[4459] 「風林火山」と「銀河英雄伝説」と

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《キターーー! って感じ》

■まにまにころころ[128]
 ふんわり中国の古典(孫子・その8)軍争篇(一〜四)
 「風林火山」を楽しむ
 川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito

■クリエイター手抜きプロジェクト[524]イベント編
 2017年のIchigoJam講座
 古籏一浩




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■まにまにころころ[128]
ふんわり中国の古典(孫子・その8)軍争篇(一〜四)
「風林火山」を楽しむ

川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito
https://bn.dgcr.com/archives/20171120110200.html

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コロこと川合です。今年はほとんど大河ドラマの話を書いていませんが、一応ずっと観てるんですよ。大河としてはなんていうかコレジャナイ感が強いけど、ドラマとしてはそこそこ面白いです。ちょっと虎松の顔芸がクドいけど。

井伊直虎の時代、井伊は今川と武田、今川が滅んでからは徳川に翻弄されます。大河では武田信玄として松平健がサンバを踊っていましたが、信玄と言えば、風林火山の旗印。その「風林火山」は孫子からの引用です。

さて今回は、その風林火山が出てくる「軍争篇」です。


◎──『孫子』軍争篇(一〜三)

用兵というものは、将軍が主君から命を受けて、兵を集めて軍を編成し、敵と対峙するまでのうちで、いかに機をつかむかという軍争ほど難しいものはない。

軍争の難しさは、回り道をするように見せつつ直進するほどの速さで移動し、不利だと思わせて有利を得るところにある。回り道をしながらも、相手を利益で釣り出して、相手よりも遅れて出発しておきながら、先に目的地に到達する。これが迂直の計を知るものである。

この軍争は制することができれば有利になるが、同時に危険も伴う。もし全軍を挙げて利を狙えば後れをとってしまうし、足の速い部隊のみで先を急げば、輸送部隊を置き去りにしてしまうことになる。

輸送部隊を捨てて、鎧を担いで軽装で日に夜を継ぐ強行軍で、行程を倍の速さにして百里先を目指せば、結局、全軍が敵の捕虜になるだろう。

強い者は先行できても、疲れた者は遅れ、十人のうち一人しか辿り着けないからだ。五十里であっても、先鋒の軍がやられるだろう。

辿り着くのはせいぜい半数程度だからだ。三十里でも三分の二くらいだろう。輸送部隊を置き去りにして、疲れた者も脱落させて一部だけで目的地に辿り着いたところで、兵も物資も糧食も財貨も無ければ滅びるしかないのだ。

諸侯のたくらみが分からなければ、外交も上手く行かない。進軍先の地形も、山林があるのか、険しい道がどこなのか、沼地があるのかなど知らなければ、進むことができないし、地形に通じた案内役がいないと、地の利を得られない。

戦というものは、敵を欺くことにはじまり、どうやって有利を得るかを考えて行動し、兵を分散させたり集中させたり、機に応じて変化させるものだ。


◎──『孫子』軍争篇(一〜三)について

迂直の計、って言葉そのままもどこかで聞いたことあるかも知れませんけども、遠回りすると見せかけて、遅くなると相手に思わせつつ急行する作戦ですね。

ちょっとこの段、話の繋がりがところどころ悪いように思いますが、元にする本によって前後が違っていたりします。

大元は木簡に書かれたものがバラバラになった状態で発掘されていたりするんで、解釈した人によって順番の違いが多少生じています。訳を無視して頭の中で再構成したほうがわかりやすいかも。

迂直の計をもって機先を制することができれば優位に立てる。しかし、それには危険も伴う。

速さだけを求めては大敗する。全軍を見て進軍のバランスを取らなければいけない。もちろん地形に通じている必要もある。

敵を欺くことが、作戦の大前提となる。それには諸国の腹の内も知っておく必要があるし、地形に通じたものを確保しておく必要もある。その上で、より有利になるように、臨機応変に変化してことにあたっていくのだ。

そんな感じかな。


◎──『孫子』軍争篇(四)

したがって、行軍というものは、その疾きこと風のごとく、静かなること林のごとく、侵略すること火のごとく、動かざること山のごとく、知りがたきこと陰のごとく、動くこと雷震のごとし。

里から略奪するには兵を分け、侵攻する土地を広げるには要所を分けて守らせ、さまざまなことを秤にかけて行動する。相手に先んじ迂直の計を知るものこそが勝つのだ。これが軍争の根本である。


◎──『孫子』軍争篇(四)について

キターーー!って感じですよね。(笑)

この軍争篇、この連載でいつも元にしている本では「七」まで続くんですが、今回はこの「四」までにしておこうと思います。話の区切りとしてもいいし、何よりもう少しこの「風林火山」を楽しみたいので。

風のような速さ。林のような静けさ。火のような侵略。山のように動かない。陰のように気配を消す。雷鳴の震えのように動く。

もう、めちゃめちゃ強そうな軍勢が脳裏に浮かびます。敵にしてみれば震えがくるでしょう。

風のような速さ。

疾風ですよ。田中芳樹の『銀河英雄伝説』で言えば、疾風ウォルフことミッターマイヤーのごとく迅速な行軍ですよ。

林のような静けさ。

静まりかえった軍勢が、相手の一挙手一投足に目を光らせて機を伺うんですよ。あるいは一糸乱れぬ行軍で静かに静かに迫り来るんですよ。銀英伝で言えば、誰ですかね、隙のない行軍、熱を秘めた感じ、ロイエンタールでしょうか。

火のような侵略。

侵略の形容に火をもってくるこのセンス。最高ですよね。変幻自在に形を変え、燃えさかり、うねりを上げて、触れるものを焼き尽くしながら延焼していく様。銀英伝で言えば、イゼルローンを強襲し制圧したローゼンリッターでしょうか。

山のように動かない。

相手の動きや挑発に動じない不動の構え。攻め入る隙を与えない無敵の陣形。銀英伝、いやここは『北斗の拳』南斗五車星の山のフドウで。名前だけで。

陰は林に、雷震は火にちょっと被ってるからか、割愛されて、風林火山。

其疾如風
其徐如林
侵略如火
不動如山
難知如陰
動如雷震

ですが、山と陰を逆にして、

其疾如風
其徐如林
侵略如火
難知如陰
不動如山
動如雷震

とするものもあります。こうすると、二句、四句、六句が、リン、イン、シンと、ひとつ飛ばしで韻を踏むからということで。サン(ザン)でもいいじゃんって思うんですが……日本人には「風林火山」が並ぶほうが気持ちいい(笑)。

雷震(らいしん)は雷霆(らいてい)とする本も多いのですが、雷震でないとそれこそ韻を踏めないので、今回は雷震を採用しました。

なお信玄の旗として伝わるものには、

疾如風徐如林侵
掠如火不動如山

と書かれています。あ、縦にですけど。「風林火山の旗」ではなく、「孫子の旗」とか「孫子四如の旗」と呼ばれていた模様。

ここまでさんざん風林火山フウリンカザンと何度も繰り返し書いてきましたが、四字熟語としての風林火山は文献などには無くて、井上靖が小説のタイトルにつけたのが最初じゃないかと言われています。

その井上靖の小説『風林火山』は、ちょうど十年前のNHK大河ドラマの原作です。

その大河の主人公・山本勘助が「兵は詭道なり!」って言ってますが、それも孫子の言葉ですね。ちなみに今でこそ兵法書と言えば『孫子』が第一に挙げられますが、というか『孫子』以外はほとんど知られていませんが、日本では、戦国時代までは同じ「武経七書」の『六韜』『三略』のほうがメジャーだったようで。

日本に伝わってなかったわけではなく、764年の藤原仲麻呂の乱では、対する吉備真備が唐で学んだ孫子・呉子の兵法を用いて事に当たったとされています。

また戦国時代が終わって江戸時代になると、林羅山をはじめとして、山鹿素行、新井白石、荻生徂徠、佐藤一斎、吉田松陰といった超豪華な面々が『孫子』の研究書を記しています。


◎──今回はここまで。

次回は軍争篇の残りと、続く九変篇を。以降、行軍篇、地形篇、九地篇、火攻篇、用間篇と続きます。今ちょうど折り返し地点くらいですね。思ったよりもちょっと時間かかっちゃった感じですが、残り半分、お付き合いください。


【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
https://www.facebook.com/korowan

https://www.facebook.com/caputllc

http://manikabe.net/



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■クリエイター手抜きプロジェクト[524]イベント編
2017年のIchigoJam講座

古籏一浩
https://bn.dgcr.com/archives/20171120110100.html

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一年に一回、IoT絡みの講習のお手伝いをしているのですが、今回はそのイベントについて、思った事などを適当に書きます。

塩尻市はIoT絡みの講習だけでなく、ラズベリーパイやRuby言語など、様々な講習を行っています。これらの講習は会社員向けだけでなく、小学校5〜6年生向けにも用意されています。

今年は、小学生向けにラズベリーパイとAIを使った講習もありました。塩尻市には大人もビックリの謎講習が結構あります。

私はIchigoJam講座の補助(お手伝い)、ということで参加しました。他にも補助で二人ほど参加しています。IchigoJam講座は全3回で、先週11月11日に最終日を迎えました。

昨年のIchigoJam講座では、ロボットを作って動かしました。しかし、今年はロボット製作はやめになりました。

他ではロボットをプログラムで動かす講座は結構あります。ロボット絡みの講座は、実際に制御でき動かせるので面白いのは確かです。特に今年はタミヤから低価格なロボットが出たので、昨年よりやりやすいと思われます。

・カムプログラムロボット工作セット
http://www.tamiya.com/japan/products/70227/index.html


今年ロボットを使った講座を行わなかったのは、以下のような理由のようです。

(1)お金がかかる
(2)発展性が低い
(3)役立つかどうかわからない

すべてのロボットの講座に、このような問題があるわけではありません。

(1)(2)の問題は、塩尻市の場合、受講料と人材にあります。受講料がIchigoJam製作費用だけで、ロボット部分の費用が出ないからです。

ロボット制作費部分の料金も取ればいいのでしょうけど、それだと高くなってしまいます。小学生向けなので、高額な受講料は避けたいというあたりではないかと思います。

(2)は人材の問題もあります。単純に言えば、ロボット制御に詳しい人がいないということです。継続してロボット講習を行う人がおらず、以後の発展性が見込めないからです。

しかも、子供がせっかく組み立てたロボットを、持ち帰ることができません。ですから、家で楽しむということができません。自宅で学習できないわけです。

(3)は(2)にも関連しますが、その場の講座で終わりなので、後々役立ちません。誰かのために役立つことも、自分の役に立つこともありません。

ということで、今年は塩尻市ならではのネタになったようです。

塩尻市はワインの産地なので、それと絡めることに。そこで、ワインの原料となるぶどうを生産している農家の役に立つような、センサーを取り付けることになったようです。

ぶどうの糖度などは気温などに依存するので、ブドウ畑にIchigoJamと温度センサーを取り付けて、定期的にデータをサーバーに転送することになりました。サーバーとデータ転送などのモジュールはsakura.ioを利用します。

・sakura.io
https://sakura.io/


IchigoJamと温度・湿度・気圧を定期的に計測して、sakura.ioのモジュール経由でデータを蓄積するということになります。これらのデータは、来年だけでなく将来役立つデータとなるはずです。今の小学生が高校生や大学生になった時に役立つ、ビッグデータとなれば成功と言えます。

今年のIchigoJamの講座は三回に分けて行われました。初回はIchigoJamの製作です。抵抗やボタンなどをハンダ付けします。

小学生がハンダ付けして動くコンピューターを組み立てる、というと難しそうに思えますし、小学生では無理じゃないと思う人も多いかもしれません。

でも、実際にやらせてみると、ちゃんとハンダ付けでき、IchigoJamができあがります。できないと思い込んでいるのは、大人の方だけかもしれません。

第一回目はハードウェア工作で、第二回目がソフトウェア講習です。ハードウェア工作は、みんなだいたい同じ時間で完成させることができます。昨年もそうでしたが、ハードウェア工作は安定した時間内に終わります。

実際、ハードウェア工作の回はあまりサポートすることがなかったりします。

問題は第二回目以降です。ハードウェアは完成までの時間にばらつきが少ないのですが、ソフトウェアは子供によって大きな差がでます。

プログラムを入力し、問題なく実行できるまでに、人によって数倍の差がでます。中にはお手上げしてしまう子供もいます(ここらへんは、プログラムが長いのと、モニタ画面が小さいからという理由もあります)。

早く入力が終わってゲームを完成させた子供は、そのうち勝手に改造をはじめます。他にやることがないので、そういう流れになるのですが。

二回目の講習では二つのゲームを入力するのですが、一つめはリアルタイムゲームです。IchigoJamで定番の川下りゲームです。

・川下りゲーム
http://fukuno.jig.jp/1113


もう一つは思考型ゲームです(ゲーム名は忘れてしまいました)。どちらかというと、思考型ゲームよりリアルタイムゲームの方が子供にはウケはいいようです。

川下りゲームは改造しても、そのうち飽きてしまったりします。そこで、時間潰しに子供をだますために、流行のAIを搭載した! と謳って自動的に障害物を避けて行くように改造してみせたりしていました。

たまに障害物にあたるので「最近のAIは、こんなもんだよ」と言ってごまかすというオチ(実際AIでも何でもないのですが)。

第二回目の休憩時間には、私が持っていった様々なセンサーについて説明しました。親が勝手に日記を見たかどうかを調べる方法や、勉強中といいつつゲームで遊んでいる場合、親が近づいて来たらセンサーを使って知らせる方法などなど。

こういう身近なネタとセンサーを絡ませると、子供はセンサーの使い道を覚えてくれます。

第三回目で温度・湿度・気圧センサーを取り付けます。sakura.ioの通信モジュールがけっこう高いので、壊さないように慎重に取り付けてくださいとのこと(1万円以上するらしい)。

センサーとプログラムは講師とは別の人が製作しているので、その人が取り付け方などを説明します。

今回は異なる色の線が用意できず、一か所だけ同じ色になってしまったようです。取り付ける際には、線の色を別々にしておかないと、ちょっと危ないかなという感じはします。

センサーを取り付けたら、プログラムを入力して実行です。センサーからの値が正常に表示されない子も結構いて、そのサポートが大変でした。

センサーはI2C通信なのでプログラムが長くなってしまい、どこで入力ミスがあるのかわかりません。エラーが出ればいいのですが、そうでない場合は面倒です。

ここらへんはBASIC言語だから、という面もあります。IchigoJam単体の環境でなくパソコン上で入力すれば、それなりの開発環境が使えるのでいいのですが。

第三回目の休憩に「ハッキング方法を教えて」という子供がやってきました。最初は一人だけだったのですが、二人、三人と増えてしまいました。仕方がないので講座が終わってから、少し教えてあげました。

ハッキング方法を教えるのは、よくないのかもしれませんが、外部からやられることは多々あるわけなので、どのような方法で自分のパソコンやスマホがやられるのかは、知っておいて損はないかと思います。

さて、休憩時間も終わり、いよいよ計測したデーターをサーバーに送ります。が、ここでトラブルが発生して、データは送っているけどその値が表示できないという事態に。

結局、時間内に解決しなかったため、来月もう一回集まってトライすることになりました。せっかくなので、講師の先生がイチゴジャム(食べる方)を用意してくれるとのこと。

まあ、本当に無事にデータを計測してサーバーに永続的に転送できるかは、来月にならないと分かりませんが、いろいろ勉強になった講座ではありました。


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
http://www.openspc2.org/


ロボットよりセンサーモジュールの方が高かった、というナイスなオチになってしまった講座でしたが、また来年どうにかすればいいかなあ、と。それにしても他人に教えるのは大変ですねぇ……。

・InDesign CS6 JavaScript Reference
http://www.openspc2.org/reibun/InDesignCS6/ref/


・Photoshop CS6 JavaScript Reference
http://www.openspc2.org/reibun/PhotoshopCS6/ref/


・Illustrator CS6 JavaScript Reference
http://www.openspc2.org/reibun/IllustratorCS6/ref/


・みんなのIchigoLatte入門 JavaScriptで楽しむゲーム作りと電子工作
https://www.amazon.co.jp/dp/4865940936

[正誤表]
http://www.openspc2.org/book/error/ichigoLatte/


・After Effects自動化サンプルプログラム 上巻、下巻
https://www.amazon.co.jp/dp/4844397591

https://www.amazon.co.jp/dp/4844397605


・IchigoLatteでIoT体験
https://www.amazon.co.jp/dp/B06X3X1CHP

http://digiconcart.com/dccartstore/cart/info/2561/218591


・みんなのIchigoJam入門 BASICで楽しむゲーム作りと電子工作
http://www.amazon.co.jp/dp/4865940332/


・Photoshop自動化基本編
http://www.amazon.co.jp/dp/B00W952JQW/


・Illustrator自動化基本編
http://www.amazon.co.jp/dp/B00R5MZ1PA/


・4K/ハイビジョン映像素材集
http://www.openspc2.org/HDTV/


・クリエイター手抜きプロジェクト
http://www.openspc2.org/projectX/



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編集後記(11/20)

●11月18日(土)の午後、わが市の役所内議場において「市議会高校生議会」が開かれたので、傍聴に行った。なかなか格調が高い本物の議場で、高校生議員が戸田市の救急車有料化条例、ネットいじめ防止条例、幼児教育義務化条例、防犯カメラ設置および運用に関する条例という四つの議案について討議する。もちろん、このイベントのための議案であるが、けっこういいかも。

議員役の高校生は男女あわせて26名、向かい合う市役所の総務、文教・建設、健康福祉、市民生活など、各部の担当者20数名に扮するのは市会議員である。開会の挨拶(本物の市長)などの後に開議。議席の指定、会期の決定、市長挨拶(扮した市議による)並びに提出議案の総括説明、市長提出議案の詳細説明、議案に対する質疑、議案の委員会付託、一般質問と停滞なく議事が進行する。

もちろん議長は高校生。役職が各議案を説明後、議員の質疑と役職の答弁。議案は常任委員会付託となる。一般質問は、中学生ボランティア、カラス対策、大学入学時の助成金制度について、質疑応答があって休憩に入る。その後、議員は四つの常任委員会にわかれ、本物の市会議員と一緒に議案を審議する。

再開。四つの委員会の議長が演壇に移動して報告。なかなかカッコいい。各議案の討論(議員が反対意見、賛成意見を述べる)と採決(賛成者は立ち上がる)。閉会。じつによどみなく、順調な議事進行で、ヤジなど不規則発言など一切なし。意見は原稿を朗読するスタイルだから、おおむね聞き取りやすい。

閉会後は、感想、意見交換会が行われ、高校生たちがひとりずつ感想を述べる。ここはもう原稿がないから、自分自身の言葉で語らなければならない。予想通り、これはよくなかった。自分の考えを理路整然と語れた高校生は一人(女の子)しかいない。それぞれ、原稿を書いておいて読み上げればよかったのに。

このへたくそな感想表明群の中に意外な表現があった。「三回リハーサルした」というのだ。その後の現職副議長も「練習した」と言っていた。つまり、このバーチャル市議会は、誰かさんの書いたシナリオに沿った“お芝居の・ようなもの”ではないかと思われる。そういう舞台裏は、明かしてはいけないものだ。

もっとも、観客は少なかったから問題なしか。この議会を見るには議場より高い位置にある53席の傍聴席と記者席しかない。全体を見渡せるナイスな場所だ。しかし、この日は2/3くらいしか傍聴者がいなかった。市制施行50周年記念事業だそうだが、わたしは知らなかった。市の職員から聞いて、見に行ったのだ。

準備なき感想表明の中で面白い事態が発生した。参加したのは市内のふたつの高校の生徒だったが、どっちかの学校の生徒が、この議会に触発されて、「生徒会会長に立候補する」と宣言したら「ぼくも」「わたしも」と続いて、ほのぼのバトルが発生w なお、救急車有料化条例だけが否決された。  (柴田)


●食洗機故障の続き。蛇腹になっている排水ホースは直径2〜3cmというところ。近くで見られなかったので具体的なことはわからないが、洗濯機の排水ホースを見慣れているので、細いなぁという印象。

給水用の蛇口を閉め、劣化したものを引き抜き、新しいものを通す。抜いたものは2mぐらいだったが、新しいものは倍の長さはあったように思う。バリリッバリリッ。太いところが食洗機にある穴を通るたびに、大きな音がする。洗濯機の時もそうだったが荒っぽい(笑)。

通したら食洗機のカバー類を取り付け、設置スペースに戻す。食洗機を取り出す前に電源プラグを抜いていた。設置する際にはホースとともに、食洗機設置用スペース横にある穴に通すのだが、ホースが長すぎて食洗機の後ろにたまっていたのだろう、食洗機が奥まで行かない。

一緒に来てサポートしていた人が引き出しに参加し、「来てもらって良かったよ」的な会話をしていた。他で二人作業があったため、ついてきたみたいだ。続く。 (hammer.mule)