[4535] 脳内カオスの数理モデルは意識の創発原理に迫れるか?

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《おおお! やっぱ天才じゃん!》

■Otaku ワールドへようこそ![276]
 脳内カオスの数理モデルは意識の創発原理に迫れるか?
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脳内カオスの数理モデルは意識の創発原理に迫れるか?

GrowHair
https://bn.dgcr.com/archives/20180323110100.html

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『脳領域/個体/集団間のインタラクション創発原理の解明と適用』
キックオフシンポジウム(3/5/月)聴講レポート

名称:脳領域/個体/集団間のインタラクション創発原理の解明と適用 キックオフシンポジウム
日時:2018年3月5日(月)1:30pm〜5:50pm
場所:銀座松竹スクエア 13F セミナールーム

概要:脳領域間や個人間、集団間などさまざまなレベルのインタラクションに共通する原理はあるのでしょうか?

本研究チームでは、複雑な環境とのインタラクションによって機能分化し環境に即時適応する人工システムを構築することを目標にします。

そのために、システムに拘束条件がかかることで機能的な部品が自己組織される原理を開拓するとともに、人間と霊長類社会における集合知を探索します。そして、この原理に基づいた新しい医療やロボット設計、コミュニティ設計の基盤創出を目指します。

定員:100名
入場料:無料
http://www.er.ams.eng.osaka-u.ac.jp/kawai/crest/index.php/events/kickoff/

聴講者:小林秀章(記)

【タイムテーブル】

13:00     受付開始
13:30〜13:40 開会挨拶(ビデオメッセージ)
       間瀬健二(名古屋大学大学院情報学研究科教授)
       JST CREST「人間と情報環境の共生インタラクション
       基盤技術の創出と展開」領域研究総括

13:40〜14:20 プロジェクトチーム概要、創発原理グループ紹介
       津田一郎(中部大学創発学術院教授)「創発脳科学の数理:拘束条件付き自己組織化理論と数理モデル」
14:20〜14:50 脳領域間・ロボットグループ紹介
       河合祐司(大阪大学大学院工学研究科助教)
       「構成的神経科学: 身体と脳のインタラクションがもたらすニューロンの機能分化」
14:50〜15:30 招待講演
       塚田稔(玉川大学脳科学研究所 客員・名誉教授)
       「コミュニケーションと情報創生の脳内メカニズム」
15:30〜15:45 休憩
15:45〜16:15 個体内/個体間グループ紹介
       菊知充(金沢大学 子どものこころの発達研究センター 教授)
       高橋哲也(福井大学保健管理センター准教授)
       「オシレーションから見る個体脳内ネットワークの機能」
16:15〜16:45 個体間/集団間グループ紹介
       松田一希(中部大学創発学術院准教授)
       「霊長類の社会創発現象の解明に向けて:個体・集団のインタラクションの観察」
16:45〜17:15 集団内/集団間グループ紹介
       亀田達也(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
       「集合知とインタラクション:実験社会科学的アプローチ」
17:15〜17:45 総合討論
17:45〜17:50 閉会挨拶
       津田 一郎
18:00〜20:00 意見交換会(関係者のみ)


【概要】

本研究チームは、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業(CREST)における研究領域「人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開」に採択された5件の研究課題のひとつである「脳領域/個体/集団間のインタラクション創発原理の解明と適用」に取り組む。2017年10月から2023年3月まで。すでに半年経った時点で、キックオフシンポジウムが開催された。

プロジェクトリーダーである津田一郎氏(中部大学創発学術院教授)から構想の説明とチームの紹介があった。

まず、創発の原理を解明するチームがある。数理モデルとして「拘束条件付き自己組織化理論」を拠り所にしている。

創発脳科学の原理を霊長類社会における集合知へと適用し、コミュニティ設計などの応用に供したいという狙いから、
(1)進化基盤:霊長類の集団形成を観察・研究する
(2)発達基盤:親子関係形成について研究する
(3)応用へ:ヒトやロボットのコミュニティを研究する
それぞれのチームが組まれている。応用チームは人文科学系の色が濃い。各チームの代表者が研究内容を解説した。


【脳と創発について】

このプロジェクトの狙いを理解するためには、意識の謎と創発仮説について、前提知識が要る。そこを先にざっと解説しておきたい。

私は意識の謎に意識を捕えられているようなところがある。意識はなぜそこにあることができるのだろう。

意識は物心ついたときからあって、あるのがあたりまえになっているので、あたりまえのことを今さら問うても意味がないように感じられるかもしれない。物心がつくということ自体、意識が芽生えることを意味しているのだとしたら、なんだかトートロジーくさい。

「そこにあるからそこにある」と言ったのでは、まさにトートロジーだ。しかし、すでにそこにあるからあることを認めるというのではなく、なぜあることができるのだろうかと論理的に考えるとき、こんな不思議な現象はない。

あまりに不思議すぎて、考えても考えても答えへのとっかかりにすら手がかからないのが、歯がゆくて歯がゆくてクネクネしてしまう。

これを考えはじめると、その他のこと、たとえば仕事や金銭や人間関係のことなど、どうでもよくなってくる。土台が心もとないのに、その上にいったい何を建てようというのか。

人の意識を虜にしてしまう、根源的な問いのひとつである意識の謎とは、次のようなものである。

意識は脳の働きによって生じる。脳は物質である。物質であるからには物理法則にしたがうはずである。機械のようにしか動作しえないはずの物質の上に意識が宿るというのは、どのようなメカニズムによるものか? そのメカニズムが解明された暁には、人工物の上に意識を宿らせることができるのか?

意識の問題をちゃんと提示しようとするならば、まず意識とは何かという定義から入らなくてはならない。しかし、それが定義できたら、問題が半分解けたも同然、というところがある。そこからして簡単にはいかないのである。問い自体があいまいさを含んでいると言える。

この問いは大昔からあった。ルネ・デカルト(1596年─1650年)は物質と精神とは別物であるとする二元論を唱えた。両者は脳内にある松果体という器官を通じて交流すると考えたが、後に否定されている。けれど、今もって人類は正解を知らない。

ただ、この時代に来て、脳科学と人工知能の研究が急速に進歩したおかげで、この問いに対するアプローチのしかたが、新たなステージに入ったとみてよいと思う。

哲学から科学への移管。唯心論よ、さようなら。唯物論よ、ご無沙汰してました。フッサール以来、唯心論のほうへ行っちゃってたおじさんたちよ、ご苦労さん。

脳科学の観察によれば、人間の脳とは、およそ次のようなものである。それは、約860億個の脳神経細胞からなる。ひとつの脳神経細胞から別の脳神経細胞へ、シナプス結合を介して、数値が伝達される。

シナプス結合は約100兆個ある。つまり、平均すれば、ひとつの脳神経細胞は約1,000個の脳神経細胞から数値を受取り、ある計算をして、結果として得られた数値を約1,000個の脳神経細胞へと送り出している。

ひとつの脳神経細胞の中でなされる計算とは、現時点で分かっている限り、ごく簡単なものである。入ってきたそれぞれの数値にそれぞれの係数を掛けてから全部足し合わせ、その結果得られた数値をある非線形関数に食わせ、その結果得られた数値を送り出している。

この処理は、コンピュータのソフトウェアで記述すれば、ほんの数行で済んでしまう程度のものである。

ごく簡単なことしかできない素子が大量に集まって、非常に複雑なネットワークを形成し、あっちでもこっちでも同時並行的に計算が進行し、データがやりとりされている。とてつもなく複雑怪奇な機械である。

しかし、いくら複雑に配線されているからといって、一個一個の素子が簡単な機械にすぎないのであれば、それらの総体もやはり機械以上のものにはなりえないようにも思える。この機構の上に意識が宿り、感情が湧き起こるなんて、論理的に考えて、ありえないくないだろうか。

脳の配線状態をコネクトームと言うが、これが詳しく調べられていっている。米国では、2013年にオバマ大統領が「ブレイン・イニシアティブ」という巨大サイエンス計画を始動させた。

脳をリバースエンジニアリングして、脳全体にわたる配線状態を読み出し、脳の働きの全容解明を目指すというもの。2016年から10年間にわたって45億ドルを拠出するとしている。

ブレイン・イニシアティブの中に「MICrONS(Machine Intelligence from Cortical Networks)」というプロジェクトが設けられ、手始めに、ネズミの脳1立方ミリメートルの配線状態を完全に読み出すことを計画している。これだけで1億ドルかかる。

現時点ではまだコンピュータの計算パワーが追いついていないけれど、もう数年もすれば、脳と同じ計算をシミュレーションすることが可能な程度にまで性能が上がってくる。脳の配線状態の呈する機能をコンピュータに移植したとき、そこには意識が宿るのだろうか。

意識の謎に迫るアプローチとして、「創発(emergence)」を認めるか認めないかで、流派が大きく二手に分かれる。創発とは、部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として立ち現れる現象のことである。

つまり、脳神経細胞の一個一個は機械のようなものだったとしても、それが大量に集まってできている脳全体は、もはや機械のようなものではなく、個々の総和よりもずっと豊かなものになっていてもおかしくないでしょ、と言っている。

創発的な現象が起きるのは、脳から意識が生じる場合に限られたことではない。例えば、蟻の群れ。蟻はよく一列縦隊をなして出歩くが、一匹では越えられない深い溝に行く手を阻まれると、自分たちを材料にして橋をかけることがある。

リーダーの頭の中に橋の設計図が描かれており、お前はそこへ行け、お前はあっちへ行け、と号令をかける。……のではない。一匹の蟻がそんなに頭がいいようにはみえない。それぞれが自主的に部品になりにいき、だんだんと橋が形をなしていくのである。

橋をかけようと意思決定したのは誰なのか。設計図は誰が持っているのか。個々の蟻ではなく、まるで蟻の集団に知能が生じたかのようにみえる。どうも創発現象っぽい。

池上高志氏(東京大学大学院情報学環教授)の飛ぶ鳥の群れのシミュレーションは、見事な創発現象を動画で可視化してくれている。

また、たとえば、『もし唯物論が正しければ、アメリカという国に意識が宿っているかもしれない』という論文が2015年に発表されている。
http://faculty.ucr.edu/%7Eeschwitz/SchwitzAbs/USAconscious.htm


会社組織にたとえるなら、一人一人の社員がたとえボンクラであったとしても、社員間の情報流通のネットワークが効率よく張りめぐらされていれば、会社全体としては賢い意思決定ができるということだ。

また、脳神経細胞にこいつがボスの役目を果たしているというのがなく、蟻の隊列に現場監督がいないのと同様、リーダーは必要なくなる。社長の座には、猫でも据えておけばよい。ツリー構造の情報伝達って、あまり創発的ではないのだ。

つまり、創発が生じるメカニズムを徹底的に研究して解明すれば、意識の謎が解けるばかりでなく、いろいろな現象に説明がつくことになるかもしれず、ひいては組織論や社会体制論に応用が効くかもしれない。首相や大統領ももう猫でいいんじゃないかな?

物質の世界だと、量子的な怪奇現象を別にすれば、質量やエネルギーが湧いてきたり消滅したりしないので、1足す1が2になるような数学が有用だ。一方、情報の世界だと、分からなさの量を測る指標にエントロピーというのがある。

情報を獲得すると、その分だけエントロピーが減少するのだが、獲得した複数の情報を総合することによって、それぞれの情報量の総和以上にエントロピーが減少する現象が往々にして起きる。1足す1が2 よりも大きくなるようなことが起きるのだ。創発現象の根っこはここにあるのではあるまいか。

その線に沿った基礎理論として、カール・フリストン氏の「自由エネルギー原理」とジュリオ・トノーニ氏の「統合情報理論」が有力だ。両者は競合しあうものではない。人工意識を作ることに前者が関わり、そこにどれほどの大きさの意識が宿っているのかを測ることに後者が関わる。

では、この路線の先に、機械が主体的な動機から小説を書いたり絵を描いたり作曲したり人類を支配したりする世界が開けるだろうか。創発を研究してもしても意識の謎が解明されずに行き詰った場合、非創発路線へ転換するしかなくなる。

そっちはまだ、茫洋とした仮説があるばかりで、どうにもこうにもとっかかりがない。

ロジャー・ペンローズ氏は、量子脳説を唱えた。ゲーデルの不完全性定理(量子物理学の不確定性原理ではない、数学のやつ)まで持ち出してくるあたり、なんだか天才っぽい。

しかし、この説はスティーヴン・ホーキング氏からけちょんけちょんにけなされている。ちなみに、コテコテの還元主義者を自称するホーキング氏は、死後にあの世に行くとは思っておらず、死んだらそれでオシマイと思っていたフシがある。ご冥福を祈ろうにも、ないと言われちゃしょうがない。

意識の謎は、科学的にアプローチできるようになってきたとは言え、見た目以上に奥が深くて、扉をひとつ開けてもその奥にまた別の扉が立ちはだかり、結局、解けるまでにあと300年ぐらいかかるのではなかろうかと、私はにらんでいる。

ともあれ、創発研究のジャンルがこのところ急激に活性化してきていることは、意に留めておいてよいと思う。

前置きが長くなった。


【JST CREST について】

しかし、前置きはまだ続く。JSTのCRESTとは何か。

「科学技術振興機構(Japan Science and Technology Agency;JST)」は科学技術振興を目的として設立された文部科学省所管の国立研究開発法人である。
https://www.jst.go.jp/


国の科学技術基本計画を推進するために中核的な役割を担い、戦略の立案、研究開発の推進をはじめ、科学技術イノベーションの推進に関わる幅広い事業を展開している。

JSTは、その事業内容を大きく3つのカテゴリに分けている。
1. 未来を共創する研究開発戦略を立てる
2. 知を創造し、経済・社会的価値へ転換する
3. 社会との対話を推進し、人材を育成する

第2のカテゴリがさらに5つの項目に細分化されている。
2-1. 研究開発の推進
2-2. 人材・知・資金の好循環システムの構築
2-3. 国際化の推進
2-4. 情報基盤の強化
2-5. 革新的新技術研究開発の推進

第1の項目の下が下記のようになっている。
2-1-1. 未来社会創造事業
2-1-2. 戦略的創造研究推進事業
2-1-2-1. 新技術シーズ創出(CREST、さきがけ、ERATO、ACCEL)
2-1-2-2. 先端的低炭素化技術開発(ALCA)
2-1-2-3. 社会技術研究開発(RISTEX)

深い階層を掘ったらやっと出てきたCREST。なお、シーズとは長毛の小型犬のことではなく、種(seeds)を指す。ニーズ(needs)が顧客の要望に応じて提供される製品やサービスであるのに対し、シーズはメーカーや企業などの供給側から自主的に開発することによって、消費者に提供されるようになる技術・材料・サービスである。

で、シーズ創出の具体的な支援策として、4つのプログラムを掲げる。

2-1-2-1-1. CREST
科学技術イノベーションにつながる卓越した成果を生み出すネットワーク型基礎研究(チーム型)。5年以内。チームあたり総額1.5〜5億円程度。

2-1-2-1-2. さきがけ
上と同じだが、個人型。3年。課題あたり総額3〜4,000万円程度。

2-1-2-1-3. ERATO
卓越したリーダーによる独創的な戦略的基礎研究。約5年。プロジェクトあたり総額12億円。

2-1-2-1-4. ACCEL
トップサイエンスからトップイノベーションを生み出す。5年以内。課題あたり年額数千万円〜3億円程度。

では、CRESTの中身を見てみよう。
https://www.jst.go.jp/kisoken/crest/index.html


研究対象領域が大きく4つに区分けされており、各領域がさらにサブジャンルに分かれている。

・グリーンイノベーション
・ライフイノベーション
・ナノテクノロジー・材料
・情報通信技術

情報通信技術の下には、8つのサブジャンルがある。

[共生インタラクション] 人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開

[人工知能] イノベーション創発に資する人工知能基盤技術の創出と統合化

[数理モデリング] 現代の数理科学と連携するモデリング手法の構築

[知的情報処理] 人間と調和した創造的協働を実現する知的情報処理システムの構築

[ビッグデータ応用] 科学的発見・社会的課題解決に向けた各分野のビッグデータ利活用推進のための次世代アプリケーション技術の創出・高度化

[ビッグデータ基盤] ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化

[EMS] 分散協調型エネルギー管理システム構築のための理論及び基盤技術の創出と融合展開

[ポストペタスケール] ポストペタスケール高性能計算に資するシステムソフトウェア技術の創出

本件は [共生インタラクション] に属する。2017年度(平成29年度)に立ちあがったばかりでまだ1年経っていない新鮮味のあるサブジャンルで、間瀬健二氏(名古屋大学大学院情報学研究科教授)が研究総括を務める。

平成29年度には、5つの研究テーマが採択された。
・データ駆動型知的情報システムの理解・制御のためのインタラクション
 代表:五十嵐健夫(東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授)
・街角環境で共生するロボットのインタラクション基盤技術
 代表:神田崇行(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)
・技能獲得メカニズムの原理解明および獲得支援システムへの展開
 代表:小池英樹(東京工業大学情報理工学院 教授)
・脳領域/個体/集団間のインタラクション創発原理の解明と適用
 代表:津田一郎(中部大学創発学術院教授)
・「優しい介護」インタラクションの計算的・脳科学的解明
 代表:中澤篤志(京都大学大学院情報学研究科准教授)

本件は、津田氏の率いる研究チームの5.5か年計画のうち、半年が経過した段階で開催されたキックオフ・シンポジウムである。

なお、私の個人的感覚で、この研究テーマと近いところにもうひとつ別のテーマがある。

「神経科学の公理的計算論と工学の構成論の融合による人工意識の構築とその実生活空間への実装」である。代表者は金井良太氏 (株式会社アラヤ代表取締役)で、2015年度(平成27年度)に採択されている。

テーマ名の字面だけ追っていると似ても似つかないようにみえるかもしれないが、これも、脳から意識が湧いてくる原理を創発説の立場から解明しようとするもので、狙いは近いところにある。

近いのに、属するサブジャンルが異なり、[知的情報処理] となっているのは、採択時点でまだ [共生インタラクション] が立ちあがっていなかったので、しかたがない。

もちろん、研究内容が重複していてはよろしくないのだが、実際にはそんなことはない。アプローチの方向性が異なるので、中身はまったく別物である。ただ、意識の創発原理をどっちが先に発見するかという点においては、競合しあうかもしれない。

前置きが長くなった。


【ケバヤシが聴講する狙い】

この研究プロジェクト、タイトルを見るだけでよだれが出るくらいおいしそうだ。『脳領域/個体/集団間のインタラクション創発原理の解明と適用』。じゅるり……。

「脳」と「創発」というキーワードが入っていて、アレのことだな、とすぐにピンとくる。しかも、「原理の解明」とあるので、あの難物である意識の謎の根っこのところにアタックする気だな、というのが読み取れる。

インタラクション(interaction)とは、相互作用である。創発が起きるためには、系全体として情報の統合が起きるような効率よい情報流通のネットワークが必要なので、これはもちろんそうだよね、というキーワード。

「脳領域/個体/集団間の」というところがまたおいしい。脳神経細胞のシナプス結合ネットワークの構造を、蟻の群れや人の集団に置き換えて考えるなら、脳以外のところにも意識が宿っている可能性があるよね、というアレを示唆しているに違いないのだ。

「と適用」は、タコツボに引きこもって研究だけやっているのではなく、出てきた成果を最終的には社会に還元して役立てる気がありますよ、という姿勢を示して予算を取るためのおまじないなので、どうでもいい。

問い自体は普遍的なものであるが、これにどの方向からアプローチをかけるかによって、研究プロジェクトの特色が現れる。このプロジェクトでは、基盤的なコンセプトとして「拘束条件つき自己組織化」を掲げる。これは耳慣れない。

「システム全体に環境からの拘束がかかった上での部品間のインタラクションにより、部品レベルで、あるいは、部分システムレベルで新たな機能が発現(機能分化)することがわかりつつあります」とある。

食わなきゃ生きられない。他者に食われないように逃げるなり戦うなりしてわが身を守らなくてはならない。そういったもろもろの環境からの制約に対し、自分が適応すべく、内部構成を調整していくプロセスにおいて、構成要素の機能分化が創発的に起きるってことかな?

ものすごく気になる。理解できるかどうかはともかく、概略だけでも把握しておきたい。


【内容】

●津田一郎「創発脳科学の数理: 拘束条件付き自己組織化理論」

□核となるアイデア

脳のネットワーク構造を参考にして、機能分化の数理モデルを構築したい。

「拘束条件によってシステムやサブシステムが形成される」ことを仮説として掲げているところが、従来の自己組織化理論を発展させるポイントになる。

□5.5年での達成イメージ

5.5年のうち、すでに半年経っている。

機能分化し、即時適応する人工エージェントの設計原理から、アウトプットとして目指すのは:
(1)個性を尊重したインタラクション
(2)コミュニティ間の情報伝達を促す社会デザイン

□創発インタラクションの必須概念

・自律性
・万能性
・インタラクション、自己言及
・アフォーダンスへのアテンション
・時間、現存在
・解釈機能
・仮説生成

□質疑

創発の原理解明を狙いとして掲げているのに、ジュリオ・トノーニ氏の「統合情報理論」にまったく触れられなかったことについて、質問してみた。

アプローチとして、カール・フリストン氏の「自由エネルギー原理」に近いとのこと。トノーニ氏の理論は関連があるけれど「個人的に好きではない」ので、あえて触れなかったとのこと。

●河合祐司「構成的神経科学:身体と脳のインタラクションがもたらすニュー
ロンの機能分化」

□「脳身問題」

蛇の動きのシミュレーション。0から1までの実数値をとるパラメタαを設ける
・α = 0:脳から身体へ一方的に指令を送る
・α = 1:脳なしに、身体だけで勝手に動いている
・中間:脳と身体がインタラクションしている

シミュレーションによって生じる蛇の動きには、数種類の定常パターンがある。最初はランダムな動きをしていても、次第に定常パターンのひとつへと引き込まれていく。この定常的引き込みパターンがカオス理論における「アトラクター」である。

しかし、ある時点でひとつの定常パターンを抜け出して、別の定常パターンへと移行する現象がみられる。またしばらくするとそこからも抜け出して、次の定常パターンへと移行する。これが津田氏の提唱する「カオス遍歴」である。

アトラクタの個数は、αが中間的な値をとるとき、大きくなる。つまり、脳と身体とのインタラクションによって、豊かな動きが生成されることが示された。

脳から身体へは動きの指令が送られるが、逆に、身体から脳へ情報が送られることで、脳の適応性が発揮される。結果、身体運動のパターンの創発が生じる。脳と身体との「カップリングシステム」。

●塚田稔「コミュニケーションと情報創生の脳内メカニズム」(招待講演)

□北斎の波

波頭の細かい形状が分かるような、波が静止して見える写真を撮ろうとすると、1/5,000秒のシャッタースピードが必要。撮れた写真の波頭は北斎の絵とそっくり。なぜ北斎は瞬間が見えたのか?

北斎「定規とぶんまわし(コンパス)があればすべて描ける」。フラクタル構造に気がつけば、見えない細部が再現できる。

●菊知、高橋「オシレーションから見る個体脳内ネットワークの機能」

我々が生まれてから成長していく過程において、脳神経系がどんどん発達していくとき、「自我」はどのようにして芽生えるのか? 津田氏は次のような仮説を唱える。

生まれてすぐに自我があるわけではない。お母さんやお父さんや、その他の周りの人たちの話しかけや触れ合い、働きかけがあって、脳神経系が発達していく。これは単に感覚入力が脳に入ってくるというのではなく、周りの人たちの行動や言葉や表情までもが入り込んでくる。

相互作用を通じて脳に宿ってくるものというのは、どうやら最初は他人なのではないか。そこからだんだんと自分というものができていく。

このチームは、それを検証するのが狙いのようだ。

子供の頭のサイズに合わせて、脳磁図(Magnetoencephalography; MEG)計測装置の小型版を製作したのだとか。世界に3〜4台しかないそうだ。さらに、対話している最中の母子の双方の脳の活動状態を同時並行的に計測できるようにもしたという。これは、金沢大学と大阪大学の共同研究による、唯一のものだという。

●松田一希「霊長類の社会創発現象の解明に向けて」

テングザルの群れを観察し、大きな鼻は性選択に有利であることを示した。鼻の大きなオスほど体重が重く、睾丸の容量が大きく、そして、ハーレムのメスの数が多いことが明らかになった。

ナショナルジオグラフィック:
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/022000078/


JST のサイト:
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20180222/index.html


●亀田達也「集合知とインタラクション:実験社会科学的アプローチ」

実験社会学からのアプローチを試みる。19世紀から、心理学において実験が盛んに行われるようになった。20世紀末ごろ、実験経済学、実験政治学、実験哲学などが立ち上がってきた。

実験社会科学について、下記の書籍が出ている。

西條辰義、清水和巳『実験が切り開く21世紀の社会科学(フロンティア実験社会科学)』勁草書房(2014/4/30)

また、下記の書籍が、20世紀の規範的正義論の中で、もっとも大きなインパクトを与えた。規範(〜 べき)から実証(〜 である)へ。

ジョン・ロールズ(著)、川本隆史(翻訳)、福間聡(翻訳)、神島裕子(翻訳)『正義論』紀伊國屋書店;改訂版(2010/11/18)

今後、社会的分配に関わる価値・モラルの分断について検討していく。


【所感】

津田氏は、数理に関する高いセンスと、周辺的な人文系学術の広がりへの豊富な知識との両方を備え合わせている、非常に優れた人物とみえた。

創発原理を解明するためのアプローチとして掲げる「拘束条件付き自己組織化理論」の内容までは、とても理解が及ばない。しかし、自分の興味領域と関連が深そうなので、これからちゃんと追って、理解していかなくてはなるまい。

プロジェクトの中にサルの研究チームや実験社会科学のチームを設置し、人文科学系の研究から創発原理解明のヒントを得たり、応用の方向性を探ったりしようとしているのは、おもしろい特色と思う。

ルネッサンスがなぜ起きたかという問いに対する仮説のひとつとして、「メディチ効果」というのがある。多種多様な分野から専門家を呼び集めることによって、インタラクションからカオス状態が引き起こされ、そこから創造的な空気が生じるというもの。それを狙ったのだと思われる。その試み自体は非常によいと思う。

ただ、内容を聞いた限りにおいては、個別にはそれなりにおもしろい研究だと思うものの、プロジェクト全体の狙いに対して、どのように寄与していきうるのか、いまひとつ見えない感じもした。

津田氏は見かけや立ち居振る舞いに奇矯なところが少しもないにもかかわらず、どこか天才っぽいところがある。たとえば、著書に次のようなものがあるけれど、タイトルからして超越的な香りが漂ってこないだろうか。

津田一郎『カオス的脳観─脳の新しいモデルをめざして』サイエンス社(1990/10/1)

津田 一郎『ダイナミックな脳─カオス的解釈』岩波書店(2002/3/25)

津田一郎(著)、北海道大学数学連携研究センター(編集)『脳のなかに数学を見る(連携する数学 1)』共立出版(2016/7/22)

津田一郎『心はすべて数学である』文藝春秋(2015/12/9)

いやはや、「心はすべて数学である」なんてフレーズ、凡人にはぜったいに思い浮かびませんぜ。シンポジウム以降、この著書を読んでみたのだが、「ぎゃっ!」と叫ぶことが何度もあった。その箇所を少し抜き出してみよう。

「現代の脳神経科学が主に立脚しているのは、次の二つです。すなわち、エピキュロスやホッブスがとった、心は脳の物質的状態に還元でき、物理学の概念で説明できるとする還元論的唯物論、あるいはダーウィンがとった、心は進化するにつれて新たな性質を持つようになる脳の諸活動の集合である、とする創発的唯物論の立場です。

しかし、私はむしろ逆に、心が脳を表していると考えています。脳の活動の原因は心のほうにあるのではないか」。えっ? 因果関係が逆なの?

「私が研究してきたカオスとは何かを説明する中で、「ゲーデルの不完全性定理」がなぜ「数学は心である」という考えに関係してくるのかに触れてみましょう」。うわっ。ロジャー・ペンローズ氏が持ち出してきたあの定理を、あなたも持ち出してくるんですかい?

「システムに、あるマクロな拘束条件があって、この拘束条件を満たす形(何らかの量を最大にしたり最小にしたりすること)でシステムが組織されていったときに、そこに部品(あるいは成分)ができてくる、と考えて機能分化のモデルを作り、真の機構を明らかにしようとしているのです。部品とはシステムの中に入ったときに働くけれども、外に取り出したら何の意味もないもの。システムの中でこそ意味のあるものです」。ここが津田氏の教えの中核とみえる。

「たとえ決定論的であっても、そこにカオスが内在していれば偶然性(ランダムネス)が生まれてくる、つまり自由意志が生まれてくるのです。脳の中にカオスが生じることによって私たちの心に自由度が与えられます。すべてが決定されたかに思えても、心は無限に解放され判断の自由を獲得します。

だから、カオスが心と関係していると考えられる。脳の中にカオス的なものがあれば、自由意志が存在すると言える。そうして記憶や想像力といった心にまつわる脳の働きが生まれることも説明ができるでしょう。みんなが思っている“心”というものの働きの一部は、カオスがあることで説明ができるのです」。

なにっ?! さっぱり理解できない。ベンジャミン・リベット氏の『マインド・タイム』に記述されているあの苦悩に対する出口を提示する仮説なのは分かるけど。目新しすぎて、めまいがするぞっ。

あともうひとつ。シンポジウムでの質問に対する回答が、時を遡って著書に書いてあった。どんな魔法? 「ジュリオ・トノーニという実験脳神経科学者は意識を数式で書くことができるといって、実際にその式を示しています。

しかし、その式によって本当に意識の働きを描けているのかというと、きわめて疑問です。その内実はただの記号の羅列にも等しく、ほとんど「寿限無寿限無」と言っているのと変わらない印象です」。なんとっ!

松岡正剛氏の『千夜千冊』の第107夜に、『カオス的脳観』が取り上げられている。
http://1000ya.isis.ne.jp/0107.html


「ぼくは、京大の富田和久研究室に学んで、日本で最初のカオス学ともいうべきを確立した津田一郎は天才なんだとおもっている。彼はぼくの元麻布の家に泊まって一夜をあかし、朝まで話しこんだ。ああ、世の中に天才っているんだとおもったのは、このときが初めてだった」。おおお! やっぱ天才じゃん!

一介の変態にすぎない私に天才の考えがどこまで理解できるか分からないが、なにしろずっと自分を縛りつけているテーマなので、これからがんばって吸収していきたい。


【おまけ】

リアル集会所@味処富士屋 @real_shukaijo_F
硬めな研究集会に来たらあの人がw

快く写真に応じていただいた上にどこに掲載しても良いとおっしゃってくださいました!
13:02 - 2018年3月5日

写真:
https://photos.app.goo.gl/aUaloElg4nJ1kfxJ3


リアル集会所@味処富士屋 @real_shukaijo_F
名刺もらったけど、日本人なら一度はお世話になってる企業のお偉いさんで、暇を持て余した神々の遊びなんだなぁ…。22:08 - 2018年3月5日

キノコ元帥 MHW @MMM_knc
返信先: @real_shukaijo_Fさん

あれ?!いつも着てるのに今日に限ってセーラー着てないとか何してるんですか!!? 併せして下さいよ!!
16:05 - 2018年3月5日

リアル集会所@味処富士屋 @real_shukaijo_F
返信先: @MMM_kncさん

本人を目の前にしてわかりました。セーラー服おじさんのあれはただの服じゃないですね。なんかの神衣なんじゃないかと思います。流石に戦意喪失しましたよ。
16:15 - 2018年3月5日


【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。
http://www.growhair-jk.com/


《シュルレアリスム×ダダイズムの論戦》

3月11日(日)、松田卓也氏(神戸大学名誉教授)の主催する『シンギュラリティサロン @東京 第26回公開講演会』が開催され、聴講してきた。
https://peatix.com/event/351900


この回はアートがテーマで、講演者は中野圭氏と中ザワヒデキ氏。私にとっては不案内な領域なのだけど、もしかして危険な取り合わせだったの? パネルディスカッションでは、いい感じにバトっていた。

中ザワ氏のスライド:
https://www.slideshare.net/HidekiNakazawa/ss-90856055



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編集後記(03/23)

●石平「習近平の終身独裁で始まる中国の大暗黒時代」を読んだ(2017/徳間書店)。5年間にわたる習近平の足跡を辿り、2期目の習近平政権の布陣と「習近平思想」を検証して、今後の中国の行方を読み解く。筆者も一時は、習近平をとんでもないスケールと力を持つ、稀有の大政治家かもしれないと思っていた。

後になって、紫禁城を案内する習近平が、トランプに一瞥されてポケットから両手を出した映像を眺めていると、やはりこの人は覇気のない小心者としか思えなかったという。このみっともない映像にわたしも笑った。平凡にしてたいした器量のない男である。それがどうして大国の強力な独裁者になり得たのか。その力の源泉と秘密はいったいどこにあるのか。興味津々の成功物語を読む。

共産党の党規約や憲法には、総書記や国家主席は2期以上は続けられないと明記されているのだが、2016年の第18期6中全会において「習近平同志を核心とする党中央」という表現を盛り込ませ、自らを党の核心として位置づけさせることに成功した。党内の権威・権力を掌握すれば、もうやりたい放題なのだ。

建国の父である毛沢東と並ぶ「偉大な」指導者となった習近平が、党規約や憲法を改正するのは難しいことではない。習近平は2022年の党大会でも引退せず、次の3期目5年間も居座り続ける。しかも、5年後、10年後の後継者候補を意図的に外した。ポスト習近平は不在なのだ。少なくとも4期、できれば終身その地位にいたいという思惑である。とんでもない強欲な独裁者ができあがった。

要するに、中国共産党は習近平の私物と化し、「習近平党」になるということである。そして世代交代による新陳代謝は停止し、まともに仕事をする者がいなくなる。誰も習近平を止められない。いまや、絶対的な指導者どころかほとんど神扱いである。「習近平総書記を党の核心として確立することが歴史の正しい選択であり、これは我が党全体と人民の共通した心の声」と人民日報。

マスコミは習近平への提灯評論ばかり。習近平が単なる政治的指導者にとどまらず、思想的指導者となった。そして習近平が毛沢東からマルクス思想を受け継いだという話になった(笑)。習近平は政治も経済も外交もすべてを指導する全知全能の指導者であり、マルクスを代弁し、中国を代弁するンだって(大ウソ)。毛沢東時代の個人独裁と恐怖政治が再び甦ろうとしている(事実)。

毛沢東は82歳で死ぬまで権力を保持し、トウ小平は85歳まで党中央軍事委員会主席を務めた。習近平はそれくらい、あるいはそれ以上の権力保持を狙っているはずだ。習近平は、人民解放軍の建軍100周年にあたる2027年の時点で74歳、社会主義の現代化を実現させるとしている2035年で82歳、中華人民共和国の建国100周年は2049年で、このとき96歳。それまで生きてるつもりらしい。

「どこまで続けられるかは分らないが、長期政権を続ければ続けるほど、中国は活力を失っていくだろう。日本の立場からすれば、経済的には競合相手が自滅していくという利点はあるかもしれない。しかし、軍事的な冒険主義が高まるという点において危険性が増してくる。そのことを警戒しなければならない」。

国民の不満は積もり積もっている。年間で20万件近い暴動が起きている。政府は大衆の不満が、何らかの政治問題に向かって集中的に爆発してしまうことを恐れる。そうなったとき、あるいはそうなる前に、政府は何らかの対外紛争を起こし国民の目を外にそらすという「必殺の剣」を抜く。日本に?(柴田)

石平「習近平の終身独裁で始まる中国の大暗黒時代」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198645132/dgcrcom-22/



●修理シリーズ、冷蔵庫の製氷機能続き。その間に冷蔵庫内の給水タンクまわりの水を布巾で吸い取る。これが給水タンクから漏れているのかはわからず。しばらくして見ると、微妙に湿っていて、何度も拭くことになった。

製氷皿のない製氷室を覗くと、つららができていた。給水タンクははずしてあるが、給水パイプの中に水が残っていたようだ。

しかし今になってつららができるってことは、たぶん給水パイプ内が凍り、行き場のない水が冷蔵庫内にあふれていたパターン。溶けてきているのなら、しばらく放置しなければなるまい。時間を置いて、つららを折り、吸水し、を繰り返した。続く。 (hammer.mule)

東芝の冷蔵庫の製氷機を分解、修理 GR40
https://ameblo.jp/iop/entry-11975746455.html

たぶんこっちのパターン

冷蔵庫の製氷器からの水漏れ?
https://okwave.jp/qa/q8274167.html

機種や場所は違うけれど、こんな感じのつららが