グラフィック薄氷大魔王[555]プロジェクトフォルダでラクラク管理
── 吉井 宏 ──

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3DソフトMODOを10年も使ってきたけど、「プロジェクトフォルダ」というものを一年ちょっと前に覚えた。「ええ〜〜っ!」と驚かれてもしょうがないくらいの基本らしい。

MODOファイルを開くとき、いちいちテクスチャ画像の場所を聞かれてあまりに面倒。みんないったいどうやってるんだ? ずっと不思議だった。

プロジェクトフォルダを作って作業すれば、スムーズに開くのだ。一度でもきちんと使えば、そんなの当たり前とわかるのだw

必要なシーンファイルや画像や設定など、すべてのファイルを集中管理するフォルダのことで、3Dソフトに限らず同様の機能があることは知ってたのだが。

制作会社の新人は、ファイル名付け規則などといっしょにたたき込まれるものだそう。知らんかったw ホントそのへん困る。「標準的な使い方」を聞ける隣の机の人がいないから。

3ds MaxやCINEMA 4Dでもまったく使ってなかった。





「最初にプロジェクトフォルダを用意すること」は知ってたけど、なくても作業できるから、そんな重要なものだと思わなかった。というか、自分一人で完結するから、ファイルを誰にでもわかりやすく管理する必要がない。

人に渡すときには、3ds Maxではアーカイブとして保存すると、プロジェクトフォルダの形になる。MODOでも「シーンの統合」という機能を使って、必要なファイルを一つのフォルダに集めることもできる。それで済んでた。

プロジェクトフォルダの本来の便利さを知り、ここ数年分の仕事をプロジェクトフォルダにまとめた。TDWも最近はプロジェクトフォルダでやってる。過去のTDWもまとめたいけど、1000個以上あるからと迷ってたのだが、整理してやったぞ。

テクスチャやHDRI画像のパス変更したり、見つからない画像を検索したり、オブジェクトやマテリアルのリストの形式を揃えたり、かなり手がかかる。まともにやると一個あたり5〜10分。

困るのは、MODOのバージョンによって変更されてる機能がいくつかあり、最新バージョンでレンダリングすると質感が変わってしまうのだ。正しい見かけになるように設定を全部変更。

2013年くらいまでのはマシ。それ以前のは不要なファイルが混じっててめちゃくちゃ。必要なファイルを見極めるだけでも一苦労。変更することや注意点などをリストにして貼り出し、10個ずつ開いて項目ごとに流れ作業。

こういう「ちょっと神経を使う単純作業」ってめちゃくちゃハマる。他のこと何もやりたくなくなるくらいハマる。「誰か止めてくれ〜〜!」ってw たぶんそういう職業適性。

一週間かかって、MODO製のTDWキャラ1311個をまとめた。初期のものは再調整が必要だけど、とりあえずスムーズに開くことだけはできるようになったぞ。

おまけ。2007年8月にMODOだけで作った最初のTDWキャラの画面キャプチャ。右上のリストに注目。使わなかった画像でも全部の場所を聞かれるのだ。こういうのを全部削除しないと面倒。
http://www.yoshii.com/dgcr/modo1485

たった10年前? とも思ったけど、当時のMODO201はモデリング専用ソフトに毛の生えたようなものであり、ZBrushやCINEMA 4Dなどを併用していた。この直後の2007年9月に、完成バージョンと言えるMODO301が出て、本格的に使い始めたのだった。


【吉井 宏/イラストレーター】
HP  http://www.yoshii.com

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先週の「24インチディスプレイが限界」の件。結局、Dellの27インチ4Kを買った。見やすくて快適! 早く4Kにすればよかった。ただ、Mac Proでもグラフィックが重いらしく、27インチ相当の解像度にしてるとAcrobatでPDFのページめくりがめちゃ重い。普段はフルHD相当に下げてます。

ところで、「27インチディスプレイの話ずっとしてて、なんで以前あんなに書いてたWACOM Cintiq 27 QHDが出てこないんだ?」って思ってる人がいるかもしれない。

ついに昨年末、手放しました。2年3か月頑張ってみたけど、僕には大きすぎて不向き。Cintiqは他に16インチProと旧13インチを持ってるので、液タブをやめたわけじゃないけどね。

・スワロフスキー干支モチーフの「ZODIAC」
https://www.fashion-press.net/news/33277


・スワロフスキーのLovlotsシリーズ「Hoot the Owl」
http://bit.ly/2ruVM9x


・パリの老舗百貨店Printemps 150周年記念マスコット「ROSEちゃん」
http://departmentstoreparis.printemps.com/news/w/150ans-41500


・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii