装飾山イバラ道[213]バナナも光る酉の市
── 武田瑛夢 ──

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Black Fridayでは何かお買い物しましたか?

私は最近になって知った言葉だし、何のことやらだったけれど、割引情報のメルマガや、クーポンが送られてきた。Webの通販サイトでも期間限定で30%OFFだったりして、なかなか頑張っていると思った。




●割引マジックに誘われて

セール初日が25%OFFでその後20%OFF、15%OFFと、時間が経つにつれ割引率が減ってしまうシステムのセールもなかなか上手だ。

この仕組みだと、どうせなら初日に買ってしまった方がお得な気がする。買わないで我慢するのが最もお得なのかもしれないけれど、数字のマジックには弱いのだ。

サイトを見に来た客は何かしら欲しい訳だから、買っちゃう言い訳を後押しするような仕組みを考え出すことが、売り手としては勝ちなのだろう。

私の今回のBlack Fridayでの買い物は、ほぼ海外通販だったけれど、支払いはPayPalが多かった。

以前、PayPal経由の不正使用でカードを止めたことを記事にしたことがあったけれど、あの頃は私はPayPalをまったく使ったことがなかったので、怪しい仕組みかと疑っていた。しかし自分で使ってみると、PayPalってすごく便利だ。

支払い方法の選択をPayPal払いにすれば、あっちこっちの海外WEBサイトでカード情報の入力をしなくても良い。結局は自分の登録カードから支払われるのだけど、見慣れたレジでお財布を出すような安心感がある。

PayPalのアカウント情報の利用歴一覧で、まとめて自分を買い物をチェックできる。かなり気楽に買い物ができるようになった。遠いところから商品が届くのを、追跡番号をインプットしながら待つのが楽しい。

中国からのヒヨコのスクイーズは見事に潰れて届いたけれど、しっかり状態を説明したら、すぐに送り直してくれた。ダンボールなどの梱包材を使わずに、ペラペラのビニール袋で送ってくる某有名通販だ。

結局、送り直しのヒヨコも同じペラペラのビニール袋の梱包で、潰れて届いた。次からは郵送料が高いオプションを選ぶか、バッチリな梱包のところで買おう。そうでないと、致命的に潰れて届くスクイーズがかわいそうだ。

●リアルな人混みの酉の市

新宿の花園神社で酉の市をやっていた。後で調べたら三の酉だったようだ。肉の日イベントの29日に焼肉を食べに出かけたら、帰りに道が賑わっているのに気がついたのだ。

縁日の売店を見ながら通りを歩いていたら、人の流れに逆らえず、結局は花園神社まで入っていくことになった。

最近はお祭りもあまり行っていなかったので、売店のチョコバナナを見てそのあまりのカラフルぶりに驚いた。レインボーのカラースプレーがかかっている程度までは知っていたけれど、今はピカピカ光って回るLEDのライトがついていたりする。

食べ物が光ってるとは新しい。インスタ映え? のためなのか、バナナも光る時代なのだ。小さめの赤いリンゴ飴に、二個の赤いさくらんぼの耳がついたミッキー飴は可愛かった。

物はハデだけれど、売っている人のテンションがそう高いわけでもない。きっと本当に買いそうな人のために、テンションを取ってあるのかもしれない。

それにしても、屋台の食べ物って魅惑的だ。イカ焼きの匂いが美味しそうだけれど、肉を食べたばかりだったのが悔しい。

熊手を買うために来ている人、丸椅子の飲み屋で飲んでいる人、それぞれの目的でものすごい人だった。時間も時間、場所も場所なので、子供の姿はほぼ見られない。新宿の酉の市の雰囲気は独特だ。

見せ物小屋もあって、呼び込みのおばさんの説明する声が響く。言ってることが、やっぱり怖い。なんとか男とか、なんとか女がいる所。

受験生の頃に浦和の調神社で見かけたことがある、恐ろしげな光景だ。今もやっているのには驚いた。

人混みの見物だけして、カオスな神社の人混みから駅の方へ向かう。すぐにいつもの新宿の街の風景に戻るのは、ギャップがあってなかなか面白い。

ちょっとだけ縁日体験するには持ってこいの場所かもしれない。

冬に新宿を歩くと、たまたま酉の市に出くわすことが多いのは、11月の週末は三回も開催されているからだ。

商いをしている人には大事なイベントだろうし、毎年この頃になれば同じ場所でワイワイ飲めるのだから楽しいだろうな。実際どうであれ、景気の良い顔をして新年を迎えたいものだから。

年末が近づいて、消費ムードを盛り上げるイベントは多いけれど、ネットだと人の気配を感じるのが難しい。どの店もいろいろと工夫して、他の買い物客との早い者勝ち感を演出している。

目玉セールの文字の大きさ、それにも増して大きな文字での「完売」のアピール。「今買った人が本当にいる感」をいかに出すかなのだ。

●店によって違うカートの仕組み

買おうと思ってカートが止まった後に、リロードしたら完売の文字だと悲しい。逆に自分が買い終わった商品の在庫数が、ぐんぐん減っていくのを見るのは楽しい。

また、慌てて買ったのに人気薄だったのか、在庫数が減らないのも結構がっかりする。「この商品は他のお客様がカートに入れています」というようなメッセージが出たりすると、慌てる心を刺激される。

どんな買い物も「早く決めた人のもの」だけれど、決めたら責任も生じるので決断のタイミングは肝心だ。

カートに入れた途端に他の人には完売と表示される店もあるし、現在カートに入れている人数が何名なのかわかるシステムもある。同じ商品を選んだ人はこんなものも見ていますとか、おせっかいすぎるサービスも多い。

カートから削除して買い物を終えた後に、わざわざメールで、「このアイテムを忘れていませんか?」などと来ることもある。「このアイテムへの未練は断ち切れましたか?」という意味だと思うけれど、後追いまではやめて欲しい。

とはいえ、本当に嫌なら縁を切ってしまえばいいものを、そうはしない。しょせんお買い物なので、楽しく適当に付き合えばいいのだ。


【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


ニンテンドースイッチのプロコントローラーの、二本目が家にやってきた。今回はスプラトゥーンカラーのタイプ。

二本目を使い出したということは、一本目が不調で使えない訳だけれど、割と標準的な消耗度だと思う。別に投げてもいないし、手荒に扱ってはいない。いや、ゲームをやっていてプロコンを投げたくなったことは何度もある(笑)。

結局は夫が使っていない時に私が使うので、一人で使う場合と比べて倍は消耗することになる。でも、もう少し頑丈に作って欲しいなぁ。