装飾山イバラ道[217]うちの小さなMac
── 武田瑛夢 ──

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●この可愛さは捨てがたい

このところ、実家の片付けをしているので、処理する物の多さに驚いている。私はマンション暮らしが長いので、階段の下に物がそんなに収納できるとは知らなかったりして、処理物件が想定の範囲を超えることがあるのだ。

私が生まれる前の、昭和の古い新聞に包まれた物もある。ちょっと記事を読んだりして、気分を変えながら片付けをする。

片付けをしていると、夫の部屋からも色々なものが出てくる。ミニMacで検索するとMac miniが出てくるけれど、最近うちで「ミニMacどうする?」という場合は「Macintosh Plus」のことを指す。マウスの形が四角いタイプ。

夫が昔使っていたのを、押入れにずっと保管していたものだ。角の丸みが当時としては洗練されていたのだろうけれど、今見ると素朴な感じがする。





夫が言うには、先日ものすごく久しぶりに起動をかけてみたら、一度は起ち上がったけれど気がついたら消えていて、もう二度と起ちあがらないという。私はこれに電源が入っているのを見たことがない。

私が見ている前で起動をかけても、なかなか画面がつかなかった。
「さすがにもう死んだかな。」

一度ぐらい画面が光っているのを見てみたかったので残念に思っている時、ふと画面が点いたのだ。「キター! がんばれ、がんばれ。」慌ててiPhoneの動画で撮ったりバタバタしたけれど、何とか息を吹き返してくれた。

・512Kの日本語版DynaMacをアップグレードしたMacintosh Plus
http://eimu.com/dgcol/crmac

ハッピーマックでの起動画面も懐かしいし、ものすごく遅いけれどテケテケ何かの音がして起動が進んでいる。起動用のフロッピーもあちこち探してやっと見つかったものだと言うし、命をつなぐのは奇跡的という感じ。

ただとても不安定なのは変わりないので、これを今後活用しようと思った時に、使えるかどうかは未知数だ。この画面を見られただけでも、私はとりあえず満足だ。

ネットで見ると、改造してiPadのカバーとして使っている画像も出てくるし、この可愛さは捨てがたい。古いパソコンをたくさん処分する中で、これは私が残したいので取っておくことにした。ゴミになるかならないかの線引きは大変な作業だ。

レインボーのアップルのステッカーも出てきたので、捨てないでおいたけれど、今は白いリンゴだよね。レインボーの色を数えると6色。このタイプのステッカーってみんなどこに貼っているのだろう。

掃除するといろんな時代のものが出てくるし、シールなのでなんとなく取っておくけれど、何に貼っていいのかわからない。検索すると、使い道を提案しながらふざけているサイトが結構あったので面白い。

●ゴミ分別プレッシャー

掃除をしていると、大事に取っておいたうちに価値を失っているものの多さに驚く。地図とか、辞書とか、昔は捨てないで何年も取っておいたものだ。

昔のまま止まっている紙の地図は、道案内には使えない。当時の記録としての価値は残っているかもしれないけれど、まぁ使えないのでどんどん捨てていく。

厚いマニュアルの金属リングなどは外しながら、処分した。捨てる時になって初めて、複合素材のややこしさに気づくのだ。

昔の本やバインダーのマニュアルは、見栄えのためか耐久性のためか、ビニールやプラスチックや金属が使われまくっているものが多い。今はエコを意識して、そのまま土に還るものとか多そうだ。

その一方で、スキーブーツは処分表を見ると一般ゴミ扱いだという。「あんなに丁寧に本の金属リングまで外したのに、そんなゴッツイ靴が燃えるゴミなわけがないよー」。ゴミ界の矛盾に襲われる。

調べるとスキーブーツの外せる金属パーツは、外して処分するという地区もあった。外すのが無理なものは燃やさないゴミらしい。ついているパーツの一番強いものに合わせて考えればいいのか。

ただ、全体の割合から考えると5%くらいだと微妙だ。ほぼプラスチックであると考えるのか、金属を問題にするのか。

私の頭のイメージ内の大きな焼却炉の中でスキーブーツが燃え、燃え残った金属がカラカラと排出されるのを想像する。焼却炉のパワーも昔とは違うらしいし、何も残らないかな。

地域によって呼び方が違うけれど、「一般ゴミ」というのは家庭から出る小型の可燃ゴミで、小型プラスチック製品や靴、カバンも含まれるそうだ。「普通ゴミ」と呼ぶところもあるみたい。資源ゴミ、粗大ゴミも地域が出している分類表を参考にするしかない。

画像認識が進んでいるのだから、カメラでゴミを撮るだけで認識と判定をしてくれて「粗大ゴミ!」とか表示されるアプリが欲しい。

この世には面倒くさいものが多い。ただこの「面倒くさい」を乗り越えるのも大事な修行のような気がする。最近そう思うことが多いので、「面倒くさい」の反意語を検索したりした。結構疑問に思う人も多いらしい。

「簡単」というのが出てくるけれどどうもしっくりこない。「容易い(たやすい)」というと、自分にとっての気分も出ていて近いかな。

やらない可能性を一瞬でも考えてしまうと、「面倒」という気分が出てしまって、それを乗り越える必要があるので辛い。最初から「やる」つもりでいれば、乗り越える必要がなくなってちょっと楽だ。こうしたコツを見つけては進むしかないのだ。


【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


バレンタインシーズンなのでチョコ系スクイーズのご紹介。全部食べられません。左上から時計回りに商品名。

・BLOOM チョコクロワッサン、Cafe de N クロワッサンドーナツ、BLOOM チョコケーキ、YunXin チョコレート
http://eimu.com/dgcol/choc

BLOOMのクロワッサンのチョコは最近ネットで購入。すごく良いチョコの香り。

右下の丸いチョコケーキだけは、シリコンのような皮の中に粘土が入っているタイプだ。触り心地は固めで、デッサンの時の練り消しゴムを触っているような感じで、小さくて仕事中に最適。練り消しネリネリしていた人にオススメだ。

Cafe de Nクロワッサンドーナツは、デニッシュっぽいしっとり感がいい。チョコ色がそれぞれ違うのが美味しそう。