Scenes Around Me[23]東京大学駒場寮の事(2)1997年8月 武盾一郎個展(2:1997年8月)
── 関根正幸 ──

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東京大学駒場寮北寮内にあった、オブスキュアギャラリーで開催された武盾一郎個展「世紀末とのコラボレーション」は、手元にDMがないので開催期間は正確には分かりませんが、おそらく1997年8月9日から8月17日まで、二つの週末を含んでいたと記憶しています。

前回書いたように、私は2週目の火曜日(8/12iに初めて見に行ったのですが、今回紹介する写真を見る限り、幅10m、高さ5mはあろうかという巨大な段ボールのキャンバスに、すでに絵が描き上げられていました。

駒場寮の近くで仕事をしていたこともあり、火曜日以降の会期中、毎日昼と夜にオブスキュアギャラリーに通うようになるのですが、様々な事情で行けないこともありました。

水曜日の昼だったと思います。駒場寮に強制捜査が入りました。





寮の前に規制線が張られ、スーツ姿の捜査官が通行規制を行っていて、寮内に入れる状況ではありませんでした。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/東京大学駒場寮


Wikipediaによると、1997年10月に大学側が駒場寮生と関係者に対して、寮の開け渡しを求める訴訟を起こしているので、強制捜査はその証拠集めだったのかもしれません。

もちろん当時は、そんな事情は知らないので、武さんが個展をやっている時に限って、何でこんな事になるのだろうと、安否が気になっていました。

ところが、翌日ギャラリーに行ってみると、武さんはしれっとした感じで、「そういえば昨日は騒々しかったねえ」と話していて、拍子抜けした記憶があります。

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土曜日は、前々から計画していた「RAINBOW2000」というテクノイベントに行ったため、駒場寮には行きませんでした。

個展とは関係ありませんが、備忘程度に記しておくと、RAINBOW2000は2000年のミレニアムに向けて、1999年まで毎年開催されていました。

会場は富士山の裾野にある日本ランドという遊園地でした。当日の夜、御殿場まで輪行、自衛隊演習地の間の県道を5合目まで登り、ハイウェイを下って会場に到着しました。

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写真のように深夜〜早朝は濃霧になり、冷え込みも厳しかったのですが、帰る頃には天気が良くなって、自転車で沼津まで下り、東海道線で東京に戻った記憶があります。



日曜日は、武盾一郎展のクロージングイベントがあり、大勢の観客が詰め掛けました。

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イベントの前半は、駒場寮の前でサンカラゴンジャのパーカッションとエキンの舞踏をバックに、武さんがライブペインティングをしました。

後半は、武さんと鷹野依登久くんが、ロウソクを持ってギャラリーに入り、段ボールの絵に手を加えていました。

あまりの人の多さに、私はギャラリー内には入れませんでしたが、中で見ていた人の話では、熱気と人の多さで酸欠状態だったとのことでした。

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イベント終了後、打ち上げになったのですが、毎度のように酔いつぶれ、ギャラリーに泊まりました。

最後に翌朝撮影した写真を紹介して、今回は終わりにします。

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【せきね・まさゆき】
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1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔。