[4589] アナログとデジタルの混沌たる学園◇中学生の僕がほしかったモノ

投稿:  著者:  読了時間:17分(本文:約8,200文字)



《お金より時間が惜しくなってる》

■ネタを訪ねて三万歩[159]
 アナログとデジタルの混沌たる学園
 海津ヨシノリ

■グラフィック薄氷大魔王[569]
 「Mini Moogと中学生の僕がほしかったモノ」「新しい音楽」
 吉井 宏




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■ネタを訪ねて三万歩[159]
アナログとデジタルの混沌たる学園

海津ヨシノリ
http://bn.dgcr.com/archives/20180620110200.html
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突然始めてしまったTwitterは、友人達のフォローで無事に離陸できたという感じです。ありがたいことです。Facebookとは被らない方向性も見えてきたので、後は継続ですね。

ただ……Facebookの友人達が誰だか分からないことが多く、少々困惑中。ちなみに、ずいぶん前から色々とお誘いは受けているのですが、Instagramはまだ無理かも。一度に色々出来ないので。

実はLinkedInが現状放置プレーに近い有様になっています。設置した以上、ある程度アクティブになりたいのですが、うまくいきません。SNSは相性がありますね。確実に。

とにかく、ある程度慣れるまでには、もう少し時間が掛かりそうです。そういえば、FacebookもTwitterと同様に5月に唐突に始めていました。ということは、数年内の5月にInstagram……かな?

●付箋やクリアファイルの大量消費

さて、デジタル処理のカオスで暮らしているのに、アナログの付箋やクリアファイルの消費が半端ないです。これは大学に関わっているからなのですが、とにかく法外というべき消費量です。

クリアファイルは提出書類やコピーするための原稿など、バッグの中でクチャクチャにならないための防衛策のような感じです。

また、PDF化した書類の元を一定期間保管しているので、それための分類にも使っていて、本当にすさまじいことになっています。

変わった用途としては、資料を製本するときの表紙にしたりしています。コピー用紙を束ねるので、表紙は丈夫でないと破けてしまいますからね。

片や付箋の用途で一番多いのは、学生の名前を記載すること。答案用紙を戻すときに、名前を読み間違えないように貼り付け、渡すときに剥がすことが一番の用途です。

例えば、難しい名字ではなくても、読み方が複数ある場合がネックです。角田(すみだ/かくた/つのだ)、新谷(あらや/しんたに)、中嶋(なかじま/なかしま)と、日本語は本当に難しいですからね。

このことは、私自身の姓が正しく読んでもらえないことも影響しています。私は「かいづ」なのですが、読み方は「うみつ/かいつ/うめづ」とバラエティー豊かです。

勘違いと言えば、遂にパーキングの自動支払機で躓いてしまいました。見たこともない機械で、駐車番号をどう入れていいのか? 精算のボタンは何処? で、5分ほど悪戦苦闘していたら、次の人が来たので譲って指導を仰ぎました。

若い方でしたが親切に教えてくれたので、本当に助かりました。で、私が感じたのは……「このインターフェースを考えた人はバカでしょ」かな。それとも私が大馬鹿なのかな?

街中にはインターフェースが意味不明な、罰ゲームみたいのがが本当に多いですからね。代表的なのは、セブンイレブンのコーヒーメーカーの失敗例が有名ですね。

●ワカランチンの先生方

デザインは本当に大切です。実は各大学では、ポータルサイトを利用して各種連絡事項だけでなく、成績を付けたり、出席を確認したりと色々大変なのです。

そして、大学で使われているシステムは、どうやら2種類(2メーカー)しかないようで、多くの大学はその2種類のアレンジでした。

少なくとも、私が今までに関わた大学はすべてこれに該当していましたし、しかるべき方からも同様の話を伺っています。

肝心のインターフェースは、お世辞にも使いやすいとは言えませんが、メチャクチャというわけでもありません。トータル的には及第点と言ったところでしょうか。一度マニュアルを読めば理解できましたので。

ところが、試験期間になると各大学では、かなりのページ数のマニュアルを一斉に配布してくれます。資源の無駄だと思っていましたが、ワカランチンの先生方が実はかなり多く、大学側が頭を抱えているのが実情なのです。

オンラインで採点できない先生が、いるのです。お爺ちゃんじゃなくて……。それじゃ、学生に指導なんてできないですよね。

控え室で「私はメールが使えないって言ったでしょ!」と、意味不明の雄叫びを上げている先生方を時々見掛けて、ドン引きしています。コピー機の操作も怪しい先生がいます。

講師控え室で御世話係とでも言うべき職員の方は、まさに介護士そのもので、その激務に同情すら覚えてしまいます。いや、完全に養護施設のような雰囲気すら、感じてしまうことがあります。

とにかく、必要ない人には配布しないように、確認した方がいいと思うのですが……。それと各種連絡事項は、プリント配布ではなくて、もうネットで充分だと思うのですが、なかなか実現しません。郵送料も馬鹿にならないと思うのですが……。

だって、ポータルにアクセスすればマニュアルを読むことができるのですから。あっ、そのポータルにアクセスできないのか……それじゃ完全にオワコンですね。残念(「ギター侍」って今どこに?)。

今回は少し愚痴ってしまいましたが、もちろん謎の不思議チャン系の先生は、ほんの一握りです。沢山いたらホラー映画になってしまいますから……。


■今月のお気に入りミュージックと映画

"The Hunter's Prayer" on Jonathan Mostow in 2017(USA)

邦題「ザ・ボディガード」。組織から女子高生エラの殺害を依頼された殺し屋ルーカス(サム・ワーシントン)は、彼女を殺すことができず、逆に彼女を守りながら復讐を始めるが、組織によって懸賞金をかけられ、世界中の殺し屋たちの標的とされてしまう。

とてもスリリングなのですが、この映画はラストシーンがとても重要。ネタバレになるので多くは語れませんが、ヒットマンも人間であるコトには変わりがないわけですから……。主演のサム・ワーシントンもさることながら、エマ役のオデイア・ラッシュがとてもキュートでいい演技をしています。

サム・ワーシントン主演『ザ・ボディガード』予告


"Pachelbel's Canon" by Johann Pachelbel, about 1680(FRG)

ヨハン・パッヘルベルのカノン。ちょっと著作の件で色々あって、お疲れ気味の私には今はこれが一番心地よいです。

跡見学園女子大学で、昨年から音楽制作の授業を担当しているのですが、TA(Teaching Assistant)の方に、私の音楽のベースはクラシックだと指摘されて納得してしまいました。大好きなプログレッシブロックも、クラシックがベースみたいな感じですし……なるほどです。

Canon(Pachelbel)パッへルベルのカノン



【海津ヨシノリ】
グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
http://www.kaizu.com
http://kaizu-blog.blogspot.com
https://www.Facebook.com/yoshinori.kaizu
https://twitter.com/Yoshinori_Kaizu

某日、駿河台大学へ向かうために、池袋から西武池袋線の急行にて飯能を目指したはずだったのに……ウツラウツラしていたら、いつの間にか豊島園に着いてしまって呆然。

慌てて練馬に戻り、乗り換えてギリセーフでしたが、思い込みで電車乗っちゃダメですね〜。今まで一度もこんなミスはなかったのです。

駆け込み乗車はしていません。完全に思い込みでした。どうりで空いていると……。とにかく電車に乗るときは、進行方向に対していつも座る側を同じにしないと、勘違いしてしまうことは多々経験しています。

■7月の画像処理セッションは7月19日を予定しています。
〜Photoshopの復習【応用力が付く素材作り】〜
詳しくは以下でご確認下さい。
https://www.borndigital.co.jp/seminar/

5月から8月まで近著の連動企画です。参加は無料で、どなたでも参加できます。詳しくは、以下のサイトでご確認下さい。なお、事前登録はありませんので、開始時間前に直接会場にお越しください。

・海津流デジタルコンテンツ作成術(仮題)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862464157

講演内容:今回は8月刊行予定の著書で扱っている、Photoshop内容の中から素材作りにポイントを絞り、プラスアルファの内容で解説してみます。マルチな機能を持ち合わせているPhotoshopの面白さを、素材作りでも楽しみましょう。

・Illustratorとの連携
・意外と便利なシンプルフィルタ
・素材は身の回りから
・極端なサイズ調整

※諸般の事情で出版が8月にズレ込みました。また、タイトルも現時点ではまだ確定ではありません。


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■グラフィック薄氷大魔王[569]
「Mini Moogと中学生の僕がほしかったモノ」「新しい音楽」

吉井 宏
http://bn.dgcr.com/archives/20180620110100.html
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●Mini Moogと中学生の僕がほしかったモノ

1年前のニュースだけど、Mini Moogが復刻されたそう。本物の新品!
http://rittor-music.jp/products/2017/05/60595?ch=sound

学生時代は時間があれば名古屋のヤマハの2階のシンセ売り場に行っては、買えるはずもないこのMini Moogとか、高いポリフォニックシンセとか眺めたり、わけもわからずいじってた。高嶺の花を通り越して夢の世界。

バイトもしてたけど、自分がそれを手に入れるのなんて考えられないような値段だった。10万を切るKORGのMS-20さえ無理と思ってた(友達に安く譲ってもらったMS-10は持ってた)。

こういうモノって、大人になった今なら買えなくもないじゃん?

この復刻Mini Moogは特別に高いけど、たいていの楽器はMacBook Proに較べりゃ安いし。でも、高級シンセを単体で一台手に入れたって、意味ないことくらい学習しちゃったんだよなあ。究極的にはプライベートスタジオと、機材一式を丸ごと用意しないと活かせない。

パソコン上のDTMなら全部、本当に安く一式揃うけど、リアルの機材も信じられないくらい安くなってる。ポリフォニックのアナログシンセや、16chや32chのマルチトラックレコーダーだって、数万円で買えるんだよ!

高い機材をローンで買い込んで苦しんでた、二十代前半の僕が地団駄踏んで悔しがってる。

大人になった今なら、中学頃にほしかったプラモやラジコンだってラクラク買える。そういう趣味を復活してみたい気持ちはないわけじゃないけど、そのための時間を費やすこと考えたら現実的じゃない。

そもそも、お金より時間が惜しくなってる。

で、おもしろかったのが昨年実家に長期滞在して、たくさんの用事をしてたときのこと。いろいろ入り用でお金も使ったんだけど、親父が実費や立て替え分の数万円を渡してくれようとする。

一瞬、感覚がギュルルル〜って昔に戻って驚いた。中学生の僕が突然何万円ももらった感覚というか。思わず「プラモやラジコンが買えるぞ!」ってww (お年玉の数千円以外にそうやってお金をもらったことない)

その何万円を持って、自転車漕いで買いに行く様子がリアルに浮かんでクラクラした。88ミリ砲セットが買える! 四号戦車が買える! フタバの4chプロポだって買える!

「あれ? もうプラモやってないし、模型屋さんもずいぶん前になくなったし」って我に帰って悲しくなったw

●新しい音楽を探さなきゃいけないの?

「ほとんどの人は30歳になるまでに新しい音楽を探さなくなる」英国人対象の調査結果
http://amass.jp/106231/

これも同様の記事。

「新しい音楽を探さなくなる年齢について調べた調査結果が明らかに」
https://nme-jp.com/news/56379/

「探さなくなる危険性」って何w ほとんどの人が探さなくなるのなら、30歳を過ぎて探してる人のほうが危険だw 無理に新しい音楽を追いかけるのは不自然かも。

僕はといえば、「最新の音楽を追っかける」は、昔からほとんどやってない。歌謡曲もロックもフォークもニューミュージックも聴いてなかった。「今流行中の」とか「同時代性」という概念がほとんどなくて、恥をかいたりもした。カラオケ大嫌いだし。

リアルタイムで聴いてたのは、YMO周辺や事務所のFMラジオで流れてた80年代の洋楽くらい。特にPWL関連か。やはり二十代後半までということになる。

最近は、YouTubeやiTunesストアやApple Musicのおかげで、昔から好きな音楽の周辺や前後の時代とか、広く探索するようになった。Apple Music探索中に気になったものは全部「+追加」ボタン。あとで聴いて気に入ったものを残して削除、って感じ。

Apple Musicでは関連やおすすめが表示されるので、そっちへ探索の足が進むこともある。本屋で「偶然手に取った本が大当たり!」と同じ。

なので、僕の中での新曲は50〜80年代の音楽ばかりw エンニオ・モリコーネなんてApple Musicがなかったらちゃんと聴いてないはずだし、セサミストリートの音楽も同様。

ごく最近で言えば、「スイッチト・オン・バッハ」のウェンディ・カルロスから飛び火して、ジョアン・ジルベルトのボサノバを聴くようになったりとかも(カルロスが自らプロデュースを申し出て制作されたのが、「三月の水」という1973年のアルバムだそう)。

っていうか、ちょっと前に「14歳頃に聴いてた音楽で好みは形成される」って話もあった。それが自然ならば、やはり逆らう意味もない。昔から好きな音楽を一生聴くのがやっぱ自然だろう。
http://fnmnl.tv/2018/02/19/47697?articleview=more

僕的には14歳の1976〜77年頃に、何を繰り返し聴いてたかといえば、「JAWS」のサントラ盤やテレビから録音した映画音楽ってことになるな。最近ジョン・ウィリアムスやロン・グッドウィンが、やたら僕の中で存在感を取り戻しつつあるのはそういうわけだったか。


【吉井 宏/イラストレーター】
http://www.yoshii.com
http://yoshii-blog.blogspot.com/

新しいCDが出たら無条件に買ってたといえば、例外的にピチカート・ファイヴがあったな。2001年の解散まで。これもやはり元をたどれば、細野晴臣プロデュースだったからデビューアルバムを買ったんだった。

・スワロフスキー「招き猫」と「HOOT HAPPY BIRTHDAY」も出ました。
https://bit.ly/2qWbmZh

・rinkakインタビュー『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii


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編集後記(06/20)

●流れに乗っていればいい、あまり深く考えなくていい映画を見たい。ということで「96時間」シリーズの3作目、2014/フランスの「96時間/レクイエム」を見た。最初の「96時間」から6年、主演のリーアム・ニーソンも60歳超だから、顔はそれなりに老けている。それでもアクションはまあまあ。今回はだいぶ体力的に無理しているように見えるし、編集の魔術も使っているのだろう。

CIAの元工作員ブライアンは、娘のキムを盲目的に愛している。元妻のレノーアとも縒りを戻したいような雰囲気もあり、なぜアメリカ人の夫婦関係ってこんなふうに病んでいるんだ。レノーアは再婚相手・スチュアートと破局を迎えている。驚いたのは、最初の設定だった初老の大富豪が、バリバリ会社経営する中年男に代わっていたところだ。役者も代わったから、誰? この人?

「96時間/リベンジ」で、襲撃側のボスが「息子があと二人いる」と言っていたので、その二人が来る話かと思ったら全然違った。レノーアがブライアンの家のベッドで殺されていた。(誰かの)手回しよく、警察が踏み込む。ブライアンは下水溝を伝って逃亡する。ブライアンはレノーアの携帯の着信履歴や、車のGPSデータを取得して彼女の行動をトレースする。お得意のテクである。

ブライアンはいったん逮捕されるが脱走。パトカーを暴走させつつ警察データを入手する。気前よく多くの車を破壊し、果ては立体駐車場から落下させて大爆発させる。だが、本人の脱出シーンがないので嘘っぽい。もうひとつの崖落下シーンでは、弁解じみた脱出シーンがついていたのだが。まあ、いいか。やり手との設定で、事件担当のドッツラー刑事が出てくるが、物語の解釈役だ。

警察データの分析は元CIA仲間に任せ(今回はチームワークらしきものがある)、キムの通う大学に行くブライアン。ドッツラー刑事らが追う。「逃亡者」チックな展開であるが、たいしてスリリングではない。なんかご都合主義が漂う。ブライアンは車で襲ってきた4人の男を、逆襲して殺す。酒庫の派手な乱闘。

ブライアンを狙ったのはスチュアートだと判明する。彼を拉致して手荒な尋問をする。悪相だが大物感はまるでないこの男は、ロシア系マフィア・マランコフに借金があり、それでレノーアが殺されたのだろうと言うが説得力がない。ブライアンにしてはつめが甘過ぎる。彼はマランコフのアジトに乗り込む。

ハイテクガチガチなのを難なく突破し、ボディーガードを全部始末し、マランコフも倒す。ところが、本当の黒幕はスチュアートだと知る。レノーアには多額の保険金がかけられていた。もしかしたら、という最低の予想通りだ。スチュアートはキムを人質にとって、自家用ジェットで逃亡しようとする。

ポルシェで追うブライアン、離陸寸前のジェットに車をぶつけて強引に止める。金がかかった見せ場だ。ブライアンの、そこまでするかの容赦ない殺しがこのシリーズの肝であったはずだが、やたら説明的、つじつまあわせになってつまらないこと夥しい。アメリカ国内の、殺人・傷害であるのに、ブライアンは逮捕もされず、娘と恋人と和んでいる。嗚呼、見なければよかった。(柴田)

「96時間/レクイエム」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B015F1A53K/dgcrcom-22/


●カノン私も好きです〜。バロック音楽の流れる、お高いものの長居しても嫌がられない内装も素敵な喫茶店があって、たまに行ってました。

/ある駅のファミマ。大きなファミマだと、オリジナルアイスコーヒーが飲みたかったら、冷凍コーナーのカップ入り氷をレジに持って行くのだが、その駅のファミマは小さくて、冷凍コーナーは見当たらず。

レジで注文したら、年配の女性店員さんが、レジ下から蓋を取って渡しながら、「1番を押してください。」と言った。

機械のボタンにシールが貼られていて、1番は標準サイズのアイスコーヒー用。全部覚えているのだろうな。さすがすぎるわ〜。迷ったり失敗するお客さんがいたら混雑するもんね。続く。(hammer.mule)