エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[003]はじまりは大阪、上本町のバー マカロニブック/柴田友美:超短編ナンバーズ

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◎はじまりは大阪、上本町のバー

はじめまして。柴田友美といいます。タカスギシンタロさんに紹介していただきました。短編小説を書いています。

タカスギシンタロさんにどうやって出会ったのかというと、同じく短編の作家の松岡永子さんに紹介していただきたした。松岡永子さんにどこで会ったかというと、大阪、上本町のバー、フィネガンズウェイクでした。

このバーはかつて上本町にあり、近所に近鉄劇場があったためか(近鉄劇場は今は大阪新歌舞伎座の新しい劇場を設置した複合ビル、上本町YUFURAになってます)、演劇の関係の人がよく来ていました。

そのバーで劇団維新派の人と知りあい、半年間制作をしたり、またその維新派の中の役者(草壁カゲロヲ、近藤和見)が作った劇団VOGAの手伝いをしたりしていました(最初その劇団はロヲ=タァル=ヴォガの名前で活動してました)。

劇団VOGAはいまでも活動を続けてます。最近では京都の岩清水八幡宮で公演があり、野外に舞台を組みます(私は2017年10月10日にこの文章を書いてます)。



大人になってからの外国語の習得の過程を、その外国語のボックスを自分の中に持って、それを少しずつ大きくしていくこと、と書いている記事をどこかで見ました(単語、イディオム、言い回し、をちょっとずつ自分で使えるようにしていくという事のようです)。

その箱が大きくなると、今度は別の人格が出来て、わざわざその箱の中を探さなくても良くなるわけです。

お芝居を観に行く、というのも、それに似ているかと思います。そのバーには、別人格を備えた演劇好きが集まっていました。関西にある色々な劇団を、自分がひいきしているところだけでなく、色々見に行きます。

同じ劇団を公演のたびに行く、初めての所もどんどんいく。自分の中に人格らしきものが出来たら、フィネガンズウェイクで同じく別の人格を抱えた人と飲む。もうぐちゃぐちゃですよね……。

というわけで、私のおススメは、劇団VOGAです。セリフは音楽のようになっているので、何を言っているのか分からないところが多いですか、それでも心に響きます。役者さんの力が大きいのだと思います。

夢のある物語、悲しい物語、恋物語、どんな物語でも役者さんがびしびし演じてます。背景に映像を使うことも多く、その映像にも引き込まれます(野外で夜間照明の中見たりするのも素敵です)。

私が観に行く予定にしてる日は、どうやら雨のようです。野外なのに雨……。

カッパ、カバンを入れるためのビニール袋(自分はカッパ着てたから大丈夫だけど、カバンが雨にやられて中身までずくずくになるというのはよくあります)、雨靴を持って行きたいと思います(まだ暑いから虫除けもいるか……。山の上やから懐中電灯も持って来いって書いてたかな)。

○VOGA旗揚げ20周年記念公演(第14回本公演)『about XX』

開催:2017年10月14日(土)〜10月22日(日)・10月18日(水)休演 平日と土日は開場・開演の時刻が変わります。サイトを参照してください。

会場:京都・石清水八幡宮野外特設舞台 京都府八幡市八幡高坊30

演出・脚本・音楽・振付=近藤 和見

詳しくはこちらを
http://lowotarvoga.net/archives/1317

維新派は、かつては野外、白塗り、ジャンジャンオペラ、というキャッチフレーズを掲げていましたが、劇団VOGAはその要素もありつつまた違う感じで面白いと思います。野外でも室内の劇場でもどちらでも公演をします。

初回でなぜか友人の劇団の紹介をしてしまいたが、何が言いたいかというと、大阪は人に優しいところです。

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◎マカロニブック

夜を越えて歩いて行くと、とても明るい場所に出た。そこには一人のコックさんがいて、何か鍋の中身をかき回していた。

「何をしているのですか」と聞くと、コックさんがこちらを向いて答えてくれた。「マカロニを茹でてます。この中をのぞくと、その人に合わせてマカロニが湧き上がってきます。のぞいてみますか」

私がその中をのぞくと確かにマカロニが湧き上がってきた。

「このマカロニは、この後、本に飾り付けをします」とコックさんは言った。

「本からヒゲが生えるみたいに、マカロニの穴が空いてる部分を本に貼り付けて行くんです。そして、その本を頭に乗せて歩くと、ある事が起こるんです」

私はざるに上げて冷ましたマカロニを、持っていた文庫本に一本一本つけていった。そして本の全体にマカロニがついてから、それを頭にのせて歩いてみた。それは不思議と安定して、頭からは落ちてこなかった。

そのまましばらくあるくと、ソーダ用の観覧車が現れた。立ち止まって観覧車を見ていると、係の人が話しかけてきた。「どうかお乗り下さい」「これはソーダ水のための観覧車なのではないのですか」「今回は特別です」

私はそのまま観覧車に乗り込んだ。そうすると観覧車はそのままソーダ水を吐き出し、海を一層深くした。


【柴田友美(しばたともみ)】
huochaitomomi@gmail.com

短編小説を書いています。
また劇団VOGAのために、非公式記録ページを作ってます。
http://mrs-mayo.babyblue.jp/not/index.html

『群青コースター』Kindle版 発売中!
https://www.amazon.co.jp/dp/B01MF8HE57

私個人のホームページ
http://mrs-mayo.babyblue.jp/menu/index.html