[4422] 料理に活力 炊飯に大火力

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《捨て看板についての基礎知識》

■装飾山イバラ道[208]
 料理に活力、炊飯に大火力
 武田瑛夢

■Scenes Around Me[12]
 AKIRAさんとの事(1:1996年8月頃)
 のざらし画廊・捨て看板展のプレゼンを受ける
 関根正幸




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■装飾山イバラ道[208]
料理に活力、炊飯に大火力

武田瑛夢
https://bn.dgcr.com/archives/20170926110200.html

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●最新式炊飯器

炊飯器が壊れてしまってからだいぶ経つけれど、まだ買っていない。9月に新商品がたくさん出る予定だからだ。高機能路線に少なかった少量の3合炊きが増えたのが、今年の特長。食卓の人数が減っている事情もあってのことのようだ。うちも3合炊きを買いたいので、この流れはちょうどいい。

炊飯器は毎日使っても10年はもったので、せっかくなら高機能搭載が良いかと思った。しかし、炊飯と一口に言っても、今は炊飯専用のジャーだけが購入候補ではない。

最近はありとあらゆる電気式の調理鍋の得意用途が、「炊飯機能」ということも多いのだ。各社がこの項目を頑張っているように見える。

新しいお鍋を買う決め手が「ご飯が炊ける」からなのは、どうしてだろう。炊飯器でローストビーフを作ったりする、炊飯器調理が流行ったおかげで、炊飯器で美味しいおかずはできたけれど、イザ主食のご飯を炊こうと思うと困る人が多いみたいなのだ。

なんだかおかしな話だけれど、事情はよくわかる。炊飯器でおかずを作った後にすぐに別の容器に移して、内釜を洗って炊飯ってことはなかなかやる気がしないのだ。

おかずは冷めちゃうし、洗い物の中でも大きなアクションになる内釜洗いを、おかずの準備の横でやるのは億劫だ。

電気式だけでなく、圧力鍋でお米を炊く人も多いし、無水鍋や鋳物の鍋まである。IHの調理器の上に鋳物ホーローの専用鍋がつく「バーミキュラ」などの高級鍋も、カタログからしておしゃれだ。

カタログを読んでいるだけで、料理上手になれそうな気分がしてくる。

今年は高級トースターで有名な「バルミューダ」からも電気炊飯器が出ていて、スッキリしたデザインで素敵だ。なんだか「バ」から始まる高級メーカーとしてごっちゃになりそう。

3合炊きで4万円台なので、お手頃路線と言えるらしい。こちらは思い切って保温機能がないという。美味しく炊いてすぐ食べてということか。

料理は創作物なので、イメージの良さは大切だ。実際は普通に使うのだとしても、写真映えする料理も作ろうと思えば作れるらしいというイメージだ。すごく素敵な日常が訪れる(かもしれない)というイメージは、日々の料理の活力のためにとても必要なことなのだ。

もちろん、象印やタイガーなどの炊飯器も忘れてはならない。他メーカーでは、お米の銘柄を指定すると最適な炊き加減にしてくれる炊飯器や、食感の好みを細かく選べるものもある。

もちもちした食感が人気なのかと思うとそうでもなく、しゃっきりという表現で、ベタつかないご飯が好きな人もいるそうだ。

羽釜や土鍋などの本格的な内釜が入っている炊飯器は、大火力で一気にお米を炊き上げたり、スチームでふっくらさせたりなどの機能があるという。蓋の上から加熱できる機種もある。

オコゲも得意な機種も多く、レビューを見ると、最初は感動したけれど毎日オコゲの味が食べたかったのかと言われればそうではない、という意見もあるようだ。なるほどと思う。

そして、玄米がうまく炊ける機能も魅力だけれど、家の炊飯器で玄米を炊いた時は、しばらく玄米っぽい匂いが炊飯器からしてきて困った。白米用と炊飯器を分ける人もいるみたいだ。

●炭水化物バンザイ

ご飯は大好きだけれど、カロリーや糖質のことを考えると、それほどの量を食べるわけにはいかない。

田舎のお兄ちゃんが上京した時に食パン一斤とか、お釜いっぱいのご飯がなくなるとか、そう言った状況があったけれど、それ以来家では見ていない。うちは最寄駅が大学の近くなので、中華屋さんで学生が大量のご飯を食べているのをよく見かけた。

ラーメンライスのライスが、ラーメン丼に山盛りなのを見てビックリ。まるでチャーハンの準備用のご飯を食べているようだ。体育会系の学生だと思う。あれだけモリモリ食べられたら幸せだろうな。

お好み焼き屋さんでも、モダン焼きの麺5玉増しの人は、断面が麺麺麺麺麺って感じで麺ばっかりだった。広島のお好み焼きなのに麺が多すぎて、焼きそばのクレープ乗せになっていた。具はそのままでソースだけは足してくれるようなのでソース色の麺。逞しいなぁ。

炊飯器に話を戻して。私も流行りものは好きな方だけれど、炊飯は毎日のことなので真剣に選ばなければならない。

夫は炊きたてのご飯が大好きだ。炊きたてのご飯を好むあまりに、結局毎回炊飯することになり、保温機能はほとんど使わないことが多かった。

ただ、料理の仕上がり時間がずれることはよくあるので、まったく保温機能がないというのは困るだろうという結論になった。内釜をしょっちゅう洗うので、洗いやすさ、扱いやすさや丈夫さも大切だ。

新米の季節も近いし、毎年楽しみだけれど、未だ炊飯器を決められない。仮の炊飯で出番が多いのは、マイヤーのセラミックポットを使って電子レンジで炊く方法だ。

夫に浸水時間と加熱時間を教えたので、頑張って炊いてくれる。新しい炊飯器を早く決めて、輝くような食卓にしたいものである。


【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


スプラトゥーン2ではランクは時間が経てば上がるので、かなり上がってしまったけれど、ウデマエというスキルの評価はなかなか上がらない。そういうのを人は雑魚と呼ぶらしい(笑)。

C帯から上がってなんとか今はB帯なので、A帯に一度は上げてみたい。S帯っていうレビュアーたちのいる層もあるようだけれど、夢のまた夢だ。最近のお気に入りのブキはボールドで、ヤグラには乗るタイプです。


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■Scenes Around Me[12]
AKIRAさんとの事(1:1996年8月頃)
のざらし画廊・捨て看板展のプレゼンを受ける

関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20170926110100.html

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前回まで数回にわたり、高円寺にあった岡画郎で行われた展示について、内容と写真を紹介してきました。

岡画郎のことを書いたのは、私が記録行為を始める一つのきっかけが、岡画郎に関わったことにあったからでした。

今回から、記録行為を始める直接のきっかけとなった、AKIRA(杉山明)さんとの関わりについて書くことにします。

連載の5回目に書いたように、AKIRAさんと親しくなったのは、1996年4月にAKIRAさんが企画した「高円寺新名所巡り」に参加したことでした。

以前書いたことの繰り返しになりますが、「高円寺新名所巡り」は、AKIRAさんがツアーガイドになって、高円寺駅前から高円寺の隠れ名所をなわとびバスに乗って回るというものでした。

そして、高円寺駅南口で待ち合わせをしていたとき、AKIRAさんとアンディ・ウォーホルの話で盛り上がり、その結果、翌年AKIRAさんが原宿DUGで開催した「偽アンディ・ウォーホル展」のスタッフをやることになったことまでは書きました。



AKIRAさんは現在、実家のある日光に住んでいますが、当時は杉並区の上井草にあった劇団の倉庫(A倉庫)の管理人をしていて、岡画郎定例会にもよく顔を出していました。

そして、1996年の8月頃だと思いますが、AKIRAさんが「のざらし画廊」の構想をプレゼンする場に居合わせました。

それは、美術館や貸し画廊に取り上げられてしまったアートを、ストリートに引きずりもどすというコンセプトで、手始めに捨て看板(街中の電柱等にくくりつけられている看板)に参加者が絵を描いて、銀座の街中に展示する(捨てる)イベントを行う、というものでした。

その話を聞いて、個人的な経験から引っかかることがありました。

それは、捨て看板が軽犯罪法に触れるということと、AKIRAさんがそのことを認識していない(かもしれない)ということでした。

◎◎

20年以上前のことですが、大学院を出た後、仕事に困って一年ほど人材派遣(というより便利屋)のバイトをしていたことがあり、その間、捨て看板の仕事を請け負って、警察のお世話になったことがありました。

その仕事はマンションのモデルルームの案内板を、電柱にくくりつけるというものでしたが、断られることを心配されたのか、仕事を紹介された際に捨て看板が違法であることを伝えられなかったことと、くくりつける看板が風俗系ではなかったため、問題ないと思い仕事を受けました。

依頼先(不動産屋)の事務所に行って看板を受け取った際の、社員の素っ気ない応対に何かしらの違和感を覚えながら、しかし、堂々と仕事をしていたところ、巡回中の警察官に見つかり、警察署まで連行されました。

パトカーの中で、街中の捨て看板が異様に多いのに気づき、警察が捨て看板への対応にピリピリしているだろうことは、容易に見て取れました。

警察署で、捨て看板はマンションの案内板であっても違法になること、薬物の中毒者が薬代に困って捨て看板の仕事を受けることが多いこと、を言われました。そして、薬の使用の嫌疑が晴れた後、始末書を書いて釈放されました。

◎◎◎

そのような経験があったため、その場でAKIRAさんに捨て看板の違法性を指摘しました。

すると、AKIRAさんは次のプレゼンの時までに捨て看板の業者に連絡を取り、捨て看板は現行犯で、設置する現場を押さえられない限り捕まらないこと、また、もし捕まっても初犯であれば始末書で済まされ、前科にならないことを調べてきました。

これは確かに私の経験と合致しました。

そして、AKIRAさんが多少の違法性をものともしないことにも感心して、ことの成り行きも見ておきたいという気持ちもあり、私ものざらし画廊に参加することにしました。

◎◎◎◎

今回の写真ですが、一年前に撮った写真をFacebookがおすすめしてきたので、千代田区一番町で撮影した月の写真を紹介します。

https://farm5.staticflickr.com/4373/37376331775_0931ac9193_c

この頃、人間関係でトラブルを抱えていたのですが、仲秋のこの日、そのトラブルが解決するかもしれないという局面を迎えました。

夜半になって外に出たところ、それまで曇っていた空から雲が消え、月が姿を現したのが象徴的で撮影しました。

もっとも、そのトラブルに関しては結局解決せず今に至っています。


【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://www.geocities.jp/sekinemajp/photos


1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔。


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編集後記(09/26)

●ジャン=ガブリエル・ガナシア「そろそろ、人工知能の真実を話そう」を読んだ(早川書房/2017)。筆者はパリ第六大学でAI研究チームを率いる哲学者。技術系に滅法弱いわたしがこの本で知りたかったのは、AIは人類を超えるのか、シンギュラリティ(技術的特異点)が本当に起こるのか、ということであった。

未来の大転換は、未知の天体と地球の衝突、大規模な気候変動、大気汚染、オゾンホール、温室効果、核戦争などではなく、ごく自然に、日々確実に数を増やす機械によってもたらされる。機械は自らを製造し、成長し、人類を飲みこむ。なんの前触れもなく、事態は加速し、ある時突然、暴走が起きる。世界が、人間が、自然が、生活が、意識が、時間さえもまったく別物になってしまう。

この変化こそが、シンギュラリティ(技術的特異点)である……とかいう話。始まりは1980年代にアメリカのSF作家、ヴァーナー・ヴィンジの小説によってシンギュラリティという言葉が知られるようになり、1993年発表された「来たるべきシンギュラリティ」というエッセイのなかで理論化された。彼はただのSF作家ではなく、サンディエゴ大学の数学と情報処理の教授でもあった。

それ以降、さまざまな人がシンギュラリティに達するまでの、将来的なシナリオを描いた。それの到来を熱望する人もいるし、悲観的に考える人もいる。シナリオの相違に加え、それが訪れる時期も論争の的になっている。シンギュラリティの原理そのものを問題にしないで、時期の推定が熱っぽく語られている。

すべてのシナリオに共通するのは、テクノロジーの進歩が制御できないほどに加速化していくだろうという予想と、その結果もう引き返すことができないほどの重要な変化が生じ、人類はそれに対応できなくなる、という考え方である。それらの理屈によれば、もはや時間の概念はわれわれの理解を超えるらしい。

じゃ、考える必要はないのではないか。25年以上も前から、技術者、科学者、哲学者たちが、テクノロジーはいやおうなしに、取り返しがつかなくなるほど人間を変える、という考え方を広めている。彼らはシンギュラリティの到来を煽っている。否定的な人々(わたしはこの陣営)を、弱腰、反動的と非難する。

アルファ碁が世界最強棋士に勝ったとはいえ、近い将来、コンピュータが自律し、人類の能力を超え、人類を支配する、という多くの科学者の警告はナンセンスである。コンピュータが機械学習の手法を組み合わせてビッグデータを処理したからといって、コンピュータの自律とか人類を超越にはつながらない。

「過去にさかのぼった調査でわかったことは、過去に実施された情報科学技術に関する未来予測研究は、すべてが大雑把だったということだ。結局のところ、シンギュラリティが起こることは絶対に不可能であるとは言えないにしても、『ほとんどありそうもない』ことであり、あまりにありそうもないことであるため、真面目に検討するに値しないのだ」。もっともな結論である。拍手。

グローバルなIT企業はなぜこの仮説にこだわるのか。恐るべき悲劇の予感もあるのに、強いAIの研究開発を推進しているのは彼らなのだ。もし本当にシンギュラリティが来てしまったら、これは歴史の必然であり彼らの責任ではないといいたいのだ。また近代国家に代わり、ハイテクIT企業が世界を支配するという政治目的があるのだという断言が素敵だ。そういう話は大好きである。

かつて見た「トランセンデンス」(2014、英中米)がシンギュラリティ関連だったと今わかった。死の直前に、妻の手で「意識」をスパコンに投入された男は、ネット空間で軍事機密や個人情報を含むあらゆるデータを入手、究極の進化を果たして神のような存在になり、ナノテクノロジーが云々という話だが、かったるいオチ不明の映画だった。やっぱり、シンギュラリティは大嘘である。(柴田)

ガブリエル・ガナシア「そろそろ、人工知能の真実を話そう」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152096969/dgcrcom-22/


トランセンデンス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B019GVISDE/dgcrcom-22/



●大阪マラソンのプレゼント特典で、ミズノのランニングシューズをもらえるとあり、早く慣らした方がいいのと、時間のある時にやっとかないとと、珍しく早めに交換したら最近新製品が出た。シューズもらってから一度慣らしウォーキングしただけ。9月に新製品という意識があれば……。

/「それまで曇っていた空から雲が消え、月が姿を現した」うんうん(涙)……あれ?

/あんまり現金を持ち歩かない。クレジットカードやID、Suicaなどがあるからだ。JR大阪駅の中央口には元キオスクのセブンイレブンがあって、レジ横にはコーヒーマシンが4台。その横にはお砂糖類とゴミ箱。

見ていると、みんなコーヒーと告げ、nanacoや電子マネーで清算していく。現金の受け渡しはなかった。電子マネーやポイントが発展してきていて、日銀がお札を刷って調整するなんてのはどうなるのだろうと考えたが、この形なら最終的に銀行口座から現金で清算されるからいいのだろうな。

自動改札機が出来る前は、駅員さんが切符にハサミを入れてくれていたなぁ、なんてふと思った。JRの切符は分厚かった覚えがある。結構力いったんじゃなかろうか。腱鞘炎になったりしなかったのだろうか。頻繁に交代していたのかな。続く。 (hammer.mule)