晴耕雨読[37]ヒマな時のための貯蓄
── 福間晴耕 ──

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最近多いのだが、仕事の関係で、突然ぽっかりと予定が空く時がある。

ところが、そんな時に限って時間を上手く使えなくて、ダラダラとネットを見たりして時間を無駄にしてしまう。それどころか、もっと長いたまの休日でさえ、気がつくと夕方になってたりするのは自分だけではないだろう。

思うのだが、忙しい時に良いアイディアが浮かぶように、忙しい時こそヒマな時に備える必要があるのではないか。





半分は現実逃避だとしても、忙しい時に「ヒマになったら○○しよう」という思いつきは、ヒマな時にはなかなか思いつかないアイディアが潜んでいるものである。

そして、思いついたアイディアは、できれば少しづつ下調べや準備をすすめて、具体的な計画にしておこう。

例えば、旅行などは突然準備しようと思っても、意外に下調べに時間がかかって、いざという時に準備する時間がないという事態にもなりかねない。

ましてや海外旅行ともなれば、パスポートが切れてたり、ビザが必要だったりすると準備だけでもひと月以上の時間がかかるし、航空券だってどんどん値段が高くなる。

海外旅行のような大掛かりなことではなく、もっと些細なちょっと気になる本を読んでみようという思いつきでさえ、いざ書店に寄る時間が出来た時には、肝心の本の題名を忘れていたり、覚えていたとしても出版社が分らなくて探せないというケースもあるので、こうした思いつきは記録しておこう。

そんなわけで最近、自分は「暇な時貯金」として、日頃思いついたヒマな時にやりたいことや、気になる本やお店が見つかったら、直ぐにその場でメモをするようにしている。

そうすることで、いざヒマになった時に肝心のやることが思いつかないという事態が避けられるし、ためておいた貯金によって、素早くいろんなことを楽しむことができるのだ。

やりたいことが溜まってしまっても、恐れることはない。溜まった貯金をよく見れば、実はくっつけることで更に面白くなったりするし、そうなれば同時にふたつのやりたいことが出来る上に、楽しみはかける二倍に増えるのだ。

このようにいい事ずくめに見える「暇な時貯金」であるが、唯一の問題は、ぼんやりと過ごす時間が減ってしまうことだろう。

忙しくいろんな事をこなすようになって気付くのは、ぼんやりと過ごす時間の中で意外なことを思い出したり、リフレッシュすることが実はあったにもかかわらず、子供の頃にあんなにあったはずのそれをやるための時間は、もう何処にもないということである。


【福間晴耕/デザイナー】

フリーランスのCG及びテクニカルライター/フォトグラファー/Webデザイナー
http://fukuma.way-nifty.com/


HOBBY:Computerによるアニメーションと絵描き、写真(主にモノクローム)
を撮ることと見ること(あと暗室作業も好きです)。おいしい酒(主に日本酒)
を飲みおいしい食事をすること。もう仕事ではなくなったので、インテリアを
見たりするのも好きかもしれない。