はぐれDEATH[53]はぐれの歪んだ原チャ愛/藤原ヨウコウ

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●シニアの原チャが一番危険

最近、ボクが使う言葉に少々自信がなくなってきたので、一応断っておくが、「原チャ」とは「原動機付自転車」(原動機付チャリの略)である。

要はチャリにエンジンがついているだけの代物なのだが、一般市場ではスクーター型がメイン。他は郵便屋さんが乗ってくるあのバイクだ。

タイプは色々あるようだが、まさかボクが35年ぶりに乗る羽目になるとは思ってもみなかった。バイクそのものは20年ぶり。交通法規も変わっているようだし、そもそも交通状況が昔とは遥かに違う。

最初は自分の運転にビビっていたのだが、慣れてくると周りを見る余裕が出てきて、更に恐怖倍増。みんな無茶苦茶やんか……。

特に怖いのは他の原チャだ! しかもシニア層が一番危険。「交通法規知ってるのか?」というような、怖い運転をする人が多すぎる。





ともかく法定速度(原チャは30km/h、お目こぼし速度が40km/hぐらいまで)を無視して、強引な追い抜きをしてくる。その後ろから、自動車が猛スピードで来てるのにですぞ!

ちなみにボクは、法定速度厳守派です。おねえちゃんが生まれるまでは、そうでもなかったのだが、おねえちゃんが一緒に自動車に乗るようになってから、めちゃめちゃ神経質になった。

スピード違反で捕まるのよりも、事故る方がずっと怖かったからだ。スピードは出さない方が、危機回避は容易になる。この辺は以前にも書いた気がするし、免許保持者なら更新時の講習で毎回言われているはずなので省く。

原チャの法定速度については、かなり以前から速度をあげることが議論されているようだ。「公道を30km/hで走るのは逆に危険」というのが、その理由の最たるものらしいが、原チャですよ、原チャ。

エンジンが付いているだけのじ・て・ん・しゃっ! 免許だってその程度のレベルで取れるようになっている。最高速度を上げるなら、免許取得の手続きそのものだって、それなりにハードルをあげて欲しい。

「オートマ限定自動車運転免許証」なるものが存在するようじゃ、期待できませんが。

とにかく、べったり道路の左隅を走るようにしているのだが、それでもいつ事故に巻き込まれるか分からないくらい怖い。

で、左隅を走ってると、今度はチャリの脅威が!!!

信号無視は日常茶飯事で、飛び出すわ、走行車線で逆走するわ、よろけるわ(これを細い路地でやられるとかなり怖い)。チャリに限った話じゃないんですがね。他の歩行者や自動車、バイクも似たりよったり。

どれだけ向こうが悪くても、歩行者・自転車相手に事故ったら、こっちの責任になるのが道路交通法である。特にチャリ、危険すぎる……。

とにかく、突っ込みどころ満載の公道なのだが、数え出すとキリがないのでパス。ああ、もちろん自動車もかなりヤバいです。

歩いてるだけでも十分怖いのだが、これが原チャとなると危険度は一気に上がる。本来こうした危険性や、公道を利用する人(歩いていようが、チャリだろうが、バイクだろうが…)の安全を可能な限り確保するために道路交通法があるはずなのだが、上述したように、そもそも道路交通法を本当に知っているのだろうか、と疑いたくなるような免許所持者が多すぎる。

自動車を手放して、もう二度と内燃機関式のモノを運転・操作することはないだろうと思っていたのだが、まぁワケあって原チャに乗らざるを得なくなった。この辺の事情は、別ネタとしてまたいつか。

●機械任せは大嫌い

一番厄介だったのは、「どんな原チャに乗るか」という、ごく初歩的なところ。

以前にも書いたが、ボクは何もかも機械任せにするのが大嫌いである。だから、原チャ選びにはかなり困難を伴ったのは言うまでもあるまい。

セルモーターだけなど論外でキックペダルは必須、電子制御のキャブ(キャリブレター)やインジェクション(共にエンジンに燃料を気化して送り込む装置)などボク的にはあり得ない。なにしろ、バッテリーですら懐疑的なのだ(どこまでやねん)。

もちろん、バイクでもオートマは丸っきり信用していないので、クラッチレバーで操作するミッション。

ここで既にスクーターは脱落。一応、ヴェスパという選択肢もあるのだが、このバイクのミッション系は、どうも苦手なのだ(どこまで我が儘やねん)。

カブ系はクラッチがないのでこれまたアウト。

一応、125ccクラスまでチェックしたのだが、ボクが乗っていた頃と違って、中古なのにべらぼうに高い。何しろボクのバイクのレートは「原チャは3万、125ccは7〜8万」という感覚だったので(いつの時代や)とにかく値段でびっくりした。

で、どうにかこうにか発見したのが「この子」だ。参考までに、以前乗っていたROVER MINIの写真も付け加える。この子達を見れば、ボクの趣味は大方予想できると思う。もちろん見た目重視です(笑)

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ちなみにこれが本来の姿です。バイクの外観は簡単に変わっちゃうからなぁ。

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セルモーターなどという、無粋なモノは付いていない。キック・オンリー。吸気系は完全な物理式キャリブレーターな上に、いきなりこんなん。ノーマルよりも大型でむき出しで、ほとんどヴィンテージといってもいいほどアナクロなブツである。

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さすがにMINIのエンジン周りの写真は省く。まず写真が見つからなかった(笑)更に極端にマニアック過ぎるカスタマイズをしているので、見せてもきっと誰もワケ分からない(爆)

吸気系が強いので、エンジンの内燃室に送られる空気と燃料はもちろん多くなる。どうも色々いじくっているようなのだが(他の部分もそうだが買った時からこうなっていて、前のオーナーさんが改造してたようだ)、低速トルクが恐ろしく太い。2速で坂道発進は余裕である。

エンジンの形状を見ていただければ分かる方も多いと思うのだが、要はビジネス・ユースのエンジンである。ホンダならスーパーカブ。ボクのはヤマハだからメイトか?

この手のエンジンのカスタムパーツは実は多い。特にカブ系。掘り出すとキリがない上に、またまたマニアックな話になりそうなので端折る。

昔乗っていたROVER MINIもそうだったのだが、なぜかボクが選ぶと低速トルクがノーマルよりも太いという、ワケの分からない法則があったりする。大学時代のダックスも大概だった(このエンジンは完全にカブの流用だ)。

で、実はギアがもう一つ(いや、この子なら二つぐらいいけそう)欲しい。4速なのだが5速まであれば、エンジンに法定速度で最適で、負担が最も少なく快適な状態をキープ出来そう。これはMINIの時もそう思った。さすがにMINIでこれをやると、とんでもない出費になるので諦めましたが。

ご覧のようにメーターはスピードメーターだけなので、具体的なエンジン回転数は分からないのだが(タコメーターのちっこいヤツでも増設するか?)、エンジン音を聞いている限り、2回目のトルクの山を越えたところが、どうも最適な回転数な気がする。

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これがメーター、ハンドル周り。小さい頃のおねえちゃんが写っているのはご勘弁いただきたい。基本、自分の自動車の写真は撮らないし、ボクが写しているのはおねえちゃんであって、自動車はおまけなのである(笑)

それでも、この写真を発見するのに半日以上かかった。おねえちゃんとももち(猫)の写真は、めちゃめちゃ撮ってるからなぁ。

どちらのハンドルも完全に後付け。特にMINIの方は、あえてオリジナルのハンドルよりも、径が小さいのにした。肩幅より広いステアリングはどうも気持ち悪い。

その分ハンドリングは重くなるのだが、これは素直に筋力が付けば問題ないので(実際そうだったし)感覚重視である。で、バイクの方だが、将来的にもう少し狭めたい。気持ち広いのだ。この違和感が気になる。

排気系、どちらもオリジナルからは程遠い。極端に分かりやすいのがマフラーだろう。

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トルクの太さを生み出すのは、吸気系だけではない。あくまでも全体のバランスの賜物なのである。

それはともかく、吸気・排気をいじると軽いバック・ファイアが時々起こる。燃焼しきれなかったガソリンが、排気の時にマフラーの先端で「パンッ!」とかいうヤツだ。

と、分かったようなことを言ってるが、ほとんど前のオーナーさんのカスタマイズ(笑)

機械式のいいところは、壊れたり調子が悪かったりした時、原因を特定しやすい点にある。機械式でも電気系はあるが、ライト類は球が切れたかどこかで断線しているの二択。ああ、ヒューズが飛んでる時もあるな。

エンジンが掛からない時は、ガソリンがないかプラグが馬鹿になってるか。アイドリングを上げたければ、マイナス・ドライバー一本で簡単にできる。

しつこいようだが、チャリにエンジンが乗ってるだけなのだ。チェーンが外れたらすぐに直せるレベルじゃないと話にならん。バッテリーが上がってエンジンが掛からない、などというのは論外である。

電子制御技術は相当進んでいるみたいだし、バイク屋のお兄ちゃん達も「いや、そこまで神経質にならなくても大丈夫ですよ」と言ってくれたし、実際そうなのだろうがボクの経験値はあくまでも20年以上前のそれであり、現代となると浦島太郎状態なのだ。

その上、なにかと注文が多すぎる。ハタから見れば了見の狭いおっさんなのだろうが、いくら最先端技術を使っていようが、納得できないモノに無条件に安心を感じるような自信家ではない。とにかく譲れないモノは譲れない。予算も著しく制限がある。

だから、たかが原チャを一台探し出すのにめちゃめちゃ苦労したのだが、これはもうしゃぁない。

まぁ、とにかくイチイチ面倒くさい人だとしみじみ思う(笑)


【フジワラヨウコウ/森山由海/藤原ヨウコウ】
YowKow Fujiwara/yoShimi moriyama
http://yowkow-yoshimi.tumblr.com