もじもじトーク[73]欧文書体を学ぶ/関口浩之

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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。今年も、あっという間に11月になりました。えっ、あと二か月で2018年になるの……?

今回のテーマは「欧文書体を学ぶ」です。

昨日の夜、自分が主催するイベント「FONTPLUS DAY」セミナーを行いました。二か月に一度、第一水曜日に「文字とデザイン」をテーマで、新宿で開催しています。

・FONTPLUS DAYセミナー Vol. 11
『定番フォント ガイドブック』刊行記念トークショー 〜 akira1975さん・
山田和寛さんをお招きして 〜
https://fontplus.connpass.com/event/69274/





●瞬殺だった「欧文書体と和欧混植」セミナー

セミナー会場の定員は80名なのですが、募集開始して約2時間で定員に達しました。僕のTwitterアカウントで「募集開始しました」と書き込み告知しただけで、毎回、即日完売するようになりました。

「書体とデザイン」をテーマとして、毎回、素敵な登壇者をお招きしてイベントを企画しているので、FONTPLUS DAYの知名度が上がってきていると思うのですが、「欧文書体と和欧混植」をテーマとしたセミナーは、あまりないので貴重な存在だったのかもしれません。

では、セミナー会場の写真と懇親会の様子をチラ見せします。
https://goo.gl/Fkmi78

参加された皆さま、ありがとうございました。そして、登壇者のakira1975さん、山田和寛さん、ありがとうございました。

●どうやって学べばいいのか

欧文書体は大きく分けて、「セリフ書体」と「サンセリフ書体」という二つのデザインがあります。セリフは和文書体でいう明朝体、サンセリフはゴシック体と呼ばれる書体と考えると、わかりやすいかもしれません。

世の中には、何万書体も欧文書体があり、どうやって学べばいいのでしょうか? 実は、質の良い欧文書体だけでも5万書体ぐらいあると言われて、フリーフォントの欧文書体を含めると、数えきれないほど存在するようです。

セミナーの中で、気になったキーワードを書き出してみました。

・欧文書体の善し悪しを知るには、たくさんの良い書体を見る
・欧文書体の善し悪しを知るには、書体の作りかたを学ぶ
・質の悪いフォントでは、ペアカーニングの値がない、またはあやしい
・有料だからといって、質のいい書体だとは限らない
・信頼出来るだけフォントファウンドリー(フォントメーカー)の書体を選ぶ

5つだけ書きましたが、これだけでも簡単ではないですね。まずは、質の良い書籍を数冊、読んで見るのが、近道だと思いました。

今回のセミナーのテーマでもあった「定番フォント ガイドブック」は、質の良い欧文書体が満載なので、これを何度も眺めて、わからないことがあったら、調べたり、詳しい人に聞いたりすることを、数年やり続けると一定の知識が得られると思いました。

●この書籍の装丁がすごい

まず、この写真をみていただきたいのです。
https://goo.gl/BYdL8u

ねっ、すごいでしょ。3cmぐらいの厚さがある書籍なのに、開くと、ペタッと平らになるのです。どのページを開いてもなんです。

厚い本の場合、机に上に置いて、調べものするとき、折り目をきっちりつけるか、何か重しをのせないと、本が閉じてしまう経験したことありませんか? 

この本はそれがありません。書体を辞書的に調べたり、見本をじっくり眺めて観察するには、非常にありがたいのです。

「コデックス装」というらしいですね。糸で綴った背中がそのまま見える形の製本で、味わいがありますね。

そういえば、今年4月のもじもじトークで小林章さん登壇セミナーに関連して、「欧文フォントの読み方」という記事を書いたのを思い出しました。

もじもじトーク[60]欧文フォントの読み方
http://bn.dgcr.com/archives/20170406110100.html

その時に印象に残っていたことは、「見た目で選べはいいじゃん」というキーワード。

ただし、それは、自分の見た目の判断だけでなく、「読み手にとってどう映るかの見た目で選んで、正しく文字を組む」ということ。

そのためには、良い欧文書体をたくさん見ること、美しい組み方をしている欧文をたくさん見ること、と言っていました。

今回のセミナーでも、akira1975さんや山田さんが「良い書体の見分け方のスキルをアップするなら、良い書体をたくさん見ること」と言ってました。

なので、僕が、欧文書体の参考ベスト3をあげるとしたら、今回の『定番フォント ガイドブック』に加えて、ドイツ在住のMonotype小林章さんが買いた『欧文書体 その背景と使いかた』と『まちモジ』を二冊です。

僕がオススメする小林章さんの著書
https://goo.gl/7qUZB2

「まちモジ 日本の看板文字はなぜ丸ゴシックが多いのか?」本は、フォント初心者にもおすすめです。もじもじトークの大先輩って感じのノリで楽しく書体を学べます。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
http://fontplus.jp/

1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。

その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。