ネタを訪ねて三万歩[153]安くて楽しい中国製のアイデア製品
── 海津ヨシノリ ──

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2016年の8月にiPod Classicが突然起動しなくなってしまってから、外出時に音楽を聴く習慣がなくなってしまいました。

ちなみに、私のiPod Classicは第五世代の80GBモデル。2006年9月発売ですから、実質10年使っていたことになります。そういえば、2010年リリースの初代iPadも現役で使っています。

とにかく、移動中に音楽がない生活に突然突き落とされてしまい、最初は落ち着かなかったのですが、すぐに慣れてしまい、とくに不便を感じていませんでした。

もちろん、iPhoneで音楽を聴くことも可能ですが、私は昔からそれはやっていません。なんでもひとつで兼用できるって便利ですし、もちろんiPhoneはソレを目的として設計されていますが、容量の関係などで、私は用途別に処理を切り分けていました。

いかんせん、私のiPhoneは容量が少ないので、持ち歩くPDFで既にパンパン。音楽データなどの入り込む余地はありません。





そんな状況で、最近はとくに音楽の鑑賞ではなく、移動中に講演などの録音データや、ラジオなどが聞きたくなり、あらためてiPod Classicを修理しようと思ったのですが……。

・使用機種は既に製造中止で修理の可能性が曖昧

・自分で修理するにはリスクが高い(※1)

・新しいiPod Touchは価格的に魅力なし(※2)

・iTunesを経由するのはバージョン管理などで面倒

・音楽でなければICレコーダーという手も

・手持ちのICレコーダーは2GBでTFカードが使えない

(※1)壊れたといっても、多分バッテリーが昇天してしまったのだと思うので、Amazonでバッテリーをゲットすれば済むことなのです。

既に開口器具を持っています。ただし、何回チャレンジしても開口出来ずに諦めていました。無理にこじ開けて失敗してしまった方の例を、ネットで散々見ていますので無理だと判断しています。

(※2)iPod Touchをわざわざ買うのであれば、新しい容量の大きいiPhoneに切り替えれば済むこと。もっとも未だにiPhone5sを使い続けている私にとって、新しいiPhoneはバカ高いだけで、今のところ関心がありません。

という状況を色々整理していると、安いDAP(digital audio player)か、ICレコーダーで充分じゃないかという気になってきました。もちろん中国製です。

実は中国製に代表される安い製品に対しての嫌悪感は、皆さんと同様に皆無ではありませんでした。しかし、今のところ私はAmazon等での買い物で、ハズレは引いていないので、運を天に任せてみたくなりました。

いわゆる自己責任で使うバッテリー、レンズフード、大型ステップラーなどの互換製品と同じスタンスです。どれも正規品の1/5〜1/10以下の、お財布に優しい価格。気がつけば色々買い込んでいました。

そして特に不便を感じた記憶がありません。とにかく最近の中国製はそれなりのクオリティーをもっており、メーカーさえ間違えなければ大丈夫。

もちろん購入ルートがしっかりしていれば、返品も可能なのでハズレを引くことはないと思っています。逆に、こんな値段で販売していいの? と心配したくなるモノまであります。なにかと不思議な国ですね。

評価に値する点は価格だけではありません。メーカー品では今のところあり得ない、アイデアの利便性が癖になります。

モバイルバッテリーで充電できるデジタルカメラ用の充電器など、日本メーカーでは絶対に手に入らない、アイデア製品が目白押しなのも楽しいです。でも、結局は、iPhoneの買い換えで終わってしまったりするのかもしれませんね。

実はDAPのゲットを検討する前に、既にこっそり安いアクションカメラをゲットしていました。有名製品の1/10の価格ですが、それなりに遊べるのは楽しいです。もちろんハズレだとは思っていません。大切なのは体験すること。

もし本格的に活動したければ、改めてプロ用をゲットすればいいだけです。まっ、私の場合、スキーやスケボーはできないので、アクションカメラの用途は限られます。

ただし、それなりにアイデアはあるので、色々と遊んでみるつもりです。

そして、次はドローンかもしれません。さらに色々と遊びたくなってきました。いや〜、しかし、危ない(興味を持たせる)オモチャが次々と現れてくる困った世界ですが、とっても楽しいですね。

そんなわけで、色々と刺激を与えてくれた2017年に感謝、そして更なる暴発を2018年に期待したいと思っていますので、また新しい年でもよろしくお願い致します。


■今月のお気に入りミュージックと映画

"Eye in the Sky" on Gavin Hood in 2015(U.K)

邦題「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」。ドローンに代表されるハイテク最新機器を駆使して、安全な場所からターゲットを爆破する、現代戦の実態を描いた軍事サスペンス映画。

阻止しなければ大量の犠牲者が発生する可能性のある、自爆テロリストのアジトを突き止めた。しかし、彼らを攻撃するにはたった一人の民間人の少女の存在が問題になる。彼女はアジトの隣家でパンを売っている。

彼女を巻き添えにしないよう、様々な手を使って彼女を現場から遠ざけようとする工作員達の行動。そして、ラストで司令部は巻き添え被害による少女の死亡率を50%以下になる地点を選んで、攻撃を遂行する……。

主演はなんとヘレン・ミレン。この人は本物の名優ですね。だからファンなのですが、とにかくどんな役でも成りきってしまうのには驚きです。なお、トム・ハンクス主演の「キャプテン・フィリップス」で、海賊のリーダーを演じたバーカッド・アブディが現地工作員役で好演しています。

EYE IN THE SKY - INTERNATIONAL TRAILER[HD]


"Golden Slumbers" by the Beatles in 1969(U.K)

邦題「ゴールデン・スランバー」。言わずと知れた『アビイ・ロード』に収められた名曲。

Once there was a way to get back homeward. Once there was a way to get back home

昔は帰り道があったんだ。私の居場所へ帰る道が、昔はあったんだ〜(海津適当訳)

このフレーズがいいですね。実は今年のJohn Lewisのクリスマス映像でも使われています。久しぶりに思い出して、聞き込んでしまった曲です。

Golden Slumbers/Carry That Weight/The End - Live In Tokyo 2013


John Lewis Christmas Ad 2017 - #MozTheMonster



【海津ヨシノリ】
グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
http://www.kaizu.com

http://kaizu-blog.blogspot.com

https://www.facebook.com/yoshinori.kaizu



ついに年賀状の季節ですね。実は4〜5年から、少しずつ年賀状を減らしていました。普段会う人へは、メールに切り替えてご挨拶&「今後はメールに致します」……と。また、一昨年あたりから元旦に届いた方に返信するという受け身の発送にしていました。

もちろん、普段会えないような方達の場合です。そうこうして今年は30通ほどに減っていましたが、完全に終了するタイミングを探っていたわけです。

そんな判断に躊躇していた私に、Facebookの知人が放ったコメントが強烈で、迷いを吹っ切ってくれました。

「昭和30年生まれの私が平成30年に年賀状を廃止する〜」という下りはとにかく圧巻でした。そして私に踏ん切りを付けさせてくれました。

もう正直に言うと、年賀状で云々という時代ではないという気が強くしていました。一部の古い友人はメールアドレスもわからず、片側通行のコメントのやりとり、そして、その返事は翌年の年賀状……。こんな関係にどんな意味があるのか? ですね。

ということで、2018年から年賀状は廃止とし、新年のご挨拶はメールやSNS、そして直接お目に掛かった時にいたします。

もちろん、メールアドレスもわからないアナログ生活の方達へは、最後通告となるプリンタで作成した年賀状を送ることになると思いますが、多分真意は伝わらずに、来年以降も一発コメントの年賀状が届くのでしょうね。

21世紀になって、もうすぐ20年を迎えようとしています。人々の生活様式を一変させてしまったiPhoneが出てからでも、10年経過しています。

なのに、大学では「私はメールは使っていないのでFAXにしてください!」と、逆ギレする先生がいたりして驚きです。大学教員の定年は65〜70才なので、年配だとしても60代のはず。脳内は昭和50年代前半あたりで止まっているのでしょうか。私も揶揄されないように頑張らないと……。


■1月の画像処理セッションは1月18日を予定しています。
〜カラーモンキーの基礎【キャリブレーションの基礎】〜
詳しくは以下でご確認下さい。

https://www.borndigital.co.jp/seminar/


参加無料で、どなたでも参加できます。詳しくは以下のサイトでご確認下さい。なお、事前登録はありませんので、開催時間前に直接会場にお越しください。

〈講演内容〉

モニターのキャリプレーターとしての機能とは別に、色の測色機能が面白いカラーモンキーの操作性と遊び方を、Photoshopを通じて整理致します。

・カラー設定の重要性
・オリジナルカラーチャート作成
・色の作り込みとバランス調整
・データ管理と使い方の可能性