《わたしの腐女子たる原点》
■羽化の作法[57]
芸術は穴であると思っていた
武 盾一郎
■LIFE is 日々一歩(70)[アニメ]
2018年・春アニメ予想(8作品+3)
森 和恵
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■羽化の作法[57]
芸術は穴であると思っていた
武 盾一郎
https://bn.dgcr.com/archives/20180306110200.html
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“自分の感性だと思ってるだけのことはいくらでもある。「そう感じさせられている」、これには細心の注意を払え。とかくこの世は想像力を奪うもので満ち溢れている。
「楽だなあ」と思ったとき、ひとつの想像力が去勢されたと思え。想像力が萎えると人は楽になる。感受性が奪われると人は楽になる。気を付けろ! いつも踏ん張っているんだ。”
制作ノートNo.12・1997年10月26日(日)より
僕は何かと戦っていた。漠然と、そして巨大な焦燥感にさいなまれながら、全力疾走を続けていた。というより、走っているつもりで心だけがジタバタして、消耗してたのだった。心の摩擦熱を不必要なまでに激しく燃やしていたのだ。
身体はこの強大な訳の分からないエネルギーに振り回され、あっちに行ったりこっちに行ったりと、やたらアグレッシブだった。
制作ノートを読み返すと、これら無駄な活発さに「これは本当に自分だろうか?」と思えるほどだ。分からないながらも、そうやって精一杯もがき動き尽くしたので、今こうやって自宅で落ち着いて制作する日々に移行できてるのかも知れない。
そんなジタバタしてる中でも、自分なりの「芸術観」はあって、ノートに記していた。
“しょせん芸術なんてものは「穴」なのである。
現実という閉ざされた箱の中に僕らは住んでいる。箱の外側、八方は宇宙(霊界、精神世界、あるいは生前・死後)なのである。
人々は穴から宇宙を垣間見ることが出来る。芸術というものの存在は「穴」である。「穴」は「穴」だけで存在できない。しかも「穴」は無・空である。「穴」という物質は存在しない。それが芸術なのだ。
「穴」のおかげで宇宙と繋がれる。そこで人は深い孤独と安らぎを得られるのだ。
そして「穴」という存在できない存在は人にとって必要でありながら、「穴」そのものに正しい価値を付けることが出来ない。それが芸術作品なのである。
「穴」を開けられる人はそうそういない。深ぶっても箱の外側と繋がってない人は多い。
箱を壊すのは気が引けるが、社会全体が箱を壊す方向に向かえばいい。そのために「穴」はきっかけとして大いに役立つのである。”
制作ノートNo.12・1997年10月27日(月)より
ここで言う「宇宙」とは物理的な天体というよりも、魂の世界というか霊的な世界をイメージしている。科学で説明可能な時空間の「宇宙」と、そうではないなにか神秘的な「宇宙」があって、「宇宙」と言った場合に僕は、その両方を同時に重ねてイメージしてるのだ。
この「宇宙」に対するイメージは、誰もが持っているものなのだろうか? ふと疑問に思ったのだが、芸術が関わる「宇宙」とは、主に後者の霊的な「宇宙」なのである。
おそらく人類は、この霊的な宇宙とコンタクトしてきた歴史が圧倒的に長い。「祭り」とはすべて霊的宇宙とのやりとりを様式化したものであるし、そこから歌も踊りも造形も絵も発生したという「芸術観」は、そんなに間違ってはいないと思う。
ただ、今は芸術のことを「穴」だとは思ってないので、例えが新鮮に感じてしまった。
穴には「実体」がない。芸術の正体は実体のない「空」であると感じていたのだろう。なにやら真理めいた感じもある。
また、報われなさをひたすら感じ続けていたので、自分の絵はなんの価値もない虚しいものなのか、という落胆と絶望感が「穴」という皮肉な喩えを思い付かせたのかも知れない。
●霊についてUFOについて超常現象について
ところで、「霊」は本当にあるのだろうか?
例えば幽霊は本当にいるのだろうか?
「いると思う人にはいる」という答えで良いのだろうか?
そう言えば以前にも霊について言及している回がある。
『羽化の作法[28]なぜ段ボール村に精霊がいたのか?』
https://bn.dgcr.com/archives/20161129140200.html
僕はどうも「霊」に関心があるようである。
それはなんでなんだろう? と考えて思い出したのが、中学の「技術家庭」の授業だった。レタリングの授業があった。明朝体とゴシック体の文字を書くのだ。「美術」ではなかったと思う。
一通り書き方を教わると、生徒が自由に言葉を選んで文字をA4ケント紙(だったと思う)に書いて提出する。
そこで僕は「雨やどり 幽霊」と明朝体で書いて提出した。なぜ「雨やどり 幽霊」という言葉を選んだのか自分でもまったく分からない。
そして書いた明朝体文字は、後に廊下に張り出されていた。上手だったのだろうか? しかし僕は何の感慨もなかった。
なぜなら、同じクラスのヤンキー生徒Tが「絶叫 金スペ!」と書いていて、それを見た僕は「Tのレタリングの方が美しい!」と分かってしまい、自分の書いた文字に興味を失ってしまったからである。
この時「幽霊」以外の言葉を選んでいたら、今ほど「霊」に関心がなかったように思える。何の意味もないような選択が、その後の思考に影響を与えてしまうことってあるのではないだろうか。
さらに遡って思い出したことがある。「霊」ではなく「UFO」に関することだが、同じ超常現象的なくくりだと思うのでちょっと書きます。
小学高学年くらいだったと思う、自分に「UFOブーム」が訪れた。きっかけは学研ひみつシリーズの「宇宙のひみつ」だ。UFOに乗って旅する宇宙人と一緒にUFOに乗る地球人の男女の子どもが、宇宙の知識を紹介していく学習漫画だ。
ひみつシリーズは「からだのひみつ」「恐竜のひみつ」などいろいろあって、家にはズラッと揃っていた。気に入ったシリーズは本の背がボロボロになるまで読み返し、「はみ出し知識」までくまなく読んでいた。今は何も思い出せないが。
幽霊は信じなくてもUFOは信じていた。しかし、UFOを見たことがない。
僕はUFOに会いたいと思った。「テレパシーを送るとUFOに会える」という情報をなんかの本から得た僕は、毎晩窓を開け夜空に向かってテレパシーを送ることにした。
「こちら地球の武です。聞こえたら応答願います。」と繰り返し念じる。
そうすると返信が直接脳の中に聞こえ、気が付くとUFOの中に案内されている、はずだ。本にはそう書いてあった。
僕は何日もテレパシーを夜空に送っていた。どのくらい続けていたのだろう? ひょっとしたら三日とかだったかも知れないが、自分にとってはとても長く続けている印象だった。願いは虚しくUFOは現れてくれなかった。
だがある時とうとう変化が起きた。夜風にあたり体が冷えたのか風邪を引いて、熱を出し寝込んでしまったのである。それ以降はテレパシーを送ることはしなくなってしまった。
この時の「やり残し感」が、今の自分を超常現象にトラップさせてるのかも知れない。
さて、ここで思うのだ。そもそも超常現象に惹きつけられるのは、現実が辛いからだろう。あまりにも負荷が大きいと、啓示を聞いたり、幽霊を見たり、UFOに乗せられたりしてしまうのではないだろうか。
現実を超越した体験をリアルに感じてしまうと、現実に縛られている今の思考から脱却できる。思考の立脚点が変われば行動が変わるので、現状が辛い人はそれを乗り越える可能性が出てくる。
超常現象とは自己回復プログラムで登場する、キー・アイテムなのかも知れない。ただ、更に悪化する方向に作用するリスクもあるだろう。愛情ホルモンのオキシトシンが、同時に他者を排除する方向にも働いてしまうように。
てことは、超常現象を扱うにはマネジメント技術が必要になる。ひょっとしたらアーティストとは「超常現象をマネジメントする人」とも言えるのかも知れない。いっそのこと自分が「超常現象」になりたい。(つづく)
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■LIFE is 日々一歩(70)[アニメ]
2018年・春アニメ予想(8作品+3)
森 和恵
https://bn.dgcr.com/archives/20180306110100.html
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こんにちは! 森和恵です。猛烈に時間がない、今日この頃です。今回は気晴らしに、次期のアニメ番組のおすすめ情報をお届けします。
まずはご報告とお礼から。告知していた勉強会、無事に開催できました。たくさんの方にご参加いただき、楽しく学びました。
ありがとうございました。これからも、ボチボチと活動していきます。
【ウェブかける × Dreamweaver(XDもあるよ!)#r360study - Togetter】
https://togetter.com/li/1204151
●映像が楽しみな4作品
【ひそねとまそたん】
http://hisomaso.com/
BONES制作のオリジナルアニメーション。プロモーションビデオが、よくできてます。手描き感の暖かい映像です。青木俊直さんが描く、シンプルだけど繊細なキャラクターが一役かってますね。
【オルタナティブ ガンゲイル・オンライン】
http://gungale-online.net/
ソードアート・オンラインシリーズです。黒星紅白さんの描く、可愛い女の子のキャラクターが魅力ですね。
【ルパン三世 PART5】
https://lupin-pt5.com/
ルパンの新作です。こちらは、大河内一楼さんがシリーズ構成します。大河内一楼さんといえば、コードギアス。ドラマチックな要素が、ルパンに組み込まれる予感です。
【レイトン ミステリー探偵社 〜カトリーのナゾトキファイル〜】
https://www.layton-anime.jp/special
ナゾトキゲームのレイトンシリーズ。今回は、娘さんが活躍します。
レイトンは、めずらしく入れ込んだゲームだったのですが、そのお目当てはゲーム中のアニメーションでした。
レベルファイブのアニメのやわらかい、レトロな感じが好きなんです。動きや効果音やBGMが、一体となってレベルファイブらしさをだしてます。
プロモーションビデオをみるとよくわかりますよー。
●TV東京のサッカーアニメ、2作品
TV東京が、サッカーアニメを2本放映します。かぶらないのかなーと思ったりしますが、見ます。
【キャプテン翼】
http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/captaintsubasa2018/
わたしの腐女子たる原点は、キャプ翼です。中学校の頃にハマって、同人誌やコスプレにどっぷりつかりました。
また、アニメをやってくれるとは。原作を忠実にリメイクするそうですよ。
【イナズマイレブン アレスの天秤】
http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/inazuma2018/
こちらもレベルファイブです。声優さんに「福山潤さん、櫻井孝宏さん、中村悠一さん、神谷浩史さん、鈴村健一さん」と来たら、見るしかないじゃないですか。
●好きな声優さん枠で、2作品
福山潤さんを尊敬し、中村悠一さんに恋をしている私。そのお二人が、メインキャストのこの作品は、みるに決まってます。眼福ならず、耳福です。ありがとうございますです。
【PERSONA5 the Animation】
http://p5a.jp/
【多田くんは恋をしない】
http://tadakoi.tv/
●放送未定のアニメにも注目
まだ、放送時期は未定だけれども、気になっているアニメが3本あります。
【コードギアス 復活のルルーシュ】
http://www.geass.jp/resurrection/
あのコードギアスが、10年ぶりに帰ってきます。主人公ルルーシュが死んで最終回“レクイエム”は、いま見ても涙するのです。
ですが、その彼が生きていた……というところから、新編スタートだそうです。現在、劇場3部作で、過去編の振り返りをしています。
ギアス新編を見終わるまでは、死ねないと心に誓っております。
【さらざんまい】
http://sarazanmai.com/
幾原邦彦監督の新作が、2019年に放映されます。
イクニチャウダーといえば、わたしは、“輪るピングドラム”なのですが、今回もピングドラムっぽい、人間の柔らかくて深い闇を描く作品のようです。
「手放すな、欲望は君の命だ。」というキャッチフレーズに、期待が膨らみます。(PVの色っぽい声は、諏訪部さんかしら?)
【BANANA FISH】
http://bananafish.tv/
同年代の女性なら、「あの漫画が!」と騒ぐこと間違いなしの“BANANA FISH”がアニメになります。
まだ、インターネットもなかった1985年の作品ということもあって、時代が変更されています。現代のニューヨークが舞台になるそうです。
原作を変えないでという声もあるようですが、公開されているストーリーボードやキャラクターの声を見る限り、原作の雰囲気を守ることを重視しているように思います。
ノイタミナ枠なので、予算もたっぷりあるはず。楽しみです。
……と、今年もいろんな作品が出そろって、わくわくしますね。
仕事いそがしくても、アニメが心のオアシスです。ありがたく、楽しみたいと思います。
ではまた、次回お目にかかりましょう!
(^^)
【 森和恵 r360studio ウェブ系インストラクター 】
mail: r360studio@gmail.com
講座受付中: http://r360studio.com/seminar/
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編集後記(03/06)
●「ぺギー・スーの結婚」を見た(1986/アメリカ)。夫と別居中で離婚を決意しているというぺギー・スー。30年以上前の映画だが、今も昔も家族問題があたり前にあるアメリカだ。続けて見た映画は2007年作で、元夫に子供を預けてパーティに出たりする美人医師が主役。アメリカにはまともな夫婦生活を送っている人はいないのだろうか。だいたいは女性の方が強い立場にある。
主婦ペギー(キャスリーン・ターナー)が、25年前の高校時代にタイムスリップして、また現在に戻って来るというシンプルな話で、ハッピーエンドはお約束だから安心して見ていられる。中年女優が高校生を演じるという、ちょっと(大いに、かな)無理やり感があるのだが、見ているうちに慣れてしまった。
冒頭で不思議なシーンがある。ペギーが鏡に向かう後ろ姿が手前にあり、鏡の中のペギーはこっちを向いて化粧し、娘と会話している。見る者はまさにカメラになっているわけだが、鏡にはカメラが映り込んでいないのだ。じつは手前の後ろ姿は別の俳優で、ペギーの動きに合わせて演技していたようだ。そして最終シーンも似たような画面構成である。よほどコッポラ監督のお気に入りらしい。
最初のシーンでは、テレビで騒々しいCMが流れている。「サンヨーのビデオデッキがたったの299ドル、ミツビシの大型テレビが1299ドル? 店は破産だー」と叫ぶバカっぽい男が夫チャーリー(ニコラス・ケイジ)である。彼は仕事にかこつけて若い女と浮気しているC調(死語w)な、男には憎めないキャラだ。
現在の同窓会パーティでクィーンに選ばれ興奮のあまり失神し、目が覚めたときは、献血で貧血を起こして気がついた、25年前の高校生である自分であった。ぺギーは高校の当時からチャーリーと交際していた。ニコラス・ケイジは実年齢でキャスリーン・ターナーより9歳下、高校生役もほとんど不自然ではない。
ニコラス・ケイジの高校生は金髪ふさふさで歌いまくり、これがなかなかうまい。ペギーに対する態度だっていいヤツじゃないか、好感度は低くない。しかし、この時点で愛を確認したって、パラレルワールドに行くわけではなく、25年後にはああなっているんだから、何が真実かは問うまでもなく25年後である。
過去は修正できないというのはお約束で、その過去につらなる現在が改変されることはない。秀才君に試験管ベイビーや心臓移植手術、アームストロングの月面歩行などを説くのは違反だが、これはSFではなくファンタジーだからいいのだ。真面目に考えると破綻した話である。ところでぺギーの母親がかわいい。
あれ? どうやって現在に戻ったんだっけ? 嵐の夜に温室で抱き合って。だったが、この時はもう高校生に見えない容貌の二人であった。で、現在に戻りパーティで倒れたあとのベッドにいた。二人はやり直すことになる。タイムトラベルものはいろいろ制約があるが、あまり気にしないお気楽映画。(柴田)
ぺギー・スーの結婚
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●「コードギアス」そんなに良いのか〜。あまりアニメを見ない私でも耳にする名前。「BANANA FISH」「キャプテン翼」が気になる。
森さんの記事を読んで、はまったアニメが「僕のヒーローアカデミア」。「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」も見た。前者はこの4月から第三期スタート、後者は宝塚で台湾公演のための舞台化。
そういや、いま上演中の「BADDY(バッディ)ー悪党(ヤツ)は月からやって来るー」の中で、グッディが手でバッテンマークを作りつつ「ダメ、ゼッタイ」と言うところがBABYMETALだと思うんだけど、話題になっていないなぁ。
ショー「BADDY」は、戦争や犯罪のない架空の地球に、月から大悪党バッディら一味がやってくる話。お芝居の方は、伊吹有喜著「カンパニー」の舞台化。
バッディらはヘビースモーカーなのだが、地球は全大陸禁煙。グッディは女捜査官で、悪いことをするバッディらに「ダメ、ゼッタイ」をするの。 (hammer.mule)
Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀
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プライム会員なら見られるよ
宝塚版。画像はまだない
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2018/thunderboltfantasytourikenyuuki/
カンパニー/BADDY(宝塚)
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2018/company/index.html
カンパニー(原作)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B076P5PJBB/dgcrcom-22/