分勝てると思ったし、人が集まり続けているのがわかっていたので、つい「このまま行きましょう」と声に出してしまった。見ず知らずの年上の偉いさんっぽい人に。続き。 (hammer.mule)