[4520] インターネット生放送に「フォントおじさん」出演しました

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《虫の目と鳥の目との往復が肝要》


■わが逃走[212]
 冬の尾道の巻 その3
 齋藤 浩

■もじもじトーク[80]
 インターネット生放送に「フォントおじさん」出演しました
 関口浩之




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■わが逃走[212]
冬の尾道の巻 その3

齋藤 浩
http://bn.dgcr.com/archives/20180301110200.html
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尾道カメラ散歩の続きの続きです。

この日もとくにあてもなく、前日と同じようなコースを往復しただけなのですが、それでもまったく飽きず。

この細くこんがらかった路地を迷いながら歩くことの面白さといったら!

とまあ、何度も同じようなことを書いているオレでありますが、尾道という街は私が愉しいとか美しいとか感じる要素が凝縮しているんですね。

初めてここを訪れてから30年近く経つわけですが、これからも通い続けることになると思います。


○でっぱり
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山陽本線の線路脇に発見。寺社への参道と交差するかたちで、東西に線路や国道がのびる尾道。その交差のしっぷりがアンダーパスだったり橋だったり踏切だったりと、バラエティに富んでおり、なぜそのような形になったのか?な物件も多い。このでっぱりも、かつての鉄道構造物の遺構なのだろうか。

○瀬戸内海
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千光寺の展望台から向島越しに見えた風景。足元にある「部分」ばかり見ていると、「全体」を捉えられなくなってくる。

そんなときにこういった風景に出くわすと、脳のモードが変わる。主観と客観の切り替えを意識せねば、と思う。人生を楽しくするには、虫の目と鳥の目との往復が肝要。敬愛するK先生の教えです。

○虚像と実像
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パッチワークのような工事跡だらけ、しかも複雑な起伏の路上にストライプパターンの影が落ちる。

二次元と三次元、ネガとポジが同時に主張しあっている様は圧巻といえよう。とはいえ、ただの影と言ってしまえばそれまでなので、うわー、この影スゲー! とか捲し立てると変な人と誤解されかねない。

ただでさえ、一般的な被写体(たとえば花とか)を撮影しているわけではないので、ヒトの視線には注意だ。

人畜無害な観光客です、こんにちは! と地元の人には友好的に接することを心がけよう。どうでもいいが、このとき路上のウンコふみそうになった。虚に見入られて実が認識できなかったわけだ。

○アパートの階段
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この階段に会うのは5年ぶりくらい。尾道は迷路のような街なので、前に来たことがある場所に行きたくても、そう簡単にたどりつけないことが多いのだ。今回も偶然。

この建物にはたぶんもう誰も住んでないけど、やさしく人を迎えてくれる感じがして良いなあと思う。尾道にはそんな物件が多い。

○宇宙
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もはや絵画としか思えない錆びた鉄板。はやぶさが大気圏に突入するよりも、はるか以前に描かれていたっぽい。

前回のハレー彗星の頃のものか? いや、パイプオルガンを奏でながら迫りくる白色水星の頃より前かもしれない。

○インフラ天と地と
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狙ったわけではないけど、気づいたら地を這う配管に、宙を舞う電線の影が交差していた。撮り終えた後に気づく、こういう発見は妙に嬉しい。

配管の構成にしても、上半分は水平に設置され、高低差が出たところで垂直に下り、いったん横方向に曲がってから、こんどは路面の傾斜に沿って下降してゆく。

とくに意味があるとは思えないが、独特のリズム感に無作為芸術を感じるのであった。

○光合成
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庇と庇が重なるくらい、住宅が密集している。路地を歩いていても、ほとんど光がささない。なんだけど、その複雑に入り組んだ構築物の間の一瞬の隙を突くように、植物がライトアップされていた。

今、この植物と太陽との間には一切遮蔽物がない、両者は直線で結ばれているのだ。と思うと、あやしうこそものぐるほしけれ。


【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
http://tongpoographics.jp/

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。


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■もじもじトーク[80]
インターネット生放送に「フォントおじさん」出演しました

関口浩之
http://bn.dgcr.com/archives/20180301110100.html
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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。あっという間に3月になりました(汗)

今年こそは積み上がった仕事をきれいに片付けて、余裕もって仕事に取り組むぞー、やりたかった勉強をするぞーって、心の中で決めてました。でも未だ叶わず。3月中に実現することを夢みています……。いやっ、夢で終わらせない強い覚悟で挑んでます!

●インターネット生放送に出演しました

一昨日の2月27日(火)に、インターネット放送の生番組に「フォントおじさん」が出演しました。こんな感じでした。じゃーん!

http://bit.ly/2EZK7qK
または
http://bit.ly/2t2ZJEj

今回出演した番組は、ネット配信チャンネル『Webディレクション講座』の「INTERVIEW A GO GO」という対談トークでした。

デスクトップワークスの田口真行さんが運営している番組で、池袋の某秘密基地であるインターネット放送スタジオにおじゃましました。

田口さんとは出会いは、コロちゃんこと川合和史さんが主催している、第2回「まにまにフェスティバルP2」かな。5年前ですね。その時は、挨拶交わしたぐらいだったような気がします。

・まにまにフェスティバルP2
http://m2college.net/fes2/

そして、意気投合したのは、忘れもしない伝説のセミナー「まにゼミP12」でした。これも、「まにまにころころ」の川合さん主催の勉強会です。

何が伝説かというと、超人気者のセミナースピーカーである田口真行さんと、松尾茂起さんの勉強会に参加者がなんと二名! 僕もスタッフでしたが、パネラーとして参加しました。このセミナーに参加されたお二人は、とても幸せだったと思います。

・まにゼミP12 田口真行vs松尾茂起 あれこれたっぷり質問合戦!
http://kokucheese.com/event/index/198403/

●ドキドキの1時間番組でした!

「INTERVIEW A GO GO」は、対談形式で、出演者の人間像を深堀して、視聴者と一緒に楽しく学ぶ番組です。事前に台本やシナリオの打ち合わせはなくて、いきなり、生放送に突入するというドキドキの1時間でした。

インタビュアーの田口さんは、Webディレクション業界の一人者であり、ファシリテーターしても活躍されている方なので、田口さんに身を任せることにしました。

でも、どこを、どのように深掘りしてくるかは分からず、その場面場面で、頭の中を整理しながら言葉に表現することは、けっこう大変な作業だったと思います。

セミナー出演であれば、事前にスライドを用意して、リハーサルして、心の準備ができるのですが、台本のない対談は良い経験になったと思います。

放送が終わった時は、1時間、どう田口さんに対応していたのか、あまり記憶がありませんでした(笑)。録画放送を勇気を出して、じっくり聴いてみたら、こんな内容でした。

1. エバンジェリストのお仕事(5分)
2. ヤフージャパンの立ち上げ奮闘記、インターネットの夜明け(10分)
3. フォントとの出会い、なぜフォントにはまったか、フォントの歴史(35分)
4. 今、はまっていること(10分)

どんな質問があるか、まったく分からなかったので、たくさんグッズを持参しました。

・16世紀にドイツで印刷された活版印刷物
・日本の鋳造活字(初号、5号、6号、クワタ、インテル)
・写真植字メインプレート(ナール)
・ゴルフボール型タイプライター活字(IBMタイプライタ)
・1971年に購入したレコード(EP盤)
・1980年発売されたFMステーション(FM雑誌)
・1984年にアメリカFM局の番組をエアーチェックしたカセットテープ、ほか

番組の中で使用したのはほんの一部でした。ぜんぶ披露したら、話が脱線して番組が収拾つかなくなりそうだったので、レコードとカセットテープのみの紹介にとどめました。

田口さんは、月に10本以上のWebディレクション番組を放送しつつ、全国でセミナー登壇やWedディレクション講座をやりつつ、デスクトップワークスの代表をやっているわけですが、そのバイタリティは本当に尊敬しちゃいます。

そして、常に最高のクリオティを追求するストイックさは、変態の域に達しています。これは、最高の褒め言葉の表現です(笑) だから大好きです。

興味ある部分だけでもいいので、「INTERVIEW A GO GO」の録画放送見てくれると、うれしいです。

・INTERVIEW A GO GO #010 フォントおじさん(YouTubeチャンネル)
http://bit.ly/2EZK7qK

・INTERVIEW A GO GO #010 フォントおじさん(Facebookチャンネル)
http://bit.ly/2t2ZJEj

●過去に出演したインターネット生放送

インターネット生放送の出演(真面目系のやつ)は、今回で4回目になりますが、今回が一番、緊張したかもしれません。

はじめての生放送出演は4年前。平野友康さんとご一緒した「ウェブコンポーザー学校」でした。Webフォントが少しづつ流行し始めたときに、USTREAM生放送をやったんです。

平野さんは、オールナイトニッポンのラジオパーソナリティをやったことがある人なので、平野さんのお話、引き込まれますよ。今、みたら、わっ、懐かしいと思っちゃいました。

・BiND6.5 〈Webフォントで魅せる〉美・デザイン講座 vol.1
http://www.ustream.tv/recorded/33167815/highlight/361063

2年前、「Schoo(スクー)」で日本語Webフォント基礎の授業を2コマ担当しました。ちょっとしたハプニングがあり、スタジオ入りしたのが生放送開始30分前。リハーサルがほとんどできないまま、本番突入だったので焦りましたが、MC江川みどりさんの素晴らしい進行に助けられ、無事に放送することができました。楽しかった。また、出演したいな。

・オンライン授業 Schoo(スクー)日本語Webフォント基礎
https://schoo.jp/class/3348

昨年、「rie's CafeBAR(リエズ・カフェバー)」に出演しました。「エンターテイメン雑談ウェブテレビ」というコンセプトなので、ゆるく楽しく、深〜いお話が聞けるという番組です。

パーソナリティは、瀬口理恵さんと、はたなかあきらさんなので、緊張せずに(笑)、生放送に出演できました。この雰囲気、大好きです。7月か8月に、再度、出演予定です。

・rie'sCafeBAR vol.122 Blog
http://bit.ly/2COtLLq

自分の音声と映像を見るのは、とても恥ずかしいことなのですが、外からから自分を観察すると、いろんな気付きがあります。

「次回から、ここは違う視点で話してみよう」とか「視線はもっと遠くにしよう」とか「落ち着きがなく無駄な動きが多いな」(僕はここかな)とか、気付きがたくさん出てきます。これを繰り返すとコミニュケーション力の改善につながります。

皆さんも、自分が人前で話しているところを、ビデオ撮りして見ることをおすすめします。自分の動画を撮ったことない方は、社内プレゼン大会を開催してビデオ撮りするのもいいです。勇気入りますが、おすすめです。

●次回もじもじトークから「相対フォント感」連載します!

インターネット対談番組「INTERVIEW A GO GO」の中でもお話しましたが、ここ数年、「絶対フォント感を身につけよう」って感じの特集が組まれ、その雑誌は売り切れになったりしています。フォントが身近な存在になったことは、とても良いですね。

でも、書体をみてフォント名を当てることは、頑張って覚えれば、身につくことです。受験勉強するように、字形の特徴とフォント名を覚えれば、絶対フォント感は身につきます。

美しいポスターや素敵なロゴデザインは、フォントを主人公(脇役の場合もありますが)として、商品イメージや企業ブランドと調和をとり、そのシーンの中に、自然と溶け込む存在として成り立ってます。

文字の組み方や余白なども重要ですが、フォントの選定も重要な要素です。このシーンにおいては、明朝体がいいのか、ゴシック体がいいのか、筆文字がいいのか、ポップ系がいいのか、といった書体の使い分けの視点があります。

そして、同じ明朝体の仲間でも、さまざまな個性を持った明朝体があります。モダンな明朝体、オールドスタイルな明朝体など。また、ウエイト(文字の太さ)を変えることで、印象が変化したり、情報の重み付けが変わったりします。

絶対フォント感があれば、それに越したことないですが、「相対フォント感」を身に付けることのほうが重要なのです。フォントの適材適所を身につけるために、「相対フォント感」を次回より連載したいと思います。

もしくは「フォント相対性理論」にしようかな(笑) でも、それだとテーマが壮大過ぎちゃうかな。

利用者目線で、ゆるいノリで連載していきますので、コーヒーやお茶でも飲みながら、肩の力を抜いて読んでください。

では、再来週の木曜日に、またお会いしましょう。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
http://fontplus.jp/

1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。

その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。


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編集後記(03/01)

●橋本治の「九十八歳になった私」を読んだ(講談社/2018)。橋本治が東大駒場祭のポスターでデビューした時、すぐにパロディをつくったからよく覚えている。二歳年下のはずである。いつ追い越したんだよ。って、フィクションだから全然OKなのだが。百歳間近の年寄りの一人語りで、頻繁に括弧内で心境というか、ぼやきというか、自分に突っ込んだりする長編小説である。

「群像」誌から「三十年後の近未来特集をやるので小説を」という依頼があり、どんなディストピアを描こうか? と思ったが、20枚程度の長さなのでちゃんとした世界の構築は無理だ、そうか自分をディストピアにしちゃえば、回りもディストピアだと考えたらお気楽になった。一作目が編集部に大ウケして、連載にしてくれとの注文が来た。こうして、近未来空想科学私小説が始まった。

この小説の描く世界では、戦後百年たって、攻めてくるはずの中国もガタガタになって、日本は戦争より地震でガタガタになっていた。東京大震災が発生した。震源が東京湾沖で、神奈川、東京、千葉の沿岸部が津波でやられて、埼玉の方は液状化現象でグチャグチャになった。そのとき、歩道橋の階段の上で腰を抜かして座りこんでいたら、親切な青年が避難所に連れて行ってくれた。

「黙っててもおにぎりやアンパンをくれてたから、それでいいと思えばそれでいいな。便所で二時間待ちはやだったが」の後、仮設住宅に移されることになったが、多摩の奥地にできた仮設村で2DKに年寄り四人で一緒に住めといわれ、ジジーはヤダ、ジジーばかりの共同生活はヤダとごねた結果、遠く離れた日光の杉並木の辺まで来ちまった。杉の木にはプテラノドンが営巣している。

原発が二個壊れて、CO2出せないから火力もだめで、電気がそんなに通っていないから、パソコンもそうそう使えないんだって。東京は超高層ビルの間に段ボールハウスやバラックが建っているという。大量の人が死んで大量の建物が壊れて、生きてるのは高齢者ばかりだから、人手不足で復興が進んでいない。

生きてるかどうか確認する、監視カメラ付きの花柄ポットでわかす湯を時々飲みながら、「俺の仕事は、他人に向けてひとりごとを言うことで、つぶやきシローとおんなじだ」の毎日。三行以上の文章を読めないのが今(この近未来)のやつだからと、かなりラフな脈絡のないわざとらしい記述もあって楽しい。

「大体ねェ、あなた、校閲者の存在を意識しないで原稿を書くのがどれほど自由なことであるか」「一人で勝手なこと書いていると、誰にも突っ込まれないからいいな」なんて文中で語っている。橋本治は、平成30年の間に5億円以上の金を銀行に払った。なんの見返りもないのに「払います」っていう書類にハンコを押したばっかりに。難病に罹りながらも、大量に本を書いてきたのだ。

「それにしても不思議なのは、どうして年寄りになると、手を後ろに回して腰の上で組んで歩くのようになるのだろうか? これだけ老年医学が発達しているはずなのに、どうしてその謎を誰も解かないのかというのが、謎だな」。じつはわたしも、書店で本棚を眺めているとき、気がついたら手を後ろに回して腰の上で組んでるではないか。これはまずい。じつにジジーである。(柴田)

橋本治「九十八歳になった私」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062209144/dgcrcom-22/


●トイレ高速点滅の続き。火災は困る。けど、セルフチェックして問題がないとわかっても解除できないのってどうなのさ。セルフチェックではわからないところがあるなら、させる必要あった?

チェックシート通りに、電源プラグまわりも掃除したよ〜。チェックしない人のことまで知らないよ。

わたしゃ修理ラッシュなんだよ。何もないのに、やり取りや在宅させて、お金取るっていうのはどうなのさ。それが点検って言われたらそうなんだけどさ。ということで、そのまま放置しておく。続く。       (hammer.mule)

経済産業大臣賞「点検時期お知らせ表示機能を活用した長期使用事故防止対策」
http://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/2-entry/pdf/h22psa_pamphlet.pdf

INAXの半強制的10年点検システム(有料)はおかしくないですか。
http://bbs.kakaku.com/bbs/J0000015899/SortID=18613942/
大家さん大変