アナログステージ[157]時はすでに神無月、また25年後に 東三十六不動 総開帳[中編その2]/べちおサマンサ

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コンニチハ、べちおです。2014年暮れから2015年にかけて満願した、関東三十六不動のお寺さんを区切って、リメイクして綴っております。一部デジクリで掲載したものもありますが、巡礼していた当時の記憶を辿りながら、少し書き加えてみます。

お散歩も気持ちいい季節、ご縁があれば、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。続きです。




【廿六番札所】五智山 遍照院 總持寺(西新井大師不動明王)

雨が本格的に強くなり、作務衣に雪駄姿のオイラの足元はグチャグチャ。代わりの雪駄や履きもを持ってこなかったので、我慢。車を停め、お参りのまえに蕎麦屋さんで遅めのランチ。冷たい雨風にあたり、すっかりと体が冷えきったところに食べる鍋焼きうどんは、最高に美味しかったです。

体が温まったところで参拝へ。お寺さんはとにかく立派の二文字。ちょうど護摩供を行っていたところでしたが、本堂内にはあがらずに、勤行だけ済ませて寺務所へ。個人的な感覚というか、お寺さんのピントが合わず、お寺を後に。山門前に広がる商店街を、軽くブラブラして次のお寺さんへ。

【廿七番札所】成田山 川越別院 本行院(川越不動尊)

秩父から川越まで、またまた大ワープ。到着した少しまえに護摩が終わったのか、本堂には残り香が。サラりと勤行を済ませてお隣の喜多院へ。

【廿八番札所】星野山 無量寿寺 喜多院(川越大師不動尊)

本当にお隣にある喜多院。お寺横のコインパーキングまで車を移動させたはいいが、ここでまさかの駐車場難民に。さっきガラガラだったのに、なにコレ状態。仕方ないので、大人しく順番待ちして、お寺さんへ。

しかしすごい人だ。お隣さんはガラガラだったのに、なんだこの差は。本堂で勤行を済ませたあと、庫裏横にある客殿と庭園を拝観。なるほど、徳川家ゆかりのお寺さんだったのか。

江戸城から移設された客殿には、徳川家光が産まれた間や、当時のお風呂やトイレもそのまま。うむむ、江戸の香りがする(気がしてドキドキ)。

最後に五百羅漢像を拝観して、この日は打ち止め。思ったよりも移動に時間が掛かってしまった(当たりまえだけど)ので、この日の宿泊先でスケジュールを組み直すことに。

【廿九番札所】不動山 白山寺 洞昌院(苔不動尊)

不動ヶ岡から秩父に大ワープ。加須市から高速は使わずに、のんびりチンタラと秩父まで向かったのですが、渋滞もなく小一時間で到着。

途中、秩父三十四観音の札所を見かけ、生唾を飲み込むも、今回の目的は関東三十六不動。「そうだ、今年は総開帳なんだよなぁ...」と思いつつ、苔不動さんへ。

本堂で勤行を済ませると、横で巡礼者の対応をしていた、お寺の奥さんから
「元気がないから般若心経をもういっかい!」と、まさかのレッスンがスター
トw その後、いろいろなお話といただきました。

この寺さんは萩でも有名で、たくさんの種類の萩が、敷地いっぱいに咲き乱れるようだったのですが、残念なことに、数か月前に半分以上を伐採してしまったというお話を聞いて、とても残念。

苔不動を後にしたあと、つぎの目的地は川越。「その前に少しだけ……」と、秩父三十四観音の一番札所、四萬部寺に寄っていきました。さすが一番札所なだけあって、遍路アイテムの品揃えが豊富w ヨダレでちゃう。秩父巡礼は、車移動ではなく、自分の足で廻りたいので、いずれまた。

【丗番札所】玉寿山 總願寺(不動ケ岡不動尊)

朝8時30に到着も、境内には人影はなし。人影はないが、マイナスイオンの量がすごい。普段、朝イチからマイナスイオンを吸収することがないので、清々しいったらありゃしない。

本堂側面に、たくさんの著名人のお名前がズラり。なんでも、当寺の鬼追い豆まき式(節分会)には、毎年たくさんの著名人のかたも参加されるようです。来週開催のようですので、ご近所のかたが、いかがですか?

【丗一番札所】光岩山 釈迦院 彌勒密寺(喜多向厄除不動尊)

この日の宿泊先は、加須市(埼玉県)のホテルを予約していたこともあり、不動ケ岡不動尊で締めくくる予定でいたものの、いい具合に時間が過ぎてしまって、この日は岩槻大師で打ち止め。

さて、初日最後になった岩槻大師ですが、またもや駐車場の場所が分からずにフラフラと彷徨うことに。分からなかったというよりは、駐車場が閉鎖されていて、「もしかして、今日は定休日とかじゃないよね?」と一瞬焦るも、閉門の時間も迫っていたことから、裏側にあったお寺さんの駐車場の前に停めて、お寺へゴー。

大雨ということもあり、参拝者はゼロ。誰もいない本堂へあがり、勤行を終わらせると、存在に気がついたのか、「暗いところですみません、いま灯りを点けますね」と奥様らしき人が。お話を伺っていると、お砂踏みができる地下仏殿があるとのことで、さっそく案内していただきました。

玉川霊場(東京都世田谷区)のような独特の『重さ』はないのですが、地下に響く、子どもたちが唱えている御宝号の声が、良くも悪くも怖いです(笑)

【丗二番札所】普和山 最上寺(厄除岩瀬不動尊)

高速道路でビューンと移動し、千葉県に突入です。お寺の駐車場に車を停めると、境内を改修工事している最中で、土木資材があちらこちらにゴロゴロしておりました。石像の仁王さまが、とても印象的です。

本堂にあがると、檀家さんなのか、地元のかたたちなのか分かりませんが、本堂で机を並べて井戸端会議をしており、「ものすごいタイミングが悪いときに来てしまった」と後ずさりしてしまいました。

さすがのオイラも、こんな大勢のかたたちが見ている前での勤行は、気後れする。視線もバッチリ集まっているのが、背中から良く分かる。ほかに参拝者さんがいれば気持ちも楽だが、とにかく気まずい。線香だけ焚いて、経も唱えずにご朱印だけいただくのは、今回決めたオイラ流儀に背くので避けたい。

どうしようか戸惑っているところに、先日の苔不動(秩父)の奥さんからいただいた「プロじゃないんだから、お経を間違えたっていいんだよ! 堂々と発声することが大事」という言葉を思い出す。

とはいえ、すごい緊張してしまいました。こんなに緊張するなんて、小学生のときの学芸会以来です。小学生のころは、まだシャイだったんです、ボク。中学生になってから、変人として生まれ変わり、今に至ります。

【丗三番札所】妙高山 大聖院(高塚不動尊)

最上寺から一時間以上の道のりを移動し、着いた高塚不動さんも、また静かな佇まいのお寺さんでした。お墓参りにきていた檀家さんを除けば、またもやオイラひとりの参拝でしたが、お寺のムスメさんらしきかたに対応していただき、軽く会話を楽しみました。

「この裏の奥にも不動さまを祀ってあるので、そちらもよかったらどうぞ」と声を掛けてくださったので、足を運んでみることに。ここで、大きな勘違いをしていることに、まったく気がついていないオイラがおりました。

境内に『奥の院はこちらから』と書かれている案内板を見かけ、その案内に従って進んでいくと、かなりへヴィーなハイキングコースに突入。「なにかおかしい」とうっすら思いながらも、獣道のような山道を登って進む。

20分ほど経過しただろうか、ムスメさんが言っていた不動堂の存在が遠い。引き返すのも癪だし、そのまま進んでいくも、足元はスニーカーではなく、裸足に雪駄。足が痛い。しかも、くもの巣が容赦なく纏わりついてくる。「ぜったいに間違えたわ、これ」と気がついたのは、山頂近くの鳥居の前でした。

おそらく、ムスメさんが言っていた裏の不動堂は、本堂の裏のことを指していたのだと思い、ハァハァいいながら山頂に到着。風神雷神門をくぐり、そこから見渡せる南房総の海は、絶景のひとこと。ものすごい充実感だ。しばし休憩し、奥の院と呼ばれるここは、元不動堂だったようです。

キレイな景色と澄んだ空気を、たっぷりと体に沁み込ませ、「リフレッシュ完了!」と満足しているも、来た道を戻らないといけないという現実がやってきた。周りにはマイナスイオンで溢れているが、気分はマイナスで溢れる。

顔面蒼白でハァハァしながら下山し、お寺に着いたときには、「今日はもう帰ろうかな」モードに。そして、本堂だとばかり思っていた堂が、じつは庫裏であり、本堂は庫裏の奥だったことを知る。

本堂で勤行しなければ、巡礼の意義がない。ハァハァしながらも本堂へ向かうが、これまた本堂が遠い。すごい階段で、ハァハァをとおり超えて無言。

目玉が、黒目から白目に回転しかかったころに、本堂へ到着。無事に勤行を済ませ、境内を散策してみると、秋葉権現の祠が。神仏習合だったんですね。

なんだかんだで、高塚不動さんで2時間近く時間を費やしてしまい、先を急ぐことに。後々、この時間遅れが、成田山での悲劇を引き起こすとは、このときはまだ分からなかったのでした。

【丗四番札所】幸野山 宝勝院(夷隅苅谷不動尊)

札所の順番は、先ほどの波切不動さんのほうが後なのですが、つぎの成田山へのルートを考慮し、順番を入れ替えて夷隅苅谷不動さんへ。波切不動さんからは、車で10分もかからない距離にあり、千葉で唯一、隣接している札所だ。

この日初めて、ほかに参拝している人を見かけ、ちょっとだけ嬉しかったり。そういえば、そうだ。千葉の札所で、オイラ以外に参拝している人がいなかったのも不思議でしたが、関東三十六不動以外の札所になっているお寺さんが、千葉はないんですね。

不動堂の中に入ると、なんとも珍しい配置の堂内。今回の巡礼で、天台のお寺さん特有の、シックな護摩壇が目にとびこむ。庫裏にて、住職さまから直接ご朱印を頂戴し、最後の札所、成田山へ。

【丗五番札所】阿舎羅山 不動院 大聖寺(波切不動尊)

高塚不動からどのくらい車を走らせたのかはハッキリと憶えていないが、千葉県の地形を、そのまま沿うように移動してきたのだけは憶えている。というのは、車の右側から見える景色は、つねに海だからだ。

ナビの画面では、目的のお寺さんに近くなってきているが、お寺さんの匂いはまったくしない。完全に地元民しか通らない道だ。ここにきて、アホナビが再稼動したのかと、おへその辺りがキューっとしてきたが、なんとか到着。

天気も崩れはじめ、車を降りたときにはザーザー降り。駐車場のすぐ上が不動堂だったので、堂まで駆け足。勤行を済ませ、不動堂の周りをキョロキョロしても、本堂や庫裏が見当たらない。場所が離れているのかと、いったん駐車場まで戻り、周辺を歩いてみると、本堂を発見。

時計を見ると、13時手前だったので、まだお昼休憩して申し訳ないかな……と思いながらも、庫裏の呼鈴を躊躇なく押す。「どうぞー」と、なんとも形容できないキレイな声にドキっとしながらと扉を開けると、めちゃめちゃ綺麗な女性が立っておりました。

(奥さんなのかな……、いや、息子さんの奥さんなのかな……、いやいや、ムスメさんなのかな……、そんなことはどうでもいいとして、綺麗だわぁ)という具合に、巡礼中なのに不謹慎者そのもの。煩悩で覆われているような。

『激しい大いなる怒りの相を示される不動明王よ。迷いを打ち砕きたまえ。障りを除きたまえ。所願を成就せしめたまえ(日本語訳)』

不動明王のご真言、ここにあり。


【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp

NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。愛機はD90とGRD4。最近はiPhone6で写真撮影多し。全国寺社巡りで、過去の懺悔道中をしております。→ついに西国を打ち始めました。結願まで何年掛かるのやら。