3Dプリンター奮闘記[105]人物まるごと3Dスキャナーを導入
── 織田隆治 ──

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お久しぶりです。ちょっと…というか、かなり年度末の仕事がたて込んでしまい、体調を崩したりしてもう大変でした。さて、まだ頭が回らないんですが、ちょっと近況を。

去年から今年にかけて、新しい光造形のプリンターがたくさん出て来ました。これ、やっぱり特許がらみなんでしょうね。

安価で良さげな光造形もあって、ちょっと欲しいな〜とも思いますね。最近では、熱融解式プリンターもかなり安くて良いものが出て来ました。この状況で、一般に普及するのはやっぱりまだ先ですね。





以前にも少し書いたと思いますが、3Dプリンターを使うには、3Dデータの作成という必須条件の敷居が、まだまだ一般には高いんですよね。

モデリングができないと、やっぱり3Dプリンターの楽しさ、便利さってのは実感できないんですよね。そこで、今後3Dスキャナーの発展がキーになると思います。

3Dスキャンで、まず一般に普及しそうなのが、フォトスキャンです。これは、360度、色々な角度から撮影した写真データを元にし、その沢山の写真から類似点を探し、その点群データを線で結び、立体を作成する手法です。

これは、実は結構前からソフトがありまして、昔はストラタという3Dソフトの派生で、写真から3Dデータを作るソフトがありました。

このフォトスキャンの手法以外にも、レーザーを使った3Dスキャンなどがありますが、なんせまだまだ高価なものなんですね。

3Dスキャナーで一番難しいところは、フォトスキャンにしろ、レーザーにしろ、スキャンした後の点群データを、いかに上手く繋いでポリゴンにするか? ということに尽きます。

3Dスキャナーには、そのためのソフトウェアが必ず着いて来るわけですが、まだこのソフトがかなり高価なんですね。

3Dプリンターで使う、Gコードと呼ばれるスライスデータを作るソフトも、今ではかなり沢山あって、そうとう安価になっています。

3Dプリンターに付いて来るソフトですね。無料のソフトもあり、今ではずいぶん充実しています。

ところが、3Dスキャンのデータを解析して3Dデータを作るソフトは、本当にピンキリで、安価なソフトはあまりうまくデータを作成してくれません。良いソフトは、やはりまだまだ高価ですね。

まあ、スライスデータを作るのと、点群データから立体を作成するのとでは、その難しさはかなり違うものなので、一概に比べることはできないとは思いますが、ソフトがもっと良くなり、安くなれば、3Dスキャンももっと一般的になるんでしょうね。

また、3Dスキャンしただけのデータは、隠れている部分が出て来ることがほとんどで、そこに穴が空いています。そこを、後で手作業で埋めて行くようなこともしないといけないんですよね。

その工程が、またかなり面倒な作業で、そこをうまく繋いでくれるソフトも今後出て来ることを期待しています。

そうすることで、もっと気軽に3Dスキャンしたデータを使って、誰もが3Dプリンターで立体化するという楽しい制作ができるようになります。

スキャンすること自体は、今ではiPhoneやiPadといった身近なもので行えるソフトやハードが出ています。

スキャン自体は安易に行えるんですけどね。その後のソフトが、まだまだ開発ができていない気がします。

先にも書きましたが、点群データを繋いで作った3Dデータは、ポリゴンという三角や四角の板から出来ています。これが細かいと滑らかな表面を持つことができます。

しかし、あまりに細かいデータはデータ量が重くなりますし、後からの加工が非常に面倒なんですね。

そこで、その細かいポリゴンをきれいに整理し直して、もっと扱い易いデータにする必要があります。一般的にはポリゴンリダクションといって、形状を崩さずに、いかにポリゴン数を減らすかがポイントです。

これもまだまだ高価なんですよねぇ。。。

一般の方が3Dスキャナーや3Dプリンターを使うには、このスキャン>データ整理という段階を、もっと安価で簡単にできるようにしないといけないですね。今後の発展に期待しています。

さて、その3Dスキャナー。うちも導入しました。人物まるごとスキャンできるものです。

多分ですが、現在、全身撮影の3Dスキャナーを入れているのは、大阪市内ではうちだけじゃないかと思います。

まだまだ利用する方も少ないですが、これからももっと普及するように、頑張って維持しようと思っています(笑)

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ではでは!


【織田隆治】
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